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コンバージェンスの現状

 日経電子版が10月7日に掲出した「時価会計見直し、視界不良 米との共通化に時間も(揺れる企業会計)」は、これから国際会計基準(IFRS)導入に向けた準備に入ろうとする企業にとって悩ましいのが、たびたび入る基準の見直しと説く。最近でいえば時価会計やリース会計などの基準改定が焦点であり、2008年秋のリーマン・ショックをきっかけに、20カ国・地域(G20)首脳会議が「高品質で単一の会計基準の実現」を目標に掲げたことも、IFRSを作成する国際会計基準審議会(IASB)が対応を急ぐ要因となっていると記事は伝える。IASBの基準見直し作業に大きな影響力があるのは米国の動向であり、IASBと米財務会計基準審議会(FASB)は2002年から互いの基準を共通化(コンバージェンス)する作業を続けていて、11年末までにメドを付ける方針であり、今年6月には従来の計画を修正して、優先度の高い案件を11年6月までに、そのほかの案件については同年末までに基準を決める計画を明らかにしたとのこと。優先度の高い案件とは、(1)売上高の計上基準(収益認識)、(2)リース会計、(3)包括利益計算書の見直し、(4)資産・負債の時価算出方法(公正価値測定)、などであり、これらの基準については8月までに両審議会が共同でまとめた草案を公表しているとか。8月末にはIASBの理事やスタッフが来日して、日本企業の実務担当者に集まってもらい、収益認識やリースの会計基準草案に対する意見を直接聞き取ったとのこと。IASBがこうした意見聴取を重視しているのは、IFRSを使う世界110カ国以上の「商習慣や文化の違い」(IASBのヘンリー・リーズ氏)を乗り越え、実務にあった基準に仕上げるためで、例えば、不良品だった場合に新品と取り換えるなどの保証をつけた製品の売り上げ計上については、IFRSの草案は「完成品と不良品の割合を前もって分けた上で売上高を計上する」としているのに対し、メーカーの担当者からは「日本の製造業は出荷段階で不良品が発生することを前提にしていない」との反論が寄せられたとか。リース会計基準も大幅な見直しが入りそうで、現状のルールではリース契約で生じた費用を計上すれば済むが、草案ではリース契約した資産と将来支払う予定のリース債務を貸借対照表に載せる必要があり、飛行機や船舶、不動産などでリースを多く活用する企業は総資産が膨らんだり、債務の比率が変わったりする可能性があるとのこと。IASBとFASBが歩調をそろえてコンバージェンスを進める基準がある半面、見直す方向性に隔たりがあり、先行きが読み切れない基準もあり、代表例が時価会計の見直しで、具体的には株式・債券など金融商品の会計処理を定めた基準の改定作業は、リーマン・ショックを経て「複雑な金融商品の会計ルールを簡素化する試み」(デービッド・トウィーディーIASB議長)が本格化したものの、金融商品の時価評価や減損処理の手法についてIASBとFASBはそれぞれ異なる草案を提示していて、11年中に収束できるかどうかは微妙な情勢と記事は伝える。米国内でも「金融機関を中心に協議の行方を懸念する声がある」(米大手会計事務所デロイト・トウシュのジョエル・オスノス・パートナー)といい、仮に基準の違いが残ることになれば、今後、米証券取引委員会(SEC)が15~16年にも自国企業にIFRSの適用を義務づけると決めた場合、金融機関は米国基準とIFRSの2つの基準について複雑な対応を迫られる公算があるとのこと。こうした違いが問題となっている重要な基準がどう落ち着くか。米SECは10月にもIASBとの共通化作業の進み具合をまとめた報告書を公表する予定で、米国と並行してIFRSとの共通化作業を進める日本にとっても影響は避けられないだけに、当面は動向を注視する必要がありそうと記事は評する。

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