朝日は4月20日に「もの言う監査役、増加中」〔加藤裕則〕を掲出。
 記事は、最近は、会社側に物言う監査役が増えてきていると報じる。記事によると、ポンプメーカーの荏原製作所(東京都大田区)の社外監査役(69)が今月2日、ある調査資料の開示を求める文書を、会社側に提出したとか。荏原は07年、元副社長が取引先に約3億2千万円を不正支出したと発表したが、その際に作られた顧問弁護士による調査資料を、会社側は監査役に開示していないのとの由。監査役は「ほかにも不正があった可能性がある。調査が不十分だった」と話しているとか。昨年6月の株主総会では「重大な疑義がある」と会社の事業報告の承認を拒否しており、上場会社では異例の行動で、「監査役の反乱」と言われたとのこと。荏原は「委員会を設置して調べた。これ以上の調査の必要はない」(広報室)と、今も対立は続いており、監査役は「会社と情報を共有できないと職責を果たせない。うみがあるなら出し切るべきだ」と話しているとか。 制御機器メーカーの春日電機(東京都三鷹市)では今月2日、昨年暮れに退任した前社長を、背任の容疑で警視庁に告訴したとか。春日によると、前社長は昨年6月に社長に就いたが、自ら会長を務める会社に2億8千万円を貸し付けるなどしており、これに正面から異を唱えたのが、監査役(60)で、「貸付先は前社長が支配する会社。業務取引も架空の可能性が高く、会社に損害を与える」と昨年暮れ、会社法で定められた「取締役の違法行為の差し止め請求権」を行使し、東京地裁に仮処分申請して、認められたとのこと。この請求権は「監査役の伝家の宝刀」と呼ばれ、それまではほとんど抜かれたことがなかったとか。この監査役は同社の技術系のたたき上げで、07年に執行役員から監査役になっており、「つらかった。辞めれば済むが、会社を救いたかった。取締役会を牛耳られ、監査役が戦うしかなかった」と話しており、ある同社幹部は「170人の全社員が監査役を支援した」と振り返っているとか。会社と監査役が真っ向から対立するケースもあり、IT関連のトライアイズ(東京都千代田区)では、取締役会が今年3月の株主総会に、監査役(55)の解任議案を出そうとした経緯があり、同社幹部は「根拠のない主張が多く、業務に差し障りが出た。監査役の権限は強力で、やむを得なかった」と振り返っているとか。同社の監査役は銀行出身で、同社首脳に請われて昨春、監査役になったが、同社が取締役会の承認なしに、子会社から経営指導料を得ていることなどを問題視し、経営側に是正を求めてきたとのこと。解任議案に対しては「監査役の調査を妨害する」と東京地裁に差し止めの仮処分を申請し、結局トライアイズは「株主に判断してもらおうと思ったが、混乱を避けた」(幹部)と、議案を取り下げたとの由。度重なる商法改正や06年の会社法施行などを通して、監査役の権限は強まっており、任期は4年になり、会社側に、スタッフ配置など十分な監査ができる環境を要求できるとのこと。一方でその活動が株主に報告されるなど、責任も強まっていて、その間、企業不祥事への社会の目も厳しくなったと記事は説く。
会社法(平成十七年七月二十六日法律第八十六号)
 第二編 株式会社
  第四章 機関
   第七節 監査役
(監査役による取締役の行為の差止め)
第三百八十五条  監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2  前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。

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