米軍駐留経費に関する随時報告

 会計検査院サイトは4月26日に次を掲出した。

会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告を行いました。
在日米軍関係経費の執行状況等について


 この随時報告について各紙が報じている。時事サイトの見出しは「米軍への施設、25年「放置」も=防衛省に対応要求-検査院」、読売サイトは「停職の米軍従業員、期末手当減額せず…思いやり予算」、朝日サイトは「在日米軍用地、返還合意後も賃借料支払う 国が9千万円」、毎日サイトは「在日米軍経費 複数施設「未合意提供」 交付金算定されず 検査院指摘」。

市が甲子園出場した高校の後援会へ補助した事例

 河北新報サイトが4月21日に掲出した「一関学院高甲子園補助金訴訟 盛岡地裁、市に返還請求命じる」は、22年夏の全国高校野球選手権大会に出場した一関学院高(一関市)の学校後援会に交付した市の補助金1000万円が不適切に使われたとして、補助金を返還させるよう市長に求めた住民訴訟の差し戻し審判決で、盛岡地裁が20日、420万円の返還請求を市に命じたと報じる。記事は、裁判長が、後援会が補助金の使途として申請していた交通、宿泊費以外の支出について「返還請求を怠ることは違法」と指摘し、後援会が既に解散しており返還請求できないとする市の主張を退けたと伝える。一審盛岡地裁判決は26年12月、住民訴訟の前提条件となる住民監査請求の内容に不備があるとして訴えを却下し、二審仙台高裁判決は27年7月、訴訟要件は満たされていると判断して地裁に審理を差し戻したとのこと。最高裁が28年6月、市長の上告を退けて仙台高裁判決が確定し、地裁で再び審理していたとの由。判決によると、市の補助金1000万円は、市民の寄付などと合わせて計約4320万円を学校後援会が一括管理しており、うち約1700万円は甲子園から2カ月以上後に支出された上、領収書がないなど使途が明確でないと指摘されたという。

【南ア】会計検査院が特定の監査事務所を政府機関監査から排除

 日経サイトが4月18日に掲出した「[FT]南ア、KPMGを公的機関の監査から締め出し」〔By Joseph Cotterill & Madison Marriage(2018年4月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)〕は、国際会計事務所のKPMGが、南アフリカで公的機関の監査を禁じられたと報じる。記事によると、南アの会計検査院は2017年からの再調査に基づき、KPMGへの政府機関監査の委託を直ちに停止すると発表したとの由。南アのマクウェツ会計検査院長官は、KPMGに公的機関の監査を禁じたのは、同社がスキャンダルとの関係で「重大な信用上のリスク」を抱えているからだと述べ、「我々は南アの最高会計検査機関だ。我々が公的部門全体に納税者のお金の使途を示すよう求めるのと同じ形で、行動を起こし説明責任を果たしているとのイメージを打ち出すことをこの国から求められている」と、マクウェツ氏は語ったという。
 記事は、KPMGは昨年、グプタ家とつながる会社の監査について謝罪し、南ア事務所でパートナー数人が辞職したとし、グプタ家は、ズマ前大統領との関係を生かして国の仕事を傘下企業に流していたと非難されていると伝える。KPMGの南ア事務所が2017年に決算を承認したVBS相互銀行が破綻したことで新たな非難にさらされており、中央銀行が指名した破産管財人によると、報告されていた預金に穴があり、不正取引の証拠が見つかっているという。破産管財人は今週、監査結果を取り消したとのこと。また、KPMGは先週末、VBSと金銭的な利害関係があることを報告せずに同行の監査にあたっていたパートナー2人が、懲戒処分を受ける前に退社したことを発表、過去の監査ファイルを顧客のために調べ直すと言明したとも。

活動について議会で質される公監査機関

 毎日新聞サイトが4月10日に掲出した「参院決算委員会 詳報」によると、「<決裁文書改ざん>」問題で、会計検査院長が質問を受けたという。その質疑は次のとおり〔発言者名を省略して引用〕。

Q:森友学園への国有地売却に関する会計検査で、正しい資料が提出されていなかった。過去に偽装文書の提出を受けたか。
A:過去20年に検査報告を提起されたものを現時点で調べた限り、決裁文書を書き換えた上で提出されていたものは見受けられなかった。
Q:検査妨害とも言え、悪質だ。会計検査院法26条に抵触するのではないか。
A:慎重に検討する必要があるが、一般論として、提出された資料が真正でなければ、26条に反することがありうる。故意または重大な過失があれば、懲戒処分の要求の対象となりうる。よもや書類が書き換えられているとの思いには至らず、決裁文書の真正性の検証は必ずしも最優先とは位置付けていなかった。

 このように国会で活動について質されることが、財政議会主義下の公監査機関であることを示しており、そのような機会が事実上ない民間企業の財務諸表監査に必要な監査基準が、公監査機関にとって有害無益な理由である。監査基準は活動正当化の盾として機能するからであり、反省改善を監査基準の改正の理由とする途を用意することによって、活動を直ちに反省改善することを妨げかねないのである。

書籍:「よくわかる「自治体監査」の実務入門」(村井直志著 日本実業出版社)

書籍:「よくわかる「自治体監査」の実務入門」(村井直志著 日本実業出版社)ISBN 978-4-534-05553-8
 表紙の返しに示されている「財務書類の基礎知識から、残高管理の業務フロー、内部統制制度の設計プロセス、CAAT(コンピュータ利用監査技法)、これから求められる監査基準のイメージまで、あるべき「財務監査」と実務を、自治体職員向け研修の人気講師としても知られる著者が、自治体監査に従事している担当者向けにわかりやすく解説。」という紹介どおりの良書。
 目次構成は「第1章 財務監査等に必要な会計の基礎知識」「第2章 地方自治法と監査実務」「第3章 財務監査等の基礎知識」「第4章 財務監査等の着眼点」「第5章 不適正な会計処理等への対峙法」となっている。
 第1章には「会計」とあるが、これは複式簿記会計であり、財政議会主義の下での公会計ではない。筆者が公認会計士であることの限界であろうが、それ故に「財務監査」を中心にしている潔さは評価されるべきと思う。
 3E監査については、財務監査においても必要であるという認識は有しており、第2章の「監査等の目的」の項には「このように、3E監査(……)と法令等への準拠性について留意する必要があります。」との記載があり、また、「第4章 財務監査等の着眼点」も、その認識で記載されている。
 報告内容については、「監査報告書(イメージ)」の記載があり、そこでは、「第3 監査の結果」として「今回監査を実施したところ、次のとおり注意、改善すべき点が認められたので、これらに留意し、適正で合理的かつ効率的な事務事業の執行に一層努力されたい。」として「①指摘事項」「②意見」としている。この文章からは、監査の結果を執行側に提出するという趣旨が読み取られ、議会へ提出するものであるという認識に欠けているのではないかという危惧が生じる。また、どういうものが「指摘事項」になるのか、という解説も見当たらない。
 以上のような点はあるが、本書が、自治体監査に従事する人にとって必読の書であることは間違いなかろう。

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公監査機関に対する誤解

 ニッセイ基礎研究所サイトに掲出された「予算編成・執行管理に係わる米政府機関の役割-立法府(議会)と行政府(大統領・官庁)のパワーバランスを支える政府機関」には、米国会計検査院について違和感のある記述が見受けられる。
 記事には、「GAOは、OMBと同様に1921年に予算・会計法に基づき、行政部門から独立した監査機関として、当初は会計検査院(General Accounting Office)の名称で設立された。GAOは04年に「2004年GAO人的資本改革法」(The GAO Human Capital Reform Act of 2004)によって、略称は従来と変わらないものの、名称が政府説明責任局(General Accountability Office)に変更された。」とある。General Accountability Officeを「政府説明責任局」と訳すのであれば、General Accounting Officeは「会計検査院」ではなく、「統括会計局」と訳すべきだろう。逆に、General Accounting Officeを「会計検査院」と訳すのであれば、General Accountability Officeも「会計検査院」と訳すべきだろう。おそらく筆者は、2004の改正が人材リクルートのための名称変更を行ったもので、SAIという実体には変更がなかった(改正前も改正後もINTOSAIの加盟機関である。)ことを承知していなかったのだろう。おそらく、公監査機関である会計検査院を民間企業の会計監査人と同様の存在と誤認しているのだろう。
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