三洋電機の監査

 朝日サイトは2月24日に「灰色会計、甘さの構図 三洋巨額損失」を掲出。
 記事は、経営再建中の電機大手、三洋電機が04年3月期決算などの「灰色会計」を巡って中央青山(現みすず)監査法人と交わしたやりとりを示す三洋の内部資料を朝日新聞が入手したと報じる。中央青山は、子会社・関連会社の業績が急回復するとした三洋の計画に対して何度も疑念を示しながら、最後は押し切られており、監査法人が本来の役割を徹底できず、損失の先送りにつながった構図と記事は評する。三洋には、04年3月期決算(単体)で子会社などへの投融資に計約1900億円の損失が発生していることを知りながら、500億円の損失処理で済ませた疑いがあり、子会社株の減損処理はその数年前から経営の課題だった模様で、関係者によると、三洋は01年4月、多額の欠損を抱えた子会社11社の業績回復計画を作成し、毎年、実際の利益と計画の利益の差額だけを損失として処理していたとのこと。会計ルールでは、子会社の業績回復が確実に見込める場合は、損失処理をしなくてもよいが、初年度から回復計画が未達成の社が続出しており、朝日新聞が入手した当時の資料によれば、三洋幹部と中央青山の公認会計士の間で、会計士側が「計画策定時と状況が異なる。事業計画自体を見直し、今後4年間で回収できない部分について減損が必要だ」としているのに対し、三洋幹部が、「いずれの会社も05年度までに累損解消できる見込みだ。減損は行わない」としているとのこと。まあ、実際には会計士は「必要ではないか」と疑義を示しているのだろう。疑義を提示してみせて、真意を確かめるというのはよくある話だ。それを「疑念を示しながら、最後は押し切られた」と表現しているのは、監査を知らないことを表している。もっとも、記事によると、三洋は、その後も決算のたびに「達成を確約する」と主張して差額処理だけで済ませ、中央青山も計画達成の「確約書」を示させたものの、実態としては三洋の主張を容認したとのこと。さらに11社以外にも損失を抱えながら、売上高などが小さいことから「重要性がない」として処理を見送った関係会社が多数あり、三洋は結局、05年、06年3月期の2期にわたり、子会社・関係会社
関連で総額約2500億円もの損失処理に追い込まれたと記事は伝える。「結局」と書いているが、この記事からは、処理を先送りしたために損失が増加したのか、また、どの程度増加したのかは不明。それが一番のポイントではないのかな。
 記事はまた、三洋の繰り延べ税金資産について、04年3月期(単体)で982億円計上されていて、その効果を実際に手にするには、仮に法人実効税率を約40%とすると、翌期以降の5年間で最低でも約2500億円の課税所得を稼ぐ必要があり、三洋の税引き前利益の計画では05年3月期が68億円、06年3月期が489億円、07~09年3月期は各838億円、5年間で約3000億円を見込んでいたが、実際には04年3月期は34億円に過ぎず、中央青山は03年9月の段階で「実績と利益計画の乖離(かいり)が大きい場合、計上の見直しが必要」と注意を促していたとのこと。結局、利益は見込みどおりに上がらず、大幅な取り崩しを迫られる。06年3月期には残高が消滅。数百億円規模の減益要因になったとか。
 記事は、三洋が05年3月期連結決算で1715億円の当期赤字に転落し、主取引銀行の三井住友銀行などが経営支援に向け三洋グループの資産査定に入り、厳密な会計処理に臨まざるを得なくなった時点での記録として、会計士側が「これまではいつも『右肩上がりの計画』だった。今回もその延長線上か」と質し、三洋幹部が「今回は実現可能性のある事業計画でなければならない。銀行もその目でみている」としている会話があるとし、「この会話はそれまでの計画が、実現性を甘く見込んでいたことを示唆している」としている。

参考:バブル後の最安値圏に急落……三洋電機にいったい何が!2005/06/07 10:00

鳥取県の包括外部監査は未利用地を指摘

 2月27日付け日本経済新聞地方経済面35面の「鳥取県、未利用県有地130万平方メートル」は、鳥取県の18年度包括外部監査報告で、未利用の県有財産が土地約130万7千平方メートル、建物約3万4千平方メートルあることが判明したと報じる。各部へのアンケートで1年以上目的通りに利用されていない財産を100件抽出し、このうち67件を未利用と判断したとか。報告は速やかな売却や処分を求めているとのこと。

倉敷市の包括外部監査で生活保護の指摘

 岡山日日新聞サイトは2月23日に「倉敷市生活保護費 不正受給は年2500万円」を掲出。
 記事は、倉敷市で1年間に発生する生活保護の不正受給が約2500万円に達していることが、公認会計士による同市の18年度包括外部監査で分かったと報じる。就労収入を正しく申告しないものが大半で、虚偽の退職や不正申告を繰り返すなど悪質なケースもあったとか。監査結果報告書では、チェック体制の確立や、悪質な不正受給者に対応する厳格な基準策定に加え、徴収金収納の制度改正などの検討を求めていると記事は伝える。

公表資料:平成18年度包括外部監査報告書「福祉に関する事務の執行等について」(報告書要約版(PDF)、報告書目次

監査の厳格化が企業活動を萎縮させると説くメディア

 2月26日付け日本経済新聞朝刊1面に「変われるか監査、「不正」相次ぎ不信ピーク、企業の責任も重く」〔証券部 三反園哲治〕の記事。
 記事は、4大監査法人の一角みすず監査法人(旧中央青山)が実質解体に追い込まれたことから説き起こし、旧中央青山の担当企業ばかりが金融当局に狙い撃ちされていると受け止める関係者も多いと伝える。監査を受ける企業にも困惑があり、3月末の株主総会でみすずを会計監査人に選任する方針を16日に公表したばかりのカルピスは、近く取締役会を開いて今後の対応を検討するとのこと。不正会計が社会的な問題になったのは、山一証券が自主廃業を決めた1997年以降であり、会計ビッグバンが始まり、会計ルールを国際水準へ引き上げる動きが加速したものの、当時は経済の足腰が弱く、延命のために不適切な会計処理に手を染める企業も少なくなかった状況で、チェックする監査法人も将来の景気回復をあてにして、損失先送りを容認する雰囲気があったと伝える。そんな甘えを打ち砕くように、企業が経営破綻し、不正会計が次々に露呈し、日本の資本市場で外国人投資家の存在感が増し、決算の透明性が一段と問われるようになり、会計・監査不信をぬぐい去るため、金融庁が厳罰路線を打ち出して、監査の現場は一変したと記事は評する。企業の担当者からの経理処理についての質問に、会計士が「私の一存では答えられません」と即答を避ける風潮が広まっており、これは法人本部の審査部門などに問い合わせたうえでないと責任問題になるためと伝える。不正会計を見逃せば、監査法人の存続にもかかわるとの恐怖感から、会計士は一段と監査を厳しくしており、上場企業による決算訂正が相次いでいるのも監査厳格化の表れで、会計基準は国際水準に近づいてきたものの、未整備の分野も残っており、判断が難しい“灰色の領域”が横たわっていて、こうした現実のもとでの厳格化は会計士と企業に過度の緊張をもたらし、企業活動を萎縮させる危険性もはらんでいると記事は説くが、緊張に過度があるのか、監査の厳格化が企業活動を萎縮させるのか、はなはだ疑問。

架空循環取引」で売り上げを水増しする手口

 朝日は2月22日に「転売装い数百億円架空計上 ソフト会社IXI粉飾決算」を掲出。
 記事は、東証2部上場で民事再生手続き中のソフトウエア開発会社「アイ・エックス・アイ」(IXI、大阪市)が、架空の製品を複数の業者間で転売したことにする「架空循環取引」で売り上げを水増ししていた疑いがあることが分かったと報じる。同社の元役員の一部が管財人の弁護士に「売上高の8~9割を水増ししたと思う」と認めているとか。架空の売り上げ計上は数年間で数百億円に上るとみられ、証券取引等監視委員会は、同社から任意で過去6年間の決算資料などの提出を受け、粉飾決算の解明を進めている模様と記事は伝える。IXIは今年1月、約103億円の簿外債務が発覚するなどして、民事再生法の適用を申請し、今月22日に上場廃止が決まっているが、管財人などによると、日本IBMが昨年7~8月にリース大手の東京リースに発注した業務用ソフトウエア開発に絡み、本来なら日本IBMが東京リースに支払うべき代金約103億円をIXIが支払うという「債務引き受け」契約を結んでおり、製品は最終的にIXIに納品されることになっていたとか。開発自体は東京リースがソフト開発会社など十数社に下請け発注し、下請け各社への支払いは東京リースが事前に行い、IXIは納品後に一括して代金を東京リースに支払う仕組みだったが、IXIは製品の販売先を確保できず、この取引が正規の社内手続きを経ずに簿外で処理されていたことが判明したとのこと。同社の社内調査で常務のほか役員ら3人が関与していたことが判明し、その一部が「03年ごろから架空循環取引を行うようになった」と証言したとのこと。複数の関係者によると、東京リースを仕入れ先とする製品はそれまで、主に大阪市のソフト開発会社など3社に転売されており、3社は、この問題の取引では東京リースの下請け発注先になっていたが、最終的な販売先や末端の利用者が判明しないケースがほとんどで、製品が実在していなかった可能性が高いとか。IXIの売上高は、05年3月期に約175億円だったのが、06年3月期には約401億円に急増しており、管財人はこのころから架空循環取引が本格化した疑いが強いとみていると記事は伝える。日本IBMは「正規の取引ではないと判断しており、当社は無関係」と主張しており、また、東京リースは「下請け各社へは確実に送金している。架空循環取引に巻き込まれた可能性がある」としているとか。IXIは今年1月、不正取引に関与したとして常務と営業・開発本部長に辞任を勧告するとともに、執行役員と幹部を解雇しており、常務ら2人は辞任したとのこと。管財人は同月30日、4人を特別背任容疑で大阪地検に告発しているとか。

トーマツがみすずの東京分を継承

 2月25日付け日本経済新聞朝刊1面に「みすず、監査業務、トーマツに300社移管、上場企業顧客の半数」の記事。
 記事は、事実上の解体を決めたみすず監査法人が、上場企業約6百社の監査のうち、主に東京本部が担当する3百社前後の監査業務と会計士らをトーマツに移管する方向で協議していると報じる。ある程度まとまった形での移管を進め、企業側の混乱を回避する意図があり、実現すれば、現在トーマツと新日本がそれぞれ約9百社、あずさが約720社という構成が変わり、トーマツが約1200社と3大監査法人の中で首位になるとか。上場企業については、間接業務部門も職員ごと受け入れてもらうことをトーマツと協議中で、あずさや新日本へ移る企業は、みすずとの共同監査先が中心となるとのこと。3百社近い上場企業の監査を担当する地方事務所は、事務所単位で他の法人に合流する見通しで、中部電力などの監査を担当する名古屋事務所があずさに、京セラなどを担当する京都事務所が「あらた」に合流する動きがあるとのこと。人員の移籍は原則として、会計士や職員らの自由意思を尊重し、みすずの会計士が移籍した監査法人に監査を依頼するかどうかも、企業側が決めることで流動的な面が残るものの、現実的には移管に伴う混乱を避けるため、みすず経営陣の構想を受け入れる企業が多いとみられると記事は伝える。みすずは昨年夏に業務停止処分を受けた際、会計士の引き抜きなどを巡って一部法人との間であつれきがあったが、トーマツとの関係は良好で、監査以外の人員の受け入れにも前向きなため、監査業務の過半の移管先としてトーマツが浮上したとのこと。

みすず解体が監査法人への刑事罰導入を阻止

 2月24日付け日本経済新聞朝刊4面に「粉飾決算加担、監査法人、刑事罰見送り―会計士法改正案、「みすず解体」で慎重論」の記事。
 記事は、金融庁が今国会に提出予定の公認会計士法改正案で、粉飾決算に加担した監査法人への「刑事罰」による罰金導入を見送る方針を固めたと報じる。刑事罰を科すかどうかは焦点になっていたが、みすず監査法人(旧中央青山)が不祥事を背景に事実上解体する方向となり、導入への慎重論が強まったとか。事実上の制裁金である「課徴金」を科す行政処分を新設することなどで、不正の抑止につなげるとのこと。金融庁は27日に開く自民党の金融調査会企業会計小委員会で、刑事罰を盛り込まない改正法案の骨子を提示する予定で、与党の了承を経て、3月にも今国会への提出を目指し、改正法は成立から1年以内に施行する見通しと記事は伝える。現在の会計士法は当局の検査を意図的に妨害したりウソの報告をした場合に限って、監査法人に刑事罰を科す内容になっており、粉飾決算に加担し適正意見を出した場合、担当会計士には刑事罰を適用できるが、監査法人に適用する規定はなく、カネボウの粉飾事件でも関与した会計士は刑事告発されたものの、旧中央青山は立件を見送られている。金融庁は粉飾に加担した監査法人を刑事追及できる「虚偽証明罪」の新設を検討していたが、昨年5月に業務停止命令を受けたみすず監査法人(当時は中央青山)が今月20日、事実上解体の道を選ぶことを発表し、政府・与党内では「刑事罰を適用すれば、その影響は計り知れない」(金融調査会幹部)など導入への慎重論が大勢を占めるようになってきたとか。金融庁は公認会計士法改正案に、監査法人への行政処分の種類を増やす内容を盛り込もうとしており、現在は罰則などを伴わない「戒告」の次に重い処分は、監査先企業への影響が大きい「業務停止命令」「解散命令」へ一気に飛ぶため、課徴金を納付する命令や業務改善命令を新たに設け、違反内容によっては監査先企業への影響をなるべく抑えながら処分できるようにするとのこと。課徴金の水準や算定法など詳細を内閣法制局と協議しており、同庁は法案提出までにまとめたい考えとか。

三洋電機に損失処理先送りの疑義

 朝日サイトは2月23日に「三洋、多額粉飾の疑い 1900億円の損失、過小評価」を掲出。
 記事は、経営再建中の電機大手、三洋電機が、04年3月期決算(単体)で債務超過状態の子会社などで約1900億円の損失処理を検討しながら、実際には約500億円しか処理せずに済ませていたと報じる。適切に処理していれば損失は大きく膨らみ、当期黒字だった決算は赤字に転落していた可能性があり、証券取引等監視委員会は、多額の粉飾の疑いもあるとして調べを進めている模様と記事は伝えるが、朝日が話を監視委へ持ち込んだだけの模様。記事によると、子会社株の損失処理不足などは遅くとも06年3月期までには是正したが、その間は、投資家らに経営実態を正確に開示せずに決算を続けていた疑いがあるとのこと。朝日新聞が入手した内部資料などによると、三洋電機は03年9月時点で、半導体製造の岐阜三洋電子(現・三洋半導体製造)や液晶パネル製造の三洋エル・シー・ディエンジニアリング(06年2月に清算)など、業績不振の子会社・関連会社7社で計871億円の累積欠損金が生じており、三洋と監査を担当していた中央青山(現みすず)監査法人は、資本金による欠損の穴埋めなどが必要だと認識し、別の関連会社5社への投融資514億円なども含め、総額約1900億円の損失処理を検討した結果、04年3月期決算で、12社以外の子会社・関連会社も含めた投融資での損失処理を計510億円行ったとの由。記事は、子会社の中には、債務超過が続いていたのにきちんと株式の評価減をせず、三洋本体に計上された子会社株の簿価と子会社の実際の価値(純資産)との差が1社で100億円を超すところもあり、会計基準は、子会社の将来の業績回復見通しが合理的に説明できる場合に限り、株式評価減の見送りを認めているため、三洋は収益計画を示して、大半の子会社・関連会社の「業績は回復する」と主張し、引当金を積むなどの措置を十分にとらずに財務書類を作成し、04年3月期決算の当期利益は単体で44億円の黒字となり、通期で1株6円を配当。04年9月中間期でも3円を配当したとのこと。中央青山の会計士もこの処理を容認したが、この収益計画は実現性に乏しいものだったと記事は主張し、子会社の多くがその後も業績を立て直せず、05年3月期に子会社株式の評価損だけで約450億円、06年3月期にはリストラ費用などを含めて約2000億円の損失計上を余儀なくされたと説く。また、04年3月期は連結で134億円の当期黒字だったが、当時連結対象外で「重要」と認識していた不振関連会社に多額の累積欠損金を抱えていた模様と記事は伝える。記事は、04年3月期は、三洋の株価が300円台前半から500円台後半に上昇した時期であり、その後、業績悪化が表面化して、06年3月には金融機関から約3000億円の増資を受け入れた影響もあって株価は低迷し、06年3月期連結決算の売上高は2兆3970億円、当期損失は2056億円だったと伝える。監視委は、朝日の取材に対し、「三洋の決算に虚偽を確認すれば、訂正報告書の提出を促して説明を求める」という当然のことを説明した模様だが、記事は、05年9月中間期以降の有価証券報告書に不正が見つかれば、05年12月に導入された課徴金制度に沿って金融庁が課徴金の納付を命じるとみられると解説する。朝日新聞の質問に対し、三洋電機は「減損処理基準に従い、関係会社の状況を厳格に判断し、適正に処理した」などと回答したとのこと。

 内部告発は監視委に行っているはず。記事は、朝日が先に情報をつかんだかのような構成だが、はて。

みすずの引き継ぎは中小法人にも

 2月23日付け日経金融新聞5面に「みすず監査業務、中小にも引き受け要請――会計士協会長会見、対応可能な企業紹介」の記事。
 記事は、日本公認会計士協会の藤沼亜起会長が22日に都内で記者会見し、みすず監査法人(旧中央青山)の監査業務移管問題について、中小規模の監査法人にも、みすずの監査業務引き受けを要請する方針を表明したと報じる。「資本市場の混乱を最小限にとどめるため、積極的に協力してほしい」と呼びかけたもので、記事は、会見での主なやりとりを伝えている。興味深いのは次の部分。「現在の大手法人は顧客企業の規模が大から小までデパートのようになってしまっており、問題だと思う。中小法人でも対応可能な企業は中小法人が担当すれば経済効率がいい」。(品質管理体制の構築は)「たとえ社員がたった5人の法人でも品質管理担当者を置くことで十分に対応可能だ」。「あくまでこうした不祥事の主犯は企業だ。監査人に対し過大な責任追及をするだけでなく、企業もきっちりとしたガバナンスを確立してほしい」

ロンドン証取が日本基準を容認

 2月22日付け日本経済新聞夕刊3面の「ロンドン証券取引所、日本の会計基準の利用容認(ダイジェスト)」〔ロンドン=田村篤士〕の記事は、ロンドン証券取引所が、運営するベンチャー企業向け市場(AIM)で日本の会計基準の利用を容認すると発表したと報じる。昨年8月に日本基準をいったん締め出す決断をしたが、07年1月に始まる決算期から認める方向に転換したとのこと。現時点でAIMに上場する企業で日本基準を利用している上場企業はないとか。欧州連合(EU)は域内で日本基準の継続利用を認めるかどうか08年末までに結論を出すことにしており、ロンドン証取もこうした流れを見極める方針と記事は伝える。

高松市の包括外部監査は老人ホームと病院

 四国新聞サイトは2月22日に「「ひぐらし荘」管理不適切-高松市包括外部監査」を掲出。
 記事は、香川県高松市の包括外部監査を行った公認会計士が21日、監査結果を増田昌三高松市長に報告して、同市香川町の総合老人ホーム「ひぐらし荘」では、運営管理面で多数の不適切な点を指摘し、香川、塩江両病院に関しては、経営面の厳しさから現状のままでの存続を疑問視し、今後のあり方検討の必要性を訴えたと報じる。ひぐらし荘では、入所者の預かり金管理に不備が発覚し、内部規定に反して一部の入所者のキャッシュカードを預かっていたほか、出入金記録を預かり台帳に記入せず、入所者への報告も適切に行っていなかったとか。物品管理では、給食用の米の在庫量が帳簿上の8%しかないなど不適切な点が見受けられたほか、土地や建物についても登記上の不備があったとのこと。香川、塩江両病院については、運営管理面での不備はなかったものの、香川病院は患者数の減少や負債の増大で現状のままでの維持存続は困難と総括し、塩江病院は施設の改修に迫られており、資金面での負担増を危ぐしたとか。こうした監査結果を踏まえ、ひぐらし荘は運営管理面での早急な改善を要求し、両病院については、「市民病院は香川病院と統合し、塩江病院は付属施設として存続すべき」とした市民病院あり方検討懇談会の答申と同じスタンスを示したと記事は伝える。

参議院決算委がタウンミーティングについて検査要請

 読売サイトは2月22日に掲出した「小泉政権のTM174回分、会計検査院が調査へ」は、会計検査院が22日、小泉政権が実施した内閣府主催のタウンミーティング174回分について、契約手続きや開催経費の適否などを調査することを決めたと報じる。年内にも結果をまとめる方針とか。内閣府の調査委員会の最終報告書は、常識からかけ離れた契約や不適切な会計処理があったと指摘しており、参院決算委員会は21日、会計検査院に検査の実施を求めていたとのこと。

監査報酬はリスク回避の保険料

 2月21日付け日経産業新聞24面に「みすず、監査業務を移管へ、アンダーセンのてつ踏む、対顧客企業弱い独立性」〔編集委員 牧野洋〕の記事。
 記事は、みすず監査法人(旧中央青山)が20日、新日本など他社に監査業務を移管する方針を発表したことに関して、監査先企業で不祥事が相次ぎ、大手監査法人が実質的に解体する初のケースとなると評し、「日本版エンロン事件」の再発を防ぐためには、監査法人だけでなく企業側の意識改革も不可欠と説く。エネルギー大手エンロンの不正会計に加担したアーサー・アンダーセンの破綻から得られた教訓として、元社員が『名門アーサー・アンダーセン消滅の軌跡』の中で「会計監査で顧客企業ではなく投資家を第一に考える独立性があれば事件は防げた」と記していると紹介する。日比谷パーク法律事務所の久保利英明弁護士によると、「日本では投資家を第一に考えて行動するところまで経営者も会計士もまだ変わっていない」とか。経営者は会計士に対し「カネを払っているのに余計なことを言うな」という姿勢であり、会計士にとって経営者は「怒らせてはいけない大事な顧客」であるとのこと。直近の決算期に監査法人に払った監査報酬額は、大株主の米シティグループが70億円以上であるのに、日興コーディアルが1億3千万円強で、経営規模の違いを考慮しても途方もない差があると記事は説く。同じことはほかの日本企業にも言え、例えば米ゼネラル・エレクトリック(GE)の100億円以上に対して、三菱重工業は約1億5千万円で、これだけの内外格差が生じているのは、日本企業が監査にかける時間が欧米企業と比べて圧倒的に少ないためと記事は伝える。時間をかけるほど監査報酬は膨らみ、米国ではエンロンやワールドコム事件をきっかけに企業改革法が制定され、内部統制など監査にかける時間が大幅に増えており、投資家は歓迎しているが、中小企業の多くは悲鳴を上げている状況と記事は説く。「経営者対会計士」で見た場合、日本では伝統的に前者が強い立場にあり、事実、最近まで監査報酬体系は自由化されておらず、実質的に日本経団連の了解を得て決められていたが、これについて、記事は、会計士が独立性を確保できないのも無理はなかったとする。大手監査法人のベテラン会計士は「会計士が不正に加担するのは論外だが、経営者が監査報酬を単なる経費と見なしているのも問題」と指摘しており、「監査報酬はリスクを回避するための保険料」と位置づける発想が乏しいと記事は説く。エンロンとワールドコム事件では、投資家がクラスアクション(集団代表訴訟)を起こし、損害賠償額はエンロンで8千億円以上、ワールドコムで6千億円以上となっており、これほどの偶発債務の発生を防げるのであれば、経営者が保険料として多額の監査報酬を払う意識も出てくると記事は説く。日本では長らく、投資家が「不正会計でだまされて損害を受けた」という訴訟を起こしても勝てる見込みはほとんどなかったが、数年前に証券取引法が改正され、不正会計が問題になったライブドア事件では投資家が集団訴訟を起こしており、「監査報酬は経費」という発想が残る限り、投資家保護の立場から監査を充実させる意識は生まれにくく、それを変えるきっかけは、投資家による損害賠償訴訟かもしれないと締め括っている。

文京区監査委員が合議不調の結論

 東京新聞サイト東京ページは2月22日に「監査委、異例の『不調』
文京区の元町公園 意義紹介の冊子廃棄で」〔原昌志〕を掲出。
 記事は、文京区にある関東大震災後の復興小公園「元町公園」をめぐり、同公園の歴史的意義を紹介した冊子を区がいったん廃棄し、その部分を削除して作り直したのは不当な支出にあたるとして、区民らが煙山力区長に16万6950円を返還するよう求めた住民監査請求について、区監査委員が「合議不調」との結論を出したと報じる。監査委員の決定は通常、▽勧告▽棄却▽却下-のいずれかであり、不調となるのは異例で、同区では初と記事は伝える。この冊子は、区の歴史文化を広報する「ふるさと歴史館だより」で、監査結果によると、3人の監査委員のうち2人が、区が納品前に印刷業者に冊子を廃棄させ、検品もしないで代金を支払った行為が不当と指摘し、1人は「書類上の不備はあるが実質的に損害ではない」とし、意見が分かれたとか。一方、請求では、区が同公園への体育館移設計画への影響を懸念して、区民が知るべき情報を隠すため2度冊子を作製したのは不当と訴えていたが、監査委員は「政策判断自体は監査の対象外」との見解で一致したとのこと。

参考:地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)
第百九十九条  ……
○9  監査委員は、監査の結果に関する報告を決定し、これを普通地方公共団体の議会及び長並びに関係のある教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員に提出し、かつ、これを公表しなければならない。
○10  監査委員は、監査の結果に基づいて必要があると認めるときは、当該普通地方公共団体の組織及び運営の合理化に資するため、前項の規定による監査の結果に関する報告に添えてその意見を提出することができる。
○11  第九項の規定による監査の結果に関する報告の決定又は前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする
 ……


倉敷市の包括外部監査は生活保護

 山陽新聞サイトは2月21日に「生活保護、適正運営を 外部監査人が倉敷市長に報告 就労支援など提言」を掲出。
 記事は、倉敷市の生活保護関連事務を対象とした本年度の包括外部監査報告書がまとまり、20日に古市健三市長に提出されたと報じる。生活保護費が年々膨らむ中、就労指導や訪問調査の改善など適正な行政運営を求めていると記事は伝える。報告書は、生活保護制度で自立支援が機能していない点が、市の財政圧迫と担当職員の負担増につながっている、とした上で、必要な人が保護を受けるためにも、就労支援や健康指導を重視することを提言したとか。そうした観点から市の実態を調査したところ、人員不足からケースワーカーによる訪問が計画通りできていなかったり、就労指導が徹底できていない面があることを指摘し、市が独自に支出している生活保護世帯援護金についても、「金額がわずかで政策効果は疑問。他の中核市では廃止の方向にある」として、存廃論議の必要性を訴えたとのこと。

JICPAが相談窓口を設置

 2月22日付け日本経済新聞朝刊15面に「会計士協、みすず業務移管で、引き抜き行為の自粛要請」の記事。
 記事は、日本公認会計士協会が21日、みすず監査法人の監査業務移管を受け、他の監査法人などに対し、みすずの顧客先企業への営業活動や会計士の引き抜きなどを自粛するよう要請したと報じる。引き抜き行為などが発覚した場合は会計士協の倫理規定に基づいて処分する方針も示したとのこと。企業向けには、監査契約などに関する相談窓口を設置するとか。会計士協の藤沼亜起会長は「協会としては資本市場が混乱しないよう全力を挙げて取り組んでいく」とのコメントを公表し、みすずが2007年3月期決算の監査業務を混乱なくできる環境を確保すると記事は伝える。協会が設置する相談窓口では、みすずの顧客企業が別の法人との監査契約を結ぶ際に混乱を最小限に抑えるため、契約手続きなどの相談を受けるとか。会計士協は06年に、カネボウの粉飾決算に絡み中央青山(当時)が業務停止を受けた際も、こうした窓口を設置したとのこと。

日本の企業監査の問題点

 2月21日付け日本経済新聞朝刊3面に「みすず、実質解体――なれ合い監査に終止符、企業にも意識改革迫る」〔編集委員 前田昌孝〕の記事。
 記事は、監査法人大手の一角であるみすず監査法人(旧中央青山)が、事実上の解体に追い込まれたことは、企業と監査法人とのなれ合い監査の時代が終わったことを象徴すると評する。みすずが他の監査法人への業務移管を決めたのは、あずさ監査法人などが会計士の引き抜きに動いたためで、20日の記者会見で片山英木理事長は「人が抜けてしまうと私どもは仕事ができません」と話したとか。みすずは一般職員も含め、約2500人が働く大組織で、それが、経営が行き詰まったわけではないのに「信用を棄損してしまった」(片山理事長)という理由で組織がなくなるのは極めて珍しいが、監査法人としての信用の再構築に時間を掛けるよりも、会計士の働く場をほかに求めた方が顧客企業にかかる迷惑が少ないという判断が背景にあると記事は伝える。所属会計士に連帯して無限責任を負わせるという監査法人の特殊性もあるだろうが、「まずは組織防衛」と考えがちの日本が変わる兆しなのかもしれないと記事は評する。記事は、日本の監査制度は市場インフラとして数々の課題を抱えているとして、第一に、四半期開示の導入や相次ぐ会計基準の変更で監査法人の仕事量は急速に増えているのに、人数が追いついていない点を挙げる。公認会計士数が米国の約33万人に比べて1万7千人強と少ないだけでなく、「多忙で責任が重い割に収入が少ない」として会計士のなり手が減っているとか。第二に、不正会計の排除に向けた上場企業の体制が不備であり、米国のように内部監査室に多数のスタッフをそろえ、株主の視点で会計書類を点検し、経営者に直言できるような企業はごく一部で、経営陣直結の経理部門や財務部門が作った書類を少人数の会計士が点検するだけでは限界があると記事は解説し、国際的に通用する透明性の高い制度を築くには、監査法人の責任を突くだけでなく、株主の視点に立った企業統治制度の導入、決算期の分散による監査業務の平準化、監査報酬の引き上げなどに産業界全体が真剣に取り組む必要があると説く。

宇治市監査委員が同和団体への随意契約を指摘

 京都新聞サイトは2月20日に「公費支出見直しや公印管理の改善を 宇治市監査委が指摘」を掲出。
 記事は、京都府宇治市監査委員が、市の人権推進室や子育て支援室の事務執行について、公費支出の必要性を確認したり、公印管理のあり方を改善するよう指摘したと報じる。市監査委員が18年10月から12月にかけて監査した結果で、報告書によると、府南部17市町村でつくる山城地区市町村連絡協議会や山城人権啓発協議会などへの市分担金について、「必要性の判断に当たっては、支出の効果を確認する必要がある」としたとか。18年度に市はそれぞれ、約150万円と約83万円を支出していたとの由。また、同和事業の対象となる地域のNPO法人(特定非営利活動法人)に清掃などの業務委託を特命随意契約した点について「客観的・総合的に公平、公正に判断した意思決定過程を記録保存することが求められている」としたとか。保育所に関しては、市が管理者に対して規則で規定している公印使用簿が、4保育所で見受けられなかったと指摘したとのこと。

みすずが解体へ

 2月21日付け日本経済新聞朝刊1面に「みすず、実質解体へ――監査業務、7月移管を発表」の記事。
 記事は、みすず監査法人(旧中央青山)が、今年7月をメドに監査業務を新日本、トーマツ、あずさの3監査法人に移管すると20日に正式発表し、監査先企業の不正会計事件が相次いで信用力が低下して監査法人として業務を継続することを事実上、断念したと報じる。今3月決算企業などの監査業務は従来通り実施し監査先への影響を抑えるが、企業側は来期以降の監査法人の変更など対応を迫られると記事は伝える。都内で会見した片山英木理事長は「社員・職員の全部または一部を移籍させる協議に入ることで、3監査法人と基本合意した」と述べたとか。監査を含む全業務が対象で、事実上の解体に踏み切るのは顧客からの信頼回復が難しく、人材が流出する懸念も高まってきたからとの由。

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みすずが他の監査法人と協議中

 2月20日付け日本経済新聞朝刊1面に「監査業務、みすず、夏にも全面移管、大手3法人と協議、3月期決算影響回避」の記事。
 記事は、大手監査法人のみすず監査法人(旧中央青山)が新日本、トーマツ、あずさの大手3法人などに監査業務をほぼ全面移管する方針を固め、これらと協議に入ったと報じる。3月期決算企業の監査が終わる夏以降、所属会計士や一般職員らを他法人に受け入れてもらうとのこと。みすずは現在、京セラなど約6百社の上場企業の監査を担当しているが、信用の低下を受けて、みすずでは所属会計士が法人を離脱したり、他法人による人材引き抜きの動きが表面化するなどで、法人運営が混乱していたとか。みすずの法人運営が安定しないと、上場企業など多くの企業の監査に支障が出る懸念が高まっており、加えて、日興の不正会計に絡み、金融庁から行政処分を受ける可能性も浮上していて、みすずは危機管理対策として業務移管を選択したもようと記事は伝える。みすずは混乱を回避するため、3月期決算企業の今年度の監査が終了する夏までは、人材の引き抜きなどをやめるよう他の法人に要請しており、そのうえで夏以降にみすずの顧客企業の監査業務とともに、所属会計士も受け入れるよう依頼を始めたとのこと。みすずは近く、一般企業の株主総会に相当する、出資者の幹部会計士(パートナー)約3百人による社員総会を開催し、監査業務を他法人に移管する基本方針について機関決定するもようとか。ただ、監査法人を選ぶのは企業であることから、実際にどのような規模で業務移管が進むのかなどについては不透明な面もあると記事は評するが、ま、それほどのことはないはず。みすずは旧中央青山時代の昨年夏、カネボウによる粉飾決算に所属会計士が加担していたとして、2カ月の業務停止処分を受け、その結果、一部会計士が離脱してあらた監査法人として独立したほか、監査を担当していた約8百社の上場会社のうち、2割超が他の監査法人にくら替えしており、昨年末には、2006年3月期までの監査を担当していた日興でも不正会計が発覚した経緯がある。相次ぐ上場企業の不正会計が、大手監査法人の事実上の解体という事態に発展すると記事は評する。

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岐阜県が外部委託も含めた監査委員6人体制へ

中日新聞サイト岐阜ページは2月18日に「<再生 07県予算案(中)>県政の信頼回復 監査、問われる実効性」〔石川浩、坪井千隼〕を掲出。
 記事は、裏金問題の再発防止策を論議した16日の政策総点検フォローアップ委員会で、「残念だったのは、県監査委員事務局も(裏金の隠ぺいに)加担していたことだ。監査も(職員同士による)うちうちだから、増員させる2人は県職員OB以外から起用するべきだ」との発言があったと紹介し、長年にわたり県組織のほぼすべてで裏金がつくられており、会計処理が適正かどうかをチェックする立場だった当時の代表監査委員(県職員OB)や事務局職員も、個人口座などに裏金を保管していたことが判明して、県民に衝撃を与えたと伝える。県は19年度に、監査委員の2人増員、予備監査業務の一部外部委託を本格的にスタートさせ、職員研修では県税徴収実習、福祉施設や民間企業研修も実施し、年間140万件に及ぶ会計支出の公開などの徹底した情報公開も含め、裏金問題を受けた「県政再生プログラム」はほぼすべてが実行段階になるとのこと。監査委員は4人と規定されているが、昨年6月の改正地方自治法で、自治体の判断で増員が可能になり、鳥取県は昨年11月、6人にする条例を可決したが、まだ選任されておらず、監査法人などへの外部委託の本格実施も静岡県だけで、監査委員を6人体制とし、監査法人などへの外部委託も組み合わせる岐阜県の取り組みは事実上、全国初とか。県は、独自調査権も持つ県民参加の「県政監視委員会」設置、法令順守担当ポストの「監察監」新設などを計画したが、議会意見に基づいて断念し、既存組織での対応に変更した経緯があり、県の取り組みは、内外で問われることになると記事は評する。

広島市監査委員が政務調査費で返還請求を勧告

 2月18日の中国新聞社説は「広島市議の事務所費 税金で眼鏡を買うとは」。
 記事は、広島市議が17年度に使った政務調査費について住民監査請求を受けて市監査委員が領収書を調査した結果を取り上げる。15会派中、公明、市民民主、地域デザインの3会派で「違法、不当な支出」をしたことが分かり、計385万円余りを返還させるよう秋葉忠利市長に勧告し、3会派とも返還するとのこと。事務所費では眼鏡や靴を買い、クリーニング代にも充てていたとか。町内会費や政治資金パーティーの会費など、個人的な支出も見つかり返還対象になったとか。個人名義の車の購入費や修理代、自動車税などは一部、調査研究に必要な経費と認められたが、本来なら私用分を厳密に仕分けして返還を求めるべきだろうと記事は主張する。政務調査費は「第2の議員報酬」と呼ばれ、何に使ったかを公表しない自治体や議会が多いため、各地で厳しい批判を浴びており、広島市も条例の施行規則で研修費、先進地調査の旅費、資料購入費、事務所費など、大まかな「使途基準」は定めているものの、使い道は公表してこなかったが、18年度から、議員提案で条例を改正し、各会派が市に出す収支報告書に領収書添付を義務付けたとのこと。記事は、議員一人当たり月額34万円を各会派に交付し、年間2億4千万円も使うのだから当然であるとしつつ、添付する領収書は1件5万円以上に限っており、5万円未満の支出ならその総額がどんなに多くても何に使ったか分からず、しかも、事務所費や人件費は領収書を添付する必要がなく、これでは大半が非公開になる恐れもあると伝える。

CPAは翌年なら監査会社に就職が法的には可能

 2月17日付け日本経済新聞朝刊1面に「会計士の監査先再就職、グループ企業も禁止―癒着防止へ金融庁方針」の記事。
 記事は、金融庁が今国会に提出予定の公認会計士法改正案について、監査法人が上場企業と癒着するのを防ぐのが柱の一つで、会計士が監査先のグループ企業へ再就職することを原則として禁止し、また、大規模監査法人の監査責任者が同一企業を継続して監査できる期間を7年から5年に短縮して、違反した場合は行政処分の対象にすると報じる。金融庁は与党の審査を経て、3月にも法案を通常国会に提出する予定で、順調にいけば2008年度にも施行されるとか。会計士の再就職制限は、現在の規定では監査先企業に限定しているが、新ルールではその親会社や子会社、関連会社などグループ全体に拡大し、監査法人の出資者である「社員」だけでなく、一般の会計士にも適用するとのこと。再就職を制限する企業のポストは取締役や監査役など中枢幹部とか。同一企業を長期間、監査し続けるのを禁じる会計士の交代制の対象となるのは、あずさ、新日本、トーマツ、みすず、あらたなど大規模な監査法人に所属する「主任会計士」で、非上場の企業を担当する場合は現在の7年で据え置くが、上場企業は5年に短縮するとのこと。新規上場企業を担当する場合は一段と厳しく、数年に短縮する方向で、ライブドアのように新興企業で粉飾決算事件を起こす企業が増えていることを踏まえ、厳格なルールにするとか。
 同紙15面の「会計士法の改正、中小事務所の再編促す(解説)」は、金融庁が公認会計士の再就職制限や継続監査期間の短縮など包括的な監査厳格化を打ち出すのは、上場企業の8割以上の監査を手掛ける大手監査法人の監査の品質を確保するだけでなく、組織的な監査体制の整っていない小規模監査事務所の再編を促して、監査水準の底上げを目指す狙いもあると解説する。2005年にカネボウの粉飾決算事件に絡んで会計士が逮捕されたことを受け、日本公認会計士協会は大手監査法人に上場企業の監査を受け持つ主任会計士の継続監査期間の短縮を要請し、大手監査法人は06年度から、米国と同じく継続期間5年、インターバル期間5年のルールを導入しているが、小規模事務所や個人会計事務所については交代要員を確保するのが容易ではなく、法的に免除されているのが実態とか。監査不祥事が相次ぐなか、会計士業界では上場企業に対する監査の品質を高いレベルに保つことが至上命題となっており、今回の会計士法改正は小規模事務所の合従連衡のきっかけとなる公算が大きいと記事は伝える。

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【高裁】勤続表彰の旅行券は実質的給与

 神戸新聞サイトは2月17日に「神戸市の控訴棄却 旅行券訴訟「実質的給与に相当」」を掲出。

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日本版内部統制ルールのガイドラインができた

 2月15日付け日本経済新聞夕刊1面に「企業会計審、売上高・売掛金・在庫に重点、内部統制ルール指針を決定」の記事。
 記事は、金融庁長官の諮問機関である企業会計審議会が15日の総会で、2008年度から全上場企業に適用する内部統制ルールのガイドラインを正式に決めたと報じる。ウソのない財務諸表を作っているかどうかを評価する対象は経理部門と連結売上高の3分の2を目安にした事業所とし、売上高、売掛金、在庫を重点項目にすると記事は伝える。内部統制ルールは企業経営者が社内の管理体制を自ら評価する仕組みで、企業は年1回、投資家向けの評価報告書とウソがないという「宣誓書」をまず監査法人に示して、監査法人が内容をチェックし、そのうえで企業は報告書と宣誓書を金融庁に提出して、金融庁がインターネットや冊子などの形で投資家に公表するとのこと。虚偽記載など問題があれば、経営者は刑事罰の対象にもなるとか。審議会が正式に決めたのは、内部統制ルールを導入する際の規則を示した実務担当者向けの指針で、例えば、税引き前利益が5%超変動する可能性がある場合は「重要な欠陥が発見された」として、投資家への公表を義務付けるとのこと。評価は企業の負担を軽減するため、対象を売上高など3項目に絞り込んだが、利益の大きな変動要因になるデリバティブ取引は評価対象に加えたとのこと。企業側は金融庁に対し、実務担当者が疑問に感じる点を「Q&A」形式で説明する解釈集の作成を要請し、審議会は総会で検討課題と決めたとか。審議会は円滑な導入を目指し、審議会でルールづくりを担ってきた「内部統制部会」を今後も継続して開くことで合意しており、問題がみつかった場合は対応策を練るとのこと。

公表資料:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)(PDF:935K)

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三重の包括外部監査は支出事務全般の執行

 中日新聞サイト三重ページは2月15日に「指摘・意見が53件
県支出事務の包括外部監査」〔沢田敦〕を掲出。
 記事は、三重県の包括外部監査の結果が14日まとまり、野呂昭彦知事に報告されたと報じる。本年度は支出に関する事務執行が対象で、指摘・意見は計53件となっており、安易な契約変更や県職員と補助金交付団体の事務局長との兼務などについて、不適切だと指摘していると記事は伝える。知事部局や旧県民局、県立高校など16機関が一昨年4月から昨年3月にかけて行った支出事務全般の執行をテーマに取り上げた結果で、規則逸脱や非効率な指摘事例は38件、検討を要すべきだとする意見事例は15件に上ったとか。契約変更では、旧津地方県民局津建設部発注の河川改修水路工事で「前工事の掘削改良残土の運搬処分を施工したい」などの理由で550万円増額したことを「前工事の処分を当工事の変更工事として施工ができるのか疑問」と指摘し、旧伊賀県民局建設部発注の歩道橋塗装工事では仕様変更で109万円増額したことについて「設計変更理由が実態を示した記載になっていない」としたとのこと。県職員と補助金交付団体の事務局長との兼務では、県から年間467万円の補助金を受ける「県角膜・腎臓バンク協会」の事務局長を県医療政策室長が兼任しており、「補助金交付の審査が形骸(けいがい)化する恐れがある。少なくとも補助金等の支出が県から行われる場合は、事務局長と室長の兼務は解消すべきだ」としたとか。ほかに、類似の複数工事を合算すると随意契約が認められる額を超える事例や勤勉手当の支給に対する評価制度の導入などを指摘しており、熊野古道センターなど公共工事以外の業務委託で前金払いをした際も、前金保証を定めた公共工事と同様に「何らかの保証を求めるべきだ」としたとのこと。県包括外部監査人の公認会計士は「内部統制の重要性は民間のみならず官庁にも当てはまる。県は入札制度改革に重きを置いているが、契約変更などがなおざりではいけない」と話したとか。

秋田県の包括外部監査は公益法人と随意契約している業務

 河北新報サイトは2月13日に「職員寮廃止など提言 秋田県包括外部監査」を掲出。
 記事は、秋田県包括外部監査人の公認会計士(東京)が13日に、外部監査の報告書を寺田典城知事に提出したと報じる。外部監査は18年7―12月に、知事部局や県警、県教委が17年度に公益法人と交わした随意契約1099件のうち、90件を選んで実施したもので、契約内容や業務委託の在り方にとどまらず、県職員寮の閉鎖や県が温泉保養施設「健康増進交流センター(ユフォーレ)」の保有の是非などにも踏み込む計16件の意見を付けたと記事は伝える。県職員互助会に約1460万円で運営委託する県内3カ所の職員寮について、「入居率は2―4割程度で活用度は不十分」と指摘し、寮の閉鎖と跡地の有効利用を提言したり、ユフォーレは民間の類似施設があるとして、「県が保有する必然性は少ない」と検討を促したとのこと。1日(8時間)当たり4.75人が業務している秋田空港駐車場料金の徴収事務は、「工夫次第で人員削減の余地がある」とし、委託の在り方自体の見直しも求めたとか。消防試験研究センターと契約する危険物取扱者らの免状作成業務で、委託料(約645万円)が事業費(約398万円)を大幅に上回っていたり、都道府県間の地方消費税案分などの業務で、地方自治情報センターに高額な費用が支払われていたりするなど、全国にまたがる課題も浮上したとのこと。寺田知事は「1998年の第一次行政改革で第三セクター業務のほとんどを見直しているため、大きな問題はなかったと受け止めている。指摘された点は早急に改善したい」と述べたとか。

神奈川県の17年度包括外部監査は病院事業

 2月10日付け日本経済新聞地方経済面26面に「管理業入札、落札率、3病院95%超――06年度、県の外部監査で判明」の記事。
 記事は、神奈川県立6病院が指名競争入札方式で発注した18年度分の院内管理委託業務のうち3病院で落札率が95%を超えることが9日に包括外部監査人(公認会計士)が知事に提出した報告書でわかったと報じる。13年度から17年度までの過去5年は8割が95%を超えており、4病院では6年連続で同一業者が落札したとのこと。報告書は「著しく不適切」として是正を求めているとか。報告書は毎年の入札が3月中旬から下旬の年度終了間際に実施され、人員確保など入札参加のための準備期間が極端に短いことを指摘し、18年度分から入札日を2月に前倒ししたがんセンター(横浜市)では落札率が2割以上下がった例を挙げ、競争性の確保を求めたとのこと。18年3月22日に入札を実施したこども医療センター(同市)では9社が参加したが、積算額(3億3600万円)の99.6%で前年度と同じ業者が落札したとか。同センターは談合の可能性について「入札は適正に執行している」と否定したが、「来年度分からは実施時期などの改善を検討したい」としたとのこと。18年度の包括外部監査は病院事業を対象に実施され、報告書はほかに、看護師・薬剤師の給与水準の引き下げ、一般会計からの繰入金の透明化、循環器呼吸器病センター(同市)と足柄上病院(松田町)の運営民間委託などを提起(意見)したと記事は伝える。

【判決】政務調査費に会派としての意思統一を求める高裁

 北海道新聞サイトは2月10日に「政務調査費控訴審 「違法範囲」より厳しく 札幌高裁、函館市に返還請求命令」を掲出。

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金融庁が監査法人への監督を強化する方向

 2月9日付け日本経済新聞朝刊3面に「金融庁、監査法人への検査強化、傘下機関が直接立ち入り」の記事。
 記事は、金融庁が監査法人に対する検査体制を強化する方針で、傘下の行政機関、公認会計士・監査審査会が問題のある監査法人を直接、立ち入り検査できるようにし、日本の上場企業の監査を受け持つ外国監査法人にも、検査権限を持たせると報じる。粉飾決算事件が相次いで起きているため、監査法人に機動的に検査できる体制整備が必要と判断したと記事は伝える。一連の規制強化策は今通常国会に提出を予定している公認会計士法の改正案に盛り込み、20年度の実現を目指すとか。現在の監査法人への検査は、業界団体の日本公認会計士協会が自主検査した後、監査審査会に結果を報告し、問題があると判断した場合、立ち入り検査に入るため、問題発生から検査着手まで1年超かかる場合もあったが、新制度では会計士協の自主検査結果に加え、金融庁と監査審査会が独自の判断で検査できるようにし、審査会は、必要なら金融庁に処分を勧告するとのこと。会計士協は通常、監査法人に対し3年に1度(大法人は2年に1度)の頻度で自主検査しているため、問題把握そのものに時間がかかるケースも多かったとか。一方、外国監査法人はこれまで、届け出を求められていなかったが、法改正後は届け出か登録を義務づけ、検査の対象に加えるとのこと。外国の監査法人と監査契約を結んでいる日本の上場企業などが二百社超あるためと記事は伝える。また、新しくできた監査法人は現状では設立後、半年から1年超経過しないと検査対象に含められないが、即座に検査できるようにするとのこと。金融庁は人員不足などの問題から、監査法人への検査を全面的に監査審査会に委ねており、審査会は検査官など約40人の体制で、約5百人を擁する米国の上場企業会計監視委員会(PCAOB)には見劣りするため、増強論が浮上する可能性もあると記事は伝える。
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