連・単分離型でよいのではないか、との議論

 日経電子版が12月16日付け日経夕刊のコラム「十字路」として掲出した「国際会計基準導入論の課題」〔全国地方銀行協会常務理事 中川 洋〕は、企業会計審議会が国際会計基準(IFRS)導入の中間報告を出してから、年末で1年半になるが、国内でIFRS旋風が巻き起こっていた間に、海外情勢は大きく変化している、と説き起こす。記事によると、会計基準共通化のカギを握る米国だが、IFRS導入に積極的だったはずが、慎重姿勢に転じている、という。IFRSの組み入れを検討中だが、強制適用に一気に進む雰囲気は薄れてきたとのこと。他方、欧州連合(EU)も時価会計の分野を中心にIFRSと距離を置き始めており、日本が「バスに乗り遅れるな」とIFRS対応に拍車を掛ける情勢ではなくなったと説く。むしろ金融危機後の経過を踏まえ、日本に最適な戦略を検討し直す好機の到来かもしれないと記事は立論し、論点を提示する。記事によると、「まずはIFRSとわが国の会計基準のコンバージェンス(差異縮小)において、単体決算(個別財務諸表)をどう取り扱うか」が問題であり、元来、IFRSは連結決算を想定して作られており、独・仏などのEU主要国はそれを連結決算に用い、単体決算は自国基準という連・単分離型であるとか。ところが中間報告が唱えた「連結先行」論だと、日本はいずれ連・単一致となって、単体基準までもIFRSにさや寄せされるように受け取れるが、筆者に言わせると、税務や企業慣行と密接に関係する単体基準でIFRS色が強まることには、関係者の間で大きな抵抗感があるとのこと。このためか、IFRSの利益指標である「包括利益」の導入は、2011年3月期は連結基準に限られ、単体への適用はとりあえず見送られることになっており、もし今後、IFRS導入は連結基準限りと割り切るならば、経済界の不安が軽減される面もあるとか。

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