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中央青山は約4%の減収か

 5月30日付け日本経済新聞朝刊7面に「中央青山、減収20億円――監査契約打ち切り、すでに70社超、さらに拡大も」の記事。
 記事は、金融庁から業務停止命令処分を受けた中央青山監査法人の監査報酬の減収額が、判明している分だけで約20億円に達することが日本経済新聞社のまとめで分かったと報じる。顧客の上場企業から監査契約を打ち切られた影響によるもので、トヨタ自動車やソニーなど主要顧客の動向次第で、今後さらに減収額が膨らむ可能性もあると記事は伝える。中央青山の所属会計士がカネボウ粉飾事件で東京地検に逮捕された昨年9月13日以降、東レ、旭硝子、資生堂など計76社が中央青山との契約を解除、もしくは契約更新しない方針を表明しており、これは、同法人が会計監査を担当していた上場企業約8百社の1割弱に相当するとのこと。これら76社が直近の決算期(3月期決算の場合は2005年3月期)に中央青山に支払った監査報酬は合計19億9千万円で、中央青山の05年3月期の業務収入524億円の約3.8%に当たるとか。契約を打ち切った企業のほとんどが中央青山を除く国内4大大手のいずれかに監査法人を変更しており、24社が新日本監査法人、21社があずさ監査法人、20社が監査法人トーマツと新たに契約を結んでいるとか。中央青山の海外提携先であるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が日本法人を新設すると発表していることもあり、契約更新の有無を表明していない主要顧客の動向が注目されると記事は評する。新日本製鉄グループや同和鉱業のように、業務停止が明ける9月から中央青山を再任する議案を六月の定時株主総会に提案する方針を決めた大手企業も出てきているとも記事は伝える。
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監査は人なり

 中日新聞サイトは5月20日に「顧客26社、監査法人変更 中央青山離れ進む」を掲出。
 記事は、カネボウの粉飾決算事件で業務停止処分となる中央青山監査法人の顧客企業のうち26社が担当監査法人を変更すると報じる。金融庁の処分による業務停止期間は7月1日から8月31日までで、業務停止処分を受けると監査契約はいったん解除され、会社法によると、監査先企業は今回、空白の2カ月間を埋めるため、別の会計監査人(監査法人など)か臨時的な一時監査人を選ばなければならないが、監査人の変更は株主総会の承認事項で、3月期決算企業は事務手続き上の都合から、来週中にも結論を出す必要があるとのこと。契約を打ち切る企業の中には、自動車部品のケーヒンのように「投資家の信頼が得られない」と処分決定後、変更を決めた例もあるが、「昨年から動いていた」(大京)など、多くの企業は処分発表があった今月10日以前から変更を準備していたとか。日立電線や三井物産の子会社でネットワーク機器販売のネクストコムは、今回を機に監査法人をグループ会社で統一し、東洋水産も米国現地法人と同じ系列の監査法人に統一するとか。婦人服チェーンのリオチェーン(名古屋市)は、これまで2法人に依頼していたが、「費用がかかるし1社でもやれる」と共同監査体制を解消するとのこと。一方、信越化学工業は「きちんと監査してきた」と処分が明ける9月以降に再契約の方向で、NTTも同様の理由で再契約するとのこと。監査関係者によるとNTTは当初、グループ全体で別の監査法人への契約を模索したが「グループ内での統一が難しく断念した」とか。セントラルファイナンス(名古屋市)は「体制を整えたと聞いている。基本的には変えない」と9月以降も再契約する方針で、同和鉱業は7月から別の法人と契約するが、9月からは中央青山を含めた2法人体制をとるとのこと。三洋電機やスカイマークエアラインズのように、とりあえず臨時の一時監査人を選んだ後、9月以降に中央青山と再契約するか見極める企業もあるとか。

 粉飾の誘惑が低いところは変更の必要がないということなのかな。

大阪市の人権施策

 朝日は5月25日に「大阪市の人権施策、大幅見直しを要求 監査委員が報告書」を配信。
 記事は、大阪市が同和対策の流れをくむ人権施策に関連し、市人権協会など外部の団体に業務委託や補助金交付をした際、詳細な事業報告書や精算報告書を提出させていなかったことが市監査委員の報告で明らかになったと報じる。監査報告は、市人権協会に対する市内204カ所の駐車場の管理委託でも、市への納付額の算定方法の問題点を指摘しており、人権施策全般にわたって改善と検討を求めたとのこと。大阪市では、同和対策の医療拠点だった芦原病院への補助金の不正交付や、理事長が業務上横領容疑で逮捕された財団法人「飛鳥会」に対する駐車場委託契約の問題点などが発覚しており、市が同和行政全般の見直しを迫られるのは必至と記事は伝える。監査対象は市民局人権室が17年度上半期に実施した事業で、監査報告によると、市の委託事業18件(計27億8226万円)、補助金6件(計3億2562万円)で、前年度の実績などを参考にした「概算払い」か、支払額が確定している場合に使われる「前金払い」という手法が使われているが、同じ事業の16年度の精算状況をみると、この大半で「過不足なく使い切った」とされたが、市は詳細な報告は受けておらず、支出の内訳などは確認していなかったとか。人権室はまた、市内204カ所(計約16万平方メートル)の月決め駐車場の管理運営を市人権協会に委託しており、16年度は、収入4億4312万円のうち、経費などを差し引いた5557万円を納付金として受け取ったが、経費の内訳は確認しておらず、監査報告は「納付額の算定方法などについて、関係局と協議のうえ、整理を図られたい」と求めているとのこと。人権室が所管のすべての補助金について、支出の条件などを定める「補助要綱」を作成していなかったこともわかったとか。人権室長は「補助金の要綱は今年度からつくっている。指摘された点を重く受け止め、適正な執行に努めたい」と話しているとか。

中央青山が改革案をまとめた

 読売は5月27日に「中央青山監査法人、内部チェック強化の改革案」を配信。
 記事は、金融庁から一部業務停止命令を受けた中央青山監査法人が27日、企業監査に対する内部チェックの強化を柱とした改革案をまとめたと報じる。これまで同じ部署の会計士が実施してきた監査内容の内部審査を、別の部署の会計士に担当させるなどして、不正な監査を見逃さない体制を目指すとのこと。30日にも発表するとか。新たな審査体制は7月にも導入する方針で、内部審査は、企業監査の内容を、担当者とは別の会計士が改めてチェックする制度だが、中央青山では担当会計士と同じ部署の会計士が審査しており、内部からも「チェック体制が厳格さを欠く」との批判が出ていて、このため、例えば、京都事務所の会計士が行った会計監査を大阪事務所の会計士が審査するなど、部署や勤務先が異なる会計士に当たらせることで、不正な監査を防ぐ体制を整えると記事は伝える。また、監査の水準を上げるため、現在6部に分かれている監査部門を産業別に再編成し、会計士の専門性を高めるとのこと。現在の体制では、監査2部が鉄鋼など製造業を担当するなど、部ごとに大まかな業種の振り分けはあったものの、同じ部が建設と食品を担当するケースもあり分類が厳密ではなかったとか。こうした改革案は、国内大手監査法人の中でも最も踏み込んだ中身と見られているが、行政処分をきっかけに監査先企業の中央青山離れが進んでおり、顧客の信頼をどこまでつなぎとめられるかはなお、不透明と記事は評する。

【公金支出】大洲市役所の市長室隣のトイレの設置の要否

 朝日は5月26日に「「市長専用」トイレに住民監査請求 愛媛・大洲」を配信。

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会計士出願者数が増加に転じた

 5月28日付け日本経済新聞朝刊3面に「会計士試験出願、2年ぶりに増加、今年、簡素化が効果」の記事。
 記事は、公認会計士・監査審査会によると、28日に短答式試験が実施される2006年の公認会計士試験の出願者数が1万6210人と、前年より6%増加したと報じる。今年から試験内容を大幅刷新、試験の体系を「3段階5回」から「1段階2回」へ簡素化した効果がでたもようと記事は伝える。出願者数は試験が始まった1949年以降、ほぼ一貫して増加したが、昨年、初めて6%の大幅減に転じたとのこと。会計士の逮捕などで敬遠されたとの見方が出ていたが、中央青山監査法人への業務停止命令などで会計士のイメージダウンは続いているものの、今回の増加で関係者の間では「敬遠ムードは薄れたのでは」との声がでているとか。金融庁は2018年をメドに会計士の数を今の3倍強に当たる5万人程度に増やすことを目指しているとの由。

ライブドアの粉飾は新しいタイプの粉飾との見方

 5月26日付け日本経済新聞朝刊18面に「ライブドア監査人、「監査先の刑事責任追及は屈辱」、新しいタイプの粉飾事件」の記事。
 記事は、ライブドア粉飾事件で証券取引法違反の罪で起訴された前取締役Mらの初公判が26日i東京地裁で開かれるのを機に、同社を監査していた港陽監査法人で担当者の一人であるT公認会計士に当時の監査状況などを聞いたもの。Tさんは、港陽監査法人に所属していた会計士2人も起訴されているが、なぜ監査法人として粉飾や会計士の関与を見逃したのかとの問いに、「担当会計士が本気で隠せば、分かりようがない。起訴事実となった2004年9月期決算で私は監査報告書に署名せず、監査チームにもほとんど加わっていなかった。ただ、架空売り上げの疑いを完全に消せなかった取引が問題となり、私はライブドアの監査人を降りるべきだと監査責任者に何度も言った」「05年9月期決算では、私も監査報告書に署名した。ファンドから入る分配金の中身が気になったが、監査の限界で投資先までは分からない。関係先で独自に調査し、複数のファンドを介在し自社株売却益を還流する疑いのある仕組みが分かった。M前取締役に強く迫り、関連するファンドを解散させた。今みると、手遅れだったが」と答え、ライブドアはなぜ暴走したのか、との問いには「新手の資金調達など市場の利便性を最大限使った会社だ。その分、資本市場からの圧力も感じていた。『株主から追いかけられる夢をみる』と話す幹部もいた。目標の達成を焦り、ファンドを使った仕組みなどに走ったのではないか」、「かつては、粉飾しなければ倒産する企業が粉飾に手を染めた。資産などを実際より多くみせるバランスシート型の粉飾だった。ライブドアは手元資金も豊富で倒産の恐れはなかった。過去の事例と異なり、売上高の水増しなど損益計算書の粉飾をした。株式時価総額の拡大を意識した、新しいタイプの粉飾だ」と答えたとして、その「新しいタイプの粉飾」を記事の標題にも用いている。

 「新しい」のかな。

動物園に対する行政監査

 北海道新聞サイトは5月25日に「円山動物園 過去10年赤字90億円、入園者数多く公表」を掲出。
 記事は、札幌市円山動物園(金沢信治園長)の過去10年間の赤字額が計約90億円に上り、過去5年間の入園者数も園側が公表している計約340万人より約66万人少ないことが市監査委員の行政監査で分かったと報じる。監査委員は民間移譲を含めた運営の抜本的な見直しを求めているとのこと。監査は、市内のスーパーから動物に寄贈された米などの一部を職員が持ち帰った問題が昨年11月に発覚したことから、管理運営全般の問題点を明らかにしようと、今年1月から3月に実施したもので、定期監査などと異なり、事務についての特別な監査である行政監査〔?〕を札幌市監査委員が行ったのは初めてとか。監査報告書は、職員の人件費を含めた7-16年度の収支について、年間平均約9億円の赤字が発生していると推計し、12-16年度の無料入園者(中学生以下と65歳以上)を含む入園者数も計約274万人と、同園の発表を大幅に下回っていると指摘したとのこと。円山動物園の収支は市の一般会計に含まれているため、実態の把握が難しく、入園料収入と事業費の比較で赤字になっていることは分かっていたが、人件費を含めた収支が明らかになったのは初めてのことで、入園者数についてはこれまで、無料入園者数を有料と同数とみなして算定していたが、監査委員は同園が一時行っていた実数の計算からあらためて推計したしたとのこと。監査委員は「動物園は単なる集客施設ではなく、公共的な目的を有している」とその役割を評価しながらも、「市財政が悪化する中、赤字は看過できない」と強調し、同園の将来像について、一般会計と区別する特別会計の導入や管理運営を民間企業などに委ねる指定管理者制度への移行、民間移譲も視野に入れて検討するよう求めており、食料品を持ち帰った問題については「組織風土に問題がある」と厳しく批判しているとのこと。監査を受け、同園は6月中に、外部の専門家らからなる委員会を設け、園の将来像を示す長期基本構想を年度内に策定する方針で、金沢園長は「監査を厳粛に受け止めている。経営的視点の欠如などの課題解決に向け、市民のみなさんとともに考えたい」と話しているとか。

 東京都などは、行政監査を3E監査であるとして毎年、行っているようだ。

参考:地方自治法第百九十九条第2項
 監査委員は、前項に定めるもののほか、必要があると認めるときは、普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により監査委員の監査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)の執行について監査をすることができる。この場合において、当該監査の実施に関し必要な事項は、政令で定める。

監査法人は保守主義が強化されている

 5月25日付け日経金融新聞7面に「URBAN、「会計処理で認識相違」、延期の前期決算を発表」の記事。
 記事は、アーバンコーポレイションが24日、監査法人トーマツの指摘で延期していた2006年3月期決算を発表し、記者会見した房園博行社長が、指摘を受けた特別目的会社(SPC)からの配当収入の会計処理について、「売り上げを計上する時期についての認識相違の問題であり、当社のビジネスモデルに影響はない」と強調したと報じる。今回の決算発表延期の理由は、SPCから受け取った配当金131億円の売り上げ計上の時期で、URBANが3%出資するSPCは前期、保有する東京都内の土地を別のSPCに売却し、売却益を配当としてURBANなど出資者に還元していて、同社は「既に入金も完了しており、前期に売り上げ計上するのが適当」(房園社長)と判断したが、オフィスビルを開発する計画だったSPCの事業は「地権者との交渉に時間がかかった」(同)ため完了しておらず、URBANが計画用地の2割を保有したまま、SPCは残りの保有土地を更地として売却したため、トーマツは売り上げ計上は時期尚早と指摘したとのこと。結局、配当収入を前受け金として処理し、売り上げ計上を今期にずらし、前期の連結純利益は78億円と22%増にとどまり、今期が250億円に膨らむとのこと。配当収入が多額な理由は「当社の出資分は劣後部分になり、運用成績で成功報酬がある」と説明したとか。
 同日付け日本経済新聞朝刊17面の「URBAN、売り上げ計上は監査法人と相談、「前期を教訓に再発防止」」は、アーバンコーポレイションが24日の決算発表で、「今後は案件ごとに、売り上げ計上方法などを監査法人と相談しながら不動産開発を進める」と、計画未達となった2006年3月期の教訓を今後に生かす方針を示したと伝える。

PwCの新法人が中央青山の業務の一部を引き継ぐとの観測

 5月25日付け日本経済新聞朝刊1面に「中央青山、所属会計士300人が移籍――PwCの新設法人に、海外企業など監査」の記事。
 記事は、中央青山監査法人の所属会計士の一部が、海外提携先のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が日本で設立する監査法人に、移籍する方向で調整に入ったと報じる。海外企業の日本法人や金融機関などの監査を担当する会計士が中心になる見通しで、新法人は最終的に3百人前後の人員を抱える可能性があると記事は伝える。PwCは金融庁が中央青山に業務停止命令を下した10日に、新法人を設立する意向を発表しており、新法人は、IBMやエクソンモービルなどPwCが抱える海外企業の日本法人や支店の監査を主に担当する見通しで、中央青山の業務停止処分が始まる7月までに設立する方針とのこと。海外でPwCの監査を受けているトヨタ自動車やソニーなど、中央青山の有力顧客企業にも影響を与えそうと記事は評する。中央青山の中で、海外企業の監査を担当する監査5部と、海外金融機関なども含め担当する金融部を中心に、会計士が移籍する方向で、実際に顧客企業がどれだけ新法人に契約を切り替えるかなど流動的な面も残るが、新法人は約1600人の会計士を抱える中央青山の約2割を受け入れることになりそうと記事は伝える。事実上の分裂ともみられるが、PwCは提携関係を維持しながら中央青山の改革を引き続き支援する方針とか。

関連:PwCが日本法人設立を発表

【公金支出】函館市議会の政務調査費

 5月24日付け日本経済新聞北海道朝刊38面に「函館市、政調費返還求め市民団体が提訴」の記事。

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範囲を拡大して手続を簡素化した独自の監査請求制度

 5月25日付け日本経済新聞大阪朝刊16面に「京都府、来月、住民監査請求、簡易型を導入」の記事。

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日債銀経営者は控訴審でも無罪を主張

 神戸新聞サイトは5月22日に「控訴審でも無罪主張」を掲出。
 記事は、破たんした旧日本債券信用銀行の粉飾決算事件で、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪に問われ、1審で有罪とされた元会長(74)ら3人の控訴審初公判が22日に東京高裁(原田国男裁判長)であり、3人は1審同様、無罪を主張したと報じる。1審が認定した1998年3月期決算での約1590億円の不良債権隠しについて、弁護側は「当時の会計基準では合理的」と指摘したのに対し、検察側は「旧大蔵省通達に明らかに反する資産査定をしていた」と反論して被告側の控訴棄却を求めたとのこと。ほかの2人は元頭取(62)と元副頭取(68)で、2004年5月の1審東京地裁判決は元会長に懲役1年4月、執行猶予3年、元頭取ら2人に懲役1年、執行猶予3年を言い渡しているとか。

インドネシア会計検査院がスハルト大統領の不正蓄財を調査

 日経は5月22日に「インドネシア、スハルト元大統領による国家損失を調査」〔ジャカルタ=代慶達也〕を配信。

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SECは中小企業にも内部統制ルールを適用の方向

 5月22日付け日経金融新聞9面に「内部統制ルール、SEC、中小にも適用へ――特例は認めず、来年末まで導入を猶予」〔ワシントン=山本留美子〕の記事。
 記事は、米証券取引委員会(SEC)が企業改革法の柱である内部統制ルールについて、大企業に比べて費用負担が過大として焦点になっていた中小企業にも例外なく適用する方針を発表したと報じる。中小企業へのルール適用緩和や免除を訴える提案が諮問委員会から出ていたが、事実上却下したとのこと。SECは近く、規則を適用する際のガイドラインを企業に示すと記事は伝える。SECのコックス委員長は中小企業への特例措置を認めない方針について「企業会計の信頼性向上と投資家保護のために必要」と主張し、全企業に費用効率のよいルール適用方法を検討するとしたとか。ただ、発行済み株式の時価総額が7500万ドル以下の中小企業には適用開始を新たに5カ月延長し、2007年12月からにするとし、猶予期間を設けてでも例外なく適用する方針を示したとのこと。SECはガイドラインで、企業が十分にルールを理解し、内部で不正などが起こるリスクを事前に摘む体制を整えるために必要な施策を示し、同諮問委や各業界の意見を参考に中小企業のコスト負担を抑えるようにも配慮する見込みと記事は伝える。同ルールの中小企業への適用をめぐっては同諮問委が4月、発行済み株式の時価総額と年間収入に応じてルールの全面免除や一部免除を提案しており、5月には共和党議員が上下両院でルール緩和案を提出していたが、一方、専門家や会計検査院(GAO)などは、企業財務の透明性を高めるというルールの趣旨が損なわれると強く反発していて、世論はなお分かれており、SECの方針を受けて実施はさらに難航するとも見られているとか。SECはこのほか、米上場企業会計監視委員会(PCAOB)による監査法人向けの監査業務の監督を強化するとし、一方でPCAOBも、監査法人向けに内部統制の監査に必要な監査事項を示した運用基準を見直し、内部統制の問題点の大きさの分類である「重大な不備」や「重大な欠陥」の具体的な内容などをを明示するとしたとか。

監査法人が監査を辞退した例

 5月20日付け日本経済新聞朝刊15面に「新日本監査法人、菱和ライフの監査人を辞退」の記事。
 記事は、菱和ライフクリエイトが19日、新日本監査法人から会計監査人を辞退する申し出があったと発表したと報じる。同社によると新日本は辞退の理由を、暴力団が絡んだビル不正登記事件で前社長が逮捕されたことで経営者の信頼性が著しく損なわれた状況では、2007年3月期以降の監査継続は困難なためとしているとか。後任の会計士は未定だが、6月21日の定時株主総会までに決める見通しとのこと。

監査法人を登録制にする動き

 5月20日付け日本経済新聞朝刊1面に「監査法人にも改善命令、監視強化へ金融庁方針、登録制を導入、自民は課徴金検討」の記事。
 記事は、金融庁がカネボウなど上場企業の相次ぐ不正会計事件に対応し、監査法人への規制を強化し、監査法人に対して警告的な措置となる「業務改善命令」を出せるようにして問題のある法人に早期の是正を促すほか、監査法人の業務内容などをきめ細かくチェックできる「登録制」も導入する方針と報じる。自民党内では不祥事を起こした監査法人に事実上の制裁金となる「課徴金」を科す検討も始まったとか。監査法人への現在の行政処分は問題への対応が法人まかせで罰則などを伴わない「戒告」から、監査先企業への影響が大きい「業務停止命令」や「解散命令」に一気に飛ぶため、その中間的な措置となる業務改善命令を新たに導入するとのこと。改善命令なら、中央青山監査法人への一部業務停止命令で起こったような監査先企業の混乱を避けつつ、早めに問題に対処できるとか。改善命令を受けた監査法人は改善計画書を提出し、金融庁の監視下で内部管理体制などの是正に取り組み、計画を実行できない場合には罰金や、より重い業務停止命令などが視野に入るとのこと。現在は5人の公認会計士が集まって申請すれば法人を設立できる「届け出制」となっている監査法人への監督体制を「登録制」に切り替える検討にも入ったとか。監査法人は16年春の規制緩和で従来の「認可制」から届け出制になったが、届け出制では監査法人が設立や解散を自由に決められ、金融庁は拒否できず、登録制は認可制よりは規制色は薄いものの、金融庁が登録申請時に却下でき、業務開始後の抹消も可能で、特に上場企業など大企業の監査を担当する監査法人には、内部管理体制などを含めたより厳しい登録基準を設ける考えとか。また、粉飾決算に関して、これまで会計士個人だけだった刑事罰の対象を監査法人自体に広げることも検討しているとのこと。一方、自民党の金融調査会企業会計小委員会(渡辺喜美委員長)は19日に課徴金制度の導入を検討する考えを表明し、例えば粉飾決算を見逃した監査法人に対し、監査報酬を超える多額の制裁金を科す「懲罰的な制度」をめざしているとか。一連の改革策は首相の諮問機関である金融審議会で議論したうえで、来年の通常国会に提出予定の公認会計士法改正案に盛り込まれる見通しと記事は伝える。ただ、登録制の導入などに対しては会計士業界の反発が予想され、事後チェック型に移った金融行政が事前審査型に後戻りすると懸念する声もあると記事は評するが、どうだろう。

監査役と会計監査人の連携に関する実務指針

 上場.comは5月18日に「監査役と会計監査人の連携に関する実務指針が公表」を掲出。
 記事は、日本監査役協会が5月18日、「会計監査人との連携に関する実務指針」(平成18年5月11日付け)を公表したと報じる。これは、監査役が会計監査人と連携を図るための具体策を例示するもので、監査計画策定時・中間監査時・期末監査時等シチュエーションに応じて、具体的な連携策を例示したものとなっているとのこと。監査役と会計監査人は、監査対象が重なるだけに、連携により効率的かつ効果的な監査が双方ともに可能となるというメリットがあり、特に上場準備企業においては、コーポレートガバナンスが未熟なケースが多いことから、相互の連携は必須であるものの、実際には連携不足により監査の重複や情報の共有が図られていないケースも少なくないとか。また、内部統制の基本方針決議で監査役と会計監査人の連携をうたった上場準備企業は少なくないが、監査役の経験不足から連携の具体的方策については手探りの状況という企業も多いのが現実で、そのような企業においては、本実務指針が実務上の手引きとなりそうと記事は評する。

公表資料:「会計監査人との連携に関する実務指針」を公表いたしました
     「会計監査人との連携に関する実務指針」

代わりの監査人と9月以降共同監査で中央青山と継続

 5月19日付け日本経済新聞朝刊11面に「新日鉄と同和鉱業、中央青山と再契約へ、別法人も加え共同監査に」の記事。
 記事は、新日本製鉄が18日、金融庁から業務停止処分を受けた中央青山監査法人との監査契約を事実上継続し、同時に別の監査法人を加え共同監査の体制をとる方針を固めたと報じる。同和鉱業も同日、新たな会計監査人の選任とともに、9月に中央青山を再任することを株主総会に提案すると発表したとか。両社の対応は、中央青山に監査を依頼している他の企業にも影響を与えそうと記事は評する。新日鉄は現在複数の大手監査法人に打診しているもようで、来週中にも決定し、6月の株主総会で提案するとのこと。共同監査にすることで一時的な監査の空白を回避し、9月以降は2社による共同監査になるとか。今回の処分に伴い中央青山との契約が6月でいったん切れるため、7―8月の業務停止期間が終わる9月に改めて契約を結ぶ方針で、再契約するのは、同社に対する中央青山の監査が適正で、処分を機に経営改革が進むとみているためと記事は伝える。同和鉱業は6月28日付で中央青山から日本橋事務所に変更するが、9月以降は中央青山と日本橋事務所が共同で監査する予定とか。来年度以降の監査人は改めて株主総会に諮るとのこと。

銃器登録制度に関する報告書

 Maple Town サイトの「ニュース速報」は5月17日に「銃器登録制度に関する監査報告書発表」を掲出。

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会社と対立する監査人

 5月18日付け日本経済新聞朝刊19面に「中央青山処分広がる波紋――売り上げ計上や連結範囲、会計処理で意見対立(監査不信)」の記事。
 記事は、上場企業と監査法人の間で、会計処理を巡り意見が対立したり、会計士の指摘で企業が業績を修正したりする例が相次いでいると報じる。IT(情報技術)関連製品の売り上げ計上などで見解が食い違う例が目立っており、市場での監査不信の高まりを受けて信頼回復のため監査法人が対応を厳しくしているうえ、会計ルールの厳格化が背景と記事は伝える。アニメ製作会社GDHは決算発表を3日後に控えた12日に、2006年3月期の業績予想を下方修正したが、これは、監査法人トーマツから急きょ、売上高を変更するよう指摘されたのが原因だったとか。問題となったのは傘下のアニメ製作会社が受注したアニメ作品の売上高で、実際の作品は納品したものの、発注元のファンドに絡む契約の問題から、売り上げを一部、翌期にずらしたとのこと。GDHの後藤文明ファイナンス部門長は「アニメやコンテンツは会計基準が定まっておらず、監査人の解釈によって変わってしまう」と嘆いているとか。平和奥田も不動産販売の処理で会計士と対立するなど、売上高では意見が食い違いやすく、シーエスアイは中央青山監査法人との間で、電子カルテシステムの売上計上時期で対立し、販売提携先を通じて最終顧客に販売する際、会社側は代理店に売った時点で売り上げ計上すると主張したが、中央青山は最終顧客が買った段階で計上すべきとして譲らなかったとか。ライブドア粉飾事件で連結対象外の投資事業組合が悪用されたのを受け、会計士の指摘で連結範囲を変える例も目立ち、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託が15日、連結範囲の見直しなどに伴い業績予想を下方修正したとのこと。ビジネスバンクコンサルティングは会計士の指摘で投資組合を当初予定を変えて連結することにしたため、05年12月期決算の発表が2月から3月にずれ込んだとも。会計士が厳しい態度を取り始めたのは、会計基準の整備が進み、不透明な会計処理が認められなくなってきたのも背景で、会計基準を作る民間組織の企業会計基準委員会が、投資事業組合の連結ルールを厳しくする方向で議論を進めており、ソフトウエアや情報システムなどの取引についても今春、売上高の水増しを防ぐため、新しい会計ルールができあがったばかりとか。ACCESSが四月下旬に、企業買収に絡むのれん代の償却の計上の変更で、07年1月期の業績予想を修正したのも、M&A(企業の合併・買収)の会計処理を決める企業結合会計基準が4月から導入されたのがひとつのきっかけとか。カネボウやライブドアなど上場企業で粉飾決算が相次ぎ表面化し、監査法人に対する規制や罰則を強化する議論が始まっていることも、監査法人の危機感を高め監査の厳格化につながっている面もあると記事は伝える。

在外子会社と親会社の連結に関する実務指針

 5月18日付け日本経済新聞朝刊19面に「会計基準委、在外子会社と親会社、基準統一に実務指針」の記事。
 記事は、企業会計基準委員会が17日、海外子会社と親会社との会計方針の統一に関する実務指針を公表したと報じる。連結財務諸表を作成する際は親子の会計基準統一を原則とし、子会社が国際会計基準か米国基準で作成した財務諸表は、当面はそのまま利用できるが、その場合ものれん代の償却など日本基準と大きく異なる項目は、日本基準への修正を義務付けるとのこと。国際基準などを採用する海外子会社も修正が必要な項目として、のれん代の償却のほか、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、研究開発費の支出時費用処理、投資不動産の時価評価及び固定資産の再評価などを挙げているとか。連結決算の純利益を適切にする狙いで、修正額に重要性が乏しい場合は例外とするとのこと。実務指針は2008年4月以降に始まる連結会計年度から適用されるとか。

商工中金が手数料を過大受領

 毎日は5月17日に「商工中金:融資先企業から手数料過徴収、総額9700万円」〔宮島寛〕を配信。
 記事は、商工組合中央金庫が17日、融資先の中小企業から繰り上げ返済の手数料を過大に徴収していたと発表したと報じる。過徴収は13年4月以降の5年間で1069件、総額約9700万円にのぼり、利子をつけて返還するとのこと。手数料計算を間違えたり、必要ないのに徴収していたもので、1件平均約9万円だが、約820万円の事例もあったとか。会計検査院の指摘を受け、資料が残っている13年4月以降の繰り上げ返済を調べて判明し、13年4月以前の分は、領収書など証明する資料があれば返還するとか。

川崎市監査委員の指摘は随意契約

 5月17日中日新聞神奈川版に「前年と内容・相手が一緒』73% 競争性を導入すべき」〔飯田克志〕の記事。
 記事は、川崎市の16年度の随意契約のうち、7割以上が、前年度とほぼ同一内容で同一落札者と契約し、予定価格と契約価格が同額だったケースも7割を超えていたことが川崎市監査委員(鹿川隆・代表監査委員)の監査で明らかになったと報じる。市監査委員は市に、随意契約の競争性向上や適正な予定価格の設定などの改善を求めたほか、透明性、公平性確保のため、現在は未公表の落札者など契約情報の開示の必要性を指摘したとか。監査では、各局や区役所が16年度に発注した1件百万円以上の随意契約2005件、総額約590億円を調査し、このうち委託が、1205件で最も多く、全体の約6割で、次いで、不動産や備品など財産の買い入れが357件、事務機器の賃借料など物件の借り入れが222件だったとのこと。委託の内訳は事業委託が475件で最多で、次いで「清掃、警備、設備などの保守点検」が274件とか。随意契約の継続性でみると、「前年度とほぼ同一内容で、同一の相手」が72・9%とダントツで、「前年度とほぼ同一内容で、違う相手」が3・6%、「前年度と同一内容の契約がない」が23・5%だったとか。予定価格と契約額の比較では、同額が73・7%を占め、競争のなさが落札価格の高止まりを招いていることを裏付けたと記事は評する。自治体が随意契約できる委託などは地方自治法施行令で9項目の根拠を規定しているが、市の随意契約では「性質、目的が競争入札に適しない」を根拠としたケースが全体の約9割を占めており、市監査委員は「(この根拠は)主観的要素が入りやすく、可能な限り競争性を取り入れた契約手法を導入すべきだ」としたとのこと。その上で、市監査委員は今後、市が民間を活用した公共サービスへの転換を進めることで、委託など随意契約の増加が予測されるとし、公平性や競争性の確保が一層求められると指摘していると記事は伝える。

会社法改正を踏まえて会計士責任に上限を設けるか

 5月17日付け日本経済新聞朝刊17面に「会計士の「責任限定」提案、外国人投資家反発強める(監査不信中央青山処分広がる波紋」の記事。
 記事は、中央青山監査法人への処分を機に、株主発の企業への監視が強まってきており、株主総会で定款を変えれば会計士の賠償責任額に上限を設けられる会社法が焦点になっていると報じる。中央青山が監査するセイコーエプソン、日阪製作所などが定款変更を検討しているが、欧米の機関投資家は反発を強め始めたとのこと。英大手機関投資家ハーミーズ・ペンションズ・マネジメントの担当者は「経営陣の提案には反対票を投じないという基本方針だったが、今回ばかりは別だ」と打ち明けているとか。直近までに30社強が定時株主総会で監査人の責任限定を提案しており、投資先企業に照会はするが、数社に反対票を投じそうと記事は伝える。財務諸表が正確かどうか株主に代わって監視するのが会計監査人で、会社法では会計士が粉飾に加担すれば責任を免れない立場で、責任限定契約の存在自体が「企業と会計士の緊張感を損ないかねない」と問題視しているとのこと。米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は中央青山の監査先でなくても、責任限定契約には原則反対する方針とか。監査法人変更には「棚卸しなどに影響が出る可能性があり行政処分を理由にすぐに他の監査法人に切り替えるのは無理」(マーク・ゴールドスタイン代表取締役)というが、19年以降も中央青山と契約を続ける場合は説明を求めるとのこと。会社法の施行で、投資家が監査人に株主代表訴訟を起こせるようになったのも企業側への圧力が強まっている一因で、企業側は対応に追われており、6月に総会を開く住友チタニウムでは定款変更案を決めた直後、同社を監査する中央青山への行政処分に直面し、変更案を見直すかどうかの議論を始めているとか。

毎日が郵政公社の監査人変更を報じる

 毎日は5月16日3時00分に「中央青山:郵政公社の監査法人から外す 総務省方針」〔竹川正記〕を配信。
 記事は、総務省が、日本郵政公社の監査法人を現在の中央青山監査法人から切り替える方針を固めたと報じる。8月までに競争入札方式で新たな監査法人を選定するとのこと。金融庁の中央青山に対する業務停止処分は、証券取引法や会社法の「法定監査」が対象で、独立行政法人の郵政公社の監査は対象外だが、19年10月の郵政民営化を控え、不正決算への関与で信頼を失墜した中央青山を引き続き採用するのは不適切と判断したと記事は報じる。郵政公社は15年の公社化以降、会計の透明化のため、監査法人の監査を受け、一般企業並みの決算報告を行ってきており、監査法人は原則、総務省が1年ごとに選任することになっているが、16、17年度は中央青山が務めてきたとのこと。しかし、今年8月の18年度の監査法人選定について、総務省は「中央青山が入札に応募してきても、金融庁の行政処分を理由に選考対象にはならない」(幹部)と明言しており、。中央青山を事実上、入札からも外し、他の大手監査法人に切り替える方針とか。

 取材先の個人的見解ではないのかな。

監査報告書の法廷への提出が命じられた

 下野新聞サイトは5月10日に「中央青山の監査報告書の提出命じる 宇都宮地裁」を掲出。
 記事は、債務超過を隠して増資勧誘したことで株主が損害を受けたとして「足銀出資被害者の会」が、同行や中央青山監査法人などに損害賠償を求めた訴訟で、宇都宮地裁が、中央青山に対し決算ごとに行った監査報告書を提出するよう命じたと報じる。提出が命じられた文書は、1998年9月中間期から2001年9月期までに行われた足銀の財務諸表の監査証明をした報告書で、同地裁は、裁判官が事前に文書を閲読し公開の是非を判断する「インカメラ審理」を実施した上で、(1)訴訟では財務諸表をめぐる中央青山の評価内容が問われている、(2)真実発見の利益が極めて大きい、などから、中央青山が「職業上の秘密」とした主張を退け提出命令に踏み切ったと記事は伝える。

中央青山への処分が与える影響

 5月11日付け日本経済新聞朝刊3面に「中央青山業務停止、監査の空白回避焦る企業、7・8月期、緊急変更が必要に」の記事。
 記事は、金融庁が中央青山監査法人に対して法定監査の業務停止処分が監査先の上場企業に与える影響について、市場の混乱を抑えるための金融庁の配慮の有無により、決算期ごとに影響には大きな差があり、監査法人変更が急務となる企業も出る見通しと報じる。中央青山に監査を継続依頼した場合でも投資家がどのように判断するか不透明な面もあり、企業は難しい判断を迫られると記事は評するが……。中央青山の法定監査先企業は上場企業の5分の1以上に相当する8百社を含め、全体で約2300社に上り、行政処分の全期間で対象除外扱いとなる5月期の企業を除く全企業で7、8月に中央青山との監査契約が強制的に切れ、決算や資金調達などさまざまな企業活動で大きな影響が出ると記事は伝える。なかでも深刻な影響が出るのは、7、8月期の決算企業で、中央青山の業務停止期間である7―8月が決算期末に当たり、期末に企業では通常、会計士が工場や店舗などに出向いて在庫の実地検査をする必要があるほか、現預金や有価証券の残高確認など重要な監査業務が多く、この時期に監査業務ができないと一定期間内に監査報告書を提出することが難しくなり、急きょ他の監査法人と契約する必要に迫られるとの見方が多いと記事は伝える。1、2、12月期決算企業も中間決算監査関連の業務に支障が出そうで、たとえば12月期企業では、6月末に中間期末を迎えた後の7月に入ってから伝票など経理書類のチェックをすることが多いからと説く。社数が最も多い三月期決算企業の場合も、中央青山との契約解除を受けて、一時会計監査人を選ぶ必要があり、緊急避難的な存在である一時監査人でなく、正規の監査人の選任を6月の株主総会に諮る選択肢もあるが、総会の2間前までに招集通知を発送する必要があるため、新たな監査法人の選任には時間的な猶予が乏しいと記事は伝える。
 同面の「中央青山業務停止、企業に3つの選択肢、再任には株主の信認必要」は、会社法337条は監査法人が業務停止命令を受けた場合、会社法に基づく監査業務を禁じており、7月以降の企業の対応のうち最も混乱が予想されるのが、中央青山に代わる監査人の選定と解説する。企業には大きく分けて三つの選択肢があり、第1は、中央青山の業務停止に先立って、株主総会で別の監査法人を監査人として選ぶこと、第2の選択肢は、株主総会を経ずに暫定的に指名する一時会計監査人として、7月に入ってから他の監査法人を選ぶこと、第3の選択肢は、7、8月と一時監査人を選ぶ努力をしたうえで、「適任者が見つからなかった」として改めて中央青山と一時監査人契約を結ぶこと、の三つ。2千社を超える企業が一斉に中央青山以外の監査人を探すことになれば、受け入れる監査法人側が対応しきれない可能性もあり、企業、中央青山の双方にとり、第3の選択肢が最も面倒が少ないとの見方もあると記事は伝える。安易な対応を禁じる意味で、会社法の976条には一時監査人の選任手続きを怠った企業の監査役などに、百万円以下の制裁金を科すルールもあるが、7―8月に中央青山の監査先企業が一時監査人を選任できなくても、制裁金が科されるかどうかは微妙で、政府もある程度の混乱が生じると想定、制裁金ルールを厳格に適用することは見送る方針と記事は伝える。もっとも企業にとっては、決算内容の信頼性などを巡って、市場の信認リスクが発生しないかが関心事で、正規の監査人の選任期限となる次回の株主総会までには、有力企業などが相次いで監査法人を乗り換える動きが続く可能性もあると記事は伝えてみせる。
 同面の「中央青山業務停止、株式新規公開にも影響、中央青山の上場時監査、市場に抵抗感」は、業務停止命令の範囲は法定監査に限定され、資金調達時などに企業が公表する目論見書の内容などについて監査法人が保証する任意監査業務はそのまま続けられることになり、企業や市場関係者にはエクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)や社債発行への大きな影響は避けられたとの安心感もあるが、行政処分で信頼が低下した中央青山に監査や関連業務を依頼し続けることについて、投資家が理解を示すのか不透明な面もあるとの指摘もあると伝えてみせる。株式新規公開(IPO)にはより直接的な影響が出そうというのが日経の見立て。企業が証券取引所に上場申請する場合には、監査法人による監査報告書を提出する必要があるが、中央青山のサインに対する市場の抵抗感も予想されるためと記事は説くが……。未上場企業は監査法人にとっていわば将来の顧客予備軍で、大手監査法人は上場企業の監査グループと別に、IPO支援のため内部統制の仕組みづくりなど指導をしながら営業活動を繰り広げており、未上場企業の間に行政処分を受けた中央青山を敬遠する動きが広まる可能性もあると記事は伝える。

PwCが日本法人設立を発表

 5月11日付け日本経済新聞朝刊4面に「中央青山の提携会計事務所、米PwC日本に新監査法人――金融庁、動向を注視」の記事。
 記事は、中央青山監査法人の海外提携先である米会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が10日、同事務所の主導で日本国内に新たな監査法人を設立すると発表したと報じる。中央青山が行政処分を受けた直後の設立発表だけに、中央青山の監査先企業の「受け皿」に利用される懸念があるとして、金融庁も動きを注視していると記事は伝える。PwCは新設する監査法人について、設立時期や出資する会計士の人数など、設立の目的も含め具体的な内容について明らかにしておらず、来週にも追加で詳細を公表するとか。発表資料の中では「顧客に応えるために十分な規模を備える」としており、新設する監査法人はPwCと提携し、当初はPwCが運営などを厳しく監督するが、一方で、提携関係にある中央青山監査法人については「引き続き同監査法人を支援する」とのこと。PwCは海外で、中央青山が抱えるソニーやトヨタ自動車など有力監査顧客の監査を手掛けており、行政処分を機に、これらの顧客が中央青山との監査契約を見直すことになると、PwCにも打撃となると記事は解説する。金融庁は法人の設立は「法的には問題ない」と当面は静観の構えだが、新たに設立される監査法人が、中央青山の所属会計士やその監査先企業の避難先として安易に利用されるようなら、金融庁は「脱法的で不快なこと」として、新法人の中身を精査する考えとか。中央青山の奥山章雄理事長は十日の会見で受け皿構想の有無について聞かれ「処分を真正面から受ける。受け皿法人は考えていない」と発言しているとのこと。

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中央青山に対する金融庁の処分

 5月11日付け日本経済新聞朝刊1面に「中央青山に業務停止命令――金融庁、7月から、対象は2300社に」の記事。
 記事は、金融庁が10日、中央青山監査法人に対して上場企業など「法定監査」先約2300社(1月時点)の監査業務を、原則として7月1日から2カ月間やめさせる一部業務停止命令を出したと報じる。4大監査法人に対し業務停止命令を出すのは初めてで、異例の厳しい内容となったと記事は伝える。金融庁が行政処分を下すのは、監査先企業だったカネボウが1999年3月期―2003年3月期の決算書類を粉飾した際、所属の公認会計士が作業に加担したためで、中央青山の内部管理体制などを調査した結果、審査や教育など会計士を監督する体制に不備があったことも認定したとか。金融庁は10日、責任分担の明確化を含めた是正策を6月10日までに報告するよう命じたとのこと。法定監査には証券取引法で義務づけている有価証券報告書の監査と、会社法に基づいて企業が株主総会に提出する財務諸表などを監査する業務があり、法定監査の停止を命じられた監査先は上場会社に加えて資本金5億円以上か負債2百億円以上の企業などで、保険会社、信用金庫、労働金庫なども含まれ、会社法の監査では監査法人が業務停止になると、監査契約が無効になるとか。中央青山と会社法監査の契約を結んでいる企業は約2100社あり、各社は「一時会計監査人」を選ぶなど対応を迫られそうと記事は伝える。金融庁は特例として、8月末までに有価証券報告書を提出する義務がある5月期決算企業を業務停止の対象から外し、また4月期決算企業のほか、6、10、11月期決算企業も監査業務の停止期間を1カ月間に限る措置を設けたとのこと。7―8月が有価証券報告書や半期報告書の監査が集中する時期に当たるためで、投資家などへの情報開示が遅れないよう配慮したとのこと。労働組合や投資法人、株式上場を目指す企業などについては監査業務の継続を認めるとか。金融庁はカネボウの粉飾決算事件に加担したとして逮捕・起訴された所属の公認会計士2人の登録を抹消する処分も発表し、起訴されなかった1人には1年の業務停止を命じたとか。

報道発表資料:監査法人及び公認会計士の懲戒処分について
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