公会計監査と損益表示監査

公共財供給のための公権力による財源調達及びその使途の妥当性・経済性・有効性を検証する監査と、収益活動体の期間損益及び繰越損益並びにそのリスク関連情報の真実性を検証する監査に関するニュース

高知県監査委員が県警の支払先飲食店を調査

 共同は10月31日に「捜査費支払先の店調査 高知県監査委員」を配信。
 記事は、高知県警の捜査費不正流用疑惑で、県警の特別監査をしている県監査委員が31日、捜査費の支払い先となっている店の調査を始め
たと報じる。県警がこれまでに開示した領収書をもとに、職員が店に行き、捜査費が適正に執行されていたか調べるとのこと。調査対象は、12年度から16年度に、捜査員が捜査協力者と面会し、飲食費などとして捜査費を支出したとされる約1600店で、31日の調査は、県職員50人が高知市内の約300店を訪れたとか。今後、2週間かけ全店を調査すると記事は伝える。捜査員の聞き取り調査も行い、12月の県議会までに結果をまとめるとのこと。

会計士監査強化での法改正は見送られた

 10月31日付け日経金融新聞2面に「金融庁、会計士業界に猶予――自主規制を求める(霞が関風速計)」の記事。
 記事は、金融庁と傘下の公認会計士・監査審査会が発表した、カネボウの粉飾に絡む不正監査事件への対応策について、法改正を伴う制度変更を見送り、業界の自主規制強化により変革を促す内容と報じる。会計士業界は「1年間の猶予をもらった」とひとまず安どの表情を見せているとのこと。事件への対応で先行したのは、自民党で、衆院選後まもない9月中旬に企業会計・商法小委員会が監査制度のあり方を見直す議論を開始し、約1カ月の議論を経て、21日に制度の見直し方針を公表しているとか。小委での論点は昨年4月に改正したばかりの公認会計士法を再び改正するかどうかで、具体的には、一定期間で監査法人を強制的に交代する制度の導入と、監査法人を監督する審査会の機能強化。金融庁が25日に発表した対応策は、小委の議論を受けて発表したものだが、監査法人の交代制は見送り、会計士が逮捕された中央青山のほか、あずさ、新日本、トーマツ4大監査法人の主任会計士が同一企業を監査できる期間を今の7年から5年に短縮し、審査会の機能強化も年度内に4大法人へ立ち入り検査に入るという内容とか。いずれも法改正を伴わず、業界の自主規制強化で対応できるものに限ったと記事は伝える。

企業会計審議会が監査基準改定の適用を2006年度からと決定

 10月29日付け日本経済新聞朝刊7面に「監査結果二重に点検、企業会計審が新基準発表」の記事。
 記事は、金融庁の企業会計審議会が28日の総会で、監査法人が企業をどう監査すべきか定めた監査基準の見直しを2006年度から適用することを決定したと報じる。監査法人に、監査結果を担当とは別の会計士が二重点検する仕組みづくりなど監査の質向上に向けた内部管理体制の強化を求めるとのこと。今回の見直しはカネボウの粉飾など監査法人が見抜けない例が多発していることを受けたもので、監査法人による組織的監査を強化するのが狙いと記事は伝える。記者会見した加古宜士会長(早大教授)は「監査を巡る動きがめまぐるしい。今後もいち早く見直していく」と述べたとか。監査基準のうち監査法人の内部管理の規定を独立させて「品質管理基準」を新設し、法人内に審査部門を置き、担当者とは別の会計士が監査意見の表明までのプロセスをチェックするとのこと。所属会計士が任期満了で交代する場合、経営破綻や粉飾の可能性などを後任に引き継ぐことも義務づけるとか。

足利銀行で融資先の粉飾を隠すように会計士が助言したとか

 朝日は10月28日に「中央青山会計士が足利銀に助言」を配信。
 記事は、中央青山監査法人の公認会計士が12年、監査を担当していた足利銀行に対し、破綻が懸念される大口融資先への対応を検討する会議で「他行を騙しても当行の貸金を減らすこと」と助言した、と足利銀行の内部資料に記録されていることがわかったと報じる。他の金融機関や金融庁にはこの融資先の実情は隠され続け、足利銀行は13年3月期決算でこの融資先に対する不良債権の損失131億円を隠したとのこと。中央青山はこの決算に「適正」のお墨付きを与えていたとか。この大口融資先は13年10月に倒産した栃木県野木町の建材会社「シモレン」で、内部文書は「打ち合わせ会議報告書 シモレンの再生スキームについて」と題され、担当常務に報告するため作成されたもので、一時国有化中の足利銀行が粉飾見逃しの責任を問い、中央青山を提訴した訴訟で証拠として提出されたとか。シモレンは栃木県内有数の建材商社だったが、バブル崩壊後に債務超過に陥って決算を粉飾しており、11年10月、シモレン社長は主取引銀行だった足利銀行に対し、粉飾を内々に認めて謝罪し、足利銀行は事態を把握したがシモレンと取引のある他の金融機関には知らされず、シモレンはかろうじて営業を続けられたとのこと。13年5月の金融検査でも事実は伏せられたとか。足利銀行の内部文書によると、中央青山の公認会計士は12年9月18日、同行の当時の融資第2部長らを前に「当行にとって何がメリットかを検討すべき段階と考える」「他行で手形を取り扱わせ当行の貸金を回収することにメリットがある」と述べたとか。事情を知らない他の銀行にシモレンの手形を引き受けさせ、その資金繰りの面倒をみさせるように仕向ける提案だと受け取ることができる内容で、この会計士は「コンプライアンス(法令順守)の問題はあっても」と付け加えたとされていると記事は伝える。朝日新聞はこの公認会計士に繰り返しコメントを求めているが回答はなく、中央青山は取材に「訴訟に関連することなので、現時点でコメントは差し控えたい」としているとか。

日銀が銀行代理店も考査の対象にするようだ

 毎日は10月25日に「<日銀>銀行代理店も考査の対象に 適切なリスク管理に必要」〔竹川正記〕を配信。
 記事は、日本銀行が、来春にも一般企業に解禁される銀行代理店について、考査の対象にする方針を明らかにしたと報じる。銀行代理店にはスーパーや百貨店、旅行業者などの参入が見込まれているが、日銀は、銀行代理店に対し、預金の出し入れなど業務にかかわるシステムトラブルの防止やトラブル時のバックアップ体制、個人情報の保護のための措置などを中心に適切な運営や管理が行われているか、委託元の銀行と併せて考査をすると記事は伝える。考査は日銀が日銀法に基づき、銀行、証券会社、短資会社など取引先金融機関と個別契約を結んで実施しているもので、システム障害、自然災害、金融危機などの際に日銀が金融機関に対して行う緊急貸し付けの備えとして、個別金融機関の経営状況を把握しておくのが目的であり、行政権限として行われる金融庁の検査とは異なり、金融機関側が考査を拒否した時の明確な罰則はないが、正当な理由が無く考査を拒否された場合、日銀は金融機関名を公表したり、取引を打ち切ることができるという。また、日銀は考査結果に基づいて、金融機関に業務改善を要請できるとか。日銀は、銀行代理店の業務が預金の出し入れから、外国為替送金、住宅ローン、消費者ローンなど個人向け融資全般など幅広く認められることから、考査が必要と判断し、委託元の金融機関との間の考査契約の対象に銀行代理店も加えることにしたとのこと。ただ、銀行代理店になる一般企業の負担も考慮し、実際に職員が現場に出向く立ち入り考査は必要な場合に限定し、原則として必要資料の請求などの簡易な方法を検討していると記事は伝える。

会計検査院法が改正された

 10月28日付け日本経済新聞夕刊2面に「改正会計検査院法が成立」の記事。
 記事は、会計検査院の検査対象の拡大などを盛り込んだ改正会計検査院法が28日の衆院本会議で全会一致で可決、成立したと報じる。国や国が資本金の2分の1以上を出資する法人が、民間企業などに業務を委託する際の契約を検査対象に追加し、会計検査院が国会や内閣に随時、報告することができる規定も盛り込んだとのこと。

審査会が4大監査法人へ立ち入り検査

 時事は10月25日に「4大監査法人に立入検査へ=内部体制を厳格チェック−年度内に着手・金融庁審査会」を配信。
 記事は、金融庁に設置されている公認会計士・監査審査会(会長・金子晃慶応大名誉教授)が、中央青山、新日本、トーマツ、あずさの国内4大監査法人に対して、初めて立ち入り検査に入る方針を固めたと報じる。中央青山監査法人に所属する公認会計士がカネボウの粉飾決算に関与して起訴されるなど、会計監査制度に対する信頼が揺らぐ中、監査法人の内部統制体制を厳格にチェックして信頼回復を図るとのこと。年度内に順次着手し、法令違反などずさんな内部体制が明らかになれば金融庁に対し懲戒処分を勧告すると記事は伝える。

分割払いの算定方式で誤った社保庁

 毎日は10月26日に「<過払い>社会保険庁が34億円 ソフト使用料の算出不備で」〔斎藤良太〕を配信。
 記事は、社会保険庁のオンラインシステムを巡り、システムを提供している企業に支払うソフトウエア使用料の算出方法が適切でなかったため、割高に支払っていたことが会計検査院の調べで分かったと報じる。15、16年度のみで利子分約34億円を減額できたとして、検査院は同庁に対し26日、使用料を適正に算出するよう求めたとのこと。同庁は、年金の処理、記録管理のために、社会保険業務センター(東京都杉並区)のホストコンピューターと、全国各地の社会保険事務所を専用回線で結んだオンラインシステムを使用しており、システムは機器や回線、ソフトなどで構築され、民間企業が維持管理しているが、問題となったのは、記録管理システムと基礎年金番号管理システムで、それぞれNTTデータ(江東区)と継続して随意契約しており、ソフト使用料は、ソフトの開発費なども含む総額を10年間の分割払いで支払う形式になっているとか。15年度は約280億円、16年度は約302億円を同社に支払っているが、検査院によると、同庁の算出方法が適切でなかったため、同庁が利子分として、両年度に支払った計86億2392万円のうち、33億9594万円が割高に当たるとのこと。同庁は「支払いが終了する11年目以降もソフトの修正や維持管理が必要なため、その分を割高の利子分と考えていたが、結果として不透明な点があった。すみやかに見直したい」とコメントしているとか。

 社保庁の説明は説明になっているのかな。

検査官人事が国会で承認される

 読売は10月26日に「会計検査院検査官に伏屋・内閣官房副長官補、参院同意」を配信。
 記事は、参議院が26日午前の本会議で、会計検査院の検査官に伏屋和彦内閣官房副長官補を充てる人事に同意したと報じる。衆議院は既に25日の本会議で同意しており、政府は2006年1月の森下伸昭院長の退官に合わせて、発令する予定とのこと。

伝道するIASB

 10月25日付け日本経済新聞朝刊7面に「国際会計基準、影響力増す、「保険時価評価」など主導――中国など新興国もにらむ」〔ロンドン=田村篤士〕の記事。
 記事は、今年から欧州連合(EU)が上場企業に利用を義務付けた国際会計基準(IAS)の影響力が増していると報じる。保険会計など世界的に争点となる会計基準作りを主導し、企業経営や資金の流れにも影響を与えつつあるとか。IASを作る専門家たちは会計基準の統合という目標に向けて、中国など新興市場国をにらんだ「会計外交」も積極化し始めたと記事は伝える。現在、IASを作る専門家組織の国際会計基準理事会(IASB)を舞台に、保険会社の債務にあたる保険契約の評価に国際基準を作る試みがロンドンで議論されているが、これには、「時価評価で債務が膨らめば財務内容が悪化する」と慎重な日米欧の生保なども参加しているとか。この議論は、世界の会計基準が追随する米会計基準では、米保険業界の政治力から手を付けにくい状況で、米国も議論を尊重する姿勢をみせていて、IASBが世界的な会計論議を主導する転機にもなりうると記事は評する。創設を1970年代にさかのぼるIASBは共通基準作りを目指す民間の会計士の集まりが起点で、現議長のトウィーディー氏は英会計業界の重鎮で、14人の理事会メンバーも日米欧を代表する会計士がずらりそろっているとか。これまでは、独自の基準を持たない国などでIASは利用されてきたが、市場統合を目指すEUが今年からIASに一本化したことで、国際的に認知度が高まっており、企業経営や資本市場ではIASの影響が広がっているとも。デロイト・トウシュによると、英主要百社のうち自社株購入権を与えるタイプの報酬導入企業は52%と2年前より27ポイント減少したが、これは、ストックオプション(株式購入権)の費用計上を求めるIASの適用が義務付けられたのが主因とのこと。米大手格付け会社のフィッチは、保険契約に時価が導入されれば保険会社が資産運用で保守的になり、株式より債券投資を増やすとみており、世界的に金利が上がらないのも「時価導入に備え、生保が債券投資を増やしているのも一因」(米モルガン・スタンレー)という見方もあると記事は伝える。11月初め、トウィーディー議長をはじめとするIASBの代表団が中国を訪れるが、これは、中国の財政省などにIASの導入を働きかけるためとか。IASBは2年前から中国攻略チームを作り、タイミングを見計らっており、「今まで欧州に力を入れてきたが、次はアジアだ」とIASBのトム・ジョーンズ副議長は強調しているとのこと。IASBは新興市場国ではロシアなどにも接近しており、「主要企業はIASの利用が広がっている」(ロシア連邦財務省)とか。すでに何らかの形でIASを使う国は百カ国に迫るとされ、企業や金融当局からはIASBの動きが「会計士の独走につながらないか」という懸念も出ていると記事は伝える。

国立大学法人が診療報酬の計上を誤った

 共同は10月25日に「診療報酬百億円、計上漏れ 経理不慣れで国立大病院」を配信。
 記事は、会計検査院が25日、付属病院を持つ国立大学法人の22大学で、法人に移行した16年4月に、資産として財務諸表に記載しなければならなくなった診療報酬総額約116億円のうち約100億円分が計上されていなかったと発表したと報じる。検査院が付属病院のある42校のうち30校を調査した結果で、担当者が新たな経理の方法を熟知していなかったことが原因とみられ、「資産内容を適切に評価できない」として、文部科学省に各大学への指導を徹底するよう求めたとか。検査院によると、国立大病院は大学が法人化されるまで、診療報酬を社会保険診療報酬支払基金などの審査機関に請求し、審査を経て診療報酬が入金された後に資産として計上していたが、法人化後は民間並みの会計基準が適用され、請求後、入金前でも毎月の診療報酬請求分を月末に資産として計上しなければならなくなり、16年4月に前月の請求分を計上する必要があったと記事は伝える。

 開始貸借対照表の話を誤解しているのではないか。

宮城県監査委員が県警への特別監査を実施

 共同は10月25日に「報償費の特別監査実施へ 宮城県監査委員」を配信。
 記事は、宮城県監査委員が25日、12年度の県警捜査報償費について、県警本部の全課・隊を対象に特別監査を実施することを決めたとか。県監査委員は協力者に接触しないことを条件に報償費関連文書の全面開示を県警に要求したが、「協力者との約束」を理由に拒否されたため、協力者名などは非開示のまま監査を実施するとのこと。捜査員への聴取も行うとか。県監査委員は14年度の報償費不正支出の疑いを指摘した6月の仙台地裁判決を受けて、報償費特別監査を検討する考えを示し、県警と監査方法について協議していたとの由。

監査法人の担当換えの期間を7年から5年へ短縮する方向

 10月25日付け日本経済新聞朝刊5面に「継続監査の短縮要請へ」の記事。
 記事は、自民党の企業会計・商法小委員会による監査制度の見直し方針を受けて金融庁がまとめる対応策について、日本公認会計士協会に対し、4大監査法人の主任会計士が継続して監査できる期間を、今の7年から5年に短縮するよう要請すると報じる。また監査の質を高めるため4大監査法人の内部監査体制などを早急にチェックするとのこと。近く「適正なディスクロージャーと厳正な会計監査の確保に向けた対応策」として発表するとの由。
 時事は同日の配信「4大監査法人に立入検査へ=内部体制を厳格チェック−年度内に着手・金融庁審査会」で、金融庁に設置されている公認会計士・監査審査会(会長・金子晃慶応大名誉教授)が24日、中央青山監査法人など国内の4大監査法人に対して、初めて立ち入り検査に入る方針を固めたと報じる。監査法人に所属する公認会計士がカネボウの粉飾決算に関与して起訴されるなど、会計監査制度に対する信頼が揺らぐ中、監査法人の内部統制体制を厳格にチェックして信頼回復を図ると記事は伝える。年度内に順次着手し、法令違反などずさんな内部体制が明らかになれば金融庁に対し懲戒処分を勧告するとのこと。

宮城県の新知事は監査委員の専門性を評価

 共同は10月24日に「使途チェックは監査委 捜査報償費で、村井氏=差替」を配信。
 記事は、宮城県知事選で当選した村井嘉浩氏が24日、仙台市内で記者会見し、浅野史郎知事が使途が不透明として全国で初めて執行停止した捜査報償費問題について「浅野知事のように直接(報償費関連文書を)見なければならないとは考えない。権限を持つ監査委員にしっかりと調査するように指示したい」と述べ、使途チェックは監査委だけで十分との考えを示したと報じる。また「浅野知事が今のままお辞めになれば、(私が)就任する日に解除する」と、11月21日には停止中の17年度分の執行を認める考えを重ねて示したとのこと。浅野知事は24日の定例記者会見で「適正執行をどうやって確かめるのかつまびらかにする必要がある。どなたが知事になっても同じ」と述べ、執行停止を直ちに解除するという村井氏の方針に批判的な考えを示したとか。

社会保険庁のオンラインシステムに対する会計検査

 10月24日付け日本経済新聞朝刊35面によ「社会保険オンラインシステム、人件費算出、ずさんな契約――業者任せ、無駄遣い?」の記事。
 記事は、年金支給や保険料徴収で使われている社会保険オンラインシステムについて、社会保険庁がNTTデータなど3社に開発や運用を委託する際、人件費の算出で、職種が異なり格差があるのに一律となっているなど、ずさんな契約が結ばれていることが会計検査院の調べで分かったと報じる。社保庁が3社に支払った通信料などは15年度で総額約1千億円に上っているが、社保庁が契約や運用を業者任せにしてチェックしていなかったといい、無駄遣いの可能性もあり、検査院は「契約内容を十分検討するべきだ」と指摘しているとのこと。社保庁によると、このシステムは全国約310カ所の社会保険事務所をオンラインで結び、年金支給や保険料徴収のための情報を管理しているとか。

予備エンジンは別途発注の方がいい?

 10月23日付け毎日新聞東京朝刊に「海自:護衛艦調達、3000万割高 予備エンジン一括購入で−−会計検査院指摘」〔斎藤良太〕の記事。
 記事は、海上自衛隊の主力護衛艦の調達を巡り、予備の発電機用エンジンを護衛艦と一緒に購入したため、購入価格が約3000万円割高になった可能性のあることが会計検査院の調べで分かったと報じる。検査院は海自に対し、調達方法の適切化などを求める方針とか。関係者によると、護衛艦には数台の発電機が備えられ、それぞれにエンジンが付いており、このエンジンは点検などの際に艦から取り外して、予備エンジンを代わりに設置するとのこと。海自は10年度から、護衛艦隊の主力として「たかなみ」型の調達を開始しており、同年度に「たかなみ」「おおなみ」の2艦を造船会社2社に発注したが、その際、発電機用の予備エンジンも同時に造船会社に発注している。しかし、艦に設置していない状態で納入される予備エンジンの場合、艦と一括発注すると、造船会社がエンジンメーカーから購入し、それを防衛庁に販売した形になり、検査院は、予備エンジンを直接メーカーから購入した方が、約3000万円安く購入できた可能性があると算定したと記事は伝える。防衛庁は「造船会社でまとめて購入した方が安上がりになる可能性もあるが、装備によって適切な調達方法をとっていきたい」と話しているとか。

4大監査法人は採用増

 10月23日付け日本経済新聞朝刊1面に「4大監査法人、採用2―3割増――不正防止、顧客チェック強化」の記事。
 記事は、トーマツ、中央青山、新日本、あずさの4大監査法人がこの秋の新人採用を昨年比2―3割程度増やすと報じる。顧客企業で社内業務を適切に遂行する仕組みが正常に機能しているかどうかをチェックするうえで、人手が要るため。増員で監査の質を高める狙いもあると記事は伝える。監査法人は通常、公認会計士第2次試験の結果が出る11月ごろ新人を採用するが、トーマツは前年より20%多い4百人を採用するとしており、新日本は25%多い350人の採用を予定しており、あずさや中央青山もそれぞれ新規採用を25―28%増やすとのこと。中央青山はカネボウ粉飾事件で会計士が逮捕されたのを受け、今後3年間で会計士を5百人増やす方針を打ち出しているとか。相次ぐ粉飾決算の表面化から、以前より監査の品質維持にかける時間は増えており、「すでに人手不足感もある」(4大監査法人社員)とも。4大監査法人の今秋の採用予定人数を合わせると1420人で昨年の合格者数(1378人)を上回っており、今年の合格者数次第では各法人とも計画する新人を確保できない可能性もあると記事は伝える。

鳥取県監査委員の定期監査の結果

 10月22日付け日本経済新聞地方経済面35面に「鳥取県で定期監査、魚市場使用料の徴収漏れを指摘」の記事。
 記事は、鳥取県監査委員が21日、16年度の定期監査結果を発表したと報じる。県の事務執行で不適正の程度が重大とされた「指摘事項」は前年度より8件多い29件で、指摘事項より不適正の程度が低い「注意事項」は77件増の370件だったとのこと。主な指摘事項として、県営境港水産物地方卸売市場で卸売業者からの水産物取り扱い報告の内容を確認しなかったために14―16年度に推計で合計約350万円の使用料の徴収漏れを挙げたとのこと。

公表資料:平成17年度に実施した定期監査の概要

監査の品質管理システムを導入

 共同は10月20日に「粉飾防止へ監査基準改定へ 経営陣関与のリスク重視」を配信。
 記事は、金融庁の企業会計審議会監査部会が20日、粉飾決算などの不正会計を防ぐため、監査基準を改定する意見書案を決めたと報じる。業績不振を隠す目的などで経営陣が粉飾にかかわる「事業上のリスク」を重視、手続きの厳格化によって不正発見を促すとのこと。また監査手続きのチェック体制を定めた「品質管理システム」を監査法人などが整備するよう義務付けるとか。同審議会の総会で近く決定し、2007年3月期決算から原則適用すると記事は伝える。今年9月中間決算からの前倒し適用も認めるとか。監査基準は公認会計士が企業の財務諸表を監査する際に守るべきルールで、会計士が財務書類の個別項目にばかり目を奪われ、経営悪化や企業統治の欠陥などによる大きな不正を見逃すおそれが指摘されていたと記事は評する。具体的には、会計士が経営姿勢や業界環境の変化を踏まえ、「財務諸表全体に生じる重要な虚偽表示」が起きる可能性を評価し、状況によっては監査態勢の増強などを要請するとか、関連会社との不審な取引や繰り延べ税金資産などの項目は特別な検討が必要だとかを定めているとのこと。品質管理システムは、監査先企業からの独立性の確保や監査結果を二重に点検する審査体制のルール化が柱で、監査や審査の過程を記録・保存し、監査法人の交代時には監査先企業の問題点を引き継ぐことも義務付けるとのこと。

公表資料:企業会計審議会監査部会の公開草案の公表について

4大監査法人の主任会計士の5年交代制

 10月21日付け日本経済新聞夕刊1面に「4大法人の主任会計士、継続監査5年に短縮――自民小委方針、法人交代制先送り」の記事。
 記事は、自民党の企業会計小委員会と商法小委員会が21日、カネボウの粉飾決算に絡む不正監査事件を受け、監査制度の見直しに向けた方針を発表したと報じる。企業とのなれ合いを防ぐため、公認会計士が一つの企業を継続して監査できる期間を現行の7年から5年に縮めるよう政府に求めているとのこと。ただ対象となる会計士を中央青山、あずさ、新日本、トーマツの4大監査法人に所属する担当企業ごとの「主任会計士」に限定しており、監査法人の交代制導入も先送りしたと記事は評する。金融庁はこの方針を踏まえて、監査制度の見直し案を決める考えとのこと。4大監査法人の主任会計士については、特定の企業を5年間監査した後、次の5年はその企業を担当しないようにするが、大手法人の他の会計士や中小監査法人は対象としていないとか。このほか粉飾決算をした企業の経営者への罰則強化も打ち出しており、ウソの財務諸表を公表した経営者の刑事罰を現在の「懲役5年以下」から引き上げるとのこと。

経営者の宣誓を非大手の金融機関にも求める

 10月21日付け日本経済新聞朝刊7面に「財務諸表の正確性経営者が保証、地銀・信金・信組でも――金融庁義務づけ」の記事。
 記事は、金融庁がすべての民間金融機関に対し、財務諸表などの開示資料に、内容の正確性や内部チェックの仕組みが正常に働いていることを保証する経営者の「確認書」を2006年3月期から付けるよう求めたと報じる。大手銀行などはすでに有価証券報告書に添付しているが、同報告書の提出義務がない地方銀行の一部や信用金庫、信用組合などにも、ディスクロージャー誌に同様の宣言を記載するよう求めるとのこと。信金や信組、農業協同組合などは上場しておらず、有価証券報告書の提出義務もないが、ペイオフが全面解禁になったこともあり、預金者などに対して、財務諸表が正確であることを保証させるべきだと判断したと記事は伝える。経営者は財務情報について、実態を反映していない記載が明らかになれば、これまで以上に厳しく責任を問われるとのこと。金融庁は03年3月期から大手銀に確認書を提出させており、地方銀行の一部も応じており、また、東京証券取引所も西武鉄道などの不祥事を受け提出を義務付けており、上場企業の代表者が決算情報に対する責任を明確にする流れが定着していると記事は評する。

参議院が会計検査院法改正を再度決議

 10月21日付け日本経済新聞夕刊2面に「会計検査院法改正を可決」の記事。
 記事は、会計検査院の機能強化のため、検査対象の拡大などを盛り込んだ会計検査院法改正案が21日午前の参院本会議で全会一致で可決、衆院に送付されたと報じる。今国会で成立する見通しとか。同改正案は決算機能の強化を進める参院が議員立法で提出したもので、通常国会では衆院解散で廃案となったため再提出したとのこと。

災害募金に対して公認会計士が無償監査

 10月19日付け日本経済新聞地方経済面10面に「災害義援金を監査、昨秋台風で兵庫県に――公認会計士協が要請」の記事。
 記事は、日本公認会計士協会が台風や地震などの被災地に送られた義援金の監査を無償で始めると報じる。公的性格の強い資金であり、企業決算と同様、第三者によるチェックが必要としているとのこと。第1弾として昨秋関西地方を襲った台風23号の義援金の監査を手がける予定で、資金を集めた兵庫県などに監査を委託するよう要請したとのこと。16年10月、台風23号が兵庫県豊岡市などを通過して多数の死者が出たほか、住宅の倒壊や床上浸水などの被害が広がり、兵庫県、兵庫県市長会などで構成する台風災害義援金募集委員会が企業や個人などから約12億6千万円を集め、すでに被災者への支給を終えているが、公認会計士協会の近畿会と兵庫会は、この義援金の監査を委託するよう募集委に求めているとのこと。募集委が了承すれば、協会が無償で監査を実施し、委員会の議事録や資金の受け入れ記録を調べて、資金残高の管理状況などをチェックすると記事は伝える。日本赤十字社が「大規模災害の義援金では、第三者による監査が必要」というガイドラインをまとめるなど外部監査の必要性を指摘する声が高まっており、会計士協会も「公的な性格のお金であり、監査結果を情報開示すべきだ」(近畿会の佐伯剛会長)と積極的に取り組む考えとか。兵庫県も「専門家の知識を生かしたチェックが必要」(社会福祉課)としており、同協会による監査に前向きな姿勢を示しているとのこと。

沖縄の国有林野の国有財産台帳に問題

 10月20日付け日本経済新聞朝刊38面に「沖縄の国有林、戦前データ基に財産台帳を作成」の記事。
 記事は、沖縄県の日本復帰にあたり、国有林などの状況を記載する国有財産台帳の整備が行われなかったとして、会計検査院が19日、林野庁に対して実態調査するよう求めたと報じる。国有林の有効活用が妨げられているとのこと。検査院によると、沖縄では、第2次世界大戦の激戦で土地台帳が焼失したりしており、米軍統治下で、戦前と異なる土地台帳や登記簿などが作られたが昭和47年の日本復帰を機に、政府が国有財産台帳の整備を決めた際、熊本営林局は戦前のデータを基にして台帳を作ってしまったと記事は伝える。

国民健康保険組合に対する指導に問題があった

 10月20日付け日本経済新聞朝刊38面に「国保組合853事業所、補助金5900万円過大払い、手続きに不備」の記事。
 記事は、会計検査院が19日、全国36の国民健康保険組合に所属する853の事業所で、国からの補助金受給にかかわる手続きに不備があったと発表したと報じる。組合員約4100人に対し、15年度分の補助金として、計約5900万円が過大に支払われていたとのこと。検査院によると、従業員が5人以上の事業所や法人は、中小企業が加入主体の政府管掌健康保険に入るか、従業員が被保険者となる国民健康保険を採用するか、どちらかを選択でき、国保を選ぶには、政管健保の適用を受けない「適用除外」の承認を社会保険事務所から得る必要があるとか。医療給付費に対する補助率は、国保は原則32%だが、政管健保との公平性から、同じ国保でも適用除外国保は13.7%と低いとのこと。今回発覚したケースでは、事業所などが適用除外の申請を出しておらず、補助率が32%のまま給付がなされていたとのこと。検査院は「行政などの指導が不適切だったことが原因」として、過大分の返還は求めず、厚生労働省に制度の周知徹底などの改善策を取るよう要請したとのこと。

日銀考査用提出データがXBRLへ

 10月18日付け日経金融新聞1面に「日銀考査、来年1月にも、国際標準言語に財務データ統一」の記事。
 記事は、日銀が来年1月にも、金融機関の経営実態を調べる「日銀考査」で、金融機関に提出を求める財務諸表の財務データを、国際比較しやすい米公認会計士協会が開発した新方式に切り替えると報じる。異なる基本ソフトやシステムでも情報をやり取りできる国際的なコンピューター言語「XBRL」で書かれた電子データは、蓄積・加工がより簡単にできるほか、中期的に金融機関のコストも減るとのこと。日銀は金融システム安定のため、銀行や信用金庫、証券会社に出向き経営状況を把握する「考査」と、財務データを提出させて調べる「モニタリング」を不定期に実施しており、対象約560の金融機関とHTMLなどの言語で書かれた電子データやファクスでやり取りしていたため、財務分析するには改めてデータを手入力する必要があったとのこと。日銀は金融機関に対して当面、新言語の採用を強制しないが、一定の猶予期間後に義務付けたい考えとか。

証券取引所内に監査機関を設ける構想

 毎日は10月12日に「<粉飾決算防止>証取に独立監査機関 再生機構専務が提案」〔宇田川恵〕を配信。
 記事は、カネボウの粉飾決算問題を協議する自民党の企業会計小委員会などの合同会議が12日開かれ、カネボウの再建を支援する産業再生機構の冨山和彦専務が出席したと報じる。冨山専務は企業の粉飾決算を防ぐため、再生機構が行ってきた厳格な資産査定の役割を証券取引所が担うべきだと提案し、「証取の中に独立した監査機関を設けてもいい」などと訴えたとのこと。冨山専務は、粉飾決算をなくすには「第三者による監視制度が必要」とし、証取がその役割を果たせると強調し、さらに、「再生機構によるカネボウの資産査定は100人以上を動員し、2ケタの億円を使った」と明らかにして、厳格な査定には労力と費用が不可欠であると主張し、「上場会社は資金を出して証取にプールし、証取はその資金を使って粉飾決算の気配がある企業の査定をする権能をもてばいい。証取と企業が契約を結べば可能だ」と述べたと記事は伝える。

ゆうパック用の箱の過大調達が指摘

 朝日は10月15日に「ゆうパック、箱と袋30万個無駄 会計検査院が指摘へ」を配信。
 記事は、日本郵政公社が昨年10月、郵便小包「ゆうパック」の包装用品を新型にした際に近畿支社(大阪市)が処分した旧型の30数万個(3000万円相当)について、会計検査院が調達する必要がなかったと指摘すると報じる。在庫が豊富だったのに新型にする直前まで無計画に発注を続けたのが原因とのこと。

古米の販売経費を過大に算定

 共同は10月16日に「国が3千5百万取り損ね 飼料用古米で経費過大計上」を配信。
 記事は、農水省が昨年2月から今年4月にかけて、牛や豚の飼料にする政府管理の古米計約32万5000トンを全国農業協同組合連合会(全農)に売った際、販売価格から差し引く経費を過大に計上していたため、国庫に入る金が計約3500万円少なくなっていたことが会計検査院の調べで分かったと報じる。対象となったのは8、9年産の古米で、トウモロコシや大豆油かすなどと混ぜる配合飼料の原料として農水省が全農に販売し、輸送や倉庫での積み込み、保管などにかかる経費を計算して差し引いた額を全農が国庫に納めたが、古米を入れる袋は紙製、麻製などさまざまな種類があるにもかかわらず、農水省は取り扱いに手間がかかり最も単価が高い紙製として一律に経費を計上していたとのこと。農水省食糧部計画課は「全農と契約した時点では、どの古米を飼料用にするか決めておらず、袋の種類も分からなかったので一律に
紙製で計算していた」と話しているとか。

生活保護費の返還

 NHKは10月13日に「生活保護費 国の捕助金9億円余よけいに支払い」を配信。
 記事は、景気の低迷で受給者が急増している生活保護費について会計検査院が調べたところ、基準以上の収入を得ている人などに国の補助金9億円あまりがよけいに支払われていたと報じる。国は生活保護費の4分の3を負担しており、おととしの国の負担額は1兆8千億円と、景気の低迷を受けてここ十年で2倍近くに急増しているとか。会計検査院が全国およそ140の自治体を調べたところ、平成15年度までの2年間で、九つの自治体が受給者から返してもらう金額を確定させる手続きをきちんととっておらず、国の負担金9億円余りがよけいに支払われていたことがわかったとのこと。会計検査院は厚生労働省に対して、自治体に改善を指導し、よけいに支払った負担金は返還させるよう求めることにしていると記事は伝える。

監査法人交代制についてJICPAは消極的

 10月14日付け日本経済新聞朝刊7面に「監査法人交代制、会計士協が消極意見――自民小委聞き取り」の記事。
 記事は、自民党の企業会計・商法小委員会の合同会議が13日、日本公認会計士協会と4大監査法人を呼び、粉飾決算の防止策などを聞き取りしたが、小委で浮上している監査法人を一定期間で強制的に交代させる制度の導入について、会計士協が「現実的でない」と消極的な意見を表明したと報じる。小委は事前に質問を通知していたが、会計士協は「監査の質低下、国際的な動向、コストの増加などを考えると、導入は現実的でない」と回答し、あずさ、新日本、中央青山、トーマツの四法人は無回答だったとか。小委は責任を負う「社員」の立場にある会計士が7年超監査することを禁じる会計士法の履行状況も聞いたところ、昨年4月の施行前にさかのぼらない規定のため、今期決算で社員392人が7年を超えて監査していることを会計士協が明らかにしたとのこと。自民小委はカネボウによる粉飾決算事件に絡む不正監査疑惑を受け監査のあり方について議論を開始しており、意見書にまとめ、金融庁に提言する意向と記事は伝える。
 10月14日付け日経金融新聞5面の「同一企業担当7年超の会計士、来年度以降ゼロに――4大監査法人、交代前倒し」の記事は、4大監査法人で、同一企業の監査担当年数が7年を超える会計士が来年度からいなくなる見通しになったと報じる。カネボウ粉飾事件を受けて会計士の交代制の規制強化の議論が盛り上がる中、法律で定められた期限より前倒しで交代に動き出したと記事は伝える。13日に開いた自民党の企業会計と商法に関する合同小委員会(上記のものだろう)で、4大監査法人と日本公認会計士協会が明らかにしたとのこと。会計士協の調べでは、中央青山監査法人は経過措置を廃止して7年を超える社員をすべて2006年3月期までの関与で交代し、新日本監査法人は07年3月期までの交代期限を繰り上げて、今年11月以降開始の事業年度から7年超の社員が関与しない体制とし、あずさ監査法人も交代を進めるとか。監査法人トーマツは06年3月期にすでに交代しているとも。

行政評価局の行政評価・監視で補助金1千万円の指摘

 朝日は10月14日に「補助金支出1千万円「不適切」 総務省が3省に勧告」を配信。
 記事は、総務省が14日、民間団体や個人を対象にした国の補助金に関する行政評価・監視結果をまとめ、厚労、農水、経産の3省が出している12件の補助金について、総額約1000万円に上る不適切な支出があったとして、場合によっては補助金返還などの対応をとるよう勧告を出したと報じる。民間団体や個人を対象にした2兆4000億円の補助金のうち、6省が所管する30件、総額1146億円の補助金について、16年12月〜05年10月の間に調査したところ、15年度に厚労省が福島県の国民健康保険団体に出した補助金8254万円では、実際には実施していない講演の謝金25万円が支出されていたケースがあり、また、神奈川県にある社会福祉法人の研修機関への委託費6000万円のうち、43万円が飲食を伴う懇親会費に充てられる例があったとのこと。総務省行政評価局は「(補助金を出す際に対象者から受ける)実績報告の審査が不十分」として、3省に補助金返還など適切な対応をとるよう求めているとか。

農水省協同組合検査部の検査で不正経理が発覚

 毎日は10月16日3時に「日鰻連:前専務理事が補助金着服、水産庁が返還命令」〔早川健人、斎藤良太〕を配信。
 記事は、ウナギの養殖をしている漁協の全国団体「日本養鰻(ようまん)漁業協同組合連合会」(日鰻連)が、10〜15年度に国からの補助金を目的外流用していたことが分かり、監督官庁の水産庁が、補助金適正化法に基づき加算金を含め約660万円の返還命令を出すことを決めたと報じる。流用していた約540万円のうち約350万円は、日鰻連の前専務理事(67)が私的に流用しており、「カラ出張」などに対し、チェック機能が全く働いていなかったとのこと。水産庁栽培養殖課と日鰻連によると、前専務理事は架空の出張をしたことにして、日鰻連事務局から支給された出張旅費を得る「カラ出張」を繰り返していたが、この旅費は「内水面重要資源増大対策委託費」などの補助金から支出されており、前専務理事が出張の起案と承認を1人でしていたため、昨秋に農水省協同組合検査部が検査するまで発覚しなかったとのこと。また、日鰻連は、全国各地で行われるウナギの供養祭などの行事に役職員が出張した際に、ウナギの養殖を研究している大学や都道府県と打ち合わせをしたことにして、同委託費から旅費をねん出していたが、会計検査院の検査では、打ち合わせ内容を記録した資料がなく、税金約190万円を目的外使用していたと判断されたとか。

会計検査院検査官人事

 10月14日付け日本経済新聞夕刊2面に「会計検査官に伏屋氏を内定」の記事。
 記事は、政府が会計検査院検査官に伏屋和彦官房副長官補を充てる人事を内定し、14日午前の衆院議院運営委員会理事会に報告したと報じる。国会の同意を得て来年1月に発令する予定とのこと。伏屋氏は退任する森下伸昭院長検査官の後任で、新しい院長は3人の検査官で互選するとのこと。伏屋氏は昭和42年大蔵省入省で、国税庁長官などを歴任し、平成14年から官房副長官補を務めているとの由。

参考:会計検査院法(昭和二十二年四月十九日法律第七十三号)
第3条
 会計検査院の長は、検査官のうちから互選した者について、内閣においてこれを命ずる。
第4条
第1項 検査官は、両議院の同意を経て、内閣がこれを任命する。
第2項 検査官の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会が閉会中であるため又は衆議院の解散のために両議院の同意を経ることができないときは、内閣は、前項の規定にかかわらず、両議院の同意を経ないで、検査官を任命することができる。
第3項 前項の場合においては、任命の後最初に召集される国会において、両議院の承認を求めなければならない。両議院の承認が得られなかつたときは、その検査官は、当然退官する。
〔4項、5項略〕

 会計検査院サイトによると退任する森下氏は元会計検査院事務総長でほかの二人は元早稲田大学商学部教授と元総務事務次官。事務総長は検査を行う事務総局のトップであり、その後任が元事務総長でないということは、監査法人又はJICPAの理事に公認会計士が誰もいない状態になったというに等しい。理事の外部起用が取りざたされているが、将来は監査法人やJICPAの理事は全員、部外者に、ということになるのかもしれない。

高度化融資制度の不良資産

 毎日は10月11日に「<中小企業向け融資>2253億円が不良債権 基盤整備機構」〔斎藤良太、早川健人〕を配信。
 記事は、経済産業省所管の独立行政法人「中小企業基盤整備機構」が運営している中小企業の経営基盤強化の資金支援制度を巡り、総貸付残高の3分の1に近い2253億円が不良債権化していることが、会計検査院の調べで分かったと報じる。貸し出し原資は政府出資金で、焦げ付き分は国民負担につながりかねないとのこと。日本政策投資銀行など政府系9金融機関の17年3月期決算で、不良債権残高が総額8兆円を超え、政府が統廃合を検討する中、9機関以外の公益法人による融資のあり方が改めて問われそうだと記事は評する。検査院は同機構に対し、不良債権の償却を適切に行うことや、貸し付けの際の審査の厳格化などの改善を求める方針とか。不良債権化しているのは、中小企業が共同組合などを設立し、経営基盤の強化を図るための工業団地整備、中心市街地活性化のためのショッピングセンター建設、などを対象とした「高度化融資制度」の貸し付け分で、16年度決算の財務諸表によると、約2000の組合に対する総貸付残高は6862億円で、このうち、不良債権に該当する「貸倒懸念債権」が1559億円、「破産更生債権等」は694億円。合計した2253億円の債権が回収できなかった場合の引当金を計1116億円と計上しているとのこと。同制度は、旧通産省から昭和42年に旧中小企業振興事業団に移管され、その後中小企業総合事業団に改称され、さらに、16年7月、地域振興整備公団などと統合されて同機構が設立されたとの由。土地など設備投資費の54%を同機構、26%を都道府県から低利子、無利子で融資しており、貸付期間は20年以内で、機構などが組合に対し経営診断や助言をしていたが、融資後のバブル崩壊や商店街の空洞化などで、経営が破たんしたり、返済
が滞る組合が増加し、昭和42年以降、償却できた不良債権は16年度末で総額約70億円にとどまっているとか。同機構は「貸付金は公金で簡単に回収をあきらめられず、以前は都道府県議会の同意も必要だったため償却が進まなかった。組合への経営状況の把握や助言を続け、不良債権化を防ぎたい」と話しているとのこと。

県警報償費の監査対応マニュアル

 共同は10月8日に「監査前に想定問答集作成 捜査報償費で宮城県警」を配信。
 記事は、宮城県の浅野史郎知事が15年3月に要求した県警捜査報償費をめぐる監査を前に、宮城県警が監査に対応するための想定問答集を作成していたと報じる。県警は「予算の仕組みや監査の方法について理解を深め、適切に監査などに対応するため作成した」としているとか。県警によると、想定問答集は遅くとも13年には作成され、14年と15年に更新されていて、所属長らに配布していたとのこと。14年10月作成の問答集は、A4判19ページに約160件の質問と回答が書かれ、表紙に「個人資料・取扱注意・用済後廃棄」と書かれていて、報償費の定義などの説明のほか「情報提供者への謝礼額に基準はあるのか」との問いには「明確な基準はない。限られた予算の中で、その都度情報の価値を判断して決定している」とした上で、「基準についての質問は必ずされるので、今までの使途を考慮して答弁できるようにしておくこと」と注意書きしてあるとか。証拠書類の提示を求められた場合、「すべてを提示するのではなく、求められたものをその都度提示すること」と促しているとか。

私学補助金について会計検査院が指摘

 NHKは10月7日に「私学補助金 4道県に1億7000万円過払い 文科省に返還へ」を配信。
 記事は、特色ある教育や教師の質を高める取り組みを進める私立学校に支払われる補助金が、北海道など四つの道と県の誤りで、国から1億7千万円あまりよけいに交付されていたことが会計検査院の調べで分かり、文部科学省は補助金を自治体側から返還させることにしていると報じる。少人数指導やパソコンを使った授業など特色ある教育や教師の資質を高める取り組みを行う私立学校には、都道府県から補助金が支給され、その2分の1を国が負担しているが、会計検査院が調べたところ、北海道と岡山県、愛媛県、それに埼玉県の四つの道と県で、支給の対象にならない学校を含めて計算するなどして、あわせて1億7千万円あまりがよけいに国から交付されていたとのこと。

参考:日本国憲法(昭和21年11月3日憲法)第89条
 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
〔補助金適正化法の支配に属することで補助金の交付を受けることができる〕

太陽とASGが合併

 10月12日付け日本経済新聞朝刊4面に「中堅監査法人、ASG・太陽合併――来年1月、国内5位に」の記事。
 記事は、中堅監査法人のASG監査法人と太陽監査法人が11十一日に、来年1月1日付で合併することで合意したと報じる。新法人は業務収入で4大監査法人に次ぐ国内第5位とのこと。カネボウの粉飾事件など会計不祥事で監査への不信感が高まるなか、規模拡大で監査の質を向上させると記事は伝える。合併後の新法人名は太陽ASG監査法人で、存続法人は太陽、法人トップの総括代表社員兼最高経営責任者(CEO)に太陽の総括代表社員が就任するとのこと。合併後には監査業務をチェックする独立した部署を新設し、専任のスタッフを置いて法人内の監査の品質管理を強化するとか。

監査人は官であるべき?

 共同は10月3日に「「官」に近い義務課す=解説」を配信。
 記事は、昨年発覚したカネボウの粉飾決算事件が、企業決算の「番人」とも言える公認会計士に対する3日の起訴で、東京地検特捜部の捜査が終結したとして、事件について「官から民へ」が叫ばれる中「監査法人は民間企業であっても社会に向かって『決算の適正』を発信する以上、官に近い義務を負う必要がある」(検察幹部)ということが示され
たと評する。「カネボウの旧経営陣にとって、監査法人は決算書にお墨付きを与えてくれる小間使いでしかなかった。年間1億円にも上る報酬はその対価で、監査法人が雇い主であるカネボウにもの申すことは考えられなかった」(検察幹部)と記事は伝える。企業と監査法人とのもたれ合いに特捜部が切り込んだ背景には、企業コンプライアンス(法令順守)とともに厳密な監査が求められる時代への移行があると記事は解説し、昨年4月に、同じ企業の担当を7年までとする改正公認会計士
法も施行されたことを例に挙げる。「企業の監査は『民−民』だが、監査法人と企業には『官−民』に近い構図が求められる。企業から報酬を受ける監査法人に、利潤を度外視して公正さを追求する官の義務を、どこまで負わせるのかが問題だった」と特捜部幹部が話しているとか。

厚生年金未加入事業所が問題

 NHKは10月5日に「厚生年金未加入事業所2万7000 検査院 社保庁に加入促進策」を配信。
 記事は、事業主と従業員が保険料を折半して支払う厚生年金について、督促にも応じずに保険料を支払っていない事業所が、昨年度末で少なくとも2万7千にのぼることがわかったと報じる。会計検査院は年金制度を維持するため、社会保険庁に対して事業所により強い加入促進対策をとるよう求めることにしていると記事は伝える。

海上自衛隊の船の修理代

 朝日は10月5日に「「修理代1億円は払わずに済んだ金」海自事故で検査院」を配信。
 記事は、海上自衛隊呉警備隊(広島県呉市)の交通船が16年3月に瀬戸内海で沈没したのは、同警備隊の船の運航管理が不適切だったことが原因で、修理代約1億2000万円の余計な国費負担を強いられたと会計検査院が指摘すると報じる。事故当時、船内には操船の基準を満たす有資格者がおらず、船長への教育も不十分だったとか。海上自衛隊などによると、交通船は基地と基地の連絡船などとして使われており、問題の交通船(全長19.8メートル、基準排水量55トン)は昨年3月25日午前11時半ごろ、定期検査で同県倉橋島沖で試験運転中、浅瀬に乗り上げて浸水し、間もなく沈没したとのこと。船内の隊員ら10人は無事救助されたとか。自衛隊法に基づく訓令では、自衛隊の船舶を操船する際は、特定の資格を持つ隊員が乗船することを義務づけているが、当時操船していた37歳の船長は資格を持っておらず、無資格者が船を操るときに同乗しなければならない有資格の幹部隊員も乗っていなかったとの由。また、現場は浅瀬がそこかしこにある海域なのに、海図をよく確認しておくなど必要な準備を怠っていたとか。こうしたことから、検査院は、同警備隊の船の運航管理が不適切だったことが事故の原因と判断し、船の修理代の約1億2000万円について「本来なら発生しないはずの不当な支出だ」と結論づけた模様と記事は伝える。この事故を受け、海上自衛隊は交通船の船長に対し、巡回講習などを通じて安全教育を徹底したり、操船の資格取得を促したりして再発防止に努めているとのこと。

5年交代制が検討されている

 朝日は10月5日に「公認会計士、1企業の監査は「5年まで」 金融庁検討」を配信。
 記事は、金融庁が、公認会計士に対する規制を強める方針を固めたと報じる。同じ会計士が同一企業を続けて監査する期間を現行の最長7年から5年に短縮することや、行政機関による会計事務所への立ち入り検査権限の強化などを検討するとのこと。カネボウの粉飾決算事件で中央青山監査法人の会計士が起訴されるなど、企業会計をめぐる不祥事が相次いでいることを受け、企業と会計士の「なれ合い」を防ぎ、厳格な監査を促すのが狙いとか。現行の公認会計士法では、企業決算の監査に責任を持つ会計士は、同一企業を7年まで連続して担当できることになっているが、カネボウの事件の背景に、中央青山の会計士が長年担当したことによる「なれ合い」があると指摘されており、昨年発覚した西武鉄道による有価証券報告書の虚偽記載でも、同じ会計士が長期間にわたり監査していたとか。このため金融庁は、連続担当期間の7年を米国並みの5年に短縮する方向で政令改正を検討するとの由。

補助金を受けた栽培協議会の会長が流用

 10月5日付け日本経済新聞朝刊43面の「補助金2500万円を流用、情報システム導入で千葉の協議会会長」は、食品の生産・流通情報を消費者に公表する「トレーサビリティーシステム」を導入する目的で、千葉県野栄町の「安全野菜栽培協議会」が国から受けた補助金約2500万円を、協議会の会長(57)が借金返済などに流用していたことが同県や会計検査院の調べで分かったと報じる。千葉県は全額を国に返還し、補助金適正化法違反容疑で協議会を県警に告発するとともに、会長らに補助金分の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたとのこと。

会社法での監査役

 10月6日付け日本経済新聞朝刊17面の「監査編(1)社外監査役にも責任限定契約(会社法どう変わる)」は、カネボウの粉飾決算事件を機に監査役や会計監査人による経営チェックのあり方が改めて問われているとして、18年5月ごろに施行される予定の会社法における取扱いを紹介している。
 監査役については、有能な人材を社外から起用しやすくする制度が導入されるとして、あらかじめ総会の承認を取り付けて定款を変えておけば、社外監査役が負う賠償責任の規模を報酬の2年分などに限定できるようになると伝える。賠償リスクに萎縮せず思い切った判断を下せるようにするとのこと。ただし適用できるのは社外監査役が善意で重大な過失がないにもかかわらず会社に損害が発生した場合だけとか。また、3月決算会社の場合、18年6月の定時株主総会時点で監査役全体の半数以上を社外監査役にしなければならないとのこと。社外監査役になれるのは就任前にその会社や子会社の取締役や従業員でなかった人で、最近は法曹関係者や学者の人気が高いとか。NTTや電通、大日本印刷の社外監査役を務める根来泰周氏(元公取委委員長)のように掛け持ちも目立つとのこと。

中央青山が新しい方針を示す

 10月5日付け日経金融新聞7面に「中央青山が改革案詳細――社員評価基準見直し、早期退職制度も導入」の記事。
 記事は、中央青山監査法人が4日、カネボウの粉飾決算事件で同法人の会計士が起訴されたのを受け再発防止に向けた改革の詳細を発表したと報じる。監査体制の強化と法人経営の改革、社員のコンプライアンス(法令順守)意識の徹底に加え、法人内部の審査機能の強化を掲げたとのこと。監査体制の強化では上場企業などを中心に監査業務の一斉点検を1年以内に実施するとか。会計士を3年間で2割(約5百人)増やすほか、監査チームの編成が適切かどうか見直しも進めるとのこと。法人経営や人事管理の改善については、新たに選任される理事が部門長や地方事務所などの現場のトップを兼任しないことと、監査の質を全国的に維持するため、地方の小規模事務所と都市部の中核事務所との統合を進めるとか。奥山章雄理事長は再発防止に向けて倫理意識を徹底させるため、社員全員に宣誓書の提出を求める方針も示し、社員の評価基準についても今まで営業力が重視されていたことを問題視して、監査のリスク管理などに重点を置いたものに改めるとのこと。監査の実施状況を綿密にチェックするため法人内部の監査体制も強化し、内部監査部の専任者を4人から20人に増やして、全社員が2年に1度は必ず内部監査を受けることも義務付けるとか。

新日本が7年超の監査人を来春に担当換え

 10月8日付け日本経済新聞朝刊5面に「新日本監査法人、同一企業を7年超担当、会計士を来春交代――透明性高める」の記事。
 記事は、4大監査法人の一角である新日本監査法人が、同一企業の監査を7年を超えて担当している会計士を来春に一斉交代させる方針と報じる。昨年4月施行の公認会計士法では、7年超の担当を禁じているが、法施行前の担当年数は規制の対象外で、現時点で法的に交代する義務はないものの、透明性確保のため前倒しで交代させるとのこと。新日本は約9百社の上場企業の監査を担当しており、代表社員は5百人を超えるとか。