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検査官任命に国会同意

 NHKサイトは6月5日に「人事官や検査官など参院で同意」として、5日の参議院本会議で、人事院の人事官や、会計検査院の検査官など、国会の同意が必要な7機関・14人の人事案が、いずれも同意されたと伝える。政府は、先月21日、衆参両院に対し、国会の同意が必要な7機関・14人の人事案を提示しており、このうち、人事院の人事官と会計検査院の検査官は、ことし3月に提示した人事案が参議院で不同意となったことから、新たに、人事官に仙台高等裁判所長官の一宮なほみ氏を、検査官に早稲田大学大学院教授の柳麻理氏を、それぞれ起用するというものであり、また、NHK経営委員会の浜田健一郎委員長を経営委員として再任するなど、NHKの経営委員5人の人事案も含まれているとのこと。これらの人事案は、5日に開かれた参議院本会議で採決が行われ、全会一致や賛成多数でいずれも同意されたとか。人事案は、4日の衆議院本会議でも同意されており、これで国会の同意が得られたことになると記事は伝える。

 衆議院議院運営委員会で5月24日に、参議院議院運営委員会で5月28日に候補者質疑が行われているが、最も重要な情報は次の箇所。

 私ちょっと率直に申し上げますけれども、この検査官の候補者ということを受けましたのは新学期が始まってからでございます。新学期が始まってからでございますので、ちょうど授業が始まって一か月ほどのところでこのような推薦を受けたということでございます。
 授業が残っておりまして、私が教育しなければならない責務も大学の方に残っております。そのことにつきましていろいろ私の大学の上司に相談いたしまして、私の今の直接的に責任を持っている学生の単位認定等が完結する時点で辞職をするということで大学当局とはお話をさせていただいておりますし、またそのほかのいろいろな役職等につきましても、もちろん検査官に任ぜられましたら、検査官としての職務、使命に専念することが絶対的に必要だというふうに考えておりますので、その他の職務というものは辞職をするということにしております。考えております。


 検査官が兼務できるはずもないので、検査官就任は学期末まで無理、ということになる。

会計検査院法(昭和22年法律第73号)

第九条 検査官は、他の官を兼ね、又は国会議員、若しくは地方公共団体の職員若しくは議会の議員となることができない。


 これは検査対象団体に所属した場合の利害相反を念頭に置いた規定であり、あらゆる職は会計検査院の潜在的検査対象になることから、あらゆる職との兼務は禁止される。
 5月24日の衆議院議院運営委員会の質疑は次のとおり。

○委員長(岩城光英君) 次に、人事官及び検査官の任命同意に関する件を議題といたします。
 候補者から所信を聴取いたします。
 まず、一宮なほみさんにお願いいたします。一宮さん。
〔略〕
○委員長(岩城光英君) 次に、柳麻理さんにお願いいたします。柳さん。
○参考人(柳麻理君) 柳麻理でございます。
 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼申し上げます。
 まず、会計検査院は、国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関として、国や独立行政法人等の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督するという重要な使命を負っていると認識しております。
 また、会計検査院は、意思決定を行う検査官会議と検査を実施する事務総局で組織されていますが、三人の検査官は、合議体である検査官会議のメンバーとして会計検査院の意思決定にかかわるとともに、事務総局を指揮監督するという大変大きな、重要な職責を負っていると認識しております。
 そして、検査官会議が合議体となっているのは、会計検査院としての判断の公正妥当を確保する必要があるためと承知しており、仮に検査官に任命されるならば、他の二人の検査官とともに、法令や客観的な事実、データに基づいて公正妥当な判断を行うよう常に留意してまいりたいと考えております。
 会計検査の主たる対象は、政府の各種の行政活動に伴う経費支弁やこれら活動の結果による資産、負債などであると承知しております。この点に関連して、私は、国民の全てが重要なステークホルダーである政府にあっては、行政活動において無駄、浪費なく政策目的を効率的かつ効果的に達成することにより、国民に対する受託責任と説明責任を果たすという責務を負っていると考えております。すなわち、財やサービスについて最大の調達能力を持っている政府は、国民に公共サービスを提供する責務を負っております。国民が受け取る便益の観点から、政策目的を効率的かつ効果的に達成するために、より優れた方法を取っているかということについて十分な説明責任を果たした上で、国民のために継続的な改善、改革を実施するという極めて重要な課題を負っていると思います。
 そして、会計検査院としては、このような国民に対して政府が負っている課題を踏まえて、不正経理を根絶するとの意気込みを持って厳正な検査を行うこと、厳しい国の財政状況にも鑑みて、経済性、効率性及び有効性の観点からのいわゆる無駄などの問題を指摘していくこと、政府の説明責任の向上等に資するよう国や独立行政法人等の財務を分かりやすく分析したり、評価したりする検査を充実していくことが重要と考えております。
 私は、昭和五十五年に早稲田大学法学部を卒業後、富士短期大学等で研究、教育の経験を積んだ後、平成十五年から早稲田大学大学院公共経営研究科教授、同政治学研究科教授として、民間企業の管理会計の優れた実務を政府会計に適用することができないかという問題意識を持って研究を行ってまいりました。
 また、この間、政策評価・独立行政法人評価委員会の委員を始めとする政府の審議会等の委員を務めてまいりました。そして、様々な審議会等に関与する中で、無駄、浪費、重複をいかになくしていくかという観点に加え、有効性の観点に基づく政府の政策目的達成というマクロの視点と、効率性の観点に基づく業務の効率的遂行というミクロの視点をいかに統合していくかという点に大きな課題があると考えております。
 仮に検査官に任命されるならば、私は、これまでの経歴の中で培った知識、経験を生かすとともに、国民の皆様の関心の所在や、国会における御審議の状況に常に注意を払うなど国民の目線も大切にしながら、全力を尽くして検査官の職責を担ってまいりたいと考えております。
 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。本日は、このような機会を与えていただきまして本当にありがとうございました。
○委員長(岩城光英君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
〔略〕
○委員長(岩城光英君) これにて人事官候補者に対する質疑を終了いたします。
 一宮参考人に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。
 一宮参考人は御退席いただいて結構です。
 次に、検査官候補者に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西村まさみ君 柳参考人、今日は、お忙しい中お越しいただきましてありがとうございます。
 民主党の西村まさみと申します。
 先ほど一宮参考人にも申し上げました、なかなかこういう機会ってあるようでないと思い、大変御緊張なさっていることと思いますが、是非、リラックスしていただきまして思いのたけを教えてくださればと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 柳参考人の資料、また今までの略歴等を拝見してきて、いろいろなことを、たくさんのことをなさっています。中医協の公益委員をされていたり、また農水省の独法の評価委員会の委員ですとか、そういった一方で大学で教鞭を執っていらっしゃるということもあります。
 まず最初に、今の若者に様々なことを教えてくださっていると思いますが、今の若者についての率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 私は主として大学院で教えておりますけれども、大学院の中には社会人もおり、多様な学生が存在しております。また、私は全学対象の公会計とか公共経営入門という講座を持っておりまして、そこには大学に入ったばかりの様々な学部の一年生から四年生まで在籍しております。その学生たちの姿勢を見ますと、毎年毎年いろいろ変わっておりますけれども、非常に公共に対する感覚というものが芽生えてきているというふうに感じております。
 通常ですと企業に就職するですとかということだと思うんですが、非常に、国とか地方とかというのがどういう仕事をしているんだろうとか、それが自分たちにどのように影響しているんだろうかとか、知らないうちに、朝起きて夜寝るまでの間に公共サービスをどういうふうに受けているんだということを改めて気付いて問題意識を持ったりということで、非常にこの厳しい経済環境の中で、彼らもすごく就職活動等に奔走しておりますけれども、問題意識を持って日本の国のことを考えているのではないかというように彼らと対話をしながらそう感じております。
 非常に素朴な疑問から、いろいろな、私が審議会等で経験したいろいろなケースですとか、官の常識と民の常識とかなり食い違っているところなどを講義いたしますと、非常に関心を持って前向きに聞いてくれる、質問をしてくれるということで、日本の未来は、そういう意味では非常に彼らに託して大丈夫ではないかというふうに思っているところです。
 以上です。
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 それでは、少し検査についてお尋ねしたいと思うんですが、会計検査の基本方針というのは、言わば検査を行うときの観点として、正確性ですとか合規性、経済性、効率性、有効性という五つの視点というのが挙げられます。しかし、やっぱり今の大変厳しい経済財政状況の中から見ると、後段の三つであります効率性とか有効性、経済性の三つというのは特に重要視することとしていますが、本当に大事なことというのは、やっぱり全ての国民の命を守って、最低限の健康的でそして文化的な暮らしを保障する、守るというのが国のいわゆる根幹的な使命ということだと思います。
 そんな中で、やっぱり予算も人材も今の中では限りがあるわけですから、公平に公正に検査をするといっても、何かやはり一つの理念というか信念をきちっと持ちつつ行っていかなければならないと思いますが、参考人は、会計検査院が検査を行う際、この基本的理念というのはどういったところにまず置くべきだとお考えになっていらっしゃるか、教えていただけますでしょうか。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 今御指摘の点は大変重要なところで、今の日本の財政といいますのは、もちろん国民の税金によるところもありますが、将来世代の負担に負っているところも大変大きいということだと思います。
 その中で、やはり、効率的にかつ経済的に政府活動をしていくということに加えて、政策目的、今環境は非常に複雑化して、高齢化も進み、また少子化の状況もございますので、そういった中で政策は目的をどのように達成しているのかという観点が非常に重要であるというふうに思います。
 民間企業では短期的な視点に立って利益を追求するということですので、その面ではコストダウンをしていくということも非常に重要な観点かと思いますが、国の場合には、やはり毎年毎年の収支を、バランスを取っていくということと同時に、非常に、二年、三年、多年度にわたって政策目的を達成するという観点で国民がどのような便益を受けていくのかということについて、尺度を持って効果的に資源が投入されたかということについて検査をしていくということが重要だと思います。
 しかも、会計検査院について伺っておりますと、その会計検査をする人的資源というものも制約がございますので、今現在、財務省の主計局と公会計室等で行われている発生主義情報の会計情報の作成と、それから政策評価・独立行政法人評価委員会等で行われている政策評価などと情報を共有しながら、それぞれの観点で行っている評価というものを総合して、この資源というものを、資源が効率的かつ効果的に使われているのかということについて検査をしていくという観点が重要だと思います。
 長年にわたって税金を投入して形成された資産というものも、非常に省庁間で重複して持っているということもあると思いますので、そのような資産も効果的に使われているのかという観点も重要になってき、そういうことを総合して、非常に限られた時間と資源の中で効果的に国民の目線に立って検査をしていくということが重要な観点であるというふうに考えております。
 以上です。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 本当に、今おっしゃってくださいました国民の視点、国民の観点の側に立ってということは大変重要なことだと思いますので、是非とも今の思いをずっと貫いていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 税金というのは、やはり国民がこの厳しい状況の中で支払っている大切な大事なお金です。ですから、その使い道というのは大変、非常に重要なことであり、それがどのように使われているかということをきちっとチェックしていくということ、これがまさに会計検査院の役目かと思いますが、無駄遣いをしてはいけないということは誰もが、もうそれは国のお金だろうが自分のお金だろうが、誰もが分かっていることだと思います。
 しかし、やっぱり今この無駄遣いに関する、特に国の税金の使い道についての無駄遣いというのがなかなか話題として一向に減らないで、あそこへこういう投資がされているから非常に無駄遣いだとか、あそこに大きな建物が建ってきたからとか、そういった観点で必ず言われるのは、なかなか会計検査院の役割というものが今までうまく機能していなかったんじゃないかという、そんな指摘もあると思いますが、やはり私はその中で一つ、会計検査院自体の規模、組織の規模というのが非常に関係あると思うんですね。
 今、大体検査対象は約三万八千か所ぐらいあるのに対して、現行の検査院の体制で足りているのだろうか、細かいところまできちっとチェックする機能を持つことができるんだろうかということ。それと、特に今、白か黒かはっきりしないとなかなかそこのところに踏み込んでいけない、何となくグレーな部分というのが非常に多い中で、そこまでのことが今の組織の中でできるんだろうかということを非常に心配に思うんですけれども、その辺については、もしお考えがありましたらお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(柳麻理君) 大変重要な御指摘をしていただいたというふうに考えております。
 非常に経済環境も社会環境も複雑になっておりますし、ITなども非常に発展しております。その意味で、検査官の検査をする場合の検査する能力というものの開発、訓練というものが必要になってくるかと思います。非常に多面的に、多角的に検査の視点を持っていかなければいけないということですので、検査をする側の検査能力の開発ということが重要な課題であろうと考えております。
 その意味では、多様な経験を持つ方、今私も、公認会計士の方が多く検査院の中で検査活動をしていらっしゃるというふうに伺っておりますけれども、そういう、ITの専門家でありますとか、また公認会計士でありますとか、そういった専門能力を持った多様な人材を会計検査院としては活用していくということがますます求められるのではないかというふうに考えております。
 限られた資源の中で効果的に国民の目線に立った検査をしていくためには、やはり多く財源が投入されているところ、また国民からの意見等も徴しながら、重要な課題というもの、検査対象というものを発見していって、それについて検査を行っていくということが必要不可欠であるというふうに考えております。
 以上です。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 本当にこの会計検査院の役割というものは非常に大きいと思いますし、本当に有効的で経済的で効率的で、そして適正化で厳しくといってもなかなか、ただただ厳しいだけでもいけないと思うし、いろんな意味での知識を持った方の登用ということは非常に重要なことだと思いますので、是非ともこれからもよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。終わります。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。よろしくお願いいたします。
 参考人にお伺いをしたいと思いますけど、会計検査院の検査官というのは任期が本来七年間あるわけですよね。七年間あるわけですけど、今回は前任者がちょうど五年ぐらいたったところで定年になったということで、その残任期間ということですから二年ちょっとみたいな形の任期になってしまうわけですけれども、そうすると、常勤の仕事を、今までの職もあるにもかかわらず、二年間だけなってくださいという形での政府からの提示だとなかなかやっぱり大変な部分もあるかもしれないんですが。
 ちょっとお伺いしたいのは、今回、任期はどうしても二年間、二年ちょっとなわけですけれども、政府の方からは、二年後には、これ再任はできるわけですから、もし今回なった場合には二年後には再任しますよとかというような、もちろんこれは国会の承認とかそういう話はありますけど、政府としてはそのつもりだとかという、そういうオファーみたいなものはあったのか、それは特になく二年間の話で来たのか、ちょっと教えていただければと思います。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 ただいまの御質問でございますけれども、会計検査院というものはどういうものであって、任期は、今おっしゃったとおり、私の任期というのは二年ということになるかと思いますけれども、七年間で六十五歳の定年であるというようなことは説明は受けております。
 私、特段そのような、二年間で再任というような、そのようなオファーというものは特段受けておりませんで、私としては、もちろん大学の研究、教育という非常に責任もあるわけでございますが、今まで私が研究してきた内容というものは、やはり国家財政がいかに透明性を高めて国民に対して説明責任をするかという観点で、様々な行政活動が行われているわけですけれども、それらが非常に効果的に、本当に効率的に使われているのかということについて、海外の事例等も研究したり海外の研究者、実務家とも議論をしたりとかしてきたということでありまして、そういうことが、この検査官ともし任ぜられましたならば、実際にそういう立場で、理論と実務を統合するような形でこの二年間を過ごすことができるということで、大変やりがいのある仕事だというふうに認識しておりましてこの場におるということでございます。
 以上でございます。
○水野賢一君 分かりました。
 今現在は早稲田大学大学院の教授でいらっしゃるわけですよね。これ、会計検査院の検査官は常勤でありますから、もし選ばれた場合には辞職予定というふうには聞いておるわけですけれども、そのほかにもいろいろ、官民競争入札等監理委員会委員だとか、そういうようないろんな役職務められているのも辞職予定というふうに聞いていらっしゃいますけど、これは、そちらの方は、もう準備としては、もし選ばれた場合にはどういうようなタイムスケジュールで考えていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございます。
 私ちょっと率直に申し上げますけれども、この検査官の候補者ということを受けましたのは新学期が始まってからでございます。新学期が始まってからでございますので、ちょうど授業が始まって一か月ほどのところでこのような推薦を受けたということでございます。
 授業が残っておりまして、私が教育しなければならない責務も大学の方に残っております。そのことにつきましていろいろ私の大学の上司に相談いたしまして、私の今の直接的に責任を持っている学生の単位認定等が完結する時点で辞職をするということで大学当局とはお話をさせていただいておりますし、またそのほかのいろいろな役職等につきましても、もちろん検査官に任ぜられましたら、検査官としての職務、使命に専念することが絶対的に必要だというふうに考えておりますので、その他の職務というものは辞職をするということにしております。考えております。
 以上です。
○水野賢一君 会計検査院の今度は仕事というか、そちらの方についてお伺いしたいんですけど、会計検査院法では、検査した結果、もし問題があったりしたようなことを見付けたりした場合には、ルール上は法律の会計検査院法三十三条で検察とかに対して通告ができるとかというふうに書いてあるんですね。要は、似たようなことでいうと、公正取引委員会なんかが問題発見したりしたときには検察に一番強いものとしては刑事告発なんかもできたりとかするわけですけど、刑事告発よりはちょっと数段落ちるようなイメージはありますけれども、問題を発見したときは通告できると。
 制度上はそうなっているんですけれども、何というんでしょうか、それは伝家の宝刀みたいなものが抜かずの伝家の宝刀みたいになっていて、昭和二十年代のころにはそういうことを発動した例もあるんですけれども、その後はルール上はあるけどそれは発動されていないというような規定になっていますけれども、我々はそれは、もちろん濫用する必要はないと思いますけれども、必要があるような場合であれば、法律上規定があるわけですから、しっかりとそうしたものを活用をしてもいいんじゃないのというような思いはあったりするんですけれども、この辺、いかがお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 ただいま御指摘いただいたことについては、やはり会計検査というものが、会計経理に関する不正があった場合には非常にそれを指摘する、摘発するというようなことが重要かと思いますけれども、中身としては犯罪を摘発するような性質のものではなく、やはり会計の経理に関して非効率な部分、無駄な部分、不正な、もちろん不正な部分があった場合は摘示しなければいけないと考えますけれども、それらを明らかにしてそれを改善に導いていくと、改善の勧告をしていくと、改善をフォローアップしていくというような重要な責務を持っていることによって、全体的に国家の財政というものが、効率的かつ有効な目線で検査を行って透明性を確保していく、説明責任を持つということになっていると思いますので、もし、非常にその不正があるという場合です。私が伺っているところによりますれば、各府省の中で既にそういったことの摘発なり処分なりなどがなされているということも伺っておりますので、その中で会計検査の活動を効果的に行っていくということが必要なのではないかというふうに考えております。
 以上です。
○水野賢一君 あと、地方自治体なんかの場合ですと、住民がちょっと問題があるんじゃないかというときに、住民監査請求なんかができるような制度が仕組み上ありますよね。一方、国の予算というか財政というか、その辺に関しては、いわゆるそういう検査の発動を国民が要請をするという、こういうような仕組みはないわけですよね。
 そこに対して私たちは、だから地方自治体なんかであるようなそういう住民監査請求みたいなことができるような、国民監査請求と我々の党の中では呼んでいるんですが、こういうようなものを発動できる仕組みというのを考えていいんじゃないかというふうに思っているんですが、これはもちろん立法の側の話ですから、会計検査院は現在ある仕組みの中でお仕事をされるわけですから、その制度をどうすべきだということについての御質問をしてもなかなか答えにくい部分あると思いますけれども、もし御意見とかあれば教えていただければと思います。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 御指摘の、国民の目線に立った検査を行うためには、国民監査請求のようなものが存在していれば、より国民の目線に立った検査ができるのではないかというふうにも考えております。現在では、国会法の中で国会の要請によって検査をするということがございますので、その国会要請に基づいた検査、しかも定例の検査報告ではなくて随時の検査報告をするというようなことができるというふうに伺っておりますので、そういったことをやっていくということがまずは重要なのではないかと思います。
 また、会計検査院にあっては、国民からの電話とかメールとか等での意見というものを受け付けているというふうにも伺っており、そういったことを監査対象を選定する際にも活用していくということがますます求められているのだというふうに思っております。
 以上です。
○水野賢一君 もう時間ですので最後の質問にいたしますが、今のお話に関しては、確かにホームページなんかにも目安箱的なものは設けているので、そういうような声も積極的に生かしていければ、検査の中でですね、と思いますが、時間ですので最後の質問にしますけれども。
 今回の経緯というのは、前の候補者だった人が否決をされたというようなことなんかもあって、それで先生のところにも、今のお話にあったように、新学期の中で政府の方から要請があったというようなことで、唐突な話で驚かれたかとは思いますけれども、最初に政府の方から打診があったときに率直にどういう印象を受けられたか、相当迷った上で受けましょうと決められたのか、それはいいチャンスだということで、自分の経験を生かすいいチャンスだと思われたのか、率直な感想だけ聞かせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(柳麻理君) では、率直にお答えいたします。
 正直、本当に驚きまして、どのようにすればいいかということは、そのときは本当に分かりませんでした。そのときに、受けるとか受けないとかというようなことも非常に自分自らでは決められずに、どういう状況に、つまり、受けられる状況にあるのかどうかということをまず確認するということから始めた次第です。
 非常に職責が重いということも存じておりますし、重々承知しておりますので、その任に自分が堪えられるかどうかということについても自分で精査をしている、まだ精査を、精査をして、自分が適任であるかどうかについていろいろな御意見とかも伺いましたけれども、自分の公会計の分野というのは非常に研究者も少なく、またいろいろな多面的な見解が必要になってくるということで、自分がその場で会計検査の制度とかやり方、仕組みとかということについて前向きに取り組んで、この国の会計制度、会計制度といいますか、財政を明らかにしていく。これはトマス・ジェファーソンが、建国の父のトマス・ジェファーソンが言っている言葉で、今でもアメリカの会計検査院が引用している言葉でございますけれども、この国の財政は霧に包まれている、この財政を商人の、企業のですね、企業の財務諸表のように明らかに透明にすることが緊急な課題であるというふうなことをトマス・ジェファーソンが言っている、そのことを自分が実現することができるのではないかという、私の希望ではございますけれども、そういったことに取り組めるのではないかということで、非常にやりがいのある重い仕事に取り組もうという、そういう意欲を持っております。
 以上です。
○水野賢一君 ありがとうございました。終わります。
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。
 本日は、柳参考人におかれましては、御多用な中こうしてお越しをいただきまして本当にありがとうございます。会派を代表して御礼を申し上げたいと思います。
 もう今の御答弁のとおり、大変な熱意と、そしてこれまでの培われたキャリアも含めて、本当に任に足るすばらしい方だなということを思いながら伺っておりましたが、簡潔に二点だけ伺いたいと思っております。
 まず一つ目が、もうまさに御自認されるように公会計の専門家でございますし、これまで学術の分野でも御活躍でございました。検査院、検査官の構成というのは、まさに所信でもお述べいただきましたが、合議制でございまして、三名で構成されると。ほかのお二人については、河戸検査官が元会計検査院の事務総長であると、もう一人、森田祐司検査官におかれましては公認会計士で民間の出身であるということであります。柳参考人におかれましては、まさに学術、そして研究の分野のエキスパートでございます。
 この三人の中で御自身が果たされる役割について、まず伺いたいと思います。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございます。
 私は、もちろん学術研究者でございます。これまで、問題意識に基づきまして様々な、今先進国の中で政府会計という問題が非常に重大な課題となっておりまして、それぞれの国々がそれぞれの環境、制度の中で、法制度の中で、どのようにすれば結果といいますか成果を生み出すことができるような会計の仕組みにできるのかということで、例えば業績評価ですとか、それを予算にどういうふうに活用できているのかといった観点での研究なり実践なりが行われているところであります。
 私は、そういったことを研究してまいりました。また、それを日本の国にどのように適用したらいいのかということについて検討してまいりました。そのような観点から、非常に理論的な問題を実務に生かしていくという観点で、統合していくという観点で、国民の目線に立って資源を、国民が拠出した資源を効果的に使っていくという、現実に使っているのかどうかということ、それから、これからどういうふうにすればいいのかということについて意見を述べることができるのではないかというふうに考えておりまして、その点で、いろいろなほかの二人の会計検査官と異なるバックグラウンドの下で役割を果たすことができるのではないかというふうに考えております。
 以上です。
○中西祐介君 今まさにお答えをいただきました。ちょうど所信の中でも、会計検査院の重要な課題として、厳正な検査、そして問題点の指摘、そして評価、検査ということを三点挙げていただきました。
 ちょうど現下の状況を考えてみますと、会計法の三十四条あるいは三十六条の中で、現状に対する是正や、あるいは意見具申、改善措置要求ということが年々やっぱり多く増えている、あるいは事業仕分等の指摘によって改めてそういうのが世の中にさらされるというふうな状況にあると思います。実際にそれを指摘するのみならず、今参考人がおっしゃったように、結果に結び付けるためには行政の仕組みに反映させることが必要だと思います。
 検査官になられると、指摘をすることがお仕事でございますが、その行政制度を含めて、今専門家としてのお立場から見られたときに、こういう仕組みやあるいはこういう改善点に結び付ける必要があるというような御指摘を是非この場でいただきたいなと思っております。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 まさに御指摘のところは非常に重大な課題でございまして、会計検査院としての機能は、やはり、将来の国民にわたって持続可能な財政を継続できるのかどうかということと、将来の国民にわたってその政策目的が効果的に便益を与えることができるのかどうかということについて責任を持つことだというふうに考えております。
 御指摘のとおり、三十六条等で、現在の会計検査の中で制度的なものが、法令とか制度的なものがそのマイナスの効果を与えているようなところがありましたら、それについては改善をするように、改善をすべくそういう指摘をしていきたいというふうに考えております。
 私も、いろいろなその官民競争入札等でも、民間競争を活用して効率的かつ効果的な公共サービスを提供するといったことに取り組んでまいりましたけれども、その中には、現在の会計慣行ですとか、あるいは会計法令、予算会計法等の会計法令の中の縛りによって不効率を余儀なくされているようなところもございます。ですから、そういったところについて制度改善を行っていくというようなことについても鋭意取り組んで、もし検査官に任ぜられましたら、そういったことについても鋭意取り組んでいきたいというふうに考えております。
○中西祐介君 着任の後の御活躍をお祈りして、質問を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 柳参考人、本日は、大変お忙しい中、御決意を、所感をお述べいただくこの場に参加をいただきまして本当にありがとうございます。
 御専門分野が公会計改革、また政府マネジメントということで、私も、実は議員にならせていただきましてから今年の七月で折り返し地点の三年を迎えるわけですけれども、公会計、また政府マネジメントの改革というところについてはメーンテーマとして取り組ませていただいております。
 柳参考人の御著書でも触れられていることだというふうに思いますが、事前にちょっと、斜め読みで失礼なんですけれども、目を通させていただきましたけれども、海外、特にアメリカの管理会計について大変高い見識をお持ちであるというふうに認識をしております。
 日本では、政府のマネジメントで特にPDCAが機能していないと、特にCとAの部分、チェックからアクトに結び付けていく部分が機能が弱いというふうな分析をしておりますけれども、アメリカではそこがどのように機能をしているのかということをお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 我が国では、会計年度独立の原則ということで、今まで、歳入と歳出のバランスを取る、財政規律を図る、今はちょっとその点については問題があるわけでございますけれども、そういった観点で財政というものが動いてまいりました。予算、決算が動いてまいりました。
 アメリカの場合には、四年という複数年度の中で財政計画が動いております。その中で、非常に大きな違いというのは、単年度の管理をしておりますと、予算と決算とそれから評価のタイミングというのが非常にずれてくるということだと思います。四年間という視点で見ますと、三年なり四年なりの視点で見ますと、評価の結果というものが多年度にわたって、つまり進捗状況も含めて管理できる、フィードバックできるということだと思うんです。
 一番日本に欠けているのは、やはり単年度で、一年間で切れてしまうところで、非常に点になってしまう、決算も予算も評価も点になってしまうというところで、今、ただいまいろいろ事業レビューなども行われておりますけれども、単年度で予算執行がどうなっていてどんな成果が出たのかということを見ましても、それはやはり国民の観点に立った長期的な便益というようなもの、政策目的が持っているところの、本当に長期間にわたって、例えば生活の質が、高齢者の生活の質が向上するとか、そういったことが達成できたのかということがなかなかその中で評価できないという実態があるというふうに考えております。
 ですから、やはり短期的な視点ももちろん財政規律という観点では重要でありますけれども、政策を実現していくということの、政策目的の実現という多年度の観点も非常に重要で、それを予算なり決算なり、そして検査報告というもの、あるいは政策評価というものを統合していく中でプロセスとして見ていくということが非常に重要な観点であり、我が国は取り組まなければいけないことであると思います。
 その意味で、会計検査も、そのときの無駄とか非効率とかということと同時に、本当にその政策目的を達成するための事業構造になっているのかといったようなことも含めて検査の対象にし、改善勧告をしていくということ、改善の指摘をしていくということが重要になってくるんだろうというふうに考えております。
 以上です。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今まさに、国民の視点に立った政策目的の実現というお言葉出てきましたけれども、これ非常に重要なところであるというふうに思っております。
 この政策目的の実現を何をもって実現したかということを測っていくということが必要であろうと思います。当然、定量的に測れないものもありますので定性的に評価をするということも必要ではありますけれども、やはり国民に対して、特に会計検査の場合にはお金の使い方についての説明責任ということだと思いますので、これについて定量的に測っていくということを、当然、会計検査だけではなくて、政府の中で政策評価の仕組みの中に定量的に測っていくということをそもそもつくっていかなければいけないわけでありますけれども、これも、業績測定指標というものを開発をまずしていかなければいけないと、今そこの議論がない状態であると思っております。
 これについても、アメリカなどで事例がございましたら、この場で御紹介いただけますでしょうか。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 御指摘の点は大変重要なことで、我が国においてこれから本当に取り組んでいかなければいけない観点だというふうに思っております。業績の測定指標というものは、これは非常に難しいですね、指標を設定するということが。我が国の場合、その指標設定ということについてまだ十分に成熟した状態にはない状態です。
 例えば、アメリカの連邦政府ですと、各府省は政策目的、ミッションを持っていて、そして何を達成するのかという多年度にわたる業績目標というものを開発します。それは、そしてそれを測定して報告していくということになりますけれども、それについては、アメリカの場合ですと、もちろん会計制度については会計検査院がいろいろな改善の勧告を行ったりいたしますが、OMBという行政管理予算庁というところがその点について目を光らせるということになっておりますが、実際には、ミッションの明確化とそれから達成すべき業績目標の明確化というものがそこでチェックがされていても、実際に予算と業績評価というものがリンクするかということになると、それについては会計検査院が指摘しておりまして、実際にはリンクなかなか難しいということになっております。そのリンクをさせるために会計検査院はどういうことを各府省がやっていけばいいのかということについて改善の提案を行ったりしているというような状況であります。
 また、カナダのオンタリオというところでは、分権化が進んでおりまして一つの国というふうに考えていただいてもいいかと思うんですけれども、総務省のようなところが、税金が多く投入されていて住民が非常に関心を持っている分野というものを十二分野を選定して、そこに効率性と有効性の指標を専門家を入れて開発し、それを政府に報告させるということをしております。それを総務省がデータベース化をして、各自治体がそこにアクセスをして、ほかの自治体、類似団体のようなところと比較をして、自分たちがどこが悪いのかということを分析するようなことができるような仕組みをつくっているというような状況があります。
 イギリスにいたしましても、やはり業績測定指標は重要で、その指標を明確化するということに注力しているというところでありますので、我が国はやはりそこの部分、業績評価はどうするのかといったところの明確化というものが必要で、それを、いろいろな事例がありますから、政策といってもいろいろな難しい、いろいろな多様なものがありますので、そういった知見を積み重ねる中で、会計検査院としても、有効性の観点の視点からはこういう指標でこういう測定をしていかなければいけないという知見を積み重ねていくことが国民に対する説明責任につながることだというふうに考えております。
 以上です。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 このPDCAが日本で政府の中で機能していないという問題認識について、今多くの国会議員の先生方の中でも共有されつつある問題だと思います。次に、これを解決するためにどのように政策目的の実現を測定していくかということを、これから国会の中でも議論をしていかなければいけないというふうに私自身も思っております。
 柳参考人におかれましては、私は、検査官としてのこれ以上にない、これまでの研究の蓄積というものもお持ちであるというふうに私は思っておりますので、任命されましたら御活躍を期待したいというふうに思っております。
 質問を終わります。
○金子洋一君 民主党の金子洋一でございます。最後の質問者ですので、よろしくお願いします。本当に今日はお疲れさまでございます。
 先ほど中西先生から、会計検査院法の三十四条や三十六条で政府に対して提言やレポートを出すことができるということについて言及がありまして、ちょっとこれは御通告申し上げていなくて申し訳ないんですけれども、細かくて、平成二十三年の十月に、これは先生、中央社会保険医療協議会の公益委員をやっておられるのでお聞き及びかと思うんですが、社会保険診療報酬の所得計算の特例に係る租税特別措置についてというレポートが会計検査院から出ているわけですけれども、これについて参考人は内容はお聞きになったことありますか。
○参考人(柳麻理君) その件については聞いたことがあると思うんですが、今、ただいまその詳細を承知しておりません。申し訳ありません。
○金子洋一君 済みません、ちょっと細かいことで。
 簡単に申しますと、社会保険診療報酬、医師の皆さんが診療報酬に、要するに保険の範囲内で請求をされていると、その請求をされているもので、特例措置、簡便な簡素な計算の仕方と実際にきちっと計算をしたやり方の間に開差があると。簡便なやり方、特例の概算経費率と申しますけれども、そちらの方で見た比率の方が実際の経費率よりも要するに請求する側にとって有利な比率になっていると、これをもっていわゆる医師優遇税制だというような批判があると、こういう開差があることは税の公平上好ましくないのでやめたらどうだというような、結論を申しますとそういう提言でございました。
 これについて、そういう理屈が成り立つというのは私も分かるんですけれども、会計検査院というのはあくまでも国全体のパフォーマンスを見渡して、その中で切るべきところには切り込んでいくという立場を取るべきだと思うんです。それはもちろん、一つ一つの細かいことを取り上げてカットすればいいといえば、それはいろんなところもカットできると思うんです。私ども民主党のときにも事業仕分ということでいろんな政府の施策について検討をしましたけれども、必ずしも、それが私、全て正しかったとは思わないんですね、まあ個人的な意見なんですけれども。私もこの件について、何でもかんでもカットすればいいわけじゃないだろうと思います。
 実際に、この問題、ほとんどのお医者さんは自由診療もやっておられるわけですから、実際に計算をしないといけないわけですね、実際の経費というのを。となりますと、概算の経費と実際の経費というのは、これおのずと分かるわけなんです。分かったもの両方を比較して、それは自分にとって有利な方を使うというのは、これは人情だろうと思うんですね。
 この辺りの、やっぱり人間の人情といいましょうか、そういった本来のインセンティブ、経済学的に言うとインセンティブを重視しないで報告を出されても私はそれは困ってしまうなと思うんですが、参考人の、まだ検査院の組織の中に入っておられませんので、入る前の率直なコメントをお聞かせいただければと思います。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。私が不明で大変失礼いたしました。
 御指摘の点は、確かにそのとおりだというふうに思っております。まだ私は検査院の外の人間ですので外の人間としてちょっと述べさせていただきますが、私も六年間、中医協の公益委員を務めさせていただきました。その中で非常に、国民的関心としては、診療側とそれから支払側のやはり非常に大きなあつれきといいますか、ありまして、診療報酬を決定する、保険導入、適用するときにも、それが国民負担になっていいのかという話が随分ありまして、支払側の方からは効率的な経営をしているのかというような観点からの指摘があり、診療側の方からは診療側が十分な医療サービスを提供しているから国民が健康でいられるのだという指摘があり、非常にその中で公益委員としての、国民の観点に立ってどういうふうに発言をすればいいかということについていろいろな観点があったわけなんでありますが、ただいまの観点は、多分、国民目線でいうと公平性といいましょうか、非常に手続的なところなんですけれども、それが非常に重要な金額にまで上るかどうかということについて私も承知しておりませんが、国民の公平性の観点から見ると、診療をしていただくお医者様はやはり患者様のことを考えて、患者のために非常に最善を尽くしていただいているというような理解であるというふうに思います。
 決して診療側に診療報酬を少なくしろというわけではなく、適正な診療報酬を得て、そして国民に対して医療サービスを提供していくと、適切な医療サービスを提供していくという観点が必要なことから、中医協の中でもセカンドオピニオンですとかいろいろな改革を提起したことありますし、診療報酬の適用に当たっては、保険導入に当たっては、それが本当に国民のために、全体的な国民の健康のために役立っているのかということについて配慮してきたわけであります。
 ですから、御指摘の点については、これは本当に原則論的にといいますか、申しますと、国民的観点からは、やはり公平性の観点からは会計検査院の指摘も無理からぬところがあるのかなというふうに思っております。
 以上です。
○金子洋一君 それは、まさに支払側から見ると少なければ少ないほどいいんですが。特に概算経費率を使っているお医者さんというのは、少額の、要するに小さな診療所であったり御高齢の方であったり、つまり地方に多いタイプなんですね。地方のそれこそ余り交通の便も良くないというところで御高齢の方が、先生がやっておられるというところですので、そういうところが廃業をしてしまうということになると、果たして地方に住めるのか住めないのかという、そういう問題にまでなってしまうと思いますので、そういったところもきちんと会計検査院の皆さんはどうか気配り、目配りをしていただきたいと思っておりますので、御就任になられましたら、是非ともそういう点にお心配りをいただければと思います。
 私の持ち時間あと二分ございますので、先ほどもお尋ねをしたんですけれども、私、十歳と五歳の娘がおりまして、是非とも将来は参考人のように社会できちんと活躍をしてくれるようになってくれればいいなと思っておりまして、そういう子育ての仕方というか教育の仕方、何か秘訣があれば最後にお尋ねをさせていただきたいと思います。
○参考人(柳麻理君) 御質問ありがとうございました。
 残念ながら、私は結婚はしましたけれども子供がおりませんで、子育てについては言及はできないんですけれども、学生が子供のようなものでありまして、学生と日々、まあ厳しいというふうに言われておりますけれども、私の学生に対するコメントが厳しいというふうに言われておりますけれども、もちろん学業に関するところでも、それからいろんな、もう本当に対等にコミュニケーションをするということを心掛けております。
 いろいろなことを聞く、つまり、自分から一方的に学生に発信するのではなくて、学生がどう思っているのか、何をしたいのか、何を研究したいのかとか、日常生活でも何をしたいのか、そのために、将来的に何をしたいから今何をしたらいいのかというようなことについてよくよくコミュニケーション、それはもう本当に、研究室とかではなくて、もう本当にオフサイトなところでもそういったコミュニケーションを常に図るようにして、その意味で非常に情報共有をすると、課題共有をするということを心掛けておりますので、これが子育てに参考になるかどうかはちょっと私も確信は持てませんが、やはりそういった価値観の共有、価値観は難しいかもしれませんが、情報の共有、課題の共有というものをやっていくということが重要なのではないか。
 今いじめの問題等もございますけれども、やはりいろんな意味での情報共有、あるいはそのアンテナを張るということが、相手がどう思っているのかということを張るということが非常に重要なのではないかというふうに考えております。
○金子洋一君 どうもありがとうございました。参考になりました。
 ありがとうございました。
○委員長(岩城光英君) これにて検査官候補者に対する質疑を終了いたします。
 柳参考人に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。
○参考人(柳麻理君) ありがとうございました。(拍手)
○委員長(岩城光英君) 本日はこれにて散会いたします。


 5月28日の参議院議院運営委員会での質疑は次のとおり。

○佐田委員長 ありがとうございました。
 次に、柳参考人、お願いいたします。
○柳参考人 柳麻理でございます。
 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼申し上げます。
 まず、会計検査院は、国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関として、国や独立行政法人等の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督するという重要な使命を負っていると認識しております。
 また、会計検査院は、意思決定を行う検査官会議と検査を実施する事務総局で組織されていますが、三人の検査官は、合議体である検査官会議のメンバーとして会計検査院の意思決定にかかわるとともに、事務総局を指揮監督するという大変重要な職責を負っていると認識しているところです。
 そして、検査官会議が合議体となっているのは、会計検査院としての判断の公正、妥当を確保する必要があるためと承知しており、仮に検査官に任命されるならば、他の二人の検査官とともに、法令や客観的な事実、データに基づいて公正、妥当な判断を行うよう常に留意してまいりたいと考えております。
 会計検査の主たる対象は、政府の各種の行政活動に伴う経費支弁やこれら活動の結果による資産、負債などであると承知しております。
 この点に関連して、私は、国民の全てが重要なステークホルダーである政府にあっては、行政活動において、無駄、浪費なく政策目的を効率的かつ効果的に達成することにより、国民に対する受託責任と説明責任を果たすという責務を負っていると考えております。
 すなわち、財やサービスについて最大の調達能力を持って国民に公共サービスを提供する責務を負う政府は、国民が受け取る便益の観点から、政策目的を効率的かつ効果的に達成するためによりすぐれた方法をとっているかについて十分な説明責任を果たした上で、国民のために継続的な改善、改革を実施するという極めて重要な課題を負っていると思います。
 そして、会計検査院としては、このような国民に対して政府が負っている課題を踏まえて、不正経理を根絶するとの意気込みを持って厳正な検査を行うこと、厳しい国の財政状況にも鑑みて、経済性、効率性及び有効性の観点からのいわゆる無駄などの問題を指摘していくこと、政府の説明責任の向上等に資するよう、国や独立行政法人等の財務をわかりやすく分析したり評価したりする検査を充実していくことが重要と考えております。
 私は、昭和五十五年に早稲田大学法学部を卒業後、富士短期大学等で研究、教育の経験を積んだ後、平成十五年から早稲田大学大学院公共経営研究科教授、同政治学研究科教授として、民間企業の管理会計のすぐれた実務を政府会計に適用することができないかという問題意識を持って研究を行ってまいりました。
 また、この間、政策評価・独立行政法人評価委員会の委員を初めとする政府の審議会等の委員を務めてまいりました。
 そして、さまざまな審議会等に関与する中で、無駄、浪費、重複をいかになくしていくかという観点に加え、有効性の観点に基づく政府の政策目的達成というマクロの視点と、効率性の観点に基づく業務の効率的遂行というミクロの視点をいかに統合するかという点に大きな課題があると考えております。
 仮に検査官に任命されるならば、私は、これまでの経歴の中で培った知識、経験を生かすとともに、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、国民の目線も大切にしながら、全力を尽くして検査官の職責を担ってまいりたいと考えております。
 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。
 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。
○佐田委員長 ありがとうございました。
 これにて参考人からの所信の聴取は終了いたしました。
 柳参考人は、お呼びいたしますまで別室にてお待ちいただきますようお願いいたします。
 議長、副議長、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。
 また、理事会の申し合わせに基づき、報道関係の方々は御退室をお願いいたします。
    ―――――――――――――
〔略〕
   ―――――――――――――
○佐田委員長 これより柳参考人の所信に対する質疑を行います。
 質疑は、まず、各会派を代表する委員が順次三分以内で質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 それでは、田野瀬太道君。
○田野瀬委員 自民党の田野瀬と申します。
 柳参考人におかれましては、本日は、ようこそお越しいただきました。実りある質疑応答にするために、ぜひ、肩の力を抜いてというか、リラックスをして、思うところを思う存分お述べいただけたらなというふうに存じます。
 時間も限られておりますので、早速、数点、私の方から御質問をさせていただきたいと存じます。
 会計検査院の役割といいますと、憲法九十条の規定によりまして、国の収入支出の決算の監査を行うほか、法律に定める会計の検査を行うということで、それに伴い、非常に強い強い権限を付与されておるという機関であると認識をいたしております。
 翻りまして、我が国の財政状況、これを考えさせていただきますと、公債残高が毎年毎年増加をしております。また、東日本大震災からの復興等に向けましても、必要な予算措置というのも今後また見込まれておるわけでございまして、このため、財政の健全化、また、それに加えまして、予算の厳格な評価、検査というところが本当に大きな課題となってきておりまして、この点からも会計検査院の役割は一層重要になってきておる、そのように認識をいたしております。
 柳参考人が検査官に御就任された場合、これらの課題、つまりは、財政の健全化であったり、予算の厳格な評価、検査について、どのような姿勢でお臨みになられるかというお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○柳参考人 御質問、ありがとうございました。
 ただいま御指摘いただいたことは大変重要なことで、これまで会計検査院が、正確性、合規性、そして経済性、効率性、有効性という観点で検査を行ってきたということからしますと、大きな政策課題を解決するために資源が効果的に投入されているのかという観点で検査を行っていくということがますます必要になってくると思います。
 将来世代に対する負担もございますので、そういった観点からは、発生主義に基づく財務諸表あるいは政策コストの情報等も鑑みながら、それらを加えて会計検査に取り組んでいく必要があるのではないかというふうに考えております。
 以上です。
○田野瀬委員 ありがとうございます。
 今おっしゃっていただきましたとおり、近年の厳しい財政や経済状況を鑑みますと、ただいま本当におっしゃっていただきましたし、所信でもお述べいただきましたように、会計検査院の検査は、正確性はもちろん、経済性であったり、効率性、有効性の観点からの検査も、一層重視されておるというところでございます。
 会計検査院の平成二十四年次会計検査の基本方針にも、特に有効性の観点からの検査において、各府省がみずから行う政策評価等の状況についても留意して検査すると記載されているところでございます。
 検査官に御就任された場合、特に、ただいま申し上げた観点、経済性、効率性、有効性、このような観点で、今までの御経歴で御経験された知識とかを踏まえられまして、具体的な御所見がございましたら、お聞かせいただけたらと存じます。よろしくお願いします。
○柳参考人 御質問、ありがとうございます。
 ただいま御指摘いただいたことは本当に重要なことで、政策目的といいますのは、短期間には達成できないことがかなり多うございます。法令とか制度的な観点からも、非効率ですとか、そういうことについて問題がある場合もございます。
 そういった観点からは、どう改善していったらいいのかということ、そして、政策目的を達成するために事業構造がどのように組み立てられているのか、事業構造自体が政策目的の実現に効果的になっているのかといった観点が非常に重要であると思います。
 高齢化の社会の中で、高齢者の生活の質を高めるといったようなことを目的にした場合に、それを実現するためにはどのような事業が効果的なのかといった視点が非常に重要になってくるというふうに考えております。
 以上です。
○田野瀬委員 ありがとうございます。非常に期待をさせていただいているところでございます。
 最後の質問なんですけれども、会計の検査におきましては、優秀な人材の確保といいますか活用が必要不可欠であると考えております。
 柳参考人が検査官になられますと、三人によります検査官会議におきまして事務総局を指揮監督されるという担いも帯びておられますし、一層の検査能力の向上を求めていく上で、長年教鞭をとっておられる御経歴から、人材育成、人材活用について、御所見があればお聞かせいただきたいと思います。
○佐田委員長 時間が来ておりますので、簡略にお願いします。
○柳参考人 はい。
 現在の日本の社会環境あるいは経済環境というのは非常に複雑化しておりますので、多面的な、多様な人材が必要とされると思います。専門的な検査能力を持つ公認会計士等の実務家ですとか、あるいはITの専門家など、多様な人材が求められてくることになると思います。
 現在の検査、調査を行っている職員の方々についても、多様な訓練メニューのようなものを開発することが求められてくるのではないかというふうに考えております。
 以上です。
○田野瀬委員 以上です。
○佐田委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 民主党の柚木道義でございます。
 柳参考人、きょうは、お出ましいただき、ありがとうございます。私の方からも、二、三御質問をさせていただきたいと思います。
 一点目、先ほどの田野瀬委員の方からの質問と多少重複をいたしますが、参議院の方の質疑でも同様のことを述べておられまして、きょうの質疑の中でも、今のお話も多少重複するところがあると思いますが、こういうふうに述べられておられます。多年度にわたって政策目的を達成するという観点で、国民がどのような便益を受けていくのかということについて、尺度を持って効果的に資源が投入されたかということについて検査をしていくことが重要と。
 この、尺度を持ってという部分で、具体的に、今、どういった制度、尺度等が想定をされるか。
 実は、これは党派を超えて、例えば、会計検査院の機能を強化する、こういった議論をさせていただいていたり、あるいは、予算執行職員等の責任、これについてもやはりもう少し明確にする必要があるのではないかとか、あるいは、先ほど述べられました公会計法の仕組みづくり、一般会計も含めて、発生主義、複式簿記による国の財務書類等の作成及び国会への提出等による国の財務情報の開示等を義務化する、こういう議論もなされているわけですが、具体的な尺度、イメージ等がおありでしたら、御所見をお述べいただければと思います。
○柳参考人 御質問、ありがとうございました。
 尺度につきましては、これは非常に我が国の会計検査上の課題であるというふうに考えております。
 例えば、少子化の問題ですと、現在では、地方自治体の方では、待機児童ゼロですとか、あるいは高齢者のところでは、特養に待機している高齢者の状態というようなことがございます。
 これは、環境の、科学技術等、ヘルスケアの発展等のそういった進展も鑑みながら、いろいろ、どのような方法がいいのか、そして、高齢者が豊かに過ごすことができるためにはどのようにしたらいいのかということで、アウトカムを測定する尺度というものを明確にしておかなければいけない。
 つまり、例えば、認知症の高齢者がどのぐらいふえていて、その人たちがどのような生活をしているのかといったデータを用いて、それをはかっていくということが必要になってくると思います。
 政策課題は非常に複雑化して、非常に困難なものになっておりますので、それに対するアウトカム測定、あるいは、そのアウトカムを達成するための活動、どのような事業がいいのかといったことについての連携といったものについても会計検査院はこれから取り組んでいかなければならないし、それが、国民の目線に立った検査につながり、国民の便益につながるものだというふうに考えております。
 以上です。
○柚木委員 ありがとうございます。
 ぜひ、そういう意味では、費用対効果、予算の再分配機能が、ある意味では、公共投資とか、あるいは社会保障に投資をするとか、いろいろな考え方があると思いますので、そういったスケールを、しっかり、この検査院という立場の中でもお考えをいただければありがたいと思います。
 二つ目ですが、実は、この間、民主党政権の中でも、官民競争入札とかPFIとか、いろいろな観点から御所見を賜ってまいりました。
 そういう視点からも、今後、例えば、今、二十四年度予算、補正予算なんかの復興予算のあり方、これは前の政権もそうなんですが、その評価を、例えば執行率という側面から見たときに、行政レビューシートというのがある。ただ、これは、一旦地方に基金という形で投げられたら、その執行状況等フォローアップもできない、まさにPDCAサイクル等が十分にフォローアップできないというような問題もあって。どういった形が考えられるのか、基金シートというものの作成を考えられているようですが。
 参考人におかれましては、公会計改革推進プログラムの中で地方公共団体間の連携ということを取り組まれているんですが、国と地方公共団体とがフォーマットも一定の統一された形で例えば基金の執行状況等も共有できるようなあり方も含めて考えていただくとか、予算、特に補正がなかなかガバナンスがきかないという視点が提起されておられますから、そういった観点から、何らかのスキームの御所見がおありでしたら、お述べいただければと思います。
○柳参考人 ただいま御指摘いただいたことは、大変重要な点だと思っております。
 国から地方に資金が流れていったときに、それが全体として復興ですとかということに効果的に使われているのかということについてトレースをしていく必要があるということだと思います。
 今、国の財務書類の中でもいろいろ作成が進んでいるわけですけれども、その活用、つまり、目的別の資金がどこに行っているのかということについてフォローできるようなことが必要になってくるし、それを受けた地方の側でもそれを目的のために使っているのかということを確認する、そして、国と地方を合算してその効果的な使われ方についてチェックしていくということが必要であり、その点では、会計情報の役割といいますか、それを基礎にして、会計検査の手法あるいは国の財務書類の整備などを進めていく必要があるというふうに考えております。
 以上です。
○柚木委員 終わります。ありがとうございました。
○佐田委員長 次に、木下智彦君。
○木下委員 日本維新の会、木下智彦です。本日は、よろしくお願いします。
 まず最初なんですけれども、会計検査院ということで、国家運営の面で決算検査の重要性ということについていま一度お話しをいただきたい。
 それから、候補者の著作、履歴を見させていただきましたら、公会計に関する御研究を相当やられているということで、その中で、一般企業の管理会計の手法というものは公共部門に必ず適用できるんだというふうにおっしゃられているかと思うんです。
 私たちが思っているのは、やはり、一般企業というふうに考えたときには、複式簿記というのが一つキーワードになってくると思っておりまして、その複式簿記の積極的な導入と活用について御見解をいただければと思います。
○柳参考人 一点目の、決算検査についてでございます。
 決算は、国会の決算監視機能というものに役立つ報告をしなければいけないということで、会計検査院の機能は非常に重いものだというふうに考えております。
 決算は、予算がどのように先ほどの正確性、合規性、経済性、効率性、有効性の観点で使われたのかということを検査するということで、それを国会に検査報告あるいは随時報告をいたしまして、または国会の要請に応じて検査をいたしまして、それを国会が次の予算を立てるときに役立てていただく、PDCAサイクルをきかせていくというところで、非常に重要な機能を持っているんだというふうに認識しております。
 二点目でございます。
 民間企業の複式簿記、発生主義という考え方は、現在非常に重要になっております。まだ国とか地方自治体では整備されておりませんけれども、今、財源の半分は将来世代の国民の負担になっているわけでございまして、そういう意味では、ストックがどのように形成されているかとかといった意味で、個別の資産と個別の負債を管理できる仕組みというのが民間企業の複式簿記、発生主義には内蔵されておりますので、それを国にどのように活用することができるのかという観点で、一層の会計検査手法の精緻化に、もし検査官に任ぜられましたら、取り組んでいきたいというふうに考えております。
 以上です。
○木下委員 ありがとうございます。
 PDCAサイクルというお話が出たんですけれども、会計検査院の一番大きな役割は、チェックという部分だと思います。
 会計検査院の方で決算の検査報告書というのが毎年出ておるんですけれども、それは私も中身を結構見させていただいております。
 そうすると、昨年のものを見ていると、分厚さというのは、相当分厚いんですね。その前の年を見てみても、同じぐらい分厚さがある。そのもう一つ前の年を見ても、物すごい分厚いという状態です。これは、本来であれば薄くなっていくのが理想だというふうに私は思っているんですが、チェックをする部分で、なかなかそうはいかないと。
 今、一般の国民としての考え方として、PDCAを回していくというふうに考えたときには、やはり企業のように、しっかりと情報公開していって次につなげていくんだというふうにやるべきだと。そのためには、会計検査院がやったことを、次に、指摘された省庁は直していく。直していくためには何をするかというと、一般企業の場合は必ずそれが評価制度に結びついていると思うんですが、今の国の制度は、それになっていないということ。
 それからもう一つは、衆議院の中で、決算委員会、今、決算の審議は、まだ三年分とまっているような状態になっている。
 その点について、どういうふうに感じられているかということを、ひとつお聞かせ願えますでしょうか。
○柳参考人 ありがとうございます。
 ただいま御指摘の点は、まさに先生御指摘のとおりだというふうに思っております。
 チェックするということで、チェックした内容について各府省に改善の要求をする、あるいは、そのチェックした内容の原因分析をして、その原因が法令、制度等にある場合にはそれを改善していただくように要請していくということが、会計検査院の大きな機能であるというふうに考えております。
 評価制度、各府省が内部統制をしていくということが求められていくわけで、その点で、各府省がやっていることのチェックされた改善内容というのは、いろいろな府省の中でも横断的に発生していることだというふうに考えておりますので、そういった改善のフォローアップをしていくことが非常に会計検査院に求められているというふうに考えております。
 以上です。
○木下委員 ありがとうございました。
 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○佐田委員長 次に、中野洋昌君。
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。
 柳候補におかれましては、本日は、所信を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
 私の方からは、三つ質問をさせていただきます。今まで出てきた論点もございますけれども、少し重複する部分があっても結構でございますので、御回答いただければというふうに思います。
 一つ目は、今の会計検査が抱える課題が何であるかということであります。
 私は、もともと国家公務員として、十年国土交通省で勤務をしておりまして、会計検査も何度も受けてまいりました。
 やはり、先ほど来議論のあった正確性、合規性、こういった審査、契約書面も全部準備をして、チェックをして、お互いが何日もかけて、非常にマンパワーがかかる大変な検査でございますけれども、大変重要であります。
 これから国民が会計検査院に求めていくもの、それは、もう少し踏み込んだ、もっと大きな役割を期待していると思います。
 政策の、本当に有効なのか、あるいは本当に無駄がないのか、こうした部分をもっともっと指摘していっていただきたい、このように期待をしておりますし、先ほどの所信の中にもそういった御決意を述べていただいたというふうに思いますけれども、今の会計検査のあり方で、例えばどういう課題があって、どう克服していけばいいというふうにお考えか、これを少しお伺いできればと思います。
○柳参考人 ありがとうございました。
 会計検査、この複雑化する社会環境ですとか経済環境の中で、政策が実現すべき目的というのは非常に大きなものがあると思います。
 会計検査院も、経済性、効率性の検査から、さらに、有効性の検査にシフトしているというふうに考えております。
 国民的な観点に立ちましても、政策目的が効率的かつ有効に実現されるのかということが最大の関心でございます。
 その場合に、では、効率性と有効性をどのようにはかっていくのかということが非常に重要な観点で、これは、国民の目線に立って、国民が受ける便益というものが最終的には何ではかるのが一番いいのかということを検討していく。その意味で、検査手法をさらに精緻化していくということが求められているのだというふうに考えております。
 その点、国民の重大な関心である分野というのは何なのかということと同時に、そういった検査手法の精緻化というのに課題があるというふうに考えております。
○中野委員 ありがとうございます。
 まさに、おっしゃるとおりであるというふうに思います。
 検査手法の精緻化、これが大変大事でございまして、私も、二年間大学院で学んでおった際に、例えば費用対効果分析、こういうものも勉強いたしました。
 大変印象に残っておりますのが、教授の先生が、見えない効果、あるいは見えない負担、例えば社会的な便益であるとか、社会的な負担であるとか、これをどう設定するかによってかなり結果が変わってきてしまう、だから、どういう考え方で費用効果を分析するかは非常に大事だ、こうおっしゃっておられたのが印象に残っております。
 これは、非常に専門的な知識も必要でしょうし、さまざまなノウハウも必要だと思いますけれども、会計検査を実際行う職員に対してどうやってこういうスキルを与えていくのか、こうした人材育成の観点で何か御所見があれば、御意見をいただければと思います。
○柳参考人 ありがとうございます。
 職員に求められる能力というのは非常に多様になっておりますし、多角的な視点も職員に求められていると思います。
 検査対象はさまざまにわたりますので、それに対する専門知識というものも必要になってまいりますし、それによって、その検査対象が遂行している政策目的というものの実質的な中身、それが国民に及ぼす便益をどこで測定したらいいのかという、つまり政策が達成すべきことが何なのかということについても知見を広めなければいけないというふうに考えております。
 民間企業での公認会計士の監査のような観点も求められると思いますし、あるいはITや、それから経済分析のような、財務分析のような観点、あるいは定性的な便益の測定手法の観点などが必要で、そういったことを行っていく必要があるんですね。
 私も、会計検査院がそういった知識を得るために職員を大学院等いろいろなところに派遣しているというふうに伺っておりますので、そういったいろいろな経験を積むことによって視野を広くして、国民の視点に立った検査を行っていくということが必要であるというふうに考えております。
 以上です。
○中野委員 ありがとうございました。
 最後の質問でございます。公会計制度について少しお伺いをさせていただきます。
 先ほど来、発生主義あるいは複式簿記による財務諸表、これの活用をもっとやっていくべきだというお話もございました。
 今現在も、平成十五年度決算分から、決算の後に大体一、二年ぐらいたって既に財務諸表が作成をされております。しかし、私、この今の財務諸表はなかなか活用が進んでいないのではないか、こういう思いがございまして、何とか進めていきたい。
 候補の今までの御経験から、今ある財務諸表、なぜ活用が進んでいかないのか、どのように活用を進めていけばいいのか、御意見をいただければと思います。
○佐田委員長 時間が来ておりますので、簡略に。
○柳参考人 はい。
 御指摘の点は本当に重要な観点で、これまで、財政規律といったような観点では現金主義の情報が重要だったと思いますけれども、これからは、先ほどの、政策コストが幾らなのか、それが全部原価で幾らなのかということ、発生主義ベースで幾らなのかということと、それに対する業績尺度、結果の測定ということを対比するということについて、これからまず我が国は進めていかなければならないという段階だというふうに考えております。
 以上です。
○中野委員 以上で終わります。ありがとうございます。
○佐田委員長 次に、大熊利昭君。
○大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。
 重複するところもあろうかと思いますが、お許しいただければと思います。
 まず、柳参考人のこれまでの経験を踏まえて、具体的に、どのようにこの検査官のお仕事に生かされていこうと考えられているか、教えていただければと思います。
○柳参考人 ありがとうございました。
 私は、実務家ではございませんで、大学で教鞭をとっておりまして、研究をしてまいりました。
 今、各国は、非常に限られた財源の中で、多様な国民ニーズに応えるためにはどうしていくのかということについて共通の課題を抱えております。そういった課題を抱えている中で、どういう制度的な、あるいは理論的な考え方というものが議論されているのかということについて私は研究をしてまいりました。
 そういった観点で、基本的な、何をすべきなのかという観点を、この我が国の非常に複雑化した状況、問題を抱えている状況の中でどのように適用していくことができるのかといったことについて、検査官に任ぜられましたら、実際に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
○大熊委員 なぜこの検査官のお仕事をされたいのかというのを伺おうと思ったんですが、それは、今答えられたことと同様のお答えというふうに考えてよろしいでしょうか。
○柳参考人 はい。そのように考えていただいて構わないと思います。
 私が今まで研究してきたものを、実際に国民のために、国民の観点に立ってそれを実践していくことができるという、もし任ぜられましたならば、そういう職務に取り組むことができるというふうに認識しております。
○大熊委員 仮に、実際の現場に立たれた場合に、これまで研究なさっていらっしゃった理論と実際の現場、実務が大きく異なったというふうに認識されたときに、理論の方を実務にすり寄せていくのか、逆なのか、その辺の基本的なお考えをお伺いできればと思います。
○柳参考人 ありがとうございます。
 理論と実務には乖離があるという御認識だというふうに承知しております。実際に、そのように理論と実務の間にはギャップが存在するということは、当然だというふうに認識しております。
 理論といいますのは、先ほどの経済性、効率性、有効性といった観点を、さまざまな検査対象にどのように適用していくのかということに尽きるのかというふうに思います。その点に関しましては、諸外国がいろいろな違った制度あるいは法環境の中で実際に取り組んでいる課題というものも承知しておりますので、そういったことを組み込みながら、我が国の環境の中でどのように適用することができるのかということを探求することができるのではないかと考えております。
 以上です。
○大熊委員 ありがとうございます。
 具体的に、私、会計検査院さんの方からいただいていますこの「会計検査のあらまし」、二十三年度の決算検査報告、この中で、柳参考人が一番印象的、あるいは注目をした、あるいはしているという事例、もしありましたら教えていただければということと、それと、その理由についても教えていただければと思います。
○柳参考人 私が大変関心を持ちましたのは、これは都市再生機構のニュータウンの問題で、造成が、利用計画があるにもかかわらず、それが実際に進捗していないし、売却の見込みというのもきちんと立っていないというような指摘が検査でございました。それは、いわゆる塩漬け土地のような形であるというふうに認識しておりますが、これは非常に国民的な関心が高いことだと思います。
 つまり、都市再生機構が、当初のミッションから、今現在求められている業務ということについて、国民的な目線からも乖離があるのではないか、そこに大きな無駄があるのではないかということだと思います。
 そういった指摘をすることによって、国民が拠出している財源で行っている事業の有効性あるいは効率性、経済性を高めていくという観点が非常に重要であるというふうに認識しております。
 以上です。
○大熊委員 ありがとうございます。
 そうしますと、例えば、言われたニュータウンの事例、実際に塩漬けになっているものを動かしていくような政策的なあるいは行政への働きかけ、これについて何かお考え等があれば、教えていただければと思います。
○柳参考人 会計検査院法の三十六条には、法令、制度、行政に対して改善の処置を要請することができるという規定があると認識しております。
 そういったことを通じて、これまでの行政の中で求められていた都市再生機構に対する任務というものが変化しているという実態、市場経済の実態等もあるとすれば、それについて意見を申し述べるというようなことが重要な任務になるんだというふうに認識しております。
 以上です。
○大熊委員 この決算検査報告の中ではないんですが、これからの事例になってくるかと思うんですが、昨今、いわゆる官民ファンドと言われるスキームがたくさん出てきておりまして、私が所属しております内閣委員会でも二件の官民ファンドが、法律、成立したわけなんですが、実は、それぞれの根拠法となっているものを見ますと、投資をするとき、これは支援基準ということで定められているんですが、投資した後のモニタリング、これは法律上の定めがない。それから、失敗したときの責任、これも何も法律に書いていない。実際、二月に通した法律の二カ月後に一社倒産をしておりまして、これについて責任はどうかと問うと、法律には何も書いていない、そういう答弁が政府からあるんです。
 この辺について、検査院の役割が大きくなってくるんじゃないかと思うんですが、お考えはいかがでしょうか。
○柳参考人 官民ファンドの問題につきましては、いろいろ問題があるということは承知しております。
 この点につきましては、国が資金を出資しているといったところでの検査の責務ということはもちろんあるわけでございますけれども、その先のトレースにつきましても、国民が拠出した資金というものがどのように使われているのか、それがどのような結果に終わっているのかということをどこまでトレースすることができるのかということも含めて、今後、会計検査院の課題になるところではないかというふうに考えております。
 以上です。
○大熊委員 ぜひお願いしたいのですね。
 一言つけ加えさせていただきますと、内閣府の官民ファンドの担当の部局では、投資収益率などの数字で管理していないというふうに答弁しているので、そういったことも含めて、定量的な検査等をしっかりやっていただきたいなというふうに考えているところです。
 最後に、会計検査院そのものの改革、組織改革を含めて、というのは、この本を見させていただきますと、いわゆる省庁の縦割りと同じような組織、第一局から第五局になっておりまして、それぞれやはり縦割りのトレースになっているという印象があるんですが、これを、横串を刺すような、そういう組織改革をしていくような、そういうお考えはいかがでしょうか。
○柳参考人 まだ私は会計検査院の外の人間でございますので、私の今の観点で申し述べさせていただきます。
 情報の共有というのは非常に重要なことで、それは、各府省の横断的な情報共有も必要であり、また、会計検査院の中でも、検査対象が異なっていても、そこでの知見を共有していくということは非常に重要なことであるというふうに考えております。
 そういった知見を共有する場というものをこれから積極的に設けていくということが求められ、それが、検査能力の向上にもつながっていくし、ひいては国民に対する説明責任にも資するものだというふうに考えております。
 以上です。
○大熊委員 ありがとうございました。
○佐田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、会計検査院の役割についてでございます。
 憲法第九十条と会計検査院法でも明らかなように、何よりも、内閣からの独立性を保持し、国の決算を初め全ての行政機関に対してタブーなく検査のメスを入れる、そういう権限がございます。
 国民は行政に対する厳しいチェックを求めていると思います。この、内閣からの独立性という点についてどのような認識をお持ちか、まずお考えをお聞かせください。
○柳参考人 ありがとうございます。
 会計検査院は、独立性を保障されて、その機能を、つまり、中立性、公平性、厳正性、厳格性というような観点から検査を行うことが国民的に求められているところだというふうに認識しております。
 国会の決算審査機能に対する会計検査院の役割も重要なものであり、行政監視に対するいろいろな検査報告の提出なども、非常に重要なものだと思います。
 国民的に非常に関心のある部分について正確性、合規性、経済性、効率性、有効性の観点からそういった検査を独立して行っていくというところに会計検査院の使命があるのだというふうに認識しております。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 会計検査院の権限についてでありますが、会計検査院法によりますと、「検査を受けるものに帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し若しくは出頭を求めることができる」、「求めを受けたものは、これに応じなければならない」と、大変大きな権限が与えられているわけです。また、「会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない」と規定されているわけです。
 こういう大きな権限があるにもかかわらず、これまで、官製談合とか、あるいは天下りによる企業との癒着の問題、いろいろな事案がありました。しかし、会計検査院としてこれらの事案を摘発したものはほとんどありませんでした。あるいは、ダムですとか港あるいは空港など、大型公共事業の無駄の究明、これも、我々から見てもほとんどなかったと思います。
 どこに問題があったとお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○柳参考人 御質問、ありがとうございました。
 会計検査院の重要な役割に関する御質問というふうに認識しております。
 会計検査院の検査というものは、犯罪の摘発といいますよりも、無駄とか非効率とかといったところの指摘をいたしまして、それに対する改善をしていただくというような観点が重視されているものというふうに承知しております。
 ただいま御指摘いただいたような、検査対象からそういうものが外れているというようなことがありますれば、それは会計検査院の国民に対する説明責任といいますか機能として非常に重要なことだというふうに認識しておりますので、限られた会計検査院の資源ではございますけれども、そういった重要な、無駄とか非効率の部分というのは、やはり厳しく目を光らせていく必要があるのだというふうに認識しております。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 先ほどの所信表明で、民間企業の管理会計のすぐれた実務を政府会計に適用する、こういう御発言がありました。
 公会計と言われているものは、企業会計方式を国や自治体の財政運営に適用するという内容があると思うんですが、ただ、私は、企業というものと国や自治体というのは違うと考えております。企業は、利益を追求する、そういう組織であります。国や自治体の場合は、国民の福祉の増進というのがやはり基本だと思うんですね。
 これは本質的な違いがあると思うんです。その違いをどのように認識されているかというのが一つ。
 それから、もう一つは、財政の健全化と言われますけれども、例えば、医療、福祉などの公的なサービスについては、受益と負担のバランスと言われておりますけれども、これは、結果としては、財政健全化のために福祉、医療を縮小するとか切り捨てるということに逆につながってしまうのではないかという懸念があります。やはり、主権者、国民の利益をまず優先させるという財政運営が基本でなければならぬ。
 その点、どのようにお考えでしょうか。
○柳参考人 ありがとうございます。
 御指摘の点は非常に重要なことかと思います。
 第一点目につきましては、企業におきましては、もちろん、利益を追求するためにコストダウンを行っていく、収益を上げていくということだと思いますけれども、国とか地方自治体の場合には、国民の福祉でございますので、そこの部分でパフォーマンスを、業績をいかに把握していくかという観点が全く異なる、そこに難しさがあるのだというふうに認識しております。
 有効性の検査に当たりましては、そういった国民が受け取る便益の観点に立った指標づくりというようなものがますます必要になってくるんだというふうに認識しております。
 二点目でございますが、受益と負担の関係、つまり、切り捨てられてしまうのではないかということでございます。
 日本の国が抱えている大きな政策目的というものは、やはり、プライオリティー、優先順位をつけていく必要があるんだと思います。国民的関心の中で、どの政策が一番重要で、国民的にはどれに重点的に資源を配分していかなければいけないかということを確認していくということが必要になってくるんだというふうに思います。その上で、無駄の排除ですとか効率性といった観点での検査もしていくことが求められるというふうに考えております。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 ありがとうございました。
○佐田委員長 次に、小宮山泰子君。
○小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。きょうは、よろしくお願いいたします。
 昨今、近年ですけれども、本来本会計に計上すべき内容のものが特別会計で実行されるなど、予算の全体がわかりづらかったのが、特別会計が廃止、整理統合の方向へ向かったというのは、こういう不透明であるという問題点を解消する対応としては適切だと思っております。
 その一方で、震災対応もあったり、また、さまざまな支援というか投資のような形で、年度を越えての基金を積んでおく、場合によってはとりあえず積んでおくという予算措置も多くなっているように感じております。
 柔軟対応がとりやすい、複数年度にわたっての事業に対応しやすいなどの利点はございますけれども、特別会計の廃止、基金化の増加、これらの流れに関して、どのように捉え、感じていらっしゃるか、御所見をお聞かせください。
○柳参考人 ありがとうございます。
 複数年度にわたってのということでございますけれども、我が国は、会計年度独立の原則というもとでこれまで財政運営が行われてきましたが、政策目的からしますと、単年度での会計経理、その効率化ということにはやはり限界があるというふうに考えておりますし、私も官民競争入札等にもおりますと、非常に、国債、ゼロ国債等、そういった債務負担行為等を用いて競争の中で効率性を高めていくというようなことも求められてくるというふうに思います。
 ですから、その複数年度にわたるところで不透明な部分が出てきた場合には、それは非常に国民的にも問題でありますので、目的と支出のやり方というものが整合性があるのか、適正なのかといった観点で見ていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 以上です。
○小宮山委員 私自身も、かつて、国費を投入した地下駐車場、さまざまな形があるんですけれども、この問題をずっと、二期のときですか、取り上げ続けていたことがございます。
 その中で、調査した中には、いわゆる天下り団体のところの所有分が入っていたりして切り離せないように見事につくり込まれていたり、工事が始まった後に工期が延長になる事例。また、なぜか、地下駐車場なんですけれども、入り口だけあるという不思議な駐車場があって、出口の予算が組んでいない。後から追加で予算をと。こんないろいろな事例を見てまいりました。
 地下駐車場に限らず、公共事業、予算時点では、後から見ると費用を安目に計算したように思えるもの、また、便益や需要予測を過大に見積もっている例、半ば常態化しているというふうにも指摘ができるんだと思っております。
 会計検査院は、決算のチェックをすることも目的とされております。出口だけでなく入り口も、終わった後どうだったのか、さまざまな観点があると思います。
 どういった点に注意されていくのか、思いをお聞かせください。
○柳参考人 ありがとうございます。
 ただいま御指摘の点は大変重要なことで、最終的には国民が受け取る便益というものをどのように実現していくのかというプロセスの中で、つまり、資源を投入するときから、それをどのように使っていくのかというそのプロセスについても目を光らせる必要があるし、そこに透明性を求める必要があるというふうに思います。
 政策目的を実現するために本当に合理的な仕組みになっているのかという観点についても、会計検査の重要な視点だというふうに認識しておりますので、もし会計検査官に任ぜられましたら、そのような観点、広い観点で検査に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
○小宮山委員 最後になりますけれども、所信というか、お述べいただいた中で、今までもさまざまな審議会に関与する中で、無駄、浪費、重複をいかになくしていくかという観点、また有効性の観点ということも述べられております。
 候補にとって、いわゆる無駄というのは、どういうことが一番象徴的なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○柳参考人 御質問、ありがとうございます。
 無駄というのは、非常に数限りなくこの国には存在しているのではないかというふうに考えております。
 例えば、各府省が財源を使って形成した資産というものも、同じような目的で同じような資産が保有されている、これも無駄でございます。また、コストの意識といいますか、民間ではコストダウンをする努力がされますのに対して、非常に、予算の中で予算執行をしていくといった観点の中では、効率化が阻害されて、かえって無駄になっているということはあるというふうに認識しております。
 多くの場合、国民が拠出したものについて説明責任を持っているわけですから、その点について、十分に、経済的かつ効率的であるのか、そして、それが本当にその政策目的にどう役立っているのかということを精査していくということがますます会計検査院に求められているんだというふうに考えております。
 以上です。
○小宮山委員 政策的に適用するのか、ある意味、今委員の中からもありましたけれども、民間の企業の営利を目的というのとは違う政府の役割があります。その中で、有効な施策、また予算の使い方も含めまして、そして、今まででは見られなかった、見過ごされていたようなもの、そういうものをきちんと会計検査院として調査されることを願いまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○佐田委員長 これにて各会派を代表する委員の質疑は終了いたしました。
 これより自由質疑を行います。
 質疑される方は、挙手の上、委員長の許可を得て発言されるようお願いいたします。
 また、発言の際は、所属会派及び氏名をお述べいただき、一人一問一分以内としていただきますようお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 ありませんか。
 それでは、これにて柳参考人の所信に対する質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして人事官及び検査官の候補者からの所信聴取及び所信に対する質疑は終了いたしました。
 それでは、柳参考人、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。

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