湯沢市の食糧費訴訟

 毎日新聞秋田県版サイトは、6月4日に「湯沢市 公金支出訴訟 返還請求を棄却 地裁判決 /秋田」〔山本康介、佐藤伸〕を掲出。記事は、湯沢市の公金支出は不適切だとして、市民団体「湯沢生活と健康を守る会」の会員が返還を求めた住民訴訟の判決で、秋田地裁が3日、市主催の懇親会に支出された食糧費5万9815円は違法ではないとして、斉藤光喜市長らに食糧費を返還させるよう求めた請求を棄却したと報じる。原告側が起こした6訴訟で2件目の判決だが、1件目は原告勝訴で市側が控訴しており、判断が分かれたと記事は伝える。この事案は、25年11月30日〜12月1日、市出身の書道家の作品が寄贈された謝礼として湯沢市が関係者を招待し支出した懇親会費についてのもので、判決は、懇談会の主催者は市長ではないから、市長の交際費でなく食糧費から支出したことは相当とした上で、夕食代が1人9000円以上だったことなどから「支出の相当性は検討の余地がある」としたという。

副市長へのタクシー代金支出の返還請求を勧告

 さきがけWEBが26年12月21日に掲出した「タクシー代1万5千円の返還勧告、湯沢市監査委員」は、秋田県湯沢市の阿部賢一元副市長が25年度に利用したタクシー代金3件、総額1万5千円について、私的使用であり公費支出すべきでなかったとして、市監査委員が22日、斉藤光喜市長に代金を返還するよう勧告したと報じる。私的使用を指摘されたのは25年11月13日、同24日、今年3月26日の3件、いずれも湯沢市内から自宅がある皆瀬地区までで各5千円で、11月13日は仙台市で行われた観光キャンペーンからの帰路でタクシーを利用する理由がなく、他の2件も湯沢市で開かれた会合出席のみで済ませられるのに、会合後にあえて飲酒機会を設けたなどと判断したとの由。監査結果は市長、副市長の移動手段について「専用車の配置をはじめ効率性を考慮した管理体制の再検討を望む」などとしたとのこと。市長、副市長のタクシー利用をめぐっては、請求書に簡素な記述しかなく私的な利用が疑われるとして、市民団体「湯沢生活と健康を守る会」が監査請求していたとか。

堺市の政務活動費について返還請求を勧告

 産経WESTが26年12月26日に掲出した「堺市議3人に政活費412万円返還勧告 人件費など市監査委員が勧告」は、堺市議5人の平成25年度の政務活動費に違法な支出があるとして返還を求める住民監査請求があり、市監査委員が26日、市議3人に人件費など計約412万円の返還を求めるよう市長に勧告したと報じる。監査結果によると、佐治功隆市議(自由民主党・市民クラブ)は雇用している3人のうち2人を後援会活動などに従事させており、人件費164万8500円の支出は政務活動費として認められないとし、小林由佳市議(大阪維新の会堺市議団)も、4人の給与やアルバイト代などの人件費約247万3300円について政務活動に関する支出と認められなかったとか。このほか、政活費で支払った青年会議所の年会費相当約10万7千円を返還した市議について、利息約2900円の返還請求を勧告し、タクシー代や菓子代などを取り消し、利息を含む約8万8千円をすでに返還した市議と、別の市議には違法性は認められないと判断したとのこと。

公表資料:政務活動費の返還請求について(PDF:975KB)

政務調査費を充当した議員の旅行

 読売オンライン山梨ページが5月27日に掲出していた「「県議旅費」監査請求棄却」は、県議の海外研修が「観光目的の旅行」として、山梨県市民オンブズマン連絡会議が横内知事に対して計約831万円の旅費を県議らに返還請求するよう求めた住民監査請求で、山梨県監査委員が26日、請求を棄却し、同連絡会議に通知したと報じる。住民監査請求は3月に提出されたもので、同連絡会議は、 24~25年の間に県議ら計14人がフィンランドやノルウェー、シンガポールやタイなどで行った視察計4件について、「単なる観光と何ら変わらない」 などとし、政務調査費を用いることは違法として、横内知事に対して旅費などを全額返還させるよう求めたとの由。県監査委員が通知した結果によると、シンガポールとタイの視察 については、「日本政府観光局シンガポール事務所の職員らと面会。政治、経済状況のブリーフィングを受け、誘客について県への提案等をいただいたと記載さ れるなど、調査目的は観光振興に関連するものと考えられる」とするなど、監査対象となった4件全てで妥当性を認めたとか。結果を受け、2件の視察に参加した県議会の棚本邦由議長は「妥当な判断と受け止めている」というコメントを出し、一方、同連絡会議の代表委員(57)は「最高裁の棄却決定の趣旨をくみ取っておらず、認められない」と話しており、住民訴訟の可能性については「メンバーと話し合って決める」としたと記事は伝える。県議の旅費返還請求を巡っては、21~22年に韓国などへの研修や視察計4件について、最高裁が19日付で県の上告を棄却しており、横内知事に計約850万円全額の返還請求を命じた東京高裁判決が確定している経緯がある。

公表資料:監査の結果(PDF:158KB)

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返還しない県議に対して訴訟を提起した和歌山県

 和歌山放送ニュースが5月23日に掲出していた「県・政務調査費未返還の元県議を提訴」は、政務調査費を返還するよう命じた住民訴訟の判決が確定したにもかかわらず、返還に応じていない元・県議会議員の男性に対して、和歌山県は、地方自治法に基づき、23日に和歌山地方裁判所に、未返還分108万円と延滞金を返還するよう求める訴えを起こしたと報じる。提訴されたのは、旧・那賀郡選出で、15年4月から19年4月までの1期4年間務めた元・県議会議員で、県議会議員に政務調査費の返還を求める住民訴訟は、ことし2月14日に判決が確定しており、裁判所が現職と元職あわせて39人に返還するよう命じたことを受け、38人は既に返還に応じたが、元県議だけが返還していないため、県が地方自治法に基づいて同氏を提訴し、政務調査費108万3905円と遅延延滞金の返還を改めて求めたとの由。同氏は県に対して「支払う意志はあるが、資金がない。恥ずかしい話だが、県に対して申し訳ない」と話していると記事は伝える。

賠償請求権放棄議決は合理的であれば有効

 NHKニュースが4月28日に掲出した「「不合理な議決ではない」住民の敗訴確定」は、住民訴訟で東京・檜原村の村長に命じられた賠償金を村議会が判決後に求めないと議決したことが妥当かどうか争われた裁判で「不合理な議決ではない」と住民の訴えを退けた判決が最高裁判所で確定したと報じる。東京・檜原村の村長は、村の元課長を嘱託員として再雇用したことを巡る住民訴訟の結果、支払った手当750万円余りを村に賠償するように命じられたが、この判決のあと、村議会が「賠償請求の権利を放棄する」という議決を行ったため、議決が妥当かどうかで再び裁判となっていたが、1審が「違法で無効だ」とし、2審が「全体の状況を考慮していて不合理な議決ではない。村の財政への影響も限られる」として議決を認めたため、住民側が上告していたとのこと。最高裁判所第1小法廷の横田尤孝裁判長は、28日までに上告を退ける決定をして住民側の訴えを退け、議決を認めた判決が確定したとのこと。住民訴訟で賠償を命じられた自治体のトップに、議会が支払いを求めないケースは各地で起きていて、最高裁は、おととし一定の条件をつけたうえで、請求権を放棄することを認める判断を示しているとの由。

滝川市の生活保護不正請求看過問題は控訴審で確定

 北海道新聞サイトが4月25日に掲出した「滝川保護費訴訟、1億3500万円請求命じる 前市長の責任は認めず、札幌高裁」は、滝川市が18~19年、市内の夫婦に生活保護費の介護タクシー代約2億3900万円をだまし取られた問題で、市民グループが前田康吉市長に対し、当時の市幹部5人に全額を賠償させるよう求めた住民訴訟の控訴審判決が25日、札幌高裁であり、裁判長は担当部門の責任者2人の賠償責任を認めた一審札幌地裁判決を変更し、担当者3人に計1億3500万円を請求するよう前田市長に命じたと報じる。田村弘前市長ら残る2人の責任は認めなかったとも。25年3月の一審判決は、5人のうち当時の福祉事務所長と福祉課長に総額9800万円を支払わせるよう前田市長に命じていたが、控訴審判決は福祉課長の後任者の責任も認め、賠償請求額を増額したとの由。
 北海道新聞サイトが5月10日に掲出した「北海道・滝川市、保護費訴訟で上告せず 損害賠償請求権を放棄へ」は、滝川市が巨額の生活保護費を元暴力団員の男と妻にだまし取られた問題をめぐる住民訴訟の控訴審判決で、元担当職員3人に約1億3500万円の損害賠償を請求するよう命じられた前田康吉市長が9日、最高裁に上告しないことを決めたと報じる。不正受給額の補填について市は「組織の責任」として、全職員の給与削減などで終えていることから、損害賠償請求権の放棄を検討すると記事は伝える。原告団も上告を見送るが、請求権放棄については「住民訴訟の意義を形骸化する」と反対しているとか。双方の上告見送りで判決は13日に確定する見通しで、市はこれを受けて6月までに市議会に請求権放棄の議案を提出するとみられると記事は伝える。前田市長は上告断念の理由について「(憲法解釈の誤りなど)民事訴訟法で定める上告理由が見いだせない」としているとのこと。

八ッ場ダムの訴訟が続いている

 日経サイトが3月25日に掲出した「八ツ場ダム訴訟、茨城の住民も二審敗訴 東京高裁」〔共同〕は、国が建設を進める八ツ場ダム(群馬県長野原町)の事業費を負担するのは違法だとして、茨城県の住民が県に支出差し止めを求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁が25日、請求を退けた一審水戸地裁判決に続き、住民側全面敗訴を言い渡したと報じる。16年に利根川流域の1都5県で起こされた住民訴訟の一つで、二審判決は今年1月の栃木訴訟に続き4例目だが、いずれも住民側が敗訴しているとのこと。他の2地裁でも住民側が敗訴し、東京高裁に控訴しているとか。

彦根市監査委員は権利不行使は違法と認定

 京都新聞サイトが2月25日に掲出した「中止の彦根市史、年内刊行を勧告 市長に監査委員」は、滋賀県彦根市が市史「新修彦根市史」の第4巻「通史編 現代」発刊を中止したのは違法、不当として刊行を求めた住民監査請求で、市監査委員が、同巻を書籍として年内に刊行するよう、大久保貴市長に勧告したと報じる。監査結果によると、市の市史編さん大綱と執筆委託契約は出版を前提としているとし、市が公金を支出して取得した原稿の出版権を行使しないのは違法に財産の管理を怠っていると認定したとのこと。必要な調整を行って書籍として刊行するよう勧告し、期限を12月末としているとか。市が執筆した学者6人に支払った執筆料など766万円の返還は、請求期間を過ぎているとして認めなかったとも。請求者は「税金を無駄にしてほしくないとの思いが伝わり、喜んでいる。一日も早い刊行を求めたい」と話しており、大久保市長は「意外な監査結果だ。民事調停に入っているので、弁護士と相談しながら今後の対応をとる」としているとか。同市史第4巻は、市が20年に執筆委託契約を結び、原稿引き渡し後の22年3月に執筆料を支払ったが、修正をめぐり執筆者と折り合いがつかないとして昨年10月に刊行中止を決めているとのこと。執筆者側は昨年12月、刊行を求める民事調停を彦根簡裁に申し立てているとも。

県教委が副読本を選定することに反対する住民訴訟

 読売サイト九州ページが1月30日に掲出した「熊本県立中の副読本巡る訴訟、住民側の請求棄却」は、熊本県立の宇土、八代両中学校で公民の副読本として、育鵬社版「新しいみんなの公民」を県が購入したのは違法だとして、熊本市の市民団体代表らが、蒲島知事と前県教育長らを相手取り、購入費12万704円の返還を求めた住民訴訟の判決が29日、熊本地裁であり、裁判長は「教材選定に違法性はない」として、請求を棄却したと報じる。原告の「教科書ネットくまもと」は、県教委は副教材を一方的に決める権限がないのに違法に選定した、などと主張しており、控訴する方針とか。
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