いったん評価額を下げていれば回復期にはV字形回復

 フジサンケイ・ビジネスアイは5月27日に「不良債権から巨額差益 JPモルガン、新会計処理の恩恵」〔Ari Levy、Elizabeth Hester〕を掲出。
 記事は、米銀2位のJPモルガン・チェースが、昨年、米S&L(貯蓄・貸付組合)ワシントン・ミューチュアル買収で取得した不良債権を収入に変える会計処理方法のおかげで、290億ドル(約2兆7500億円)もの思わぬ収入を得ると報じる。 米金融機関は2003年12月の施行後、4年目となる米国会計基準執行委員会の参考意見書(SOP)03-3(SOP第03-3号)という会計基準の活用を進めており、同基準は、取得後に信用の質が低下したローンの財務処理方法を示したものだが、規制当局への届け出によると、他の米銀ウェルズ・ファーゴやBOA(バンク・オブ・アメリカ)、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループも、それぞれ買収したワコビア、カントリーワイド・ファイナンシャル、ナショナル・シティから恩恵を得るとのこと。住宅金融を手掛けていたこれら金融機関の買収で得たローン(貸付金債権)の財務諸表上の価値と、同ローンから想定されるキャッシュフロー(現金収支)との間に計560億ドルの差額が発生するためで、税・会計顧問会社を経営するロバート・ウィレンス氏によると、大恐慌以来最も深刻化した今回の金融危機で価値が激減した住宅ローンや商業用ローンにこの会計基準を適用すれば、不良債権からも利益をひねり出せるとのこと。かつてリーマン・ブラザーズの役員だったウィレンス氏は、同会計基準は「金融機関に劇的な恩恵をもたらす。この先、相当な利益を計上できる可能性は大きい」と述べたとか。JPモルガンは昨年9月に経営破綻したワシントン・ミューチュアルの預金・貸付金など銀行資産を19億ドルで買い取り、事業を引き継いでいるが、この際、買収相手先の資産と負債を時価で評価し直して自らの財務諸表に計上する「パーチェス法」という会計処理法に基づいて、ワシントン・ミューチュアルの不良債権1182億ドルを時価に基づいて25%引き下げていたところ、今では借り手による返済が進んで資産評価が回復しており、取得したローンの期限内に、JPモルガンは税引き前で約290億ドルを得る可能性があるとみているとか。RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジェラード・キャシディ氏によれば、金融機関はSOP第03-3号の存在により、ローンなどを取得する際にその価値をできるだけ積極的に引き下げようとするインセンティブ(動機)が働くと指摘しており、同氏は「パーチェス法の長所の一つは、取得時に資産の評価を引き下げてから、その後に評価額を増やせる点だ」と述べ、一連の金融機関による買収劇は「長い目でみると、有益となるはずだ」と話したとか。

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