宮崎県の包括外部監査は指定管理者制度の運用

 朝日サイト宮崎ページが4月20日に掲出した「県立芸術劇場の指定管理者に意見」〔石田一光〕は、宮崎県の21年度の包括外部監査の結果について報じるもので、今回のテーマは「指定管理者制度」であり、4年前に財団法人「県立芸術劇場」が指定管理者に選ばれた県立芸術劇場(メディキット県民文化センター)について、監査人が、コスト削減といった制度導入の効果も「ほとんど見るべきものはない」と極めて厳しい意見をつけていると伝える。県などによると同財団は5年、劇場の開館に合わせ設立されて、管理を委託されており、現在は役員12人、職員33人で内訳は県派遣10人、県OB2人、嘱託13人、臨時8人とのこと。劇場では18年度に公の施設運営に民間活力を取り入れる「指定管理者制度」が導入され、同財団は公募により管理者に選ばれていて、期間は5年で、指定管理料は毎年約4億9千万円とか。財団は設立時に県から20億円出資されてできた「文化事業基金」を持っており、元々は運用益でコンサートなどの文化事業を実施するためだったが、16年度から取り崩し始めていて、基金の残高は21年3月末現在で16億4400万円となっていて、監査結果によると、財団は制度導入前の17年度も基金から6500万円を取り崩して文化事業を実施しており、監査人は「事業は『実績』として評価され、公募とはいえスタートラインで一歩先んじている」としているとか。一方、所管する県文化文教・国際課は「文化事業のための取り崩しは基金の設置目的から問題ない」「公募では、充実した文化事業をできるかどうかで判断した」と説明しているとのこと。財団の収支は19年度1896万円、20年度1427万円の黒字だったが、監査人は、収入に基金の取り崩し分などが含まれていることに着目し、これらを除いた実質収支を算出すると、19年度が6181万円、20年度は1億144万円の赤字で、監査人は「実質は慢性的な赤字体質。元は県民の税金である基金の取り崩しでプラスに持っていっている」としているとか。県立芸術劇場ではホールなどの改修工事をしているが、費用は財団と県で折半しており、財団は基金を財源に「県への寄付」として工事費の半分を出しているとか。監査人の試算では財団の負担は年平均で5600万円で、同課は「財団に協力依頼し、理事会の承認を得ている。管理者の選定と寄付は無関係」と説明しているが、一方、監査人は「次の指定管理者募集時、この寄付金の実績を財団以外の応募者が見た場合、どのように考えるだろうか」と疑念を示しているとか。「多数の県派遣職員」「所管課の劇場への頻繁な訪問」「NHK交響楽団元理事長という財団理事長の存在意義の大きさ」など、監査人は様々な点を指摘し、「県は指定管理者候補として財団以外考えていなかったように思われる」とまで言い切っているとのこと。監査人は、県出資金の返還と、必要経費の指定管理費への上乗せを提案し、「対応を注視する必要がある」としているとのこと。管理の指定期間は今年度までのため、今後改めて管理者の選定があり、「公募によらない制度の導入もあり得るのでは」と監査人はしており、同課は「意見を参考にしながら今後の対応を検討する」とし、劇場の副館長を務める財団の坂東啓男常務理事は「施設の管理と基金の運営は一体的なもの。基金は良いものを提供する財源と思っており、基金が無ければ収支がとれる事業しかできなくなる」と話していると記事は伝える。

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