財団法人「民間都市開発推進機構」に関する指摘

 MSN産経ニュースが10月29日に掲出した「民都機構の“埋蔵金” 返納規定の整備を要請 会計検査院」は、国土交通省所管の財団法人「民間都市開発推進機構」の業務の柱である都市開発事業用の土地の購入、譲渡事業が平成16年度に終えたにもかかわらず民都機構に多額の「埋蔵金」があり、国庫に返納する規定がないのは不適切だとして、会計検査院が28日、国土交通省に改善を求めたと報じる。民都機構は事業用地として有望な土地を取得し、10年間を限度に機構で保有し、都市開発事業を行う事業者に譲渡する事業を行い、平成6年度以降16年度までに227件の土地を取得し、20年度までに213件を譲渡したとのこと。民都機構の土地購入資金は、一般会計から5~11年度までに計1097億円を都市開発資金融通特別会計に繰り入れ、さらに1097億円を無利子で機構に貸し付けることで手当てしているとの由。民都機構は平成12年度には289・8ヘクタールの土地を取得、保有していたが、20年度には15・0ヘクタールを保有するに過ぎなくなっており、これは民都機構が16年度に土地取得業務を終え、あとは譲渡する一方になっているからで、検査院はこうした事業縮小の実態の一方で、国庫から貸し付けられた残高がいまだに1097億円あること、必要な規模を超える無利子貸付金があるのに、業務廃止前に国庫に返納する規定がないため、機構が貸付金を保有したままなのは適切でないと結論づけたとか。また、将来の業務停止時に民都機構への無利子貸付金を国庫に返納できる規定がはっきりしていなかったとか。検査院は返納規定を整備するよう国交省に求めるとともに、事業縮小とともに民都機構が平成21年度に国庫補助金90億円を国に返還することにしていることを考慮しても、事業促進支援基金の運用方法をかえるなどすればさらに国庫に返納することが可能と結論づけ、国交省に改善を求めたとのこと。

公表資料: 財団法人民間都市開発推進機構の土地取得・譲渡業務等に対する財政援助の規模等について(第36条の規定による意見表示)

空洞調査費用の負担金収受が不十分

 日経が10月29日に掲出した「道路空洞調査で徴収不足、電力などから1000万円 検査院調べ」は、国土交通省関東地方整備局管内の東京国道事務所が20年度に実施した道路の下の空洞調査で、費用を分担する電力・ガスなど11社からの徴収額が計約1000万円不足していたことが会計検査院の調べで分かったと報じる。空洞調査は昭和63年の東京都内での路面陥没事故を受けて必要性が議論され、平成2年のレーダー探査車開発により始まったもので、電線やガス・水道管など地下埋設物の破損が空洞の原因とみられ、費用は関東局と11社で共同負担しているとのこと。検査院の調査によると、東京事務所の調査で関東局は財団法人道路保全技術センターとの当初契約額に基づき、20年4月に各社から計6356万円を徴収していたが、その後に調査費用が増えたにもかかわらず、各社から増額分に当たる計1087万円を徴収しなかったとか。

公表資料:路面下空洞調査業務の契約及び実施について(平成21年10月28日付け国土交通大臣あて)

国債運用収益を事務費に充当する事業スキーム

 日経が10月28日に掲出した「民都機構、国の拠出1200億円生かせず 検査院「不要分は返還を」」は、マンションや商業施設などの開発事業を支援する財団法人「民間都市開発推進機構」の土地取得業務を巡り、国からの貸付金・補助金の残高が20年度末で計1259億円もの巨額に上ることが会計検査院の調べで分かったと報じる。不動産事業の低迷で有効に活用されていないことから、検査院は拠出元の国土交通省に対し、不要額を返還させるよう求めたとか。同機構はマンションや商業施設の開発業者に代わり土地を取得し、企画・立案支援をして10年以内に民間に譲渡しているが、土地取得・譲渡業務の事務費は、国からの無利子貸付金を国債などで運用した収益を充てているとのこと。しかし、不動産事業の低迷などで事業そのものが縮小しており、検査院によると、同機構への貸付金残高は20年度末で1097億円で、運用収入は年間18億円となっていて、運用収入に占める事務費の割合は近年約3割と、1990年代の約5割から大幅に下落したとのこと。土地取得は既に終了し、事業規模も縮小するとか。

公表資料:第36条の規定による意見表示(財団法人民間都市開発推進機構の土地取得・譲渡業務等に対する財政援助の規模等について

外部預託金の運用益で事業を実施

 毎日jpが10月26日に掲出した「ジェトロ:民間に資金委託、不適切と検査院指摘」〔苅田伸宏〕は、独立行政法人「日本貿易振興機構」(ジェトロ、東京都港区)が、事業委託費や事務所賃料の計約2億円を支払うために、204億円もの預託金を民間企業に運用させ、その利益を支払いに充てているのは不適切として、会計検査院が所管する経済産業省に対し、手法を見直して不要資産の国庫返納を検討するよう求めたと報じる。ジェトロは16年10月、映画やアニメなどを扱う「コンテンツ産業」の海外進出を支援するための業務委託契約をイベント会社と締結し、この会社に約100億円を預託して運用させ、6015万円を業務委託費に充てていたとか。また16年2月、大阪本部と名古屋貿易情報センターの賃貸借契約を不動産会社2社と結んだ際に計約88億円を預託し、その運用益1億2561万円を賃料などの一部に充てたとか。検査院は、この方法では一度契約すると長期間契約が継続され、競争性や透明性の確保が不十分になると指摘したとのこと。

公表資料:独立行政法人日本貿易振興機構が保有する保証金について

奨学金の貸与先の住所を把握していない

 時事ドットコムが10月25日に掲出した「奨学金滞納拡大の恐れ=学生支援機構、連絡取れず-検査院」は、独立行政法人「日本学生支援機構」が学生に貸与した奨学金で、3カ月以上にわたり返済が滞っている2000億円規模の延滞債権の多くについて、貸与先の住所を把握できていない可能性があることが会計検査院の調べで分かったと報じる。同機構が「把握済み」とした中にも連絡の取れないものが多数見つかり、検査院は「奨学金事業の拡大が見込まれる中、延滞債権のさらなる増加が懸念される」と指摘したとか。19年度末時点の貸与残高は約5兆2009億円で、学生が卒業して返済義務が発生した要返還債権は約3兆2353億円となっているが、3カ月以上の延滞債権は約2252億円(約21万4000件)あり、このうち約132億円(約1万3000件)を同機構は「住所不明者」に分類していて、残り約2120億円(約20万1000件)を「住所判明者」として債権回収業者に委託するなどしているとか。しかし、検査院の調べでは、19年度に回収業者2社へ委託した約8000件のうち、約5000件で電話連絡が取れなかったことが判明し、同機構が法的措置の予告文書を送付した約3万5000件でも、返送が約1万件に上ったとのこと。さらに、新規債務者に対し同機構が返済誓約書に記載された住所に「返還開始のお知らせ」約23万件を発送したところ、約1400件があて先不明で返送されたとか。

公表資料:学資金貸与事業における割賦金の回収及び返還期限猶予に関する指導に必要となる債務者の住所等の把握について(PDF・33KB)

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事業効果が測定できない状態になっている事業

 朝日は10月25日に「経産省のタクシー衛星配車事業、省エネ効果不明で中止」〔前田伸也、中村信義〕を掲出。
 記事は、衛星を使って車両を効率的に配車、管理するシステムを導入するタクシー業者に補助金を出してきた経済産業省資源エネルギー庁に対し、会計検査院が「省エネ目標の算定があいまいで効果もよく分からない」と改善を求めたと報じる。乗客を求めて空車で走る無駄を抑えるためのものなのに、空車時の走行距離や燃料をどれだけ減らせたか、確認できる仕組みになっていなかったとか。指摘を受けて21年度の事業は中断されているとのこと。予算削減の中でも規模が拡大している環境・省エネ分野だが、効果が不明な事業にまで漫然と税金を投入すべきではないと「ストップ」がかかった形と記事は評する。この事業は、経産省所管の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」を通じて費用の3分の1を補助するもので、20年度までの3年間で54の事業者に約8億6490万円が交付されており、制度では、業者は衛星を使ったシステム導入による省エネの目標値を事前にNEDOに提出し、国土交通省に事業者認定を受けるなどする必要があるが、この際、業者は省エネ効果などの数値をNEDOと国交省がつくった計算式で算出することになっていたところ、検査院が調べたところ、計算式には空車と実車の区別をしないまま総走行距離だけが使われるようになっていたとか。検査院の調査では、NEDOの目標値を満たすため、タクシー業界を所管する国交省が業者に数値を水増しして申請するよう「指導」していたことも判明したと記事は伝える。国交省の助言を受け、有利な計算例を用いて目標値を算出、データを書き換えて申請書類を再提出した業者もいたとか。エネ庁は「空車時の燃費だけを測るのは現段階では難しく、国交省で今後の算定方法を検討してもらっている」としており、国交省は「NEDOやエネ庁との連絡や意思疎通に欠けていた。来年度から算定できるようにしたい」としているとの由。

公表資料:エネルギー使用合理化事業者支援補助金の交付について

電子入札実施率を問題視

 日経が10月24日に掲出した「環境省出先機関、電子入札の実施率1割 検査院が改善要求」は、環境省の電子入札システムについて、全国15の出先機関が17~20年度に利用した割合(電子入札実施率)が1割にとどまっていたことが、会計検査院の調べで分かったと報じる。8出先機関は電子入札をまったく実施していなかったとか。環境省は今年3月、各出先機関に電子入札可能な案件について実施するよう通知し、今年4~6月の実施率は3割に上昇したが、検査院は「依然として低調。投資効果が十分出ていない」と是正改善を求めたとの由。

公表資料:地方環境事務所等における電子入札・開札システムの活用について

物品管理簿の記載漏れ

 MSN産経ニュースは10月23日に「環境省出先機関、ビデオカメラなど232個、1254万円分を紛失」を掲出。
 記事は、環境省の地方環境事務所や自然環境事務所などが平成17年に設立された際、物品管理簿への記録を怠ったため、ビデオカメラ、デジタルカメラ、双眼鏡など計232個(約1254万円相当)が所在不明になっていることが会計検査院の調べで分かったと報じる。会計検査院は「管理簿に適切に記録していれば防げた事態」として、改善を環境省に求めたとか。検査院によると、こうした所在不明のビデオカメラなどは、なくなった原因や時期が、管理簿に記載がないため、一切不明で、九州地方環境事務所ではビデオカメラが22個もなくなっていたとか。また取得した物品や使用中の物品を記録していなかったり、廃棄したことにしたりしたケースも計725個(約6120万円相当)あったとのこと。さらに十和田自然保護官事務所(青森県)では、職員が公用車を交通事故で大破させたのに、事故の報告を受けた東北地方環境事務所が握りつぶし、環境相に報告をしていなかったとか。このため職員の責任は不問にされており、しかも公用車は194万円相当だったのに、修理代が249万円もかかっていたとのこと。会計検査院は、(1)物品管理簿への記録がなかったり、帳簿がない、(2)定期検査などが行われていないなどとして、環境省に改善を求めたとか。環境省は今後、紛失したり、損傷した物品の報告を環境相、財務相、会計検査院に通知する方針と記事は伝える。

公表資料:地方環境事務所等における物品の管理等について

省エネにしたら電力会社へ契約変更を申し入れるべき

 MSN産経ニュースが10月23日に掲出した「省エネ型ランプの使用を国交省に求める 国道などの道路照明施設のランプについて会計検査院」は、国道などの道路照明に使われているランプが従来使われている水銀ランプより寿命が長く、電力消費量が少ないランプに交換したのに、電力会社と契約の見直しをしなかったため、高い料金を払い続けるケースが19、20年度で計約4247万円あることが会計検査院の調べで分かったと報じる。検査院は23日、国交省に電力会社との契約を省エネ型に変更し、また省エネ型ランプとの交換を進めるよう求めたとか。検査院が23の国道事務所などを調べたところ、水銀ランプから電力消費量が半分、寿命が2倍になる省エネ型の高圧ナトリウムランプなどに交換し、使用電力量が減ったのに、事務所は電気需給契約の変更の申し込みを電力会社にしていなかったとか。このため計約4247万円が節約できたのに余計に支払われていたとのこと。また21年3月末に全国の道路照明などで使われている8643灯の水銀ランプのうち、746灯が平成19、20年度に交換の時期を迎えた際、再び水銀ランプを設置したもので、検査院は省エネ型のランプに交換していた場合、計約1億2730万円の電気代が節約できたと結論付けたとか。国は水銀ランプより高圧ナトリウムランプやセラミックハライドランプなど、発光効率がよく、寿命が長いランプを使うよう調達方針で定めており、検査院は方針に沿って省エネ型ランプを使用するよう改善を国交省に求めたと記事は伝える。

公表資料:道路照明施設に使用されるランプの電気需給契約及び省電力型ランプの使用について

国会質疑を基に会計検査

 MSN産経ニュースが10月23日に掲出した「在日米軍、レジャーでも有料道路乗り放題? 検査院調査に協力せず」は、在日米軍が日米地位協定に基づき、在日米軍の施設間を軍用車両などで移動する際にかかる有料道路使用料が免除される制度を利用し、米軍の関係者らがレジャーなど私的な旅行でも無料で有料道路を使用している実態が会計検査院の調査で分かり、21日、会計検査院が防衛省に調査を徹底することなど改善を求めたと報じる。関係者によると、在日米軍の関係者を対象に行っている福利厚生活動の中にレンタカー業務があり、横田飛行場の福利厚生施設のホームページ(HP)に「ここでレンタカーを借りれば、日本で高速料金をほとんど支払わなくて済む」という趣旨の記述があり、参議院外交防衛委員会で問題となったことで検査院が調査を始めたとのこと。検査院が20年8月に米軍が使用した通行証など1万8440枚、2126万円分を抽出して調査したところ、5149枚がレンタカーで使われたもので、米軍が有料道路を使用した金額の49・9%にのぼったとか。レンタカーで使われた通行証5149枚をさらに調べると、土曜、日曜、米国の祝日に使用されたものが、平日に使用されたものよりはるかに多かったとのこと。高額な区間のレンタカーでの使用も目立ち、中には東京都の八王子本線料金所から京都、大阪府や兵庫、奈良県などの有料道路を経由して帰ってきたケースもあったとか。検査院は米軍から通行証の記録簿を提出するよう求めたが、米軍は協力を断ったとのこと。米軍が無料で有料道路を使った場合、米軍の報告をもとに防衛省が有料道路会社に補償しているが、その大半がレジャー目的だった可能性があり、検査院は防衛省に通行証に記載漏れがないかなどの調査を徹底するよう求めたと記事は伝える。

公表資料:有料道路損失補償額の支払について

節税対策の横行を指摘

 東京新聞が10月20日に掲出した「自販機設置で8億円超還付 “節税”横行に「不公平」」〔共同〕は、通常取り戻せない賃貸マンションの建設にかかる消費税が、敷地内に自動販売機を設置すれば戻ってくるという税法の抜け道を利用した“節税対策”がオーナーの間で横行し、還付を受けたケースが18年度の申告で150人、計約8億8500万円に上ることが会計検査院の調べで分かったと報じる。意図的な租税回避行為とみられ、インターネットなどで流布し、税理士が指南していたケースもあったとか。検査院は「適切に納付している事業者との間で公平性が著しく損なわれている」と、財務省に指摘し、同省は「税制改正は政治主導で行われるので、それを受けて対応を検討する」としているとか。調査対象は、札幌、高松を除く9国税局の46税務署で300万円以上の高額還付を受けたオーナー532人で、税法上、総売上高のうち95%以上が課税対象の場合、仕入れにかかる消費税は還付されるが、家賃収入は非課税扱いのため、課税対象の売り上げが占める割合は本来、95%を大きく下回り、還付を受けられないところ、150人のオーナーが、マンションの家賃収入がない段階で自販機や駐車場などを設置し、これらの収入は課税対象となるため、課税売り上げの割合を95%以上にして還付を受けていたとのこと。

公表資料:賃貸マンション等の取得に係る消費税額の納付について(平成21年10月20日付け財務大臣あて)

中山間地127施設の利用が低迷

 東京新聞が10月20日に掲出した「中山間地127施設の利用低迷 会計検査院が指摘」〔共同〕は、農林水産省が補助金を交付し、地域の集会所や都市住民との交流の場などとして地方自治体が中山間地域に整備した多目的施設を会計検査院が調べた結果、18道県と27市町村の計127施設で3年間にわたり、利用者数が事業計画の想定を下回っていたと報じる。127施設の整備費は計約125億2500万円で、うち国の補助金は約69億円に上っており、検査院は「農業・農村の活性化事業として不適切。販売スペースを設置するなど、地域外の利用者も確保することが重要」と指摘して、規制を緩めて、利用状況が好調な事例の紹介などの指導を同省に求めたとのこと。農水省は「これまで販売スペースは常設を認めず、小規模にとどめるようにしていたが、今年9月、指摘を受け規制を撤廃した」としているとか。施設は、山間部にある公民館に似た建物で、集会で使うほか、特産品を用いた商品開発や試験的な販売所を設けているところもあり、検査院が21道県と36市町村が整備した計188施設を任意で選び、17~19年度の利用状況を調査した結果、127施設の利用者数が、3年度とも計画を下回っていて、うち4施設は計画した数の1~2割にすぎず、大半は5~8割で、販売スペースを設けていたのは4施設だけだったとのこと。すべての年度で利用者数が上回ったのは40施設で、23施設が地元の特産品を活用した販売所やレストランなどを設置しており、5施設は07年度の売り上げが1億円以上だったとか。

公表資料:中山間地域総合整備事業により整備された活性化施設の有効利用について(平成21年10月20日付け農林水産大臣あて)

鉄道工事を委託した河川事業の精算方法

 時事が10月16日に掲出した「工事費把握せず支払い=自治体委託の鉄道工事-国交省に改善求める・会計検査院」は、河川と鉄道が交差している場所などで自治体が河川工事をする際、鉄道事業者に委託している鉄道部分の工事で、年度ごとの正確な工事費を把握しないまま、委託費を支払っていた不適切な例があるとして、会計検査院が16日、補助金を支出している国土交通省に対し、自治体への指導を徹底するよう改善を求めたと報じる。検査院がは、河川拡幅に伴う鉄道橋の架け替えなど、各地の自治体が16~20年度に国庫補助金を受けた工期3年以上の鉄道工事を調べた結果、京都府など1府3県1市が委託した6件の鉄道工事で、正確な工事費を把握しないまま委託費が支払われ、うち補助金は約38億8000万円に上ることが分かったとか。検査院によると、自治体と鉄道事業者は工事内容などを定めた協定を年度ごとに結ぶが、工事が遅れ翌年度まで続く場合、この協定が重複して存在し、工事費が正確に把握できないことがあるとの由。

公表資料:河川工事に伴う鉄道工事に係る委託費の支払について(平成21年10月16日付け国土交通大臣あて)

礼金を取っていた貸付条件違反

 47NEWSが10月17日に掲出した「賃貸条件融資81件で違反 住宅金融機構などに検査院」は、住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)と沖縄振興開発金融公庫が、「礼金や過大な敷金を受領しない」などを条件に融資した賃貸住宅物件で、違反していたケースが計81件(799世帯)あったことが会計検査院の調べで分かったと報じる。借り主保護の目的が無視された形となり、検査院は同機構などに対し「融資は国の財政援助を受けて行われている。条件を周知せず、実態も調査していないのは不適切」と指摘し、入居者らから支払われた礼金など計約8千万円を返還させるよう求めたとのこと。検査院は、住宅金融支援機構などの融資計1599件で条件違反の有無を調査し、その結果、機構で71件、沖縄公庫で10件の違反が見つかったとか。81件の融資残高は、2008年度末で約101億6900万円とのこと。機構の71件の違反内容は、(1)礼金を受領(43件、329世帯)、(2)規定以上の敷金を受領(17件、84世帯)、(3)入居者に不当な負担となる条件を設定(59件、525世帯)、などで、公庫は、6件(25世帯)で礼金を取っていたとのこと。住宅金融支援機構広報グループは「条件は融資の申込書類に記載していたが、口頭での説明がなかったり、最終確認を怠った」としているとか。

公表資料:賃貸住宅貸付けにおける賃貸条件の制限違反について(平成21年10月16日付け独立行政法人住宅金融支援機構理事長あて)
     賃貸住宅貸付けにおける賃貸条件の制限違反について(平成21年10月16日付け沖縄振興開発金融公庫理事長あて)

脱北者へインタビュー

 朝鮮日報サイトは10月1日に「米監査院、脱北者問題の全面調査に着手へ」〔ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員。朝鮮日報/朝鮮日報日本語版〕を掲出している。


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福岡市の監査見落とし?

 九州企業特報が10月16日に掲出した「「監査」機能せず 福岡市デタラメ海外出張」は、福岡市総務企画局国際部アジア文化賞担当課の海外出張をめぐる問題について、「数々の不適切な公文書の存在は、チェック機能としての「監査」が役割を果たしていなかったことを意味する」と評する。復命書の不存在、決済印のない旅行命令書、旅費の計算間違い、はどれも一目瞭然で、公費支出自体が不適切だったことは明らかであるとし、データマックス取材班が情報公開請求して、海外出張に関する公文書を精査、問題点を追及するまで何一つ是正されないままになっており、まじめに「監査」が行われたとは思えないと説く。アジア文化賞担当課の海外出張に関しては、同賞の運営母体であり、官・民の委員で構成する「福岡アジア文化賞委員会」の監査委員2名(民間側1名、市側1名)が毎年、内部監査を行っており、監査意見書が残されているが、この監査で問題が指摘された形跡はなく、何もチェックしていないということだ、と記事は伝える。お手盛り出張が税金を食いつぶしていることに、歴代の監査役は責任を感じるべきだろうと記事は評する。さらに今年5月には、福岡市監査事務局による監査も行われているが、この時も不適切な公費支出や不完全な公文書の全てを見逃しており、市監査事務局側も一連の問題文書について、監査漏れであったことを認めているが、2桁にのぼる不適切文書がある以上「膨大な資料を少ない人数で調べるから見落とすこともある」といった言い訳は通用しないと記事は説く。役人同士の馴れ合いで見逃したのなら言語道断であり、市の監査がおざなりのものだった可能性が浮上していると記事は伝える。新たに見つかった20年7月の香港-広州市間の出張については、決済印も領収印もない上、旅費計算を間違えて支出されており、このような不完全な文書を見落とすことは考えられないとして、記事は、2度の監査時にこの文書が存在しなかったと結論付けている。

年金記録問題に対する会計検査

 東京新聞が10月14日に掲出した「2万6千件、特定できず 年金記録問題で検査院」〔共同〕は、社会保険庁の年金記録問題で、「宙に浮いた記録」約5千万件のうち、氏名や性別などがオンライン入力されていない約524万件の名寄せ(照合)作業を会計検査院が調べた結果、正しいデータの入力による補正が困難で、持ち主を特定できないケースが今年2月段階で約2万6千件あったと報じる。約6万件だった昨年1月より作業は進んだが、これ以上、補正できるかどうかは不透明とか。また検査院は、19~20年度に支出した年金問題対策費約574億円のうち、契約487件(約227億円)を精査し、電話相談業務「ねんきんあんしんダイヤル」の委託開始後に契約書を交わしたり、業務従事者の稼働時間に休憩時間を含めていた事例など不適切な経理処理も指摘したとのこと。検査院によると、補正が難しい理由は、(1)生年月日があり得ない日付になっている、(2)社会保険事務所の紙の資料に記載がない、などで、氏名が判明していたある女性のケースでは、オンライン上に同姓同名の人が多数いたため生年月日を照合した際、大正期は15年までしかないのに紙の資料には「大正17年11月7日」と記載してあり、同様に実際にはない日付での記録は2498件(昨年1月現在)あったとか。補正済みの中でも、生年月日が18日なのに「10日」とするなど1、10、20、30日に意図的にそろえた記載が約50万6千件あったが、社保庁は「1963~66年度の記録で、原因を特定できない」としているとか。

公表資料:年金記録問題について(要旨PDF(93KB)・本文PDF(1,976KB))

全国運用しているシステムの不備について監査委員が指摘

 読売サイト大阪ページが10月14日に掲出した「全国共有DBを批判」は、大阪府監査委員が13日、厚生労働省や都道府県が運営する全国の介護保険事業者の役員情報などを登録するコンピューター上のデータベースについて、自治体ごとに個人情報の取り扱いが異なるため、十分な機能を果たしていないとして、「利便性が高くないのは、十分に都道府県と事前調整を行わなかった国に責任がある」などと、国を批判する異例の監査結果をまとめたと報じる。このデータベースは、18年度から運用開始しているもので、役員名や生年月日などを各都道府県が入力し、全国で共有化しており、事業者の指定や更新申請の際、指定取り消し処分を受けた事業者の役員の有無をチェックできるとのこと。監査結果によると、役員名など基礎データを入力できない自治体があり、「運用面で課題がある」と指摘していて、都道府県が連携して国に改善要望を行うよう求めたとのこと。

公表資料:指摘・指示事項及び意見(平成21年5月21日から同年9月18日まで分)
     介護保険事業者及び介護支援専門員管理システムの運用について[Wordファイル/142KB]

滋賀県の不適正経理

 時事が10月13日に掲出した「全庁調査で不適正経理9400万円=関係者60人を処分-滋賀県」は、滋賀県が13日、昨年11月に12道府県で発覚した国庫補助事業の不適正経理問題などを受け、15~20年度の会計事務処理の実態把握や不適正事例の点検を全庁で行った結果、目的外使用など事務費の不適正経理の総額が約9400万円に上ると発表したと伝える。不適正に現金などを保管していた会計外現金も約1450万円あったとか。私的流用はなかったが、県は関係者60人に対し文書訓戒などの処分を行ったとか。調査結果によると、事務費に関する不適正事例は知事部局で約3万5700件、計約7680万円、県教育委員会で約600件、計約1680万円など。このうち、補助金を国庫支出対象外の旅費として使った分が約6300万円、年度をまたぎ物品の納入時期と支払い時期が異なる「前年度納入」や「翌年度納入」などの分が計約2800万円あったとか。また、会計外現金については、過去に作成された名義人不明の普通預金通帳と残高が見つかったり、経緯が不明な現金や図書券などが金庫に保管されていたりした不正、不適正事例などが31件見つかったとのこと。

公表資料:会計事務の適正化に係る調査の結果と再発防止策および処分等について

防衛装備品の国会要請検査

 時事が10月14日に掲出した「商社手数料、防衛省知らず=過大請求の原因指摘-会計検査院」は、防衛専門商社「山田洋行」などによる防衛装備品の過大請求問題で、複数の商社が防衛省への納入代金を基に算出した販売手数料を海外メーカーから受領していたことが会計検査院の調査で分かったと報じる。検査院は「こうした現状を同省が把握していない」とし、「商社から提出されたメーカー発行の見積書などの金額には販売手数料相当額が含まれ、代金が高く設定されている可能性がある」と指摘したとのこと。検査院は、山田洋行など既に過大請求が判明している3社に加え、大手商社など13社にも立ち入り調査し、その結果、海外メーカーとの販売代理店契約で、納入代金の一定割合を販売手数料として受領していたケースが複数あったとか。同省はこの事実を知らないまま、商社からメーカーの見積書や請求書の提出を受け契約額を確定させていたとのこと。調査では、商社とメーカー間の具体的な契約内容は守秘義務があり分からなかったが、商社の手数料相当額が納入代金に含まれた結果、同省への販売額が過大になっている可能性を指摘しており、同省も輸入手数料を支払っているため、手数料の二重取りの可能性があるとしているとか。

公表資料:防衛装備品の商社等を通じた輸入による調達について(要旨PDF(23KB)・本文PDF(354KB))

国と公益法人

 MSN産経ニュースが10月14日に掲出した「天下りを受け入れた公益法人 仕事も内部留保も多い! 検査院調べで浮き彫りに」は、会計検査院が各府省が所管する公益法人の契約や内部留保の実態を調べたところ、所管府省からの支出額が、天下りを受け入れている法人は、受け入れていない法人の約7倍にものぼり、常勤の天下り職員が多いほど所管府省からの支出額も比例して多いことが分かったと報じる。こうした公益法人は内部留保額も国からの支出を受けている法人が、受けていない法人の約3倍にのぼるなど、公益法人が天下りを受け入れることで、仕事を増やし、財務基盤を安定させている実態が浮かび上がったと記事は伝える。また個別の契約を調査した結果、国土交通省が、所管する財団法人の道路環境研究所と契約した沿道騒音の発生原因分析業務で、同研究所が再委託したはずの成果物がなかったり、総務省所管の社団法人電波産業会が、調査業務を総務省に無断で再委託していたりなど、不適切な事態が見つかったとか。検査院は成果物をこうした公益法人が公表しているケースが約40%にとどまっているとして、今後、インターネットを通じて公表するよう要請したとの由。また国からの支出額が1億円以上の法人は、内部留保額が1億円以上の法人の56・8%を占めるなど、公益法人が国に依存している体質も浮き彫りとなったとも。さらに公益法人が国から受注した調査研究業務のうち、件数で72・6%、支払い金額で82・2%が随意契約で、競争性が乏しいことも分かったとか。今回の検査院の調査は参議院からの要請を受けたとの由。

公表資料:各府省所管の公益法人について(要旨PDF(144KB)・本文PDF(3,738KB)・別表PDF(1,464KB))

都道府県水田農業推進協議会の剰余金

 産経新聞が10月10日に掲出した「余剰金52億返還せず 検査院、農水省に改善要求」は、農林水産省が米の産地づくり対策に平成16年度から実施した事業で、交付金の窓口となっている都道府県水田農業推進協議会に約52億3600万円の余剰金があるにもかかわらず、終了年度の18年度になっても国庫に返還していなかったことが分かり、会計検査院が9日、農水省に改善を求めたと報じる。こうした余剰金はいわゆる「埋蔵金」の一つにあたり、検査院は「厳しい国の財政事情を考慮すると、放置できない」と指摘していると記事は伝える。検査院によると、農水省は当初、協議会に対し「余剰金は国庫に返還する」と説明していたが、19年度に米の価格が大幅下落したため、緊急の農家支援対策が必要と見込み、国庫への返還を一時凍結したとか。だが、同省は19年度補正予算で、新たに国が米を買い入れる緊急対策などを追加し、余剰金は使途のないまま宙に浮いた状態になっており、農水省は、余剰金は21年度の「水田農業構造改革対策」の財源に充てるなどと説明していて、国庫に返還しない方針を打ち出しているが、検査院は「透明性が確保されていない」と改善を求めたとの由。

公表資料:水田農業構造改革交付金により造成された資金から生じた残余資金の有効活用について(平成21年10月9日付け農林水産大臣あて)

国庫補助金の運用益の残高が増え続けている

 産経が10月10日に掲出した「社団法人の運用益28億円「国庫返還を」 農水省に改善要求」は、農水省所管の社団法人「国際農林業協働協会」が行う発展途上国などへの緊急食糧支援事業に関して、農林水産省が同協会に交付している国庫補助金の運用益の残高が約27億5200万円にのぼっていることが分かり、会計検査院が9日、農水省に国庫に返還するよう求めたと報じる。検査院によると、平成10年度に同協会がインドネシアに行った米穀の貸し付け事業に関し、農水省は損失額が生じることを想定して年間約25億4千万円の資金を造成しており、また国際連合の世界食糧計画(WFP)にも12、13両年度に国内産米約50万トンを30年間、貸し付ける事業を行ったが、農水省はこの事業でも損失を想定し、年間約33億6400万円の資金を造成しているとのこと。こうして協会に造成させた資金は20年度末で計約523億5千万円にのぼり、こうした資金をもとにした地方債などによる運用益も20年度で約5億4千万円出ていたとか。一方、協会の管理運営経費は20年度で1400万円ほどだったため、運用益の残高は年々増え続け、20年度末で約27億5200万円にのぼっているとのこと。検査院はこうした運用益の残高が有効に活用されていないことから「原則、国に返還すべきだ」として改善を農水省に求めたと記事は伝える。

公表資料:国庫補助金により造成された差額補填資金等の運用益の有効活用について(平成21年10月9日付け農林水産大臣あて)

農地・水・環境保全向上対策事業の未交付額

 MSN産経ニュースは10月9日に「123億円の“埋蔵金”に検査院が改善要求 農水省の保全向上対策資金」を掲出。
 記事は、減農薬などの先進的な取り組みをした農業団体に交付する農林水産省の支援交付金の残高・繰越額などが取り組み開始から、わずか2年で約123億円に達していることが不適切だとして、会計検査院が9日、農水省に対して交付金の使途を明確にするよう改善を要求したと報じる。検査院によると、交付金は平成19年度に5年間を実施期間として始まった農地・水・環境保全向上対策事業で、原則1以上の市町村全域を区域にして、都道府県や市町村、農業者団体などで構成する地域協議会を設置し、減農薬などの先進的な取り組みや、5年間以上継続して用水路の清掃などを行った農家で作る活動組織に交付金を交付することにしていて、さらに農水省は交付金に必要な経費を地域協議会に交付しているとのこと。会計検査院が全国の24道県の56地域協議会を調べたところ、20年度末の共同活動支援交付金の繰越額が約35億4700万円にのぼるなど、対象の活動に関係する繰越額や残高が計約123億6700万円にのぼっていることが分かったとか。検査院は短期間でこれほどの繰越額や残高になったのは、年度途中で新たに活動組織に加入する農家が現れることを想定して交付金を交付していたのに、実際はそれほど集まらなかったことなどが原因と分析しており、23年度末の事業終了とともに国に返還することになっているとはいえ、厳しい国の財政事情を考慮すると「多額の『埋蔵金』は放置できない」として、交付金の使途の透明性を高めるよう改善を求めたとか。

公表資料:農地・水・環境保全向上対策において積み立てられた資金等の有効活用について(平成21年10月9日付け農林水産大臣あて)

借地上の建物の未登記

 日経が10月12日に掲出した「林野庁も未登記327棟 民間借地の庁舎など、検査院指摘」は、林野庁が所管する国有財産で、民間からの借地に新築した庁舎などの建物327棟が不動産登記されていないとして、会計検査院が同庁に改善を求めたと報じる。未登記のままだと、財産保全のため第三者に対抗できない可能性があるとか。検査院によると、林野庁は国有林野事業のため森林管理署などを設置しており、自己所有の用地が確保できない場合、借地に庁舎や宿舎を新築しているが、借地に新築し、第三者への対抗要件を備える必要があるときは、不動産登記などが求められるとか。

公表資料:国有財産の登記について(平成21年10月9日付け林野庁長官あて)
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