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外郭団体派遣職員の人件費について包括外部監査が指摘

 毎日jp長崎ページが3月22日に掲出した「県:補助金監査、法令違反144件 外郭団体派遣職員の人件費肩代わりも /長崎」〔阿部義正〕は、長崎県が外郭団体などに派遣した職員の人件費相当額を補助金として支給していたことが、21日の外部監査報告で分かったと報じる。監査にあたった公認会計士は「県が給与を支給したものと考えられ、公務員派遣法に違反する」とし、派遣法への対応・遵守を求めたとか。県包括外部監査人の公認会計士が、22年度の県の補助金事務を支給と受給の両面から検証した結果、法令遵守違反などが144件、改善事項などが117件があったとか。支給側は県の2本部20課5室、受給側は県の外郭など35団体で、このうち外郭団体などへの派遣職員の人件費は、21年11月20日に「派遣先の団体が負担しなければならない」との司法判断が確定しているが、県は▽21年度、職員22人を県産業振興財団など6団体に、▽22年度、20人を4団体に、それぞれ派遣した際、人件費相当額を「職員派遣費補助金」などとして各団体に支出していたとの由。また、県観光連盟の監査では、観光パンフレットなどが補助金を受けた年度内でなく、翌年度の納品になっていたと指摘し、補助金約300万円を県に返還するよう求めたとか。中村法道知事は「法令遵守違反が114件とは、あまりにも多い。指摘を踏まえ、事務処理のあり方をしっかりと注意喚起していきたい」と述べたと記事は伝える。

公表資料:神戸市外郭団体派遣職員への人件費違法支出損害賠償請求控訴事件,同附帯控訴事件(原審・神戸地方裁判所平成18年(行ウ)第43号)
     第3 当裁判所の判断
      2 争点(2)(本件各団体に対し,神戸市が派遣職員人件費相当額を補助金又は委託料として支出することは,派遣法6条の脱法行為として違法か。)について
派遣法=公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律

(1) 派遣法は,神奈川県茅ヶ崎市が同市の商工会議所に対して職務専念義務免除の方法により職員を派遣し,その給与等を支払ったことの適否について判示した茅ヶ崎市住民訴訟最高裁判決(最高裁判所平成10年4月24日第二小法廷判決・裁判集民事188号275頁)等を踏まえ,従前,地方公共団体毎に職務専念義務免除,職務命令,休職,退職等,様々な方法により行われていた職員派遣について,その統一的なルールの設定,派遣の適正化,派遣手続の透明化・身分取扱いの明確化等及び行政と民間との連携協力による地方公共団体の諸施策の推進を目的として制定されたものである。(乙45,弁論の全趣旨)
 同法によれば,派遣職員は,派遣時の原職にとどまるが,その職務に従事せずに派遣先団体の業務に従事し(4条1項,2項),その給与は派遣先団体が支給し,地方公共団体は給与を支給しないとされる(同法6条1項)。もっとも,派遣職員が派遣先団体において従事する業務が給与支給可能業務である場合又は給与支給可能業務が派遣先団体の主たる業務である場合は,地方公共団体の職務に従事することと同様の効果をもたらすものと認められることから,その場合に限り,例外的に,地方公共団体は,条例で定めることを条件として,派遣職員に対し給与を支給することができるものとされている(同法6条2項)。上記派遣法6条1項の規定は,地方公共団体の職員として地方公共団体の事務を行っていない職員に対し,当該地方公共団体が地方公共団体の職員としての給与を支給することは,原則として違法であるとする,いわゆるノーワーク・ノーペイの原則(地方公務員法24条1項参照)を派遣職員について確認したものであり,派遣法6条2項は,給与条例主義の趣旨も踏まえて,その例外を条例制定を条件に認めたものと解することができる。
 派遣法は,同法6条2項の手続に拠らずに派遣元が派遣先に派遣職員人件費の相当額を補助金として支出し,派遣先が派遣職員に派遣元と同額の給与を支給することの可否に関する規定を設けていないが,派遣法の運用についての自治公第15号平成12年7月12日付自治省行政局公務員部長通達は,派遣法は職員派遣に関する統一的なルールを定めるものであることから,同法の目的に合致するものについては,その施行後は同法規定の職員派遣制度によるべきものであるとしている。(乙47)
 かかる派遣法の規定,その制定経緯・趣旨,同法の運用に関する通達の内容等を総合考慮すると,同法の目的に合致する職員派遣については,同法所定の職員派遣制度によるべきものであり,派遣職員に対する給与の支給についても同法の規定に準拠して行うべきであって,同法6条2項以外の方法による派遣元による給与支給は許されないと解するのが相当である。そうすると,本件において,本件補助金の支出に係る各交付決定の時点において,補助金の全部又は一部が本件補助金交付団体への派遣職員人件費として支出されることが予定されていた場合,すなわち,当該支出額が各交付決定の時点で具体的金額として特定されていたような場合には,本件補助金支出のうち派遣職員人件費に相当する部分は,派遣法6条1項,2項を潜脱する違法なものというべきである。
 また,同様に,本件委託料についても,本件委託契約の時点において,委託料の全部又は一部が本件委託団体への派遣職員人件費として支出されることが予定されていた場合,すなわち当該支出額が各委託契約締結の時点で具体的金額として特定されていたような場合には,本件委託料の支出のうち派遣職員人件費に相当する部分は派遣法6条1項,2項を潜脱する違法なものというべきである。
(2) 控訴人の主張について
 ア 上記に関し,控訴人は,まず,当該派遣職員が従事していた業務に公益性がある以上,補助金の積算根拠(補助対象経費の決定根拠)にその給与相当額を含めることは合理的であるなどと主張する。しかし,派遣法2条1項又は同法10条1項の要件に照らして,派遣法上の派遣先団体又は特定法人であれば,その団体の性質ないし業務の性質が公益性を有することは自明とさえいえるのであり,派遣法は,そのことを前提とした上で,そのような性質の団体に対して地方公共団体が職員を派遣する場合の給与の支払について,一定の制限を設けたものであると考えられる。したがって,当該派遣職員が従事していた業務に公益性があることから,当然補助金の積算根拠にその給与相当額を含めることが合理的であるとする控訴人の上記主張は採用できない。
 イ 次に控訴人は,委託料は委託した業務の処理に要する経費を負担するものであり,固有職員であれ,派遣職員であれ,当該業務を処理する職員の給与費相当額が当該業務を処理するために必要な経費であることに変わりはないから,その職員の給与費相当額が委託料に含まれるのは当然のことと主張する。しかし,派遣元が派遣法6条2項に従い支給する給与分を補助対象事業の経費の一部として考慮した上で,その相当分は,派遣職員に給与として直接交付することとし,委託料としては交付しないとすればよいだけとも考えられ,派遣職員の給与費相当額が委託料に含まれるのが当然のこととはいえない。
 ウ 控訴人は,派遣法は職員の派遣先団体に対する補助金交付に関し何ら制限しておらず,派遣法6条2項により派遣職員の給与が支給されていない場合に,公益上の必要があっても当該派遣職員の人件費相当額について補助金を支出できないとは文言上読めないし,同法の制定経緯等に鑑みれば,実質的にもそう解すべき理由はないと主張する。
 しかし,派遣法が派遣先団体に対する補助金交付に関して明文の制限規定を設けていないのは,かかる脱法的手法によって,派遣職員の給与が補助金の形式で交付されることを想定していなかったためと考えられるから,前記(1)で説示したとおり,派遣法6条1項,2項は,上記のような脱法的手法も禁止する趣旨と解するのが相当である。また,乙61の派遣法制定の際の国会審議における自治政務次官の答弁も,市長の公益的判断によって派遣職員の給与に係る財政的援助を可能とする見解を示したものとは解されない。
 エ 控訴人は,補助金交付に係る審査及び委託契約の締結に当たっては,派遣先団体が当該事業に従事させることとした派遣職員の給与相当額を含めることが妥当か否かを審査,検討しているので違法とはいえないと主張し,
証拠(乙54ないし58)もこれに沿う内容を含んでいる。しかし,派遣職員の給与費相当額が補助金ないし委託料に含まれるのが当然のことといえないことは前記ア,イのとおりであり,控訴人指摘の審査,検討が仮に行われているとしても,前記(1)の判断を左右するものではない。
 オ また,控訴人は,派遣法6条2項による派遣元による給与支給をする場合についての本件旧条例4条は,時間外勤務手当,管理職手当,通勤手当及び勤勉手当等の諸手当を支給の対象外としており,派遣先が別途派遣職員に支給せざるを得ないところ,給与支給元と上記諸手当の支給元が異なることとなる結果,源泉徴収額,共済費額の計算等が煩雑となり,派遣職員に確定申告をさせる等の過度の負担を強いることになると主張するが,その程度の派遣職員の負担をもって,本件につき派遣法6条2項によらない派遣元による給与支給が許される根拠とすることはできない。
 カ さらに,控訴人は,本件各法人は,神戸市の補助金によってそれに相当する公益活動を完遂しており,神戸市には何らの損害も発生していないとも主張するが,前記説示のとおり本件支出は違法な公金支出として許されないものを含んでおり,その支出それ自体が神戸市の損害に当たることは明らかである。
 キ その他,控訴人は本件支出が適法である旨縷々主張するが,いずれも首肯し難く採用することはできない。

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