耐震補強岸壁の検査結果

 ケンプラッツが23年11月24日に掲出した「2010年度会計検査報告(1)大地震時に機能しない岸壁に800億円」〔山崎一邦=フリーライター[日経コンストラクション]〕は、会計検査院が22年度の決算検査報告で、国土交通省が整備した耐震強化岸壁の荷さばき地に消波ブロックを置いていたなど、不適切な運用や管理がなされていると指摘し、大規模地震が発生した直後に岸壁が十分な機能を発揮できないとして改善を求めたと報じる。耐震強化岸壁は、大規模地震が発生した直後でも緊急物資や避難者などの海上輸送が速やかにできるようにした係留施設であり、岸壁は11年に見直した技術基準に基づいて、レベル2地震動に対応した設計で整備しなければならず、さらに、緊急物資輸送対応の耐震強化岸壁では、緊急物資の一次保管場所として利用できるオープンスペースなどが必要となり、また、幹線貨物輸送対応の耐震強化岸壁の場合は、大規模地震が発生した直後でも国際海上コンテナなどの幹線貨物輸送の機能を確保するため、荷役機械として岸壁の上に設けるコンテナクレーンは、19年に見直した技術基準に基づいて岸壁と同じレベル2地震動に耐えられるよう設計することになっているが、会計検査院が、国土交通省が直轄事業や補助事業で16都道府県に整備した139バースの耐震強化岸壁を実地検査し、大規模地震が発生した直後でも速やかに機能を発揮できるかどうか検査したところ、延べ46バースで不適切な運用や管理などが見つかったとの由。検査した緊急物資輸送対応の耐震強化岸壁は119バースで、このうち、直轄事業で整備した2バースと補助事業で整備した8バースの荷さばき地に、それぞれ容易に動かせない構造物などを恒常的に置いており、例えば、岸壁背後の荷さばき地を、港湾管理者が消波ブロックやケーソンの製作場所や置き場所として利用していて、大規模地震が発生した直後に、速やかに緊急物資を輸送することができない状態になっていたとか。併せて、同119バースのうち、補助事業で整備した28バースの岸壁は、技術基準を見直した11年より前の設計で整備。しかも、基準を見直した後も港湾管理者は岸壁の耐震性能を再点検していなかったので、レベル2地震動に対応できない恐れがあるとのこと。幹線貨物輸送対応の耐震強化岸壁は、緊急物資輸送を兼ねる3バースを含めて23バースを検査した結果、直轄事業で整備した8バースで15基のコンテナクレーンに免震化の対策を講じていないことが判明しており、いずれもレベル2の地震動に耐えられない恐れがあるとか。これらの状況から会計検査院は、大規模地震が発生した直後に耐震強化岸壁が速やかに機能を発揮できるよう、港湾の管理者に助言などをするよう国土交通大臣に求めたとの由。

公表資料:耐震強化岸壁について、背後の荷さばき地等を適切に管理するなどしたり、耐震性能の再点検等を行ったりするとともに、クレーンの免震化対策等を検討することにより、大規模地震発生直後において十分に機能を発揮することができるよう改善の処置を要求したもの(PDF形式:455KB)

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