AIGの決算操作

 27日付け日本経済新聞夕刊3面に「NY当局、AIGと前会長ら提訴――会計・株価不正操作の疑い」〔ニューヨーク=豊福浩〕を配信。
 記事は、米ニューヨーク州の司法当局と保険監督局が26日、米保険大手AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)と前経営陣を相手取り、州最高裁に民事提訴したと報じる。過去数年にわたって財務諸表や株価を不当に操作していた疑いが持たれているとのこと。訴えられたのはAIGと3月に更迭されたモーリス・グリーンバーグ前会長兼最高経営責任者(CEO)、ハワード・スミス前最高財務責任者(CFO)で、同社の不正会計疑惑で法的措置がとられたのは初めてとか。司法当局は2月にAIGに召喚令状を出して本格的な捜査に着手しており、押収した書類から、グリーンバーグ氏らが保険取引などを使った不正な会計処理を主導していたことが浮かび上がったとか。具体的には再保険会社ゼネラル・リーと結託して、架空の保険取引を実施し、過大に膨らんだ保険金支払準備金をアピールして株価つり上げを狙ったとされているとか。また、カリブ海にある保険会社と、損失を移転する取引を実施し、この会社は事実上の連結対象会社であるにもかかわらず、そうした関係がないと当局に偽って報告していたとか。スピッツァー同州司法長官は「前経営陣は財務諸表をよく見せかけるために執拗(しつよう)に詐欺行為を繰り返した」と非難し、具体的な金額は明示しなかったが、投資家への損害賠償や懲罰的な罰金の支払いを求める構えで、米メディアによると、前経営陣は刑事訴追を受ける可能性もあるとか。AIGに対しては米証券取引委員会(SEC)や米司法省も調査に入っているとのこと。

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粉飾時のカネボウ監査法人をJICPAが調査

 28日付け日本経済新聞朝刊13面に「会計士協、中央青山を調査――カネボウの粉飾見逃しで」の記事。
 記事は、日本公認会計士協会が、カネボウの巨額粉飾決算を見逃したとして、監査を請け負っていた中央青山監査法人の責任を本格調査する方針を固めたと報じる。粉飾額が2150億円と過去最大規模に上ったことから、会計士協では綱紀委員会で監査を徹底的に洗い直す必要があると判断し、ルール違反がなかったかどうか1年程度で結論を出すとのこと。カネボウの経営浄化調査委員会などの調べによると、カネボウの旧経営陣による粉飾決算は1990年代から続いていたことが判明しており、連結対象外の毛布メーカーに不良在庫を飛ばすなど不透明な取引が続いていて、こうした取引や経営陣の粉飾指導について、担当会計士がどこまで把握していたのかが焦点のひとつとなる見込みと記事は伝える。

連結業績の訂正で監査報酬の返還を求める会社あり

 28日付け日本経済新聞朝刊13面に「ニチイ学館・寺田社長、監査報酬の返還請求へ――担当の中央青山に、決算訂正問題で」の記事。
 記事は、ニチイ学館の寺田明彦社長が、2004年9月中間期の連結業績を訂正した問題で、会計監査を担当する中央青山監査法人に対し、昨年度分の監査報酬の返還を求める方針を27日にに都内で開いた決算説明会で明らかにしたと報じる。監査法人の交代は「考えていない」と否定したとのこと。虚偽記載にからむ上場廃止基準に触れる恐れがあるとして、東京証券取引所が同社株を監理ポストに割り当てたことについて、「保有土地の含み益を計算し忘れた経理担当者のチェックミス。社内調査も実施したが、決して虚偽記載ではない」と繰り返し強調したとか。

企業統治監査を義務付ける方向

 27日付け日本経済新聞朝刊5面に「企業経営で金融庁、経営者と会計士、体制を二重点検」の記事。
 記事は、金融庁が26日、企業会計審議会に不正対策など企業の経営体制のチェックを強める新たな枠組みのたたき台を示し、大筋で了承されたと報じる。経営者がリスク管理の状況などを報告書として作成した上で、公認会計士が監査する二重点検の仕組みを採用したとのこと。仮に欠陥があった場合、会計士は「不適正」意見を投資家に公表するとか。7月までに最終案として公表すると記事は伝える。新基準では架空取引を売上高に計上するなど財務諸表に悪影響を及ぼすリスクにどう備えているか、経営者の指示・命令が社員に浸透しているかなどをチェック項目として挙げているとか。

意見不表明とされた会社が監理ポストへ

 27日付け日本経済新聞朝刊18面に「本間ゴルフ前期決算書類、監査法人が「意見不表明」、「経営計画など未確定」」の記事。
 記事は、本間ゴルフが26日、2005年3月期の決算書類に対して会計監査を担当する中央青山監査法人から「意見不表明」の監査報告書を受けたと発表したと報じる。「返済期日の到来している多額の借入金があり、現時点で経営計画などが未確定」と指摘されたとのこと。ジャスダック証券取引所は、同社が6月下旬に提出する有価証券報告書で「意見不表明」だと上場廃止基準に触れるおそれがあるため、同日から同社株を監理ポストに割り当てると発表したとか。同日発表した05年3月期の連結最終損益は43億1500万円の赤字(前の期は5億1900万円の黒字)で、06年3月期も土地建物やゴルフ場の評価損で特損を計上し、最終赤字が97億円弱になる見通しとか。05年3月末時点の株主資本は44億6千万円で、業績が会社の見通し通りに推移すれば大幅な債務超過になると記事は伝える。

浜松市の外部監査の結果

 27日付け日本経済新聞地方経済面6面に「浜松市外郭団体の外部監査――健全化へ再建策見直し(アングル静岡)」の記事。
 記事は、浜松市の外郭団体への外部監査の結果、様々な問題が浮かび上がり、フルーツパークの経営母体のように経営が悪化している団体については、会計上の問題が経営健全化計画そのものにも影響を与えており、地元経済界からは「これを機に再建策を練り直すべきだ」との声も上がっていると報じる。浜松市内の二つの公園を運営するフラワー・フルーツパーク公社は赤字が続き、14年12月に経営健全化計画が作られ、特に経営が苦しいフルーツパークについては16年3月に再度計画が作り直されたが、実はこの新計画の前提となった14年度から減価償却費の計上をやめていたとか。このため営業損益は、前年の5億円強の赤字から2億円弱の赤字に減少する格好となったとのこと。公社としては施設そのものは市が設置したものであり、運営を請け負う公社が償却費を計上しない方が合理的で、利益操作ではないとしているが、外部監査人の公認会計士は、過去に減価を続けている事実を無視した決算は不適切と断じる一方で「会計上の誤りを指摘するだけでは、この問題の解決にはならない」と指摘しているとか。また、清掃公社では税務申告の便宜を最優先するため、職員の退職給与引当金を極めて少額しか設定しておらず、退職者が少ないと黒字で、多いと大赤字に陥るという決算を繰り返していて、実態は見えにくいとか。同公社の業務は、下水道が整備されていない地域のし尿処理で、市は下水道の整備をさらに進める考えを示しており、業務が次第に縮小するのが確実なのだから、早期に体制を見直すべきだというのが外部監査人の指摘とか。

監査委員が内部調査のほかに不正経理を摘出

 28日付け日本経済新聞北海道朝刊38面に「道警裏金、20人に虚偽説明強要――監査委員調査、すべての項目に不正」の記事。
 記事は、道警の裏金問題で、道監査委員が、道への返還対象となる不正支出の認定額は道警の内部調査より約3800万円増えて約2億4千万円に上るとの監査結果をまとめ、27日午後に高橋はるみ知事に報告したと報じる。道警は既に約2億円を道に返還しているが、高橋知事は「道警が適正とした中に不適正な支出があったことは極めて重い。(追加返還は)当然あり得る」と述べ、近く差額の返還を求める方針を示したとのこと。道警も応じざるを得ないとみられると記事は伝える。徳永光孝代表監査委員は「道警は(結果を)無にすることなく組織改革に取り組んでほしい」と注文を付けたとか。監査結果によると、道費分の不正額内訳は、捜査用報償費が約2億9百万円、旅費約3090万円、食糧費約37万円、交際費約17万円の計約2億4千万円で、道警が不正支出はないとしていた食糧費と交際費を含め、すべての費目で不正があったとのこと。私的流用は確認できなかったとしているとか。また捜査員約70人が内部調査の事実関係が間違っていると証言し、うち約20人は受け取っていないのに「旅費を受け取った」などとする虚偽の説明文書に署名を強要されるなどしたとか。道警は昨年11月、10―15年度に支出した捜査用報償費などのうち約7億1千万円が不正に支出されていたとの内部調査結果を発表しており、うち道費分が約2億円だったとの由。

会計検査用の偽造書類で送検

 5月29日付け日本経済新聞朝刊39面に「道警裏金問題で初の書類送検へ――元課長、検査妨害の疑い」の記事。
 記事は、北海道警の裏金問題に絡み、15年に会計検査院の検査を受けた際、捜査費(国費)の支出を証明する領収書を偽造したとして道警が、偽計業務妨害の疑いで北見方面本部の当時の警備課長を書類送検する方針を固めたと報じる。一連の警察の裏金問題で刑事責任が問われるのは初とか。調べでは、元課長は15年7月に警備課が会計検査院の検査を受けた際、捜査協力者への謝礼などに支出される捜査費が適切な使用だったと装うために、飲食店の領収書を偽造し、検査院の職員に「店は存在しないのではないか」と指摘されると、店の求人広告や地図なども偽造して虚偽の書類を検査院に提出して検査を妨害した疑いとのこと。元課長は問題発覚後、懲戒処分になり、道警本部付に異動になっていたとか。

公表資料:都道府県警察等における捜査費及び活動旅費の経理について

SECが予算不足

 5月27日付け日経金融新聞9面に「SEC予算、5000万ドル不足、今年度から3年で――議会、批判強める」〔ワシントン=山本留美子〕の記事。

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偽造書類による虚偽説明者が偽計業務妨害罪で送検される方向

 5月29日付け日本経済新聞北海道朝刊38面に「道警裏金、元課長を書類送検へ――偽計業務妨害容疑、初の刑事責任追及」の記事。

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【公金支出】議員の調査研究費

 共同は5月26日に「調査費返還請求棄却 議員活動との関連認める」を配信。

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ソフト会社の開発用ソフトは資産ではないとの見方

 5月24日付け日本経済新聞朝刊18面に「オックス情報、開発用ソフト「資産ではない」――今期、一転最終赤字に」の記事。
 記事は、倒産リスク算出ソフトのオックス情報の2005年9月期連結最終損益が2億6千万円前後の赤字(前期は2億5100万円の黒字)となる見通しになったことを伝え、従来予想の3億3千万円の黒字から変更する原因は、監査法人が研究開発に使うソフトなどを資産でなく費用とみなし、従来のように3―5年間で定率償却できない見通しとなったため5億円強を一括償却するためだと報じる。ソフト開発会社にとって生産設備に当たる製品開発・改良用ソフトを「資産」と見なさない今回の会計方針が広がれば、新興市場に上場するソフト開発会社を中心に業績修正を迫られる例が相次ぐ可能性もあると記事は評する。

国際会計基準の適用で格付けが下がる可能性

 5月24日付け日経金融新聞9面に「欧州企業、「半数が開示不十分」――S&P、国際会計基準導入で」〔ロンドン=田頭淳子〕の記事。
 記事は、米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、格付けを出している欧州域内の上場企業300社のうち、「半分が国際会計基準(IAS)導入に伴う情報開示が不十分」とのリポートをまとめたと報じる。IASは企業年金の積立不足額の計上など、これまで不明確だった費用を厳密に開示するよう求めており、欧州企業は今年から適用になり、1―3月期決算までに新基準による財務諸表を公表した企業もあるが、多くの企業は公表を見送っている状況で、S&PはIAS導入で格付け変更につながる可能性がある主な項目として、(1)のれん償却代の廃止、(2)従業員手当関連費用の計上、(3)デリバティブ(金融派生商品)の厳密評価、の三つを挙げたとか。

エンロンとアーサーアンダーセン

 5月24日付け日経金融新聞9面の「内部統制ルール――重い監査費ねん出、節税乱用、監視を強化」によると、大手会計事務所のアーサー・アンダーセンがエンロンから2000年に受け取った5200万ドルの大半は監査そのものではなく、租税対策などからの収入だったとか。

 クリーンハンドの原則からは……。

北海道警の監査結果

 23日付け日本経済新聞朝刊35面に「道警裏金確認監査、使途不明3億9000万円」の記事。
 記事は、北海道警の裏金問題で、道警が内部調査で裏金にしていたと認めた約11億円のうち約三分の一に当たる約3億9千万円について、領収書などがなく、最終的に使途が不明のままであることが道監査委員の確認監査で分かったと報じる。監査関係者は「私的流用があった可能性も否定できない」としているとのこと。道警は昨年11月の内部調査の最終報告で、私的流用はないと結論づけたが、実名で告発した元道警幹部の証言などから、裏金が歴代警察署長の異動時の餞別(せんべつ)などに充てられていたことが指摘され、こうした疑惑を残す結果となったと記事は伝える。確認監査結果は27日に高橋はるみ道知事に報告されるとか。道警の調査では、10―15年度に捜査用報償費などから裏金に回されたのは約11億円で、このうち、捜査活動への使用が確認されなかった約7億1千万円が不正支出とされたが、監査委員が調べた結果、3億円余りは内部での飲食費などと確認できたものの、約3億9千万円は最後まで使途が分からなかったとのこと。

【公金支出】破綻出資団体の債権者への補償金支払

 5月21日付け日本経済新聞地方経済面26面に「破産三セク処理、公金返還訴訟、川崎の市民団体が請求」の記事。

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IAS適用に対する公聴会で日本代表団が「陳情」

 19日付け日本経済新聞夕刊3面に「会計基準巡りEU公聴会、日本側、負担増に反発」〔パリ=田村篤士〕の記事。
 記事は、欧州連合(EU)が18日、パリで会計基準に関する公聴会を開き、2007年から日本の上場企業に対し追加の決算情報の開示を義務づける中間報告を出していることについて、日本の金融庁などが「日本企業にとってコスト負担が重い」と反発し、これに対し、4月末に中間報告をまとめたEU証券規制委員会が「企業ごとに違いがあり、コストの大きさは一概には言えない。(追加情報を得る)投資家の利点も配慮すべきだ」(財務報告グループのジョン・タイナー議長)と説明したと報じる。タイナー氏らは「追加情報の開示要請は欧州の投資家保護が目的」と強調し、企業会計基準委員会(ASBJ)などを含めた日本の代表団は「日本企業に投資する欧州投資家にとって重要でない内容も含まれており、投資家の声が反映されていない」などと訴えたとのこと。EUは今年から欧州上場企業に国際会計基準(IAS)の適用を義務付けており、2007年からは欧州以外の企業についても、EUがIASと同等と判断しない会計基準の利用は認めない方針で、4月末に証券規制委は日米カナダ基準は「全体として同等」としながらも、補完財務諸表など追加情報の開示を求める中間報告をまとめたという経緯があり、今回の公聴会を経て、証券規制委は6月末に最終報告をまとめると記事は伝える。

 コスト負担しか反論が無いのなら、それは愚痴を聞いてもらったというに過ぎないだろう。公平の原則に反するとか、実効性がない、という反論はできなかったのか。「日本企業に投資する欧州投資家にとって重要でない内容も含まれており」というコメントはイコール・フッティングを求めようとしているだけの相手に対して有効な反論にはなっていないと思うのだが。

H15報告:中小企業信用補完制度

 平成15年度決算検査報告掲記の特記事項「中小企業信用補完制度における保証審査等について」は、「このような事態を根本的に打開するためには、金融機関のリスク分担の問題も含めて、信用保証制度のあり方にまで踏み込んだ検討が必要であると考えられる」として金融機関がリスクを全く負担していないことが問題であるとしているが、5月20日付け日本経済新聞朝刊5面の「信用保証料率に格差、中小企業庁来年度にも――財務内容基準に、モラルハザード防ぐ」は、経産省が保証料率の変更で済ませようとしていることを伝えている。

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林業公社の経営危機を指摘した外部監査

 19日付け日本経済新聞地方経済面12面の「徳島県林業公社、赤字転落は必至――2076―2085年度、収支計画を公表」は、徳島県の森林を整備する県の外郭団体、徳島県林業公社が18日、経営改善検討委員会の初会合を開き、長期収支計画を公表したと報じるものだが、公社に対しては16年度に実施した外部監査が「償還原資を確保できないまま弁済期限を迎え、木材価格が急騰しない限り経営破たんの危機に直面する」としたうえで「債務免除以外の処理は考えがたい。廃止または役割転換を決定すべきだ」と早期処理を促していたとのこと。

公表資料:外郭団体の財務事務及び事業の管理

中央青山が内部監査組織を新設

 19日付け日経金融新聞6面に「中央青山、監査部を新設――内部チェック機能強化」の記事。
 記事は、中央青山監査法人が内部管理体制を強化するため、新たな独立組織として「内部監査部」を設けたと報じる。企業の粉飾決算などが相次いで表面化し、監査の質を管理する重要性が高まっており、チェック機能を強め、粉飾などを見逃さない体制づくりに生かすと記事は伝える。これまでも監査の質を確保するためには業務管理本部で対応してきたが、「それだけでは弱い」(奥山章雄理事)として同本部とは別に理事長直轄の独立組織を立ち上げることにしたとのこと。内部監査部では同監査法人内のガバナンス(統治)が機能しているかなどをチェックし、今後は粉飾決算などを見逃すことがないよう検証を徹底させるとか。

関連:監査法人の品質管理基準の案が出てきた

【徴収怠り】時効が成立した課税は消失する

 朝日は17日に「鳴門市長に6500万円支払い命令 市税徴収めぐり地裁」を配信。

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EUの公聴会に参加

 日経は16日に「金融庁など、EUの会計公聴会に参加――会計基準めぐり反論も」を配信。
 記事は、金融庁が16日、欧州連合(EU)の会計関係当局が18日にパリで開く公聴会に公認会計士協会などと共同で参加すると発表したと報じる。EUは4月末、日本の会計基準について国際基準と比べて情報開示が少ないなどの改善点を指摘しているが、日本側は「(要求は)実務負担を無視している」などと反発しており、公聴会で配慮を求めるとのこと。金融庁などはEUの指摘について(1)細かな会計技術にこだわりすぎている(2)実務的なコストを考慮しておらず、日本企業のEU離れを招く――などの反論を用意し、公聴会を通じて日本側の主張を訴えるとしていると記事は伝える。EUは先月、2007年以降も日本やカナダの会計基準を使った域内での資金調達などを認めるための条件について報告書を発表し、企業合併や海外子会社がからむ会計処理で補完的な情報開示などを要望しており、今回の公聴会はEUの報告後に各国が意見を述べる初の機会で、日本からは企業会計基準委員会、日本経団連も参加するとの由。

監査法人の品質管理基準の案が出てきた

 日経は5月16日に「監査法人の内部管理、審査部門で二重点検・金融庁新基準」を配信。
 記事は、金融庁が16日に開かれた企業会計審議会の部会で、監査法人の内部管理体制を厳しくチェックするための新基準「品質管理基準」を提示、大筋で了承されたと報じる。公認会計士が会計不正を見逃す例が相次いでいることに対応して、各監査法人が内部に設置した審査部門を通して監査を二重点検する仕組みを作るほか、会計士が交代する際に破綻の可能性などの重要情報を引き継ぐことなどを義務付けるとのこと。金融庁は来年4月の監査から適用する方針とか。新基準は監査の質を保つため監査法人が守るべき業務手順などを定めたもので、当初は現在の「監査基準」を見直すことで対応する方針だったが、独立した基準を新たに作ることにしたと記事は伝える。7月までに最終案をまとめるとか。新基準の原案では、内容に矛盾がないかなど結果の検証が中心だった内部管理体制のあり方を転換して、経営者と何を話し、どのような証拠を集めて監査したのかを、監査法人内部に設置した審査部門が計画段階からチェックする仕組みを導入するよう求めるとのこと。特に企業の破綻や粉飾の可能性など判断が難しい監査の意見を作成する際、監査法人は担当者1人の判断ではなく、必ず審査部門を通し統一見解を出す仕組みを作るようにするとか。顧客を失う懸念から審査を経ずに監査意見を出す例もあるためで、また、法人内で監査を巡る意見が割れた場合も、担当者間に調整を任せるのではなく、審査部門を通すよう求めると記事は伝える。このほか、任期満了などで会計士が交代する際に、重要事項を必ず後任に伝達するように義務付けるとか。1つの企業の監査を複数の監査法人が手掛ける共同監査の取り決めについては、審議会は今後、別途議論して新基準に盛り込む方針とも。

大阪市監査委員が闇年金・退職金の返還を勧告

 共同は16日に「137億7千万返還を勧告 大阪市監査委員=差替」を配信。
 記事は、大阪市の職員厚遇問題で、市監査委員が16日に、条例に基づかないヤミ年金・退職金を退職した職員に給付したのは違法として、市職員互助組合連合会などから保険会社に支払われた掛け金のうち、市が過去5年間にわたって公費から支出した計約137億7000万円を市に返還させるよう関淳一市長に勧告したと報じる。ヤミ年金は職員の負担分と市の公費で運営していたが、監査委員は「退職した職員は退職手当や共済年金の支給を受けている。ヤミ年金はこれらに実質的な上乗せを図るためと見ざるを得ず、社会的相当性を欠く違法なものだ」としたとのこと。監査委員は地方自治法で認められた過去5年間にさかのぼり、市の公金支出分の返還を求めることができるとして、市職員互助組合連合会や教職員互助組合から回収することなどを勧告したとか。これに対し市職員互助組合連合会は、保険会社との年金契約などを解約して戻ってきた計約167億円から返還する方針と記事は伝える。

上場企業の14%が減損会計を前倒し導入

 共同は13日に「減損処理で損失3兆円超 上場企業の14%が導入」を配信。
 記事は、減損会計を前倒しで導入した企業が531社で、損失処理額は計約3兆500億円に上っていることが、新光総合研
究所のまとめで分かったと報じる。5月6日時点の全上場企業3754社を調査(財務諸表上での判明分)したところ、導入企業は14・1%で、未実施企業の、今後の損失計上額は計6兆5000億円程度とみられると記事は伝える。東証1部では大企業を中心に20・7%が導入済みだったとか。損失額は1社当たり平均57億円、100億円以上を計上した企業が65社、最高額はダイエーの3255億円、次いで大京の1822億円となっているとのこと。最近は放出される遊休地や建物の売却仲介などのビジネスを強化する企業もあり、資産に対する取り組みが変化しているとか。同研究所の武石雅彦アナリストは「企業の『持たざる経営』は進んでいる。導入で赤字転落もあるが、導入後は企業は無駄な投資をしなくなり、財務体質は改善されていく」と評価していると記事は伝える。業種別では石油、電気、ガスで40%超の企業が既に導入したほか、陸運、保険も導入が進んでいるが、一方、鉱業や空運、情報通信などはまだ実施企業は少なく、業種間で格差が出ているとの由。

中央青山の理事長に前JICPA会長

 14日付け日本経済新聞朝刊7面に「中央青山監査法人、体制立て直し、理事長に奥山会計士協会前会長(金融フラッシュ)」の記事。
 記事は、中央青山監査法人が、上野紘志理事長が辞任し、後任に日本公認会計士協会前会長の奥山章雄理事が就任する人事を固めたと報じる。日本の会計ビッグバンを推進した業界の大物を起用して、監査不祥事の続く体制を立て直すと記事は伝える。5月27日の社員総会で正式決定するとのこと。奥山氏は13年から16年まで会計士協会の会長で、当時の竹中平蔵経済財政・金融担当相のプロジェクトチームの一員として、金融機関の不良債権処理加速を側面支援し、公認会計士法改正に取り組んだほか、金融、事業再生分野にも精通していると記事は評する。奥山氏の出身母体である中央青山は、監査先だったカネボウで巨額粉飾決算が明らかになったほか、今年1月には、経営破綻した足利銀行の監査を巡り、金融庁から戒告処分を受けたということを記事は付記している。

広報誌について裁量権の範囲内との監査結果

 14日付け日本経済新聞地方経済面3面に「県広報巡る住民監査請求――「裁量権の範囲」、監査委が認めず」の記事。

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インターネット経由で監査調書を作成するサービス

 13日付け日本経済新聞地方経済面23面に「インプルブ――ネットで監査簡単に、税務書類など自動作成(強い会社になる)」〔鳥取支局長 川鍋直彦〕の記事。
 記事は、インプルブ(鳥取県米子市、友松知宏社長)が販売する税理士・会計事務所向けの税・財務監査システム「かんさ楽」の評価が高まってきたと評してみせる。「同システムを使えば経験の浅い税理士も一定レベルの監査が可能になるため、若手税理士が多い中小の事務所でも業務の質を高められるという」とまで宣伝する。「これまでは税理士は顧問先企業の帳簿管理に追われる面があった。システム導入で余計な手間を省くことで、経営指導など本来の業務に力を注ぐ余裕が生まれる」というが、ポイントが会計参与制度にあることは容易に想像できる。しかし、記事は会計参与制度については全く言及しない。
 記事によると、かんさ楽はパソコンを使って、税務申告や財務諸表が正しいことを証明する監査書面を自動作成できるシステムで、税法、商法、企業会計原則など、監査知識をデータベース化しており、顧客企業の財務情報を入力しておけば、「現金」「売掛金」などの科目ごとに20―30の質問に「はい」「いいえ」などで答えるだけで監査ができ、監査評価報告書や監査所見など9種類の書面を自動作成するとのこと。事務所内に経験の浅い税理士がいて、すぐに質問に答えられない場合にも、元になる帳簿データなどの画面を即座に参照が可能な点も特徴とか。何か、監査というものに対する誤った前提があるのではないか。というより、この記事を読んだ人が、監査というものは20~30程度の質問をすれば済むものなんだ、という誤解を持つのではないかと危惧する。かんさ楽の原型は1998年、税理士事務所の有和経営センター(鳥取県米子市)が事務所スタッフと監査の判断基準を目に見える形で共有しようと、社内用のソフトウエアを開発したことだとか。改良を重ねるうちに、「他の事務所でもこれを利用すれば、監査の質を一定にできる」とみて、2002年から鳥取県産業振興機構の助成を受けて、鳥取環境大学の福山峻一教授らと本格的なシステム開発に着手したとの由。パソコンにインストールして使うソフトにすると、法律・規則改正のたびに改訂版を製作しなければならないので、インターネットを通じてアプリケーションソフトを使うAPS方式で商品化し、顧客企業にインターネット環境があれば、税理士らはパソコンを持ち込んで作業ができると記事は伝える。友松社長は「中小の事務所でも監査業務を強化でき、収入増が期待できる」と話しているとか。

企業統治の案が出た

 日経は12日に「企業会計審、企業統治ルールを提示・負担増懸念の声」を配信。
 記事は、金融庁の企業会計審議会が12日に、公認会計士が企業の統治(ガバナンス)を監査する制度について話し合う部会で、企業側に示す統治基準の素案を提示したと報じる。財務諸表に影響を与える部分に限定する点を明記し、負担増を懸念する企業側に配慮したとのこと。
 配信記事では「ただ、企業出身の委員からは「米国方式を反省材料にして、なるべく作業負担を減らしてほしい」との声が根強く出た」と伝えているが、13日付け日本経済新聞朝刊5面の「企業統治基準で素案」という記事では、それ以降が削除されて短縮されている。

京都市議の海外視察の一部を高裁が観光と判断

 時事は12日に「「海外視察」一部は観光目的=京都市議6人に旅費返還命令-大阪高裁」を配信。

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