国際会計基準の問題点を是正中

 日経電子版が10月7日に掲出した「投資に役立つ基準か 市場の視点で改善余地(揺れる企業会計)  IFRS導入の課題(4)」は、9月15日に日本の資産運用の専門家による会議が都内で開かれ、市場の視点で国際会計基準(IFRS)に注文をつけたと報じる。この日の議論の中心は売上高に関する「収益認識」という新基準案で、15人の参加者は「開示は投資家に役立つものに絞るべきだ」などと活発な議論を展開し、欧米アジアの専門家と連携し、IFRSをつくる国際会計基準審議会(IASB)に意見を伝えるとか。投資家にとって会計基準の統一は同じ物差しで企業を評価できる利点があり、欧州の機関投資家は企業決算をIFRSベースに組み替えていて、導入国が増えれば手間が省け、簿外取引に関する基準など、市場から高い評価を得ているものは多いが、その一方で、投資家があまり納得していない基準もありその代表例が「負債の評価益」と記事は伝える。これは、自社が発行した社債を流通価格が下がったときに買い戻せば、発行価格との差が利益になるとの考え方であり、信用力が回復し社債の流通価格が上昇すると、今度は評価損が発生するというもので、一般の経済感覚とかけ離れていると記事は説く。この問題が焦点になったのが昨年11月で、市場関係者を集めた国際会計審の円卓会議で大和住銀投信投資顧問の窪田真之氏は「負債の評価益は投資情報として不完全だ」と主張し、日本以外の賛同者も多く、このルールは見直される方向になったとか。時価会計の要素を多く取り入れた「包括利益」の有用性にも疑問の声があり、日興アセットマネジメントは純利益と包括利益のどちらが投資判断の基準に適するか調査し、約1500の上場企業を対象に2つの利益に基づいて割安・割高を評価して、運用成績を試算したが、結果は大差なかったとか。日興アセットの丸山隆志株式運用部長は「これまでの企業評価方法を変える必要はない」と判断しており、欧州でも「営業利益や純利益は重要」(英資産運用協会)との見方が定着しているとのこと。つまりIFRSが導入されても、市場が企業を評価する中心は本業の収益力であることに変わりはなく、会計基準と投資家の間にはミスマッチが生じていると記事は説く。国際会計審も「投資家の声をもっと基準づくりに反映すべきだ」との反省から対応に動いており、今年4月からは投資家向けの情報発信や意見の聴取などを開始しているが、取り組みはまだ道半ばとか。

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