監査報酬は全体で1.8倍

 ダイヤモンド・オンラインは2月9日に「「内部統制」元年で大もめ 監査報酬の値上げ攻勢に暗雲」〔『週刊ダイヤモンド』編集部 池田光史〕を掲出。
 記事は、2009年3月期より導入された内部統制と四半期レビューの義務化で、軒並み監査報酬が急上昇しており、監査法人と上場企業のあいだで、激しい攻防が繰り広げられていると報じる。そもそも日本の監査報酬は米国に比べて安いといわれてきたが、不況のあおりを受けた企業への負担は増す一方と記事は評する。記事は幾つかの例を挙げているが、例えば、昨年6月の株主総会が終わってまもない某優良企業に監査法人から3人の社員が来て、新しい期の監査報酬について説明した内容は前年比1.9倍の6000万円弱だったとか。合意に至らず、結局、契約は予定から1ヵ月も遅れたうえに、「金額については別途相談」という異例の契約となったとか。現在も「当初の見積もり時間では足りなくなった」と言われ、交渉が続いているとのこと。上場企業の監査報酬が軒並み増加している理由は、「内部統制監査」と「四半期レビュー」の、2つの新制度が導入されたことにあり、その新制度によって増加する監査報酬をめぐり、争いが繰り広げられていると記事は解説する。2009年3月期より導入された内部統制は、すべての上場企業に義務化された制度で、06年6月に成立した金融商品取引法において定められており、その中身は、企業自身が、財務報告の信頼性を上げるために、ルールや手続きを設けなければならないというもので、さらに、そのルールを守るべく、「内部統制報告書」の作成のために、膨大な作業時間と人員を割く必要があるとのこと。ひと足先に内部統制が義務づけられた米国でも、導入初年度には「負担が大き過ぎる」と企業からの大反発があり、成立後わずか4年で実質緩和されていると記事は伝える。一方、四半期レビューについても、同じく金商法において同時に始まった制度で、それまでも四半期開示は取引所から義務づけられていたが、そのうち四半期財務諸表について、公認会計士または監査法人の監査証明が必要になったとのこと。監査報酬は、会計士1人当たり単価×時間で算出され、そのうち時間について、新たに内部統制と四半期レビューが加わったことで「1.5~2倍に増加している」(大手監査法人)との由。監査法人も訴訟リスクが高まっており、「監査に費やす時間が増加することは避けられない」(日本公認会計士協会)と記事は伝える。ほかにも、大手監査法人が昨年末、それぞれ約600人もの新人を採用しているなどの事情があり、それらの結果、監査報酬全体では、前年比約1.8倍となっていて、企業の内部統制構築の程度によっては約3倍を提示された企業すらあると記事は伝える。だが、上場企業からは、これらの急激な報酬増加について「監査時間の増加が監査の品質アップにつながるのか、はなはだ疑問だ」(大手企業)と疑問視する声もあるとか。加えて、昨年9月のリーマンショック以降、自動車や電機などの輸出企業を中心に、業績は軒並み急降下しており、「利益を生まない監査報酬はできるだけ下げたい」(中堅製造業)というのが、どの企業にとっても本音。ここにきて、監査報酬を削減するために、大手から中堅・中小や個人会計士に監査人を交代する企業も出てきており、なかには、監査報酬が上場維持のメリットに見合わないと判断し、自ら「上場廃止」という選択肢を取る企業さえあるとのこと。

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