特定秘密保護法が検査の支障にならない様な通達

 NHKサイトが27年12月8日に掲出した「特定秘密保護法に憲法上の問題点 会計検査院が指摘」は、25年に特定秘密保護法が成立する前に、会計検査院が、法案を作成していた内閣官房に対して、特定秘密の指定を理由に検査に必要な文書が提出されない事態が生じると、憲法で規定された会計検査院の検査に支障が出るとして、憲法上の問題点を指摘していたと報じる。特定秘密保護法は、特に秘匿が必要な安全保障に関する情報などを特定秘密に指定するもので、会計検査院によると、法律の成立前の25年9月、会計検査院の検査に必要な文書を国の省庁が特定秘密の指定を理由に提出しない事態が生じると、憲法90条の「国の収入支出の決算はすべて毎年、会計検査院が検査する」との規定に反し、憲法上の問題となると、法案を作成していた内閣官房に指摘したとのこと。これに対し内閣官房は、特定秘密であっても会計検査院が必要な文書は提供するよう各省庁に求める通達を出すとしたものの、法律が成立してから2年がたった現在も通達は出されていないとのこと。これについて内閣官房の内閣情報調査室は、「秘密保護法によって検査に支障が出ることは考えられない。通達は適切な時期に出す」としているが、一方、会計検査院は「これまで検査に支障は出ていないが、早く通達を出してほしい。通達が出たあとに法律を理由に検査が滞れば、条文の修正などを求めることを検討する」としているとか。

 朝日サイトが27年12月8日に掲出した「秘密法「憲法の規定上問題」 会計検査院が成立前に指摘」〔磯部征紀〕は、25年12月に成立した特定秘密保護法をめぐり、会計検査院が「特定秘密を含む文書が検査対象の省庁から提出されない恐れがあり、憲法の規定上問題」などと内閣官房に指摘していたことが、検査院への取材でわかったと報じる。内閣官房は施行後も従来通り検査に応じるよう省庁に通達を出すとしたが、出されていないとか。同法は、秘密を指定した行政機関が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある」と判断すれば、国会などへの秘密の提供を拒めると規定しており、一方、憲法は国の収入支出の決算はすべて、毎年検査院が検査するとしており、検査院は25年9月、同法の原案について、検査対象の省庁から必要な文書の提供をされない懸念があるなどと内閣官房に指摘し、修正を求めたが、内閣官房は「検査院と行政機関で調整すれば提供は可能」として応じなかったとか。同年10月、両者は「秘密事項について検査上の必要があるとして提供を求められた場合、提供する取り扱いに変更を加えない」とする文書を内閣官房が各省庁に通達することで合意したが、法成立後2年経った現在も通達は出されていないとの由。検査院の法規課は「内閣官房には約束通り通達を出してもらう必要がある」としていると記事は伝える。内閣官房内閣情報調査室は「憲法上の問題はない。通達は適切な時期に出す」としているとか。

秘密保護法と憲法90条

 西日本新聞サイトは12月8日に「秘密保護法、調査に支障と指摘 会計検査院「憲法上問題」」を掲出。
 記事は、特定秘密保護法の成立前の25年9月、会計検査院が、秘密指定を受けた書類が各省庁から提供されなくなる可能性があり、国の支出入全てを検査すると定めた憲法の規定上、問題があるとの懸念を内閣官房に伝えていたと報じる。秘密保護法は同年12月に成立しているが、特定秘密を指定した行政機関が安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがあると判断すれば、秘密の提示を拒むことができるとしており、一方で、憲法90条は検査院が毎年、国の収入や支出の決算を全て検査すると明示していて、検査院法も、検査院が書類の提出を求めた場合、応じなければならないとしているとのこと。

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指摘を免れた事業未実施

 信濃毎日新聞サイトが2月4日に掲出した「県、不正表面化避ける意図 大北森林組合に会計検査前の間伐促す」は、大北森林組合(大町市)による森林整備関連の補助金不正受給問題で、大北地域を管轄する県北安曇地方事務所の加藤邦武林務課長が3日、信濃毎日新聞の取材に応じて、昨年4月に間伐が終わっていないことが分かったのに、補助金の交付決定を取り消さずに間伐を急がせた理由の一つとして、「(昨年5月に予定された)会計検査院の検査前に何とかなるとの思いがあった」と述べ、不正受給の表面化を避ける意図があったと明らかにしたと報じる。同課は昨年4月時点で間伐が終わっていないことを県林務部にも報告していたとのこと。同部森林政策課の小田切昇課長は「やっていない間伐が見つかり、速やかに間伐するのがベストと考えた。補助金交付を取り消し、返還を求めるべきで、対応が不適切だったのは明らか」と説明しており、不正受給の表面化を避けようとしたことについては「(県総務部などでつくる)調査班が調査している」としたとか。加藤課長によると、北安曇地方事務所林務課は会計検査前月の昨年4月、検査対象になり得る過去の事業を点検して、同組合に間伐の進み具合を確認し、終えていないことが分かり、同組合が間伐を続ける意向を示し、間伐を急ぐよう促したとか。加藤課長は「下請け業者を含めて大勢で作業すれば、検査前に何とかなるだろうという思いもあった」と釈明しており、「モラルの欠如があった。批判は受けないといけない」と話したと記事は伝える。昨年5月に会計検査院が長野県に対して実施した検査では大北地域の造林事業も対象になったが、現地調査は行われず、不正受給の問題は指摘されなかったとか。同組合は22~25年度に森林作業道と間伐造林の県の補助金を少なくとも2億2190万円不正受給しており、このうち間伐造林は1億6300万円、森林作業道整備は5889万円を不正に受け取ったとか。県は昨年12月19日に部局横断の調査班を設置し、ほかにも不正受給があったとみて関係者への調査を進めているとの由。

無筋の排水ボックス

 BPニュースセレクトが2014年12月24日に掲出していた「沈砂池が設計ミスで強度不足 長崎県の農業基盤整備」〔フリーライター 奥野慶四郎〕[ケンプラッツ 2014年12月24日掲載]は、会計検査院が25年度の「決算検査報告」で、長崎県が農業基盤整備事業で築造した沈砂池の設計ミスを指摘したと報じる。沈砂池内部に設けた排水設備が強度不足であり、排水設備が損壊した場合は沈砂池そのものが機能を果たせなくなる恐れがあるとし、そのうえで、沈砂池の整備に掛かった工費約484万円のうち、補助金に相当する約266万円を不当としたとのこと。この事業は、同県が2012年度に農林水産省の国庫補助金を受けて、同県島原市宇土山地区で実施したもので、農機の効率的な運用や農作物の品質・収穫量の向上を図るため、区画整理工事や排水路工事、沈砂池などの築造工事を行っているが、設計ミスが判明した沈砂池は、排水路の途中に石積みブロックで築造したもので、降雨時などに農地から流出した土砂を一時的に堆積させ、排水路下流に土砂が流れ出るのを防ぐ役割を果たす構造物だとか。沈砂池の内側に、堆積した土砂をせき止めて水だけを流す「排水ボックス」を設置しており、排水ボックスは無筋コンクリート製で、寸法は幅1.8m、長さ2m、高さ1.8mと記事は伝える。長崎県は沈砂池の設計を外部の設計者(以下、設計者)に委託し、設計者は、農林水産省構造改善局が監修した「土地改良事業標準設計農地造成(解説書)」(以下、解説書)などに基づき設計しているとの由。沈砂池の容量は、準拠した解説書などの指示に従って、当該農地の土砂流失量を算出して決定しており、排水ボックスの設計では、沈砂池内に堆積する土砂の高さを考慮して側壁の高さを決めていて、排水ボックスの構造については、解説書などに標準的な設計方法の指示はなかったことから、排水路の集水升と同様の小規模構造物として想定し、県は集水升の構造について、無筋コンクリート製を標準仕様にしているため、設計者は排水ボックスの構造をこれにならって設計し、応力計算も行わなかったとか。そして、成果品を受け取った県は、これらの設計に基づいて施工したとのこと。ところが会計検査院の実地検査で、沈砂池内の土砂が排水ボックスの側壁天端まで堆積することになっていて、側壁の強度設計に土圧を考慮するのが必須の状況だったことから、問題の排水ボックスは設計上、応力計算が必要だったことが明らかになったとか。検査院は、土圧を考慮したうえで改めて応力計算を実施し、側壁に生じる引張応力度は0.38N/mm2(平方ミリメートル)で、無筋コンクリートの許容引張応力度の0.29N/mm2を大幅に上回っており、応力計算上、安全とは言えない状況になっていたとのこと。この検査結果から会計検査院は、問題の排水ボックスは設計上の誤りがあり、所定の安全度を確保できていないと断定し、排水ボックスが損壊して土砂が排水路下流に流出すれば、排水路が詰まったり、沈砂池が本来の機能を発揮できなくなったりする恐れもあるとし、工事の目的を果たしていないと結論付け、さらに、県は排水ボックスの設計に対する理解が浅く、設計者が納めた成果品の誤りを検査でチェックできなかったことがこうした事態を招いたと指摘したと記事は伝える。

公表資料:沈砂池に設置されている排水ボックスの設計が適切でなかったもの

日本私立学校振興・共済事業団の宿泊施設に関する統制不全

 時事ドットコムが7月8日に掲出している「私学共済の宿、経営改善求める=累積赤字120億超-会計検査院」は、日本私立学校振興・共済事業団が運営する宿泊施設で120億円超の累積赤字が生じ、経営改善の努力も不十分だとして、会計検査院が8日、「宿泊事業の意義や採算性を踏まえた見直しが必要」などの意見を付け、同事業団に改善を求めたと報じる。同事業団は、私立学校の助成や教職員の共済事業を行っており、国は24年度末時点で1003億円余りを出資しているが、検査院によると、全国16カ所にあるホテルや保養所の大半で損益分岐の指標を大幅に下回る採算性が低い運営が続いており、累積赤字は24年度末で約121億5700万円に上っているとのこと。

公表資料:「日本私立学校振興・共済事業団の宿泊施設の運営について」(PDF形式:177KB)

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会計検査による是正効果の額

 NHKニュースが6月30日に掲出した「会計検査院 むだ削減3400億円」は、会計検査院が去年9月までの1年間に削減できたとするむだな税金の総額が、過去3番目に多い3400億円に上ると報じる。会計検査院は、国の中央省庁や自治体、それに公益法人などを対象に、補助金の不正経理やもらい過ぎなど税金のむだ遣いがないか検査し、1年間の成果を試算して公表しており、これによると、去年9月までの1年間に会計検査院の指摘によって削減できたとするむだな税金の総額は、過去3番目に多い3467億円に上ったとのこと。このうち、国の補助金を受けて公益法人などに設けられた4つの基金で、資金の支援を行っていた企業が設備投資などを終えて使う見込みがなくなったのに、資金がそのままになっていたとして、447億円を国に返還させており、こうした公益法人に設置された基金から使う見込みがなくなった資金を返還させたケースは、全体の48%に当たる1544億円に上り、最も多くなったとか。次に多かったのは、公共工事や社会保険などの事業に関わる国の特別会計に多額の余剰金があるのに、それを使わずに予算が必要だと一般会計で要求していたものを減らしたケースで、全体の35%に当たる1121億円あったと記事は伝える。

公表資料:検査報告等に関する財務上の是正改善効果(25年試算)について

地方公務員の特殊勤務手当第2回

 日経サイトが4月23日に掲出した「地方公務員の二重払い手当36億円 会計検査院、11年度調べ」は、会計検査院が23日、23年度の地方公務員の特殊勤務手当などに関する実態調査をまとめたと報じる。15道府県と174市町村を調べたところ、給与などと重複する「二重払い」の手当が約36億円あり、21年に廃止された自宅所有者への住居手当も約125億円に上っているとか。国家公務員に認められない手当や特別休暇なども多く、検査院は必要性の検討や制度の見直しなどを求めていると記事は伝える。調査は16年度の実態を調べた前回調査(18年発表)に続き2回目で、特殊勤務手当の総額は約17%減の約570億円だったが、千葉県や福岡県など71自治体で前回より増えているとか。検査院は、基本給などと別に支給される特殊勤務手当について、(1)国家公務員にはない手当、(2)給与などと内容が重複する「二重払い」の手当、(3)日割りなどが適当なのに月額で支給される手当、に3分類し、(1)は約354億円と前回より22%増える一方、(2)が約36億円、(3)は約136億円でいずれも減少したとしているとか。「二重払い」では保健所の勤務医らに対し、給与とは別に「医師研究手当」を支給するケースなどが目立っているとのこと。自宅所有者への住居手当は、調査対象の自治体の約58%が23年度も存続させており、千葉県や大阪府など5府県では人事委員会が廃止勧告したにもかかわらず続けていたとか。

公表資料:地方財政計画及び地方公務員の特殊勤務手当等の状況について

原発新設に備えた基金に対する指摘

 東京新聞サイトが12月15日に掲出した「原発新設資金 8割温存 検査院の削減指摘」〔上野実輝彦〕は、原発新設のため経済産業省資源エネルギー庁が積み立てている資金が、東京電力福島第一原発事故後に会計検査院から大幅削減を求められながら、現在も八割程度が残っていると報じる。検査院の意見に法的拘束力はないものの、省庁は指摘に従って予算の使い方や制度を改めるのが通例であり、エネ庁は指摘を軽視し、資金を温存したと記事は評する。問題の積立金は「周辺地域整備資金」といい、原発を新設する際、地元自治体への支払いに充てるお金で、国民が電気料金を支払う際に納める電源開発促進税が財源になっているとのこと。エネ庁は原発事故後の23年度当初も新設する原発が14基あると見積もり、1231億円を積み立てたが、その後、このうちの5百億円は原発事故対策費などに充てるため一般会計に繰り入れられていたところ、検査院は、事故により原発新設を見直す動きがあることなどを理由に、資金は14基中3基分しか必要ないと主張し、23年10月には、残りの731億円のうち、当面必要な額は73億円程度で、650億円余を減らせるとの報告をまとめたとの由。エネ庁は指摘を受けた後、資金の積み増しをやめて支出しかしていないが、25年度当初で資金は589億円も残り、検査院が求めた大幅な削減はできていないと記事は評する。検査院が資金の必要な原発の選び方も見直すよう求めても、エネ庁は資金を使う対象となる原発の数を従来の基準で決めているとか。エネ庁電力基盤整備課は「指摘を受けた後は資金を積み増していないし、額そのものは減っている。資金対象の原発の選び方を変えていないのは、原発を新設するかどうか、具体的な政府の方針が決まっていないためだ」と説明していると記事は伝える。

公表資料:エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金について、当面の間は資金残高の規模を縮減させるとともに、今後需要額の算定が必要となる場合には積立目標額の規模を見直すなどして、当面需要が見込まれない資金を滞留させないような方策を検討するよう意見を表示したもの(平成22年度決算検査報告)
エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金の状況について(平成23年度決算検査報告)
エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金の状況について(PDF形式:88KB)(平成24年度決算検査報告)

施工図の誤りによって高低差のある道路

 ケンプラッツが12月5日に掲出した「12年度会計検査報告 道路改修ですり付け位置が不適切、路面に高低差」〔奥野慶四郎=フリーライター [日経コンストラクション]〕は、道路の改修工事でオーバーレイ工法を採用したが、図面ではすり付け部が車線の中央付近に設定されていた。その結果、路面に数センチメートルの段差が発生、と会計検査院の24年度決算検査報告で指摘を受けたのは、国土交通省北陸地方整備局新潟国道事務所が発注した「国道113号防災工事」で、同工事の「鷹ノ巣工区」で実施した舗装工事が、路面の目地部の破損や既設コンクリート舗装の摩耗などを補修する内容だが、上下各1車線の本線と、下り車線の外側に設けた県道への連絡車線(以下、付加車線)に、目地材の注入やクラック抑制シートの敷設といった補修を施したうえで、路面に平均厚さ5cmでオーバーレイ工法による改修を実施したところ、会計検査院から、本線と付加車線との幅50cmのすり付け部が付加車線の中央付近に位置しており、その箇所では高さ4.3~5.4cmの高低差が施工延長分の87.7mにわたって生じていたと伝える。寒冷地で冬期の積雪が多いという現場の地域特性を踏まえると、こうした高低差は路面凍結時に自動車のスリップを誘発するなど、安全性を損ない一般交通に支障を及ぼす恐れがあると会計検査院は判断し、また、日本道路協会の「道路維持修繕要綱」が示している本線部分と付加車線とのすり付け部の適切な施工態様や、道路法が規定する道路の構造などにも反していると認定したとの由。同院の検査によると、そもそもの発端はこの作業内容を指示した施工図にあり、施工図は新潟国道事務所が施工範囲などを指示したうえで施工者に作成させ、承諾していたものだったが、この施工図では、本線部分は全幅員分をオーバーレイ工法による改修範囲としていたものの、付加車線部分は、幅員3mのうち本線側の幅1.25mの部分だけを対象にしており、施工者がこれに従って施工した結果、すり付け部の高低差が付加車線の中央付近に生じてしまったとか。会計検査院は、道路管理者として一般交通に支障を及ぼさないようにするという点で、新潟国道事務所の配慮が不十分と指摘し、さらに、同事務所が施工者に指示したオーバーレイ工法の適用範囲が適切でなかったことがこうした事態を招いたと断定し、オーバーレイ工法による施工に関する費用300万円を不当としたとのこと。

公表資料:道路の舗装工の実施に当たり、設計が適切でなかったため、施工した道路の路面に高低差が生じていて、安全かつ円滑な交通が十分確保されていなかったもの(PDF形式:135KB)
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