住民訴訟費用も損害原因者の負担との高裁判決

 読売サイト東京多摩ページが12月26日に掲出した「日立造船へ逆転賠償命令」は、ごみ焼却炉建設工事の談合問題を巡り、八王子、町田、多摩の3市からなる「多摩ニュータウン環境組合」が談合に加わった日立造船(大阪)に過去の訴訟費用5500万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁が25日、組合敗訴の1審判決を取り消し、同社に全額の支払いを命じる判決を言い渡したと報じる。工事は6年に同社が約257億円で落札したものの、市民団体による住民訴訟の判決で談合と認定され、同社は19年に、価格を不当につり上げたとして18億円超を組合に支払い、組合は23年に住民訴訟の費用として市民団体に5500万円を支払ったとの由。今回の訴訟では、住民訴訟の費用も同社が負担すべきかどうかが争われ、今年2月の1審・東京地裁判決は「談合で生じた損害ではないので、負担する必要はない」と指摘していたが、高裁判決は「組合が提訴していれば、日立造船は訴訟費用も負担するよう命じられたはずだ」と判断したとのこと。

不動産鑑定士を提訴する展開

 読売サイト栃木ページが12月16日に掲出した「浄水場用地購入でさくら市、不動産鑑定士を提訴」は、さくら市が16日、合併前の旧氏家町が購入した浄水場建設用地の価格を巡る住民訴訟に関連し、不当な土地鑑定によって高額な価格で購入させられたなどとして、宇都宮市の不動産鑑定士の男性(69)を相手取り、1億4556万円の損害賠償を求める訴えを12日付けで宇都宮地裁に起こしたと発表したと報じる。住民訴訟では、旧氏家町の購入額2億5000万円の妥当性が争われ、確定判決は、適正な価格との差額1億4556万円の損害が町に生じたと認定しており、また、要因は不動産鑑定士の鑑定結果によるものだとも認めているとのこと。さくら市は、この確定判決や、この鑑定士が所属団体から「不当鑑定」を理由に6か月の会員権停止処分を受けたことなどを踏まえて提訴したもので、同市総務課は「損害を放置することは市民の利益に反し、市民の理解を得られない」と説明しているとか。一方の不動産鑑定士は16日、読売新聞の取材に対して「土地の評価額は適正だった」と話し、提訴について、「弁護士と検討の上、反論したい」と争う姿勢を示したとのこと。住民訴訟に対する今年5月の東京高裁の差し戻し審は、町に生じた損害は購入当時の町長(前さくら市長)に賠償責任があるとする一方、賠償請求権を放棄した議会の議決は有効だとして、住民側の請求を退けており、原告、被告ともに上告せず、判決は確定しているとのこと。

住民訴訟の結果を受けても返還しない元県議

 岩手日報サイトが12月14日に掲出した「サスケ氏に政調費返還命令 県議時代の276万円」は、岩手県がザ・グレート・サスケ元県議に対し、17年度の政務調査費のうち住民訴訟で違法とされた約276万円の返還を求めた訴訟で、盛岡地裁が13日、全額支払いを命じる判決を言い渡したと報じる。この日の第1回口頭弁論にサスケ氏が欠席し、答弁書なども提出しておらず、裁判長は「事実を争わず、認めるとみなす」などとして、原告の主張を全面的に認めたとの由。県議会事務局総務課の高坂一彦総括課長は「責任を持って返還してほしい。仮に判決確定後払われなければ差し押さえも含め検討する」と話し、サスケ氏の所属事務所は「本人からは全額返すと聞いている」としていると記事は伝える。

川崎市の定期監査は抽出監査

 神奈川新聞サイトが12月17日に掲出した「定期監査の結果公表 19件で適切な手続きや改善求める/川崎市」は、川崎市監査委員が25年度第1回定期監査の結果を公表したと報じる。財務事務の執行や市税の徴収事務などについて監査を行い、委託の成果物の提出など指摘事項6件と軽易な指摘事項13件の計19件で適切な手続きや改善を求め、合わせて市出資団体や指定管理者への監査も行い、24件について指摘したとのこと。市監査委員の公表によると、定期監査は9月2日から11月28日に行い、総務局関連では、市発注のWEB広報事業で、発注仕様書にあるリポート提出内容のうち、受託者による広報総括が提出されていなかった指摘、備蓄倉庫と南部防災センターの備蓄品については、リヤカーや車椅子の梱包段ボールにカビや腐食、荷崩れがあり、備品の使用に支障がないか把握がされていなかったとの指摘、備蓄品リストと現物に不一致が生じていた指摘などがあったとか。出資団体などへの監査では、市スポーツ協会の財務諸表の基本財産などの内訳に関わる当期末残高の額に前期末残高の額が記載されているなどしており、適正に作成すべきなどと指摘したと記事は伝える。

公表資料:第1回 総務局、財政局 監査結果(173KB)
財政援助団体等の監査 監査結果(314KB)

地方自治法第199条第4項 監査委員は、毎会計年度少くとも一回以上期日を定めて第一項の規定による監査をしなければならない。

原発新設に備えた基金に対する指摘

 東京新聞サイトが12月15日に掲出した「原発新設資金 8割温存 検査院の削減指摘」〔上野実輝彦〕は、原発新設のため経済産業省資源エネルギー庁が積み立てている資金が、東京電力福島第一原発事故後に会計検査院から大幅削減を求められながら、現在も八割程度が残っていると報じる。検査院の意見に法的拘束力はないものの、省庁は指摘に従って予算の使い方や制度を改めるのが通例であり、エネ庁は指摘を軽視し、資金を温存したと記事は評する。問題の積立金は「周辺地域整備資金」といい、原発を新設する際、地元自治体への支払いに充てるお金で、国民が電気料金を支払う際に納める電源開発促進税が財源になっているとのこと。エネ庁は原発事故後の23年度当初も新設する原発が14基あると見積もり、1231億円を積み立てたが、その後、このうちの5百億円は原発事故対策費などに充てるため一般会計に繰り入れられていたところ、検査院は、事故により原発新設を見直す動きがあることなどを理由に、資金は14基中3基分しか必要ないと主張し、23年10月には、残りの731億円のうち、当面必要な額は73億円程度で、650億円余を減らせるとの報告をまとめたとの由。エネ庁は指摘を受けた後、資金の積み増しをやめて支出しかしていないが、25年度当初で資金は589億円も残り、検査院が求めた大幅な削減はできていないと記事は評する。検査院が資金の必要な原発の選び方も見直すよう求めても、エネ庁は資金を使う対象となる原発の数を従来の基準で決めているとか。エネ庁電力基盤整備課は「指摘を受けた後は資金を積み増していないし、額そのものは減っている。資金対象の原発の選び方を変えていないのは、原発を新設するかどうか、具体的な政府の方針が決まっていないためだ」と説明していると記事は伝える。

公表資料:エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金について、当面の間は資金残高の規模を縮減させるとともに、今後需要額の算定が必要となる場合には積立目標額の規模を見直すなどして、当面需要が見込まれない資金を滞留させないような方策を検討するよう意見を表示したもの(平成22年度決算検査報告)
エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金の状況について(平成23年度決算検査報告)
エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金の状況について(PDF形式:88KB)(平成24年度決算検査報告)

【中】地方政府債務の監査結果は国務院へ報告済み

 カブタンサイトが12月10日に掲出した「(中国)地方債務の監査結果まもなく公表か、中央経済工作会議の前後にも」は、中国政府が近く、地方政府債務の全国監査の結果を公表するもようと報じる。経済誌「財経」によると、今月開かれる中央経済工作会議の前後にも明らかにされる見込みとか。同誌によると、中国国家審計署(日本の会計検査院に相当)が夏以降に進めていた全国監査の結果は、11月下旬に国務院(内閣に相当)へ報告済みであり、その後、財政部門が精査・修正を行ったとのこと。同誌はこれより先、地方政府の債務規模が14兆元(約238兆円)に上る見通しと報じており、市場では、最大で20兆元に達するとの推計も示されているとか。なお、審計署が2011年に発表した統計によると、地方政府の債務総額は2010年末時点で10兆7000億元だったとも。

スーパー堤防に反対する住民訴訟

 FNNサイトが12月12日に掲出した「スーパー堤防訴訟 住民側の請求を棄却 東京地裁」は、東京・江戸川区で進められている「スーパー堤防」を造る工事に反対する住民らが起こした裁判で、12日、東京地裁は、住民側の請求を棄却したと報じる。

県警への届出をオンラインで行うシステムが利用なしで廃止

 佐賀新聞サイトが12月11日に掲出した「福岡高裁が控訴棄却 県警電子システム訴訟」は、佐賀県警の電子申請システムが利用されないまま廃止された問題で、市民オンブズマン連絡会議・佐賀のメンバーらが、歴代の県警本部長と会計課長計10人に、支出額の約4億5千万円を損害賠償請求するよう県知事に求めた住民訴訟の控訴審判決で、福岡高裁が10日、「結果的に利用者がいなかったとしても、県の広範な裁量権を逸脱したとはいえず、導入が違法とはいえない」として、住民側の請求を退けた一審佐賀地裁判決を支持し、控訴を棄却したと報じる。判決理由で裁判長は、システム導入について「IT基本法で努力義務を定めた国の要請に従っており、一定の正当性はある」と判断し、住民側の「導入自体が目的化し、利用者のニーズを把握せず、4億円以上の支出をしたことは違法」とする主張を退けたとの由。判決を受け、住民側は記者会見し「内部からも需要に疑問の声があった中での導入で、多額の税金が無駄になっているのに、違法性を認めなかったのは不当」と述べ、上告する方向で検討する考えを示し、県警の加茂賢治首席監察官は「主張が認められた。これまで通り、県民の期待に応える警察運営に努める」とのコメントを出したと記事は伝える。判決などによると、県警は18年4月、道路使用許可など20種類の申請や届け出をオンライン化するシステムを導入し、利用は1件もなく、22年1月末に廃止したとのこと。今年3月の一審佐賀地裁判決では、歴代会計課長の重大な過失を認めず、導入の違法性については判断しないまま住民側の訴えを退けていたとか。

朝鮮総連の固定資産税等の減免

 読売サイト関西発ページが12月10日に掲出した「「朝鮮総連の税減免は不当」大阪市監査委」は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が使用している大阪市内の土地と建物について、固定資産税などを減免するのは不当だとして取り消しを求めた住民監査請求で、大阪市監査委員が、「(減免の要件である)在日朝鮮人一般が利用していることを確認できない」として橋下徹市長に対し、減免措置を取り消すよう9日付けで勧告したと報じる。朝鮮総連関連の施設を巡っては、固定資産税などの減免は違法だとして、市民が市に取り消しを求めた訴訟があり、大阪地裁は昨年12月、市長の裁量権逸脱、乱用があるとして、取り消しを命じていたとのこと。

公表資料:勧告(平成25年12月9日)〔概要本文

監査役の平均任期を開示すべきとの卓見

 ブロゴスサイトが12月6日に掲出した「監査役の平均任期はガバナンス報告書で開示すべきである」〔山口利昭〕は、監査役が活動している一般社団法人監査懇話会での講演後の懇談で、金融機関の監査役の方々が1期4年の任期を全うすることなく退任される例が多いという話をしたところ、懇話会に参加しておられる監査役経験者の方の半数以上が「私も任期4年を全うしていない」ということだったとの経験談から説き起こす。そもそも監査役の職務の独立性を確保するために、会社法では1期4年という監査役の任期が定められており、株主からも、最低4年は身分が保証されることを前提として、独任制機関としての監査を行うことが期待されている(信認されている)はずなのに、会社の慣行や人事政策、取締役の任期とのバランスといった理由で退任を余儀なくされるというのは、適時開示の辞任理由に偽りあり、ということになるとして、その会社が監査役制度に何を期待しているのか、人事政策と監査役監査とはどちらを優先しているのか、ということは一般投資家にも「企業のリスク管理」を知る上で重要な情報であることから、たとえば証券取引所の有価証券上場規程にあるコーポレートガバナンス報告書の中で、過去10年以内に退任された社内監査役の方々の平均任期を開示するべきだと説いている。

招聘する人材への住居提供

 読売オンライン滋賀ページが11月27日に掲出した「家賃返還の請求棄却 大津市監査委員」は、国から出向していた大津市の前副市長と、県外から招請した公営企業管理者の宿舎の家賃や入居時の礼金などを市が負担するのは不当として、藤井哲也市議が市の負担額計344万円を両者に返還させるよう、市に住民監査請求を行い、市監査委員はこの請求をおおむね棄却する決定を19日付けでしたと報じる。ただし、公営企業管理者のため支出した「消毒手数料」(2万1000円)については本人が負担すべきだとして返還を命じたとか。前副市長は月額家賃12万円、公営企業管理者は同12万3500円の住居を借り上げ、自己負担額はそれぞれ月額2万8000円と4万2000円だったが、これについて藤井市議は「市が幹部の住居費を賄う法的根拠はない」として、自己負担額を除いた家賃や礼金、敷金などの全額の返還を9月に請求していたが、市監査委員は「有能な人材を確保するため市が宿舎を用意することに意義はある。国家公務員宿舎法の規定を準用するなどして負担費用が算定され、問題ない」などとして請求を退けたとか。ただ、公営企業管理者の消毒手数料は「居住の快適性に寄与するもの」として、市の支出を不適当としたとのこと。

施工図の誤りによって高低差のある道路

 ケンプラッツが12月5日に掲出した「12年度会計検査報告 道路改修ですり付け位置が不適切、路面に高低差」〔奥野慶四郎=フリーライター [日経コンストラクション]〕は、道路の改修工事でオーバーレイ工法を採用したが、図面ではすり付け部が車線の中央付近に設定されていた。その結果、路面に数センチメートルの段差が発生、と会計検査院の24年度決算検査報告で指摘を受けたのは、国土交通省北陸地方整備局新潟国道事務所が発注した「国道113号防災工事」で、同工事の「鷹ノ巣工区」で実施した舗装工事が、路面の目地部の破損や既設コンクリート舗装の摩耗などを補修する内容だが、上下各1車線の本線と、下り車線の外側に設けた県道への連絡車線(以下、付加車線)に、目地材の注入やクラック抑制シートの敷設といった補修を施したうえで、路面に平均厚さ5cmでオーバーレイ工法による改修を実施したところ、会計検査院から、本線と付加車線との幅50cmのすり付け部が付加車線の中央付近に位置しており、その箇所では高さ4.3~5.4cmの高低差が施工延長分の87.7mにわたって生じていたと伝える。寒冷地で冬期の積雪が多いという現場の地域特性を踏まえると、こうした高低差は路面凍結時に自動車のスリップを誘発するなど、安全性を損ない一般交通に支障を及ぼす恐れがあると会計検査院は判断し、また、日本道路協会の「道路維持修繕要綱」が示している本線部分と付加車線とのすり付け部の適切な施工態様や、道路法が規定する道路の構造などにも反していると認定したとの由。同院の検査によると、そもそもの発端はこの作業内容を指示した施工図にあり、施工図は新潟国道事務所が施工範囲などを指示したうえで施工者に作成させ、承諾していたものだったが、この施工図では、本線部分は全幅員分をオーバーレイ工法による改修範囲としていたものの、付加車線部分は、幅員3mのうち本線側の幅1.25mの部分だけを対象にしており、施工者がこれに従って施工した結果、すり付け部の高低差が付加車線の中央付近に生じてしまったとか。会計検査院は、道路管理者として一般交通に支障を及ぼさないようにするという点で、新潟国道事務所の配慮が不十分と指摘し、さらに、同事務所が施工者に指示したオーバーレイ工法の適用範囲が適切でなかったことがこうした事態を招いたと断定し、オーバーレイ工法による施工に関する費用300万円を不当としたとのこと。

公表資料:道路の舗装工の実施に当たり、設計が適切でなかったため、施工した道路の路面に高低差が生じていて、安全かつ円滑な交通が十分確保されていなかったもの(PDF形式:135KB)

建物保存を住民訴訟で?

 西日本新聞サイトが11月27日に掲出した「「価値は認められたが…」 旧直方駅訴訟、敗訴の住民落胆 [福岡県]」は、直方市がJR直方駅旧駅舎の解体関連費用を支出したのは不当として、市民グループが向野敏昭市長に損害賠償を求めた住民訴訟の判決が26日、福岡地裁であり、訴えを棄却した判決に対し原告側が「旧駅舎の文化財的な価値は一定程度認められたが…」と残念がり、市側は手続きの正当性が認められたとしていると報じる。旧駅舎の保存運動を展開した市民グループ「101歳直方駅舎の再生を求めるネットワーク」代表で原告代表は「住民訴訟のハードルは高い」と厳しい結論を受け止めた上で、「文化財としての価値を認めるなら、判決はもう少し踏み込んでほしかった」と語ったとか。

みんなに倣って動けば故意や過失は存在しない

 毎日jp奈良ページが11月22日に掲出した「生駒・住民訴訟:高裁で逆転、請求棄却 「違法」認定も、市長の責任認めず /奈良」〔熊谷仁志〕は、生駒市が法律や条例に基づかずに設置した「市民自治推進会議」を違法として24年1月開催の会議出席委員8人に支払った報酬計6万7000円を、市が山下真市長に請求するよう求めた住民訴訟で、大阪高裁が、7日付けで、訴えを全面的に認めて全額請求を命じた奈良地裁判決(6月25日)を取り消し、請求を棄却したと報じる。「支出は違法」としたが、故意や過失ではないとして市長の賠償責任を認めなかったもので、原告の住民は上告したとのこと。判決などによると、市は21年8月、自治基本条例の運用状況を見守る目的などで、要綱に基づき会議を設置しており、地裁判決は、会議の実態から地方自治法で定められた「付属機関」に該当すると判断し、法や条例に基づかない設置と支出の違法性、過失による山下市長の損害賠償責任を認め、市が判決を不服として控訴していたとの由。高裁判決は1審同様、会議設置は無効と認定したが、故意か過失で職員の財務会計上の違法行為を阻止しなかった時に限り、賠償責任を負うと指摘し、会議が設置された22年当時、9割超の市が要綱などで付属機関に準じる機関を設けていたという調査結果も示し、「行政実務上、違法との認識は一般化されていなかった」「(市長が)市に損害を加える認識を持たなかったとしても、やむを得ない面がある」と故意や過失は認めなかったとか。市側は裁判で、会議は付属機関に該当しないなどと主張したが、会議は現在、市監査委員の勧告を受け、条例に基づいて設置しているとのこと。

福岡市議会の政務調査費の地裁判決

 西日本新聞サイトが11月20日に掲出した「政調費違法判決 目的外支出は許されない」は、福岡市議会の18年度の政務調査費をめぐる住民訴訟で福岡地裁が、支出の一部を違法として7会派と20議員に計約2200万円の返還を求めるよう高島宗一郎市長に命じる判決を言い渡したと報じる。違法と認定されたのは議会開催日の昼食代、政党や友好団体の機関紙代、ソフトボール大会費などの全額で、大量の切手やはがき代は半額を目的外支出と認定したとのこと。記事は、政務調査の趣旨や社会通念に照らして当然ではないか、議会側には困惑もあろうが、判決を謙虚に受け止め、目的外支出は厳に慎むべきであると説く。13年度に導入された政務調査費はとかく物議を醸してきており、調査研究の充実を図るはずが、飲食代など不適切な支出が各地で相次いでおり、会派支給を含めると福岡市議会で1人当たり年420万円が支給されるなど金額が大きく、「第二の報酬」との批判も絶えないと記事は伝える。使途をめぐる住民訴訟は全国で100件近くに及び、うち約60件で支出の一部が違法とされ、不適切使用の広がりをうかがわせるとのこと。福岡地裁判決は、支出の妥当性について議会側により重い立証責任を課したのが大きな特徴で、具体的には原告側が目的外支出の疑いを指摘して立証した場合、議会側が目的を的確に立証して反論できなければ、目的外支出が混在すると推認できる、としているとか。記事は、妥当性を明確に判断できるよう改善を促すもので評価できるとしている。地方議会では政務調査費支出の透明化へ向けた取り組みが進んできており、福岡市議会も20年度から添付する領収書をそれまでの5万円以上から1円以上に拡大したが、一方で透明化に逆行しかねない動きもあり、昨年の地方自治法改正で政務調査費が「政務活動費」に改称されたのに伴い、福岡市議会を含む多くの議会が支出対象を「要請や陳情活動」などにも拡大したからで、地方自治のために政務活動費がどうしても必要というのであれば、それにふさわしい支出に限定して使うべきで、公金意識の徹底をあらためて議会側に求めたいと記事は締め括る。

時効成立前の不納欠損処理で損害を与えたとの考え方

 読売オンライン秋田ページが11月19日に掲出した「住民監査請求を棄却」は、鹿角市の職員が時効を迎えていない滞納税を欠損金として処理した問題で、市民団体「鹿角生活と健康を守る会」が関係職員らによる市の損害分の賠償と不適切な税務処理の是正勧告を求めた住民監査請求について、鹿角市監査委員が18日、「職務上、重大な過失があったとは認められない」として請求を棄却する監査結果を公表したと報じる。結果を受け、記者会見した守る会の会長は「納得のいく回答ではない。住民訴訟の方向で準備する」と追及を続ける考えを示したと記事は伝える。市の調査では、20~24年度に、時効成立前に欠損金として処理した滞納税が約1億4154万円、時効後に徴収したため返還の必要のある額が約128万円などとなっており、監査結果などによると、市監査委員は職員からの聴取や書類などの調査で、時効成立前の不納欠損処理や時効後の徴収があった事実は確認したものの、これは、市税の滞納状況と納付状況などの記録を一元管理していないコンピューターシステムに原因があり、職員の故意ではないと判断し、「市長及び関係職員らが業務を違法に怠った事実はない」として、損害賠償を求める理由がないと結論づけたとの由。不納欠損金として処理した後、時効が成立し、徴収できなくなった約4637万円については、職員が督促などをしたものの、滞納状況から確実に徴収できたとは判断できず、欠損金処理で市に損害が発生したとは認められないと指摘したとのこと。時効後に徴収した滞納税を納付者に返還する際、上乗せする還付加算金約8万円のみ、市の損害と認定したとか。児玉一市長は「結論を真摯に受け止め、納税及び市政に対する市民の信頼回復に努める」とし、15日付の関係職員ら14人の処分に続き、自らの処分も検討するとの内容の文書を出したとか。監査結果を受け、鹿角市交流センターで開かれた守る会の会見には、会長のほか役員らが出席し、「市の過失を市民に押しつけている」「解釈の誤り、記録の見落としを理由に、市職員は億単位の金をいい加減に扱っている」などと憤りをあらわにしたとか。同席した県生活と健康を守る会連合会の会長も「お粗末な監査結果。損害と責任をすり替えている。市と市長には、故意でないにしろ重大な過失がある」と述べたとか。

公表資料:住民監査結果公表

契約手続を後付けすることによる早期処理

 読売サイトが11月20日に掲出した「巡視船艇修理で不正経理「誠に遺憾」海保長官」は、巡視船艇の修理を巡り、海上保安庁が会計検査院から約14億円の不正経理を指摘された問題で、同庁の佐藤雄二長官は20日の定例記者会見で「誠に遺憾だ」と述べ、再発防止に取り組む考えを示したと報じる。同庁本庁と、第11管区海上保安本部を除く全国10か所の管区本部は、19年度から6年間に約1000件の不適正な会計処理があったと指摘されており、同庁によると、故障した船艇を早期に現場復帰させるため、契約手続きを経ずに業者に修理を依頼したのが主な理由とか。私的流用は見つかっていないが、佐藤長官は会見で「職員の意識改革や会計事務の効率化などを行い、再発防止に努めたい」と話し、不正経理に関与した職員を処分する考えを示したと記事は伝える。

公表資料:船舶修理等の実施に当たり、虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な会計経理を行って航空機及船舶運航費等を支払っていたもの(PDF形式:128KB)

検査官は閣僚・人事官並み

 WSJサイトが掲出した「外国情報、国会に非提供も=会計検査官は適性評価不要?森担当相・秘密保護法案」〔時事通信社〕は、特定秘密保護法案に関し、森雅子内閣府特命担当相が28日午後の参院国家安全保障特別委員会で、特定秘密を取り扱う公務員らに実施する適性評価に関して、人事院人事官や会計検査院検査官らについては閣僚などと同様に実施の対象外との見解を示したと報じる。

今年の公認会計士は売り手市場

 朝日新聞デジタルが11月19日に掲出した「会計士の卵、合格前に「内定」 監査法人の争奪戦激化」〔神沢和敬〕は、新しく公認会計士になる人の就職戦線が「売り手市場」に一転しており、新規上場数の減少などでここ数年は狭き門が続いていたのに、景気の回復傾向を受け、大手監査法人の会計士採用の動きが活発化しており、志願者数の減少につられて合格者も減ってきた傾向も拍車をかけていて、今年の合格者が発表された15日を待たずに、採用活動が始まる騒ぎが起きていると報じる。

共同監査事務局に関する共同研究

 山陽新聞サイトが11月7日に掲出した「監査委事務局一本化へ共同研究 瀬戸内、備前、赤磐の3市」は、瀬戸内、備前、赤磐の3市が7日、監査委員事務局の共同設置に関する研究を始めたと報じる。地方自治法改正で可能になったためで、大学の研究者を交えて実現の可能性を探るとのこと。一本化した例は全国になく、共同研究に乗り出すのは岡山県内で初めてとか。監査委員事務局は、小規模な自治体を中心に職員の人数や経験不足といった課題が指摘され、23年の地方自治法改正で、共同設置を認める規定が盛り込まれており、共同研究は、地方自治を研究する関西学院大大学院の石原俊彦教授が、市長と旧知の仲である瀬戸内市に呼び掛けたとの由。計5回の会合を予定しており、現状の問題点を整理して、事務局を共同設置した場合の長所・短所や実現への課題を協議し、来年1月末までに大学側が是非に関する報告をまとめた上で、3市で対応を検討するとのこと。備前市役所であった7日の初会合で、武久顕也瀬戸内市長は「共通の監査基準を設けるといった緩やかな連携も視野に入れたい」、吉村武司備前市長は「市民に信頼される組織ができるのなら歓迎」、友実武則赤磐市長は「課題をクリアできるなら実現したい」などと述べたと記事は伝える。

私学への補助金を返還させる必要を認定

 中日新聞サイト長野ページが10月24日に掲出した「監査委員、補助金返還請求を勧告 才教学園問題」は、松本市の小中一貫校の私立才教学園で適切な免許を持たない教諭が授業をしていたとされる問題で、長野県監査委員が23日、県に対し、昨年度までに学園へ支払った補助金の一部返還を求めるよう勧告したと報じる。県情報公開・私学課の担当者は勧告を受け、「真摯に受け止め、必要な調査をした上で早めに結論を出したい」と話したと記事は伝える。監査委員は、適切な免許を持たない教諭が授業していたことや、県にうその教員配置を報告したこと、補助金を違法配置した教員の人件費に充てていたことが「違法もしくは不当な公金の支出」に該当すると判断し、県に、事案の全容解明と違法配置にかかわる人件費を精査した上で、算出した相当額の返還を求めるよう勧告したとの由。監査請求した松本市の男性は補助金の全額返還を求めたが、監査委員は「適正に行われた授業も存在する。全額返還は違反の責めを児童生徒や保護者に負わせる」として、全額返還は適当ではないと結論づけたとか。県は17年の学園開校以降、昨年度まで6億1千万円の補助金を支出しているが、監査は、地方自治法の時効を迎えていない20年度以降を対象にし、一部執行を停止している本年度の補助金への対応は、県の判断に委ねたとのこと。

公表資料:学校法人才教学園に交付した補助金の返還を求める件(PDF:229KB)

除染費に関する国会・内閣直接報告

 読売オンラインが10月17日に掲出した「東電、除染費336億円未払い…会計検査院指摘」は、会計検査院が、昨年7月に実質国有化された東京電力に初めての検査を行い、報告書を16日発表したと報じる。福島第一原子力発電所事故を巡る除染費用について、国が立て替えた後に東電へ請求した403億円のうち、336億円が未回収だと指摘したが、東電の負担範囲について関係省庁の意見が異なり、支払いの着地点は見えないとのこと。賠償金の請求書の処理などの賠償業務では、価格競争が不十分だとして改善を求めており、東電の経営姿勢が問われそうと記事は評する。報告書は除染費用について、国が東電に請求した403億円のうち、回収は67億円にとどまると指摘しているが、東電は、除染で出た土を保管する仮置き場の設置費などを「除染費用に含まれるのか明確でない」として支払いを保留していて、国にも一定の負担を求めているとの由。東電に理解を示す経済産業省は財務省と協議を始めたが、財務省は反発しているとも。国は除染費用として25年度までに約1兆3000億円を計上したが、除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設の計画が具体化すれば、費用は1兆~2兆円膨らむ可能性があり、法律では「(東電は)請求があった時は速やかに支払うよう努めなければならない」と定めているとのこと。東電は「一企業では負いきれない」(広瀬直己社長)と訴え、経産省も「東電の経営が見通せなくなれば、人材流出が進み、事故収束が滞る恐れがある」(幹部)と理解を示しているが、財務省は「長期的に除染費用を回収する枠組みが確立しており、除染で東電の経営が行き詰まることはあり得ない」(幹部)として、東電の姿勢を批判しているとのこと。除染費用は国が東電に請求するが、最終的には電力各社の負担金で賄う仕組みだからだ。

公表資料:東日本大震災に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境汚染に対する除染について(平成25年10月16日):要旨PDF(151KB)、本文PDF(990KB)、別表PDF(1,490KB)

【中】INCOSAIで李首相が挨拶

 CRIオンラインが10月22日に掲出した「李首相、中国の公的債務の安全性と制御の可能性を強調」〔Yan〕は、李克強首相が22日、最高会計検査機関国際組織(INTOSAI)の第21回大会の開幕式での挨拶で「ここ数年、中国の会計検査機関は、公的資金、国有資産と指導者や幹部の経済責任に対する審査と監督を強め続けてきた。中国の公的債務は全般的に安全であり、コントロール可能な範囲にある」と述べたと報じる。李首相は席上、「中国は、特に地方政府の債務に対する監査を強めており、会計検査で明らかになった問題に基づき、一連のリスクマネージメントを強めている。中国政府は、赤字率を厳格に管理しており、現在、2.1%という赤字率を今後も厳しくコントロールしていく」と表明したとのこと。中国経済は、今年に入ってから、これまでの高度成長から中高速の成長に変わったものの、世界的に見れば尚も高い成長率が維持されており、これについて李首相は「経済成長のギアチェンジに伴い、歳入をこれまでのように二けた成長を継続させるのは難しくなる。我々はモデル転換と産業の高度化の過程で、クォリティと効率を高め、歳入を経済成長と見合ったものにし、また、経済の成長を継続的に支えて、大衆の生活改善につなげていくため、財政赤字と債務規模を合理的な範囲に抑えていかなければならない」と述べているとか。李首相はさらに、財政の持続可能な運用に向け、財政への会計検査の役割をさらに発揮していくことを強調したとも。

神奈川県内広域水道企業団に係る監査請求

 東京新聞サイト神奈川ページが10月31日に掲出した「水融通費 住民請求を棄却」〔栗原淳〕は、川崎市が自己水源から臨時に提供した水の費用を神奈川県内広域水道企業団に請求するよう求めた、かわさき市民オンブズマンの住民監査請求で、市監査委員が請求を棄却したと報じる。監査事務局が30日に発表したもので、オンブズマンは、21年12月~24年2月、台風などのため企業団に市所有の水源から給水した8件のうち、未払いの費用約3億2千3百万円の回収を市に勧告することを求めていたが、監査委員は「法的な整理が遅れた面は否めないものの、市の財産管理がずさんだったとまでは言えない」としたとの由。また、市が東京都に常時供給している原水より不当に安い単価設定だとする主張にも「費用精算は都への分水対価と同一の基準で処理すべきものとは考えられない」と判断したとか。

 神奈川県内広域水道企業団は、構成団体(神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市)が昭和44年に共同で設立した「特別地方公共団体」。

八ッ場ダム事業費負担住民訴訟は高裁まで行っている

 中日新聞サイトが10月30日に掲出した「八ツ場ダム、二審も住民敗訴 千葉県の支出「適法」」〔共同〕は、国が進める八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設に反対する千葉県の住民が、千葉県の事業費負担は違法だとして支出差し止めを求めた住民訴訟の控訴審判決で、東京高裁が30日、一審千葉地裁に続き住民側の請求を全面的に退けたと報じる。裁判長は「八ツ場ダムは千葉県の洪水被害の防止に有効で、支出が違法とは認められない」と判断したとの由。16年に利根川流域の1都5県で起こされた住民訴訟の一つで、二審判決は住民側が敗訴した3月の東京訴訟に続き2例目で、他の4地裁でも全て住民側が敗訴し、東京高裁に控訴しているとのこと。

沖縄県24年度決算の委員会審議

 沖縄タイムズが10月16日に掲出した「執行率10年で最低 一括交付金遅れが影響」は、沖縄県議会の決算特別委員会(狩俣信子委員長)が15日、県の24年度決算について審査し、沖縄振興推進交付金(一括交付金)の導入と、年度末に330億円規模の国の緊急経済対策が重なり執行率が85%と低迷したことに質問が集中したと報じる。岩井健一会計管理者は「年度内に事業完了できず繰り越しが増えた」と指摘した上で、過去10年間で最も低い執行率となったことを明らかにしたと記事は伝える。知念建次代表監査委員は、導入初年度の影響による交付決定の遅れが低い執行率と繰越額の拡大につながったと説明し、25年度への同様の影響については否定し「内諾を得て新年度からすぐに着手していると聞いている。執行状況は良くなるのでは」と期待を示したとの由。一方、監査のあり方をめぐる質問で、知念代表監査委員は国の会計検査院の指摘で不正を把握した識名トンネル問題を教訓に、工事監査を本年度から外部の専門家に委託したことを明らかにしたとか。技術的なことは委託先が担い、全体の流れは従来の体制で把握するとのこと。監査結果は「工事監査報告として公表したい」と話したとも。県が管理する基金について岩井会計管理者は24年度末現在で42基金、計1463億4539万円であることを明らかにし、主に定期預金(約7割)で運用していると説明したとか。

公表資料:平成24年度各会計決算審査意見書等を掲載しました(平成25年9月10日公表)

平成24年度決算検査報告は7日に内閣へ送付

 首相官邸サイトは11月7日に「会計検査院平成24年度決算検査報告手交」を掲出して「平成25年11月7日、安倍総理は総理大臣官邸で、会計検査院の河戸光彦院長から平成24年度決算検査報告を受け取りました。この決算検査報告には、平成24年度の歳入歳出決算、政府関係機関の収入支出決算等について、会計検査院が平成25年次中(24年10月~25年9月)に実施した会計検査の成果が収録されています。」と伝える。

 朝日デジタルが11月8日に掲出した「国費無駄遣い4907億円 会計検査院、630件指摘」〔金子元希、北沢拓也〕は、会計検査院が7日、国費の使い道を調べた24年度の決算検査報告を安倍首相に提出し、無駄遣いや不適切な経理、改善が必要な事業は630件、4907億円にのぼり、これは前年の5296億円に次いで過去3番目の金額で、4年連続で4千億円を超えたと報じる。

 日経サイトが11月8日に掲出した「税金のムダ 4900億円 過去3番目の水準 12年度決算で検査院指摘 土地「塩漬け」多く」は、会計検査院が7日、国の24年度決算の検査報告をまとめ、安倍晋三首相に提出し、税金の無駄遣いなどの指摘額は計4907億円と過去3番目に多く、23年度より117件多い630件の事業で改善が必要だとしたと報じる。支出が法令違反にあたる「不当事項」の指摘額は計543億円(470件)、改善が必要と評価した「処置要求」や「意見表示」の指摘額は計3533億円(77件)で、東日本大震災の復興予算・政策の点検では、防衛省が津波対策として全国の駐屯地で隊舎などの基礎を1~2メートルかさ上げした工事について、施工後も想定される津波の高さより低かったなどとして計60億8千万円分の効果が不十分と指摘し、101の独立行政法人の資産の点検では、7法人が保有している土地計約98万平方メートル(約218億円相当)が今年3月末時点で有効に活用されていなかったと指摘しており、特に、日本高速道路保有・債務返済機構が活用していない土地は東京ドーム19個分に当たる約89万平方メートル(約190億円相当)に上っていて、酒田みなとインターチェンジ(山形県酒田市)や君津パーキングエリア(千葉県君津市)など35カ所計59万平方メートル(154億円相当)は予定した交通量に満たないことなどから、一部を雪捨て場などに使ったほかは放置していたと記事は伝える。記事によると、検査院は今回、「国民生活の安全や安心」を重点テーマに掲げ、道路などインフラや社会保障分野を重点的に調べた結果、国道の橋脚の柱にコンクリートを巻き付け耐震補強をした橋10本(計1億円)の工事では「柱部分の重量が増し、基礎部分の耐震性が落ちた」と指摘して、「改めて安全性を検査し、必要ならば追加工事を」と求めており、社会保障分野では、生活保護を受給していた単身者が死亡したのに、24都道府県の125自治体が死亡を把握せずに受給者の口座に支払いを続け、返還請求もしなかったなど計3億1千万円の支出が不適切だったと指摘して、厚生労働省に適切な処理の徹底を求めたとか。

 MSN産経ニュースが11月7日に掲出した「国の無駄遣い4907億円 24年度会計検査院報告 過去3番目規模」は、会計検査院が7日、国の平成24年度の決算検査報告書をまとめ、安倍晋三首相に提出したと報じる。税金の無駄遣いなど不適切な会計処理の指摘は630件、約4907億円で、21年度(約1兆7904億円)、23年度(約5296億円)に次ぎ過去3番目の高額だったとか。実質的に2年目となる東日本大震災からの復興関連事業の検査に本腰を入れ、国民生活の安全確保など防災全般の予算執行を多角的に調査しており、初めて検査対象となった東京電力に対しては、来年度以降も継続して損害賠償の進捗状況などを精査するとのこと。1件当たりで高額だったのは、700億円が貸し付けられたが十分な財産を保有しているとして「不用」と判断された中小企業庁の信用保証協会に対する補助金、省庁別の指摘金額では、経済産業省が最も高額で約1153億3800万円、続いて防衛省が約1041億9千万円、法務省が約809億6500万円だったとか。件数では、厚生労働省の279件が全体の4割強を占めたとのこと。法令違反に当たる不当事項は470件、約543億7900万円(前年度357件、約191億3300万円)だったとも。

公表資料:平成24年度決算検査報告

東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等の追加報告

 NHKニュースサイトが10月31日に掲出した「震災復興予算 約6.5兆円使われず」は、東日本大震災の復興予算として、昨年度までの2年間に計上された19兆円余りのうち、ことし3月末の時点で3分の1に当たるおよそ6兆5000億円が次の年に繰り越されるなどして使われていなかったことが会計検査院の調べで分かったと報じる。人員不足による工事の遅れなどが背景にあり、会計検査院は関係省庁に対し、復興事業が進んでいない自治体などに対して一層の支援を行うよう求めていると記事は伝える。会計検査院が、東日本大震災の復興予算として昨年度までの2年間に計上されたおよそ19兆9000億円がどのように使われたか、ことし3月末の時点で調べたところ、使われたのは全体の77.2%にとどまり、4兆5000億円余りが繰り越されたり、不用になったりして使われていなかっとか。このうち2年にわたって予算が繰り越されたおよそ130の事業について理由を調べたところ、工事に必要な人員の不足と、地盤の強度不足などによる追加工事の発生が、共に23件と最も多く、次いで建設資材の不足が20件とのこと。また、復興予算から公益法人などが作る基金に支払われた補助金を調べたところ、ことし3月末の時点で事業のために取り崩されていたのは全体で28.7%にとどまり、2兆円余りが使われていなかったとか。中には事業のニーズが当初の想定を大幅に下回ったため、すでに事業が終了したのに半分以上が使われていない基金もあるとのこと。ことし3月末の時点で使われなかった復興予算は合わせて全体の3分の1に当たるおよそ6兆5000億円に上り、会計検査院は関係省庁に対し、復興事業が進んでいない自治体などに対して一層の支援を行うことや、基金の規模を検証して有効に活用することなどを求めているとか。

公表資料:東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等について(平成24年8月27日参議院(決算委員会)検査要請)〔平成25年10月31日追加報告〕:要約PDF(193KB)、本文PDF(1,110KB)、別表PDF(1,190KB)、別添PDF(641KB)

活用まで時間が掛かる被災地人材育成プログラムが存在

 NHKニュースサイトが10月29日に掲出した「被災地人材育成プログラム 8割未活用」は、東日本大震災の復興を担う人材を育てるため、全国の学校法人が国の委託を受けて被災地の専門学校向けに作った人材育成プログラムの8割以上が被災地で活用されていないことが、会計検査院の調べで分かったと報じる。東日本大震災の復興事業の1つとして、文部科学省は復興を担う人材を育てるため、全国の学校法人に委託して、被災地の専門学校向けに医療や情報通信などの分野の人材育成プログラムの作成を進めているが、会計検査院が、プログラムの活用状況について平成23年度に作られた79件を調べたところ、83%に当たる66件が、被災地の専門学校で活用されていないことが分かったとのこと。活用されていないプログラムに対して国が支払った委託費用は1億1200万円余りに上り、委託先の学校法人の多くは、みずからが運営する学校での活用を検討するのにとどまっているとか。会計検査院は、プログラムの活用を進めるため、文部科学省に対して、活用状況を調査するとともに被災地の専門学校に対する情報提供を進めるなどの改善を求めており、これについて文部科学省は、「プログラムの活用までには一定の時間がかかるものと認識しているが、会計検査院の指摘を受け改善を進めている」としているとか。

公表資料:東日本大震災からの復旧・復興を担う専門人材育成支援事業により開発された教育プログラム等の成果物が被災地で有効に活用されるよう改善の処置を要求したもの(PDF形式:175KB)

震災復興特別交付税の算定方法を周知すべき

 時事ドットコムが10月29日に掲出した「6億円余を過大配分=震災復興特別交付税-会計検査院」は、東日本大震災で被災した自治体の復旧・復興経費を国が肩代わりする震災復興特別交付税のうち、各自治体の単独事業分について会計検査院が調査したところ、2県と15市村に対して計約6億2500万円が過大に交付されていたことが分かったと報じる。災害復旧事業に該当しない経費を含めたり、経費の重複があったりしたとの由。検査院は総務省に対し、対象経費の範囲を自治体に周知すると同時に審査を適切に行うよう是正を求めたとか。昨年度まで2年間に支払われた同交付税は1兆5780億円、うち地方単独事業分は2368億円となっており、検査院は8道県の78自治体に交付された654億円について調査したとのこと。

公表資料:震災復興特別交付税の額の算定に当たり、一般単独災害復旧経費の算定対象となる経費の確認を適切に行うなどして、その算定が適切に行われるよう是正改善の処置を求めたもの(PDF形式:157KB)
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