新設法人の消費税特例の適用実態

 時事ドットコムが10月17日に掲出した「消費税の課税逃れ多発=告発、5年で58件-制度改正も不十分・検査院」は、資本金が1000万円未満の新設法人が2年間、消費税の納税義務を免除される制度を利用した「課税逃れ」が多発していることが会計検査院の調査で分かったと報じる。検査院によると、22年度までの5年間に国税当局が脱税事件として告発したのは58件で、脱税総額は約41億5800万円となっており、制度は来年1月に一部改正されるが「課税逃れ」は防げないとか。検査院は、告発事件以外に、「株式会社設立には1000万円以上の資本金が必要」とした最低資本金制度が撤廃された18年を中心に、資本金1000万円未満で新設された1546法人を抽出調査したところ、納税義務を負った206人の個人事業者が新設法人に事業を引き継ぎ、2年間納税を免除されていたとか。また、免除された後に解散するなどした24法人の中には、別に新設した法人に売り上げを移転したとみられるケースもあったとのこと。

 朝日が同日に掲出した「小企業、好業績でも免税「再検討を」 検査院要請」は、小規模な会社の負担を軽くするため、資本金が1千万円未満なら会社設立後2年間は消費税を免除する制度を会計検査院が調べたところ、業績が好調で売り上げが3億円を超える会社まで免税されていたことがわかったと報じる。課税逃れととれるような例もあり、検査院は17日、問題点を解消するよう財務省に制度の再検討を求めたと記事は伝える。全国8国税局と47税務署で抽出して、18年に設立されて2年間消費税の免除を受けたサービス業などの株式会社と有限会社1283社を調べたところ、うち343社は1年目の売上高が1千万円を超えており、超えた社の平均は約6400万円で、これらの会社に2年間、消費税を課したとすると総額約11億3千万円となっており、売り上げが1年目で1億円を超えた社は58社、3億円超も9社に上っているとか。この優遇措置は、小規模な会社の税負担を軽くするとともに、複雑な消費税の申告手続きの負担を軽減する狙いもあるが、この制度を利用した節税策は企業間で広まっている可能性があり、検査院は「消費税の増税論議が注目される中、抜け道ともいえる実態がないか調べた。制度を利用し租税回避したような会社もあった」としていると記事は伝える。

公表資料:消費税の課税期間に係る基準期間がない法人の納税義務の免除について

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