懲戒処分の要求が拒否される

 毎日jpが6月24日に掲出した「防衛省:検査院の懲戒要求応じず 沖縄防衛局の元局長2人」〔樋岡徹也、桐野耕一〕は、米軍普天間飛行場の代替施設建設を巡り予算措置に重大な過失があったとして、会計検査院が那覇防衛施設局(現・沖縄防衛局)の元局長2人を懲戒処分にするよう防衛省に要求していた問題で、防衛省が「懲戒処分は行わない」と検査院に通知していたと報じる。同施設局は15年3月、地質調査などの業務委託契約を民間4社と約8億円で締結し、その後、潜水調査や建設に反対する地元住民の阻止行動への対応など追加業務を実施させたのに、契約変更をしなかったとのこと。4社は追加分の費用も求め、施設局は計約30億円を支払ったとか。検査院は19年度決算検査報告でこの問題を指摘し、防衛省が責任者だった元局長2人を「注意」と軽い処分にしたため、21年12月に懲戒処分の「戒告」にするよう求めたとの由。省庁への懲戒要求は57年ぶりだったとか。防衛省は6月3日付で検査院に「改めて検討した結果、処分は妥当であり、これを取り消して懲戒処分は行わない」と通知したとか。検査院の要求に拘束力はなく、検査院は「懲戒処分が厳し過ぎる事案ではなく、防衛省の対応は遺憾だ」としているとのこと。防衛省の対応については21年度決算の検査報告に掲載すると記事は伝える。二重責任の原則からは、監査人の意思表明は要求にとどまり、懲戒処分権者が拒否権を有するのは当然のことだろう。

<参考>
☆会計検査院法(昭和二十二年四月十九日法律第七十三号)
第31条第1項  会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員が故意又は重大な過失により著しく国に損害を与えたと認めるときは、本属長官その他監督の責任に当る者に対し懲戒の処分を要求することができる

☆予算執行職員等の責任に関する法律(昭和二十五年五月十一日法律第百七十二号)
第6条第1項  会計検査院は、検査又は検定(前条第一項に規定する再検定を含む。)の結果、予算執行職員が故意又は過失に因り第三条第一項の規定に違反して支出等の行為をしたことにより国に損害を与えたと認めるとき、又は国に損害を与えないが故意又は重大な過失に因り同項の規定に違反して支出等の行為をしたと認めるときは、当該職員の任命権者に対し、当該職員の懲戒処分を要求することができる。この場合において、会計検査院は、適当と認める処分の種類及び内容を参考のため明示するものとする。

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