損益表示監査の目的は不正会計の発見ではない

 IFRSフォーラムが9月7日に掲出した「トーマツがセミナー 不正会計、会計監査人も悩んでいる」は、有限責任監査法人トーマツの公認会計士 服部一利氏は8月30日に同法人が開催したセミナーの内容を紹介する。記事は、まず、「期待ギャップ」について取り上げ、市場や株主は会計監査人に企業の不正会計の発見や摘発を期待しているが、監査人の実際の監査ではそのような不正摘発を目的としないために起きるギャップとした上で、2002年の「監査基準の改定に関する意見書」に既に登場しているとしている。そして、監査人の意見として「財務諸表には、全体として重要な虚偽の表示がないということについて、合理的な保証を得た」との判断を含めるよう監査基準に記してあり、虚偽記載の発見が会計監査の目的に含まれるが、虚偽記載はイコール不正会計ではなく、虚偽記載は、意図的でない誤りの「誤謬」と、意図的な誤りである「不正」に分けることができ、さらに不正は「従業員不正」と「経営者不正」に区別されるが、監査基準上では、不正会計を見つけることが目的ではなく、不正会計や誤謬を含む虚偽記載を見つけることが目的とされていると説く。「会計士の仕事は不正を発見しに行くことではない。不正によって財務諸表が虚偽記載になっているなら、それを見つけないといけないと監査基準ではうたわれている」(服部氏)。ここにも期待ギャップが生まれる原因がある。「二重責任の原則」も期待ギャップを生んでおり、財務諸表に責任を持つのは経営者で、「二重責任の原則があり、監査報告書での指摘は制度的にはできない」(服部氏)と説いているとのこと。ほかに「リスク・アプローチ」について、虚偽表示が疑われる場合は、「監査スケジュールを外れて集中的に調べる」(服部氏)が、実際はそのための人員のやりくりや手続き、時間の確保など、制約条件や考えることは多いことなど挙げたとか。

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