監査実施段階でのやり取りを指摘と報じるメディアがある

 神奈川新聞が5月22日に掲出した「仕組み債、外郭団体が09年にリスク指摘も市監査委員対応せず/藤沢」は、藤沢市が出資する外郭団体が、リスクの高い金融商品を1億5千万円購入し4千万円の評価損が発生している問題で、21年10月の定期監査で監査委員から基本財産運用の問題点などについて指摘を受けていたと報じる。市や財団は、問題を把握したにもかかわらず、結果的に対応策をとらずに放置していたと記事は伝えるが、ちょっと厳しすぎる伝え方。記事は解説的に、金融商品「仕組み債」を保有しているのは、市が45・7%出資している藤沢市産業振興財団で、15年に1億円、19年に5千万円購入していて、いずれも運用期間は30年間となっており、購入から30年後であれば元本が保証されるというとし、その上で、監査事務局によると、21年10月29日実施の定期監査で、同財団の財務執行の適正性が対象になり、監査委員が、基本財産を運用に回している点や、30年という運用期間があまりに長期でリスクが高い点を指摘し、財団職員などから経緯などを聞いたと伝えている。財団職員は、「元本保証なので問題ない」などと答えたということだが、報告に盛り込まれていなければ、単なる質疑応答と理解すべきであり、指摘と伝えるのは妙な話だ。定期監査の結果報告書には「基本財産の運用について、一部合理的でない運用が認められた」と記載されているが、議事録は残っていないと記事は伝えるが、カマを掛けたりする監査実施段階のやり取りについて議事録を問題にすること自体、監査を分かっていない、と言わざるを得ない。記事は、当時を知る委員の1人は、「明確に疑問点やリスクを指摘した。市や財団がその後放置していたのは問題」と話していると言うが、取材に対してはこういう説明になるだろう。記事は、問題について、市には「公金管理運用基準」があり、資金の運用期間は原則5年以下としており、財団には運用期間の定めがないことから、「市の基準を準用すべき」(市幹部)だが、5年を大きく超える30年を運用期間とする金融商品を購入していた、と伝えるが、そうであれば、監査報告書にそのように記載すべき話だ。

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