JICPAがカネボウの監査法人から事情聴取

 読売は27日に「公認会計士協会、カネボウ監査の「中央青山」聴取」を配信。
 記事は、産業再生機構の支援を受け、経営再建中のカネボウが2000億円を超える粉飾決算をしていた問題で、日本公認会計士協会の藤沼亜起会長は27日の衆院財務金融委員会で、カネボウの監査を担当していた中央青山監査法人に対し、事情聴取を始めたことを明らかにしたと報じる。同委員会に参考人として出席した藤沼会長は、「カネボウの件については(協会内の)監査業務審査会で事実関係を調査している。問題があれば、綱紀委員会に諮り処分することになる」と述べたとのこと。

EUに日本基準適用企業には追加報告義務を課す動き

 共同は28日に「日本企業は追加報告提出も EUが会計基準の違いで」〔ロンドン28日共同〕を配信。
 記事は、28日付の英紙フィナンシャル・タイムズなどによると、欧州連合(EU)の証券規制委員会は27日、EU域内の資本市場で株式上場や債券の起債などをする日本企業に追加的な財務報告の提出などを求める報告書をまとめたと報じる。28日中に正式発表されるとのこと。日本の会計基準と、EUが準拠する国際会計基準の違いを埋めるのが目的で、EU域内の投資家保護が狙いだと同紙は指摘しているとか。報告書は、日本、米国、カナダ3カ国の会計基準が、基本的には国際基準と合致しているとしながらも、委員会の幹部は特に日本に対し、「改革を進めるよう」求めたと記事は伝える。

あずさがIT監査部門を強化

 28日付け日経金融新聞10面に「IT監査部を設置――あずさ、内部統制強化に対応」の記事。
 記事は、あずさ監査法人が、企業が利用する情報技術(IT)システムへの監査を強化し、4月にIT監査部を新たに設置して、企業の取引から財務諸表作成まで、適切にシステムが運営されているかを専門に監査すると報じる。ITシステムの利用が広がり業務が効率化する一方で、企業の内部統制でシステムへの依存度が高まっており、このため、会計監査でも、ITシステムへの専門知識が一段と求められるようになっていたとのこと。IT監査部は内部統制の監査と同時に、不正防止への助言、企業買収に向け情報システムの価値を再評価するサービスなどを提供し、2006年3月期は60人体制だが、情報処理に関する社内基準を設け、これをクリアした会計士とIT専門家を合わせ、2年後に250人体制を目指すとか。

 社内基準に止めるより、ビジネス化した方が良いと思うのだが。

会計専門職大学院の協会が設立された

 28日付け日経金融新聞10面に「会計大学院協が発足――10大学、教育水準向上へ協力」の記事。
 記事は、公認会計士などの専門家を育成する会計専門職大学院を開設した10大学による「会計大学院協会」が、このほど発足したと報じる。授業内容についての情報交換など大学相互の協力を通じて教育水準の向上を目指すとのこと。協会は青山学院大学、関西学院大学、千葉商科大学、中央大学、東北大学、法政大学、北海道大学、明治大学、LEC大学、早稲田大学の10校で構成され、理事長に早稲田大学の加古宜士教授が就任したとか。教育方法の改善に向けた取り組みに加え、ニュースレターの発行やシンポジウムの開催、学生数の増加に向けた合同の説明会やセミナーの開催などを予定しているとのこと。政府や試験執行機関などに対して、試験制度の整備も働きかけていく方針で、第三者機関による評価の導入も検討しているとか。

 ビジネススクールがある慶応にないのは不思議。

【金融】SECの監督体制

 26日付け日経金融新聞9面の「SECの投信監督体制、議会、批判強める――党派超え異例の追及」〔ワシントン=山本留美子〕は、米証券取引委員会(SEC)の投資信託業界に対する監督体制をめぐって、米議会が批判を強めているものだが、SECにとって状況が厳しいことの一つとして、会計監査院(GAO)が「企業改革法の整備などをSECが優先して投信業界の監督を怠った結果、不正摘発の遅れを招いた」とする調査報告をまとめたことを挙げている。GAOによると、投信の短期取引などで一般の投資家が被った損害は年間五十億ドルにのぼるとか。

受注を失った業者がGAOへ国益に反するとして不服申し立て

 26日付け日経産業新聞2面の「米国防総省、調達に国境なし、外国企業の受注増加――中小企業・議会に危機感」〔ワシントン=芦塚智子〕は、米国防総省の発注を、欧州を中心とする外国企業が獲得する例が目立っていると報じるものだが、その影響を受ける中小企業や米議会は危機感を強めている例として、国防総省へのロケット燃料の供給契約を失ったアーク・ケミカルズ(コネティカット州)が、米仏企業チームが契約を獲得したことについて「不可欠な戦略的物資の供給源は国内企業に限るべきだ」として会計検査院(GAO)に不服を申し立てたことを伝えている。

裁判外で公費返還しても「勝訴」ではない

 26日付け日本経済新聞夕刊20面に「裁判外公費返還で最高裁、弁護士費用請求認めず」の記事。

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中央青山が監査体制を強化

 22日付け日本経済新聞朝刊19面に「中央青山監査法人、粉飾見逃さないよう、リスク管理本部新設」の記事。
 記事は、中央青山監査法人が企業の粉飾決算などを見逃さないよう監査体制を強化すると報じる。30日に既存のリスク対応チームを格上げして理事長直轄のリスク管理本部を約10人で新設し、同本部にリスク情報を集約して問題発生を事前に把握するほか、外部からのホットライン制度も導入し、監査法人内の社員や職員のほか、監査先企業の関係者からの通報を受ける専門窓口を作るとのこと。2005年度決算からは、経営者からの聞き取りを強化した監査手法も取り入れ、経営者らに加え、営業など経理以外の部門も対象にし、米国流の厳格な手法で経営上のリスクを幅広くチェックするとか。足利銀行の監査で不備があったとして金融庁から戒告処分を受けたこともあり、幅広く経営情報を把握し粉飾などを防ぐと記事は伝える。

会計士審査会がCPAと緊張関係になってきたとか

 21日付け日経金融新聞11面に「目付け役、力発揮迫られる――審査会、協会と微妙なズレ(会計最前線)」〔玉木淳〕の記事。
 記事は、昨年4月に発足した公認会計士・監査審査会について、日本公認会計士協会が実施する品質管理レビューの実態分析を取りまとめるなど、会計士や監査法人の「お目付け役」として、少しずつ動き始めているものの、官による過剰な介入を嫌う協会との間に温度差が残り、目立った実績作りまで至っておらず、会計不祥事の歯止め役になるには、もう少し時間がかかりそうだと報じる。審査会の金子晃会長は協会との関係を聞かれて「対立ではありません。協力関係にあります」と強調するが、これは、事業パートナーであるはずの両者について、専門家の間で溝が指摘されているためとのこと。各監査法人が適切に監査実務をこなしているかを、協会がチェックする「品質管理レビュー」を再チェックするのが審査会の役割となっており、米国とは異なり、監査法人の監査を間接的にチェックするため、現行制度下では協会の協力なしに監査の質向上は望めないと記事は評する。審査会の持つ権限は大きく、レビューを行う協会だけでなく、監査法人や監査を受けた企業まで立ち入り検査に入ることができ、ずさんな監査などを発見できれば、金融庁に行政処分を勧告し、監査法人に対応を促すこともできる仕組みである。「後方に金融庁がいること自体が監査法人への圧力になっている」と見る専門家も多いとか。審査会の目指す目的は不正の未然防止にあるが、その役割を全うするには、まず個別案件に深く入り込み、ずさんな監査を発見する必要があるが、これまでの審査会の活動に「せっかくの権限を十分活用していない。中途半端だ」との指摘も多いと記事は伝え、こうした雰囲気を察知してか、今年に入り、変化も見え始めたと報じる。審査会による再チェックの過程で、協会の「個別の監査意見にかかわる部分です」との説明に、審査会が「証拠を出してもらわないと、監査意見が合理的に導き出されたか判断できない」と主張するなどあつれきが生じているとか。審査会は「全体監査のあり方を問題にする」(金子会長)と、個別の監査法人や会計士の処分ありきでないことを強調するが、協会は「(金融機関に行う)金融庁の検査と異なるはずだ」(増田宏一副会長)と警戒心を隠さないとか。審査会と協会の関係は、友好的になりすぎると両者の間でなれ合いが生じかねず、対立が激化しても業務に支障が出かねないため、バランスを保ちながら、一歩一歩、階段を上ろうというのが審査会の戦術と記事は解説する。

【仏】検査計画の事前国会送付法定が違憲とされた

 フランスの2006年度からの予算改革を定めた2001年8月1日組織法律〔憲法規範の位置付けを与えられた法律〕は58条に会計検査院の「国会に対する補助」を定めている。その第1段〔第1項と実質的に同じ〕は「会計検査院は、統制計画を定めるに先立って、当該計画案を国会両院の財政担当委員会の委員長及び総括報告者に送達する。財務担当委員会は、当該計画案に対して15日以内に意見を述べ、必要がある場合には同じ期間内に本条2段2号に定める調査要請を行う。」となっていたが、この規定は、憲法院の違憲判断により削除された。

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【仏】地方会計院の所見提出時期の制限

 フランスの地方会計院(chambres re'gionales des comptes 1982年創設)は、1980年の分権改革の際に、地方分権と引き換えに創設された国の機関である。22ある州の一つ又は二つに一つずつ設置されている。管轄は、州、県、市町村の財政で、裁判的統制については会計検査院の第一審的性格を有する。その長官の半数以上は会計検査院の裁判官が兼務している。独立機関ではあるが実質的には会計検査院に従属しており、全国統一の人事になっている。
 この地方会計院について、2001年12月21日法律(2001-1248)は、関係地方自治体の選挙前3箇月と選挙後の翌日までは所見発表を禁じた。

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カネボウ粉飾で金融庁が監査法人を調査する方向

 日経は14日に「金融庁、カネボウ粉飾で中央青山を調査へ」を配信し、金融庁が13日、カネボウが粉飾決算をしていた問題で、監査を担当した中央青山監査法人を調査する方針を固めたと報じる。監査手続に関し聞き取りや資料提出を求め、必要に応じ立ち入り調査も実施するとのこと。中央青山に対しては足利銀行の粉飾で調査を実施し、内部管理体制がずさんだとして処分しており、今回も問題があれば、厳しい処分となる公算が大きいと記事は伝える。

関連:カネボウの粉飾決算
   監査は行政とは異なる
   カネボウ粉飾で監視委が乗り出す
   日経が監査法人に根拠の無い嫌味を言っている

E&Yへ4200億円の損害賠償請求

 15日付け日経金融新聞9面に「破たんの英エクイタブル、7700億円賠償求める――E&Yと旧経営陣に」〔ロンドン=田頭淳子〕の記事。
 記事は、2000年に実質破たんした英国の老舗生保エクイタブルが、「巨額の逆ザヤを放置した責任がある」として監査法人だったアーンスト・アンド・ヤング(E&Y)と旧経営陣を高等法院に提訴したと報じる。賠償請求額はE&Yに20億5千万ポンド(約4200億円)、旧経営陣15人に総額17億ポンド(約3500億円)と、過去最大級となるとのこと。エクイタブルは「1990年代に適切な助言を怠った」とE&Yの責任を追及し、1度は高等法院が過失を認めない判決を出したが、その後、控訴院が「エクイタブルは総額26億ポンドの損害賠償を求めて提訴する権利がある」という逆転判決を下し、提訴に“ゴーサイン”が出たとの経緯。旧経営陣に対しては独立調査委員会が「最大の責任は旧経営陣にある」との調査結果を昨年3月に発表していたとか。今回提訴されたのは、不評だったロンドンの娯楽施設「ミレニアム・ドーム」の元社長や資産運用大手シュローダーズの元会長らで、ほとんどが非常勤取締役とか。社外役員の企業統治上の責任問題が議論になる可能性も高いと記事は評する。エクイタブルは創業が18世紀の世界最古の相互保険会社だが、1970―80年代に高利回り保証型年金(GAR)の販売で急成長し、GARの利回りは一時、最高で年11.5%に達したものの、90年代に市場金利が急低下すると年間16億ポンドもの巨額の逆ザヤに陥り、保証した年金を払えなくなって2000年に実質破綻し、既契約の維持会社に移行しているとのこと。エクイタブルが勝訴すれば、身売りを計画中の同社にとってまたとない機会となるが、裁判には9カ月程度が必要で、費用も少なくとも8500万ポンド(約173億円)かかるとみられるため、敗訴した場合の打撃も巨額だと記事は伝える。提訴に対し、E&Yのニック・ランド会長は「当社は当時分かっていた情報はすべてエクイタブル側に報告していた」と反論し、「裁判によって責任を転嫁しようとしているだけで、エクイタブルは契約者のお金をどぶに捨てているようなものだ」と強く批判したとの由。

伊藤忠商事の子会社がIT会社との間で架空取引

 NHKは13日に「子会社が架空取引に関与 伊藤忠商事 決算で221億円下方修正」を配信し、大手商社の伊藤忠商事は、子会社が大阪のコンピューター関連会社との架空取引に関与していたとして、過去5年間のグループの連結決算について売上高にあたる売上総利益をあわせて221億円下方修正すると発表したと報じる。発表によると、伊藤忠商事の子会社「伊藤忠テクノサイエンス」が、大阪のコンピューター関連会社の「メディア・リンクス」との間でテレビモニターやコンピュータシステムの売買が行われたように装い架空の取り引きを繰り返していたとのこと。

共同監査の問題点提示

 14日付け日経金融新聞10面に「企業会計審、共同監査の問題点整理、基準見直し案に反映へ」の記事。
 記事は、金融庁の企業会計審議会が監査法人のガバナンス(企業統治)について、監査手続きに複数の監査法人が絡む場合の問題点を整理すると報じる。1社を複数の監査法人がみる「共同監査」や親会社と子会社を別々の監査法人がみる「グループ企業監査」を想定し、議論の結果を今夏にまとめる「監査基準」の見直し案に盛り込む方針とか。このほど開いた審議会の監査部会で、事務局を務める金融庁が論点として委員に提示したもので、審議会ではグループ会社の監査で、各社が別々の監査法人と契約していたり、合併があったため二つの監査法人が一つの会社を共同監査したりする例などが示されたとか。全体の監査責任を負う監査法人がいなかったり、いた場合でも監査内容が不十分だったりする問題点が浮上しており、「手続きが複雑で監査の質を保てていないのでは」という声もあり、見直す方向で一致した。

会計士の処分基準が固まる

 14日付け日経金融新聞10面に「不正監査、意図的なら登録抹消――金融庁が会計士の処分基準」の記事。
 記事は、金融庁が作成していた不正な監査をした公認会計士や監査法人の懲戒処分指針が最終的にまとまったと報じる。意図的に虚偽の監査証明を出した場合、会計士は登録を抹消され、監査法人は3カ月間、業務停止とするとのこと。計画性がないと認定されれば、6カ月、1カ月の業務停止を命じられるとか。昨年4月に改正公認会計士法が施行されたのを受けた措置。昨年4月1日にさかのぼって適用されると記事は伝える。金融庁は個別事情に応じた処分内容を具体的に示し、会計士の処分では、虚偽証明がおおむね5年以上にわたり続いていた場合は、悪質と判断して重くする一方、企業が隠ぺい工作をしたり、「意見不表明」など一時的でも虚偽を指摘する姿勢があった場合は軽くするとのこと。同時に、公認会計士法に違反した場合の処分規定も示し、監査報酬以外で金品などをもらった会計士は3カ月間、他人に会計士の名義を貸した場合は2カ月間の業務停止とするとのこと。検査忌避や虚偽答弁のあった監査法人は1カ月の業務停止とか。停止処分を無視するなど悪質な法令違反が見つかれば、金融庁は解散命令を出すと記事は伝える。

関連:公認会計士・監査法人に対する懲戒処分等の考え方

カネボウの粉飾決算

 13日付け日本経済新聞朝刊1面に「カネボウ粉飾2000億円、99―03年度、過去最大規模に――旧経営陣刑事告発へ」の記事。
 記事は、カネボウ旧経営陣の粉飾決算問題で、不適正な会計処理による粉飾の総額が2004年3月期までの5年間で約2千億円に上っていたことが、同社と監査法人の内部経理調査で明らかになったと報じる。不採算関連会社の連結外しなどで損失を小さく見せかけていたとのこと。事業会社の利益操作としては過去最大規模とか。カネボウの新経営陣は過去5年分の有価証券報告書を訂正するとともに、旧経営陣を刑事告発する方針とかだ。カネボウは2004年3月期以前の数年間、債務超過に陥っていた公算が大きくなり、株式上場廃止基準に抵触する可能性があるが、カネボウを支援する産業再生機構は「非上場企業だと事業再生戦略に影響が出る」として、東京証券取引所に上場維持を要請する見通しとか。昨年4月に設置した内部調査組織「経営浄化調査委員会」(委員長・鈴木祐一弁護士)は昨年10月、02年3月期と03年3月期に限った調査で約100億―300億円の連結最終利益の粉飾があったと指摘し、これを受け昨年11月からカネボウは監査法人のトーマツと、04年まで監査を担当した中央青山監査法人とともに00年3月期までさかのぼり、現行の会計基準に沿って調査していたとの由。調査結果によると、売り上げの過大計上と経費の過少計上による粉飾が約280億円、経営支援をしていた取引先の毛布メーカー「興洋染織」など不採算関連会社を連結対象から外したことや長期滞留在庫の損失未処理なども含めると、連結最終利益段階での粉飾額は計約2千億円に上るとか。カネボウは産業再生機構の支援を受け経営再建中で、04年3月期には粉飾と見込まれる分を含め3500億円の特別損失を計上しているが、今回の調査でこのうち過半が粉飾と認められたことになると記事は伝える。

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金沢市の16年度包括外部監査

 13日付け日本経済新聞地方経済面8面に「「金沢市の施設、落札率高い」、外部監査人が指摘」の記事。
 記事は、金沢市の包括外部監査人である公認会計士が12日に発表した16年度の監査結果について、市営施設の建設・取得や管理をテーマに監査し、「金沢市の落札率(予定価格に対する落札価格の割合)は高い傾向にある」と指摘し、指名競争入札から、より競争が促進される電子入札と組み合わせた制約付き一般競争入札へ切り替えるよう求めたと報じる。

IT企業監査の難しさ

 12日付け日経金融新聞4面に「問われるIT企業の決算――取引実態の把握難しく(新興市場トピックス)」〔遠藤繁〕の記事。
 記事は、情報技術(IT)関連企業の決算に厳しい視線が集まっており、日本公認会計士協会はこのほど、IT企業の会計に関する監査上のいくつかの問題について論点整理を公表したと報じる。ソフトやコンテンツ(情報の内容)の開発、権利ビジネスは目に見えず、実態が分かりにくいため、収益根拠が問われる局面では、経営者による丁寧な説明が欠かせないとの判断だと記事は伝える。顧客管理システム構築のイーシステム(4322)が3月に開いた株主総会では、同社が、粉飾決算で上場廃止になったアソシエント・テクノロジー(大分市)との取引関係などで知られるのに、アソシエントとの関連を尋ねる質問はなく、総会は約1時間で終了したが、そのイーシステムは昨年12月、突然中央青山監査法人を解任したことで注目されたとか。中央青山が監査の過程でイーシステムに対し、取引先のA社と、A社が外注した先のB社との取引内容を確認するため、確認書をA社に送付したいと打診したところ、イーシステムは「A社とB社の守秘義務に触れる」ほか、「A社にしてみれば、開示することで利益額が分かってしまい、イーシステムにB社を含む顧客を奪われる、と反発されかねない」と、申し出を断ったとか。中央青山は調査が必要との姿勢を崩さず、結局イーシステムは監査法人をASG監査法人(東京)に変えたとの由。中央青山の要請に応えることは「A社からの信頼を失うことになる」(渡辺博文社長)との由。イーシステムによれば、中央青山は株主総会の招集通知に調査の正当性を主張するコメントも載せたが、解任に対して反論する機会だった総会には出席しなかったとか。IT業界では外部委託した作業がさらに別の会社に流れる取引が珍しくないが、実態が伴っていれば問題ないものの、その“実態”が伝票の確認だけでは把握しにくく、監査上「分かりにくい部分」になっていると記事は伝える。イーシステムが監査法人を解任した件について、監査法人の間では「監査の限界なのではないか……」とIT企業に対する監査の難しさを訴える声があるとか。こうした事情を踏まえ日本公認会計士協会が「情報サービス産業における監査上の諸問題について」と題した報告書を3月にまとめたが、これは、各監査法人への意見聴取をもとにIT産業の取引の特質を明らかにし、「十分な職業的猜疑(さいぎ)心をもって深度のある監査」をするよう求めていると記事は伝えるが、「懐疑心」ではなかったかな。この中では、価値が全く変わらずただ横から横へ流し帳簿上売り上げを立てる「スルー取引」や製品が最終的に発注企業に戻ってくる「Uターン取引」、複数企業が互いに販売し合い在庫を保有しあう「クロス取引」などを問題のある異常な取引として挙げているとか。アソシエントは昨年11月、社内調査の結果として「売り上げの計上についても、取引先から仕事を受注しそれを外注先に回す取引において、金の流れのみ存在し取引実態が社内では解明できないいわゆる『スルー取引』が多数存在した」と公表し、「業界の慣行」の存在を疑わせたとか。この論点整理を昨年末からまとめてきた同協会の増田宏一副会長は「監査する側への注意喚起が主眼で、疑わしい場合は踏み込んで欲しい」と話しているとか。報告書の末尾では財務会計基準機構内にあり、会計処理や開示の基本ルールを決める企業会計基準委員会に対し、収益の認識に関し「明確な会計基準の設定を提言する」と結んでおり、同委員会も提言を受け、早ければ4月中にも問題点の把握や整理に乗り出す考えと記事は伝える。

米国基準によるMTFGのUFJ吸収の表示

 11日付け日経金融新聞3面に「UFJ買収4兆3400億円――三菱東京の米提出仮定計算、時価純資産マイナス」の記事。
 記事は、米国方式で三菱東京フィナンシャルグループがUFJホールディングスを買収したと仮定した場合の買収総額が約4兆3400億円に上ると報じる。UFJの計算上の「時価純資産」がマイナスで、三菱東京が計上する営業権(のれん代)は買収総額よりさらに膨らむことになり、この分は将来の期待収益と見ることになるが、この計算が投資家の注目を集めそうだと、会計基準の本質を理解していない記者は伝える。馬鹿げた記事。

公認会計士が応募しなかった

 12日付け日本経済新聞西部夕刊20面に「公認会計士、応募ゼロ、監査事務担当問い合わせも3件、大阪市政改革」の記事。
 記事は、抜本的な市政改革を目指すため、大阪市が監査事務担当の公認会計士を公募したところ、締め切り日までに1人も応募がなかったと報じる。問い合わせも3件だけだったとか。市監査・人事制度事務総括局は公募採用をあきらめ、日本公認会計士協会近畿会や大手監査法人などに協力を依頼し、人材確保を目指すとのこと。同局によると、職員厚遇やカラ残業問題の再発防止のため会計士採用を決めて3月に条例を制定し、大企業の監査経験がある会計士2人を、課長級と係長級職員として任期3年で5月上旬に採用しようと計画し、3月30日から市のホームページや日本公認会計士協会近畿会を通じて募集したが、今月11日の締め切り日までに3件の問い合わせがあっただけで、いずれも「任期が3年しかなく、その後の仕事が不安だ」など消極的なものだったとの由。関淳一市長が本部長を務め、設置期間が2年間の市政改革本部も会計士を採用する方針だが、同様に難航しそうだと記事は評する。

公認会計士の処分は協会のラインの外に置く

 12日付け日本経済新聞朝刊19面に「公認会計士協会、会計士処分に独立組織、外部人材も登用」の記事。
 記事は、日本公認会計士協会が会計士に対する懲戒処分について、会長や理事会の指示が及ばない独立組織が決定する方式に改めると報じる。独立組織には法律専門家や学識経験者など外部の人材を登用するとのこと。処分の決定を独立性の高い組織に委ねることで、協会の透明性を高めるとか。7月の総会で正式決定し、年内に新組織を発足させると記事は伝える。新組織の名称は「綱紀審査会」と言い、会長や理事長といった協会の業務執行ラインから独立させて会長などが決定に直接関与できないようにし、7人の委員で構成して弁護士などの法律専門家を含めた外部の学識経験者を3人以上加えるとか。将来的には委員の過半数を外部人材が占めることも検討するとのこと。従来は協会内部で会計士の業務審査から処分決定まで内部組織で実施してきたが、公認会計士法の改正で、金融庁に公認会計士・監査審査会が設立され、会計士協会に監査や協会運営の透明性を求められるようになったことや、国際会計士連盟でも懲戒処分の決定は外部組織にすることが望ましいとしていることから、処分決定のやり方を改めることにしたと記事は伝える。

道警の内部調査では署名強要はなし

 10日付け日本経済新聞北海道朝刊38面に「裏金問題、「署名の強要ない」――旅費受領で道警調査」の記事。
 記事は、裏金問題に関連して道警が現職警察官に対し、旅費を受け取ったとする虚偽の文書に署名するよう強要した疑いが出ていることについて、道警が「約十人分の文書で一部、本人の趣旨と異なる部分があったが、署名の強要はなかった」との内部調査結果をまとめたと報じる。道警は約十人分の文書について内容を修正し、裏金問題を調査中の道監査委員に提出したとのこと。道警によると、旅費などの受領について道監査委員の監査と道警の内部調査で食い違いがあり、このため道警は昨年12月以降、監査委員の調査に旅費などを「受け取った記憶がない」などと答えた警察官らに聞き取り調査をしたが、この際、一部の警察官は「受け取ったと思う」などとの内容の文書に署名したものの、署名強要の疑惑が浮上したため、道警が再度調査していたという経緯。道監査委員はこの報告を受けて、6月にも最終的な監査結果を発表する予定と記事は伝える。

関連:監査委員に対する説明を翻させようとする働き掛け

新潟県の外部監査結果への対応策

 8日付け日本経済新聞地方経済面22面に「資産運用差損、「引当金計上を」――県、出資法人に改善指導」の記事。
 記事は、新潟県が7日、県の出資法人に対して、16年度決算で外債運用の評価損に対応した引当金を計上するよう指導したことを知事が記者会見で明らかにしたと報じる。県の出資法人が基本財産を円建て外債で運用していることについて、外部監査で「リスク管理が不十分」などと指摘されたのに対応したとのこと。基本財産などの運用について、県は具体的な指針を17年度に作成する方針とか。県の外部監査人による調査では県文化振興財団、ニューにいがた振興機構、県社会福祉協議会など6団体が基本財産の一部を円建て外債で運用しており、為替水準により利率が変動するデュアルカレンシー債などの仕組み債が主体で、調査時点では全団体が時価(基準価格)が取得価格を下回り、含み損を抱えているとのこと。いずれも満期まで保有する目的で、直ちに損失が発生するわけではないが、デフォルト(債務不履行)リスクも抱えていて、影響を最小限にとどめるため、県は差損の補てんを目的にした特定預金(基本財産評価損引当預金=仮称)を設け、計画的に積み立てるよう指導したとか。県民への情報開示を徹底、基本財産の時価などを財務諸表の注記として記載するよう求めたとも。

米連邦住宅抵当公社の不正経理は根が深い

 日経は7日に「米住宅公社、不正会計さらに発覚」〔ニューヨーク=豊福浩〕を配信して、米連邦住宅公社監督局(OFHEO)のファルコン局長が6日の米議会証言で、監督対象機関である米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)で不適切な会計処理がさらに見つかったと証言したと報じる。不正会計問題を踏まえ、同局長は、(ファニーメイが)財務諸表を通常求めらる期限通りに発表できるようになるには数年かかると語ったとか。

米国市場への上場が2年連続で実績ゼロ

 7日付け日本経済新聞朝刊11面に「日本企業、冷める米上場熱、2年連続で新規ゼロ――厳正開示の負担重く」の記事。
 記事は、オムロンや富士写真フイルムなど米国上場を目指していた企業が相次いで計画を凍結しており、2003年度から2年連続で新規上場ゼロの異例な状態になっていて、日本企業の米国株式市場への上場意欲が急速に冷え込んでいると報じる。米上場が必ずしも日本の投資家の評価につながらなくなっていることに加え、米企業改革法が上場企業に厳しい不正防止策を求めているためと記事は評する。エンロン事件を契機に02年7月に成立した米企業改革法は、外国企業にも財務情報の作成で不正が起こらないよう厳しいチェック体制を求め、外部監査も義務付けていて、事務負担に加え、監査費用も数億円から十億円規模で増えていて、「対応に苦慮して上場を見送った企業も多い」(ニューヨーク銀行)と記事は伝える。

米国の監査費用は4割増

 7日付け日経金融新聞9面に「米企業、監査費用4割増、昨年有力23社、内部統制強化で――会計の信頼回復に負担」〔ニューヨーク=深瀬敦子〕の記事。
 記事は、米国で企業が監査法人に支払う監査費用が急増していると報じる。米調査会社の調べでは、有力企業23社の2004年の監査費用が前の年に比べ約4割増えたとのこと。02年に成立したサーベンス・オクスレー法(企業改革法)で企業に内部統制の体制整備を義務付けるなど、監査ルールが強化されているためで、監査報告に欠点がないか神経質になる企業も多く、会計の信頼回復に向けた企業の負担が高まっていると評する。米調査会社オーディットアナリティックス・ドット・コムが、ダウ工業株30種平均の構成銘柄のうち23社を対象に、米証券取引委員会(SEC)への提出書類をもとに毎年集計している調査によると、04年の監査費用の合計は、前の年に比べ38.8%増の5億3千3百万ドル(約五百七十億円)にのぼったとか。同社は、各社の監査費用が増え、監査内容にも神経質になっているのは、2002年にサーベンス・オクスレー法が成立し、会計の情報開示関連の義務が厳しくなったためで、同法では、会計の不正や誤りを未然に防げるよう、企業は内部統制の仕組みを新たにつくり、監査法人から監査証明を受けるよう義務付けているとか。

IT企業監査の厳格化はIT企業の健全化に繋がる

 7日付け日経産業新聞5面に「会計監査の厳格化――ソフト開発健全化促す(ITビジネスの深層)」〔日経コンピュータ
編集委員 中村建助〕の記事。
 記事は、日本公認会計士協会が3月に発表した「情報サービス産業における監査上の諸問題について」という報告書について、昨年からIT(情報技術)業界の企業で相次いだ不正な決算の再発防止を意図したものであり、具体的な留意点を示すことで、IT企業に対するより厳格な監査を促していると伝える。そして、この報告書が契機となって、IT業界にシステム開発の健全化という大きな変革が起こる可能性があると評する。日本のコンピューターメーカーやシステム開発会社は長年、ソフト・サービス事業の収益向上を言い続けてきたが、システム開発による利益を確実に計上することは、専門家のはずのIT企業にとっても簡単ではなく、決算発表を控えたこの時期、毎年のように大手IT企業が「大型開発案件の遅れ」などを理由に業績の下方修正を発表していると紹介する。システム開発は、1件の失敗プロジェクトが残りの利益をすべて吹き飛ばしかねない性格を持ち、数十人の技術者がかかわるプロジェクトの場合、システムの開発が1カ月遅れるだけで、IT企業は数千万円単位の追加出費が必要になるが、発注した企業が追加分を支払ってくれないことも多く、そうなれば、企業の収益にも大きな影響を与えるとも。システム開発会社もこの問題を重視しており、プロジェクトマネジメントやソフトの開発生産性の向上策など、様々な対策を打ってきたが、それでも、なかなか実態が変わらないのが現状との由。IT業界に対する監査の厳格化は、この状況を変える起爆剤となり得ると記事は評する。報告書の内容を踏まえ、2004年度決算から米国の会計基準に合わせた監査を始めようとしている監査法人もあるとか。

IASBの評議員選出で妥協案提示か

 7日付け日経金融新聞9面に「国際会計基準評議会、地域配分米に譲歩、同数案軸に――欧州委員が示唆」〔ブリュッセル=田村篤士〕の記事。
 記事は、欧州連合(EU)のマクリービー欧州委員(域内市場担当)がブリュッセルで講演し、国際会計基準(IAS)の財団評議会の運営方法で米国と溝が深まっていることに関し「交渉ごとで、一定の妥協は必要かもしれない」と述べ、譲歩の可能性を示したと報じる。欧州の有力会計士団体イングランド・ウェールズ公認会計士協会(ICAEW)がブリュッセルで開いた大会で語ったとのこと。出身国アイルランドで会計士の資格を持つマクリービー欧州委員は、「会計基準の共通化が企業のコスト負担の軽減につながる」と強調したとか。財団評議会は国際会計基準理事会(IASB)を運営・監督する組織で、各国は評議員の地域別配分の見直しを検討しており、米国の影響力を削りたいEU側が米国枠の削減を求めて論議が暗礁に乗り上げているが、マクリービー委員は「評議会議長のボルカー氏を尊重したい」と指摘して同氏のまとめた「欧米同数案」への譲歩を示唆したと記事は伝える。大会では日本の金融庁の式部透・国際担当参事官が講演して日本基準の継続利用を欧州市場で認めるよう訴え、マクリービー欧州委員は講演で、日本の会計基準とIASの共通化作業が始まったことを歓迎したが、進展度の具体的な評価は避けたとか。

中小企業会計基準の統一が始まった

 6日付け日本経済新聞朝刊1面に「中小企業会計、時価会計を部分導入、日商など統一指針――透明性を向上」の記事。
 記事は、日本商工会議所、企業会計基準委員会、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会の4団体が検討委員会を設置し、5月をめどに中小企業を対象にした新たな会計指針「中小企業の会計に関する指針」を策定すると報じる。従来、ばらばらだった会計指針を統一するのが目的で、上場企業に比べて簡便ながら、部分的に時価会計を取り入れることなどで中小企業会計の透明性を高め、金融機関などが融資をしやすくなるような環境を整備する狙いとのこと。経済産業省も中小企業に新会計指針を指導する専門家の育成などでこれを支援し、官民の協力で新会計指針を今後3年間で30万社程度に普及させる計画とか。対象は中小企業基本法で定める資本金3億円までの非上場の中小企業で、全国で120万社程度に上るが、経産省は今後3年間でまず全体の4分の1が実際に指針に基づいて財務諸表を作成することを目指していると記事は伝える。具体的には損益計算書、貸借対照表について上場企業の基準を準用した簡便な形式を取り、貸借対照表には、株式などの有価証券を取得価格(簿価)ではなく、時価で評価する時価会計を一部導入し、短期の売買目的で持つ有価証券については上場企業と同様に時価評価を適用するとのこと。ただ、取引先など長期保有を前提にした株式については上場企業とは異なり、総資産に占める割合が少ない場合は時価評価の対象から外すとか。減損会計については厳格な基準は盛り込まず、長い間塩漬けになった不良資産など、時価が簿価の半分以下になった場合などに限定して損失処理を適用するにとどめるとか。
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