出張旅費の一律グリーン料金支給

 わかやま新報サイトが6月27日に掲出した「差額返還拒否は不当 市議が出張費で提訴」は、和歌山市議が行政視察で鉄道を利用する際、自由席や指定席を使ってもグリーン車料金が一律に支給され、差額の返還が認められないのは不当だとし、林隆一市議(日本維新の会県総支部代表代行)が26日、差額の返還を請求するよう尾花正啓市長に求める住民訴訟を和歌山地裁に起こしたと報じる。記事によると、林市議と同じ維新会派の山野麻衣子市議の2人が29年10月27日、岐阜県大垣市への行政視察の際、グリーン車に乗らないことを事前に申告し、指定席を利用したところ、市がグリーン車料金を支給し、差額各6500円を返還しようとしたものの、公職選挙法が禁じる寄付行為に当たるとして認められなかったと、林市議が語っているとのこと。市の対応について林市議は、市職員等旅費支給条例の「(市長は)過払金があった場合には、所定の期間内に当該過払金を返納させなければならない」との規定に違反すると主張しているとか。林市議は今月15日の市議会一般質問で、グリーン車料金の一律支給を見直す条例改正を求め、尾花市長は「移動による疲労を軽減することを第一義に支給しているもので、現行の定額支給を継続していきたい」と答弁しているとの由。

市が甲子園出場した高校の後援会へ補助した事例

 河北新報サイトが4月21日に掲出した「一関学院高甲子園補助金訴訟 盛岡地裁、市に返還請求命じる」は、22年夏の全国高校野球選手権大会に出場した一関学院高(一関市)の学校後援会に交付した市の補助金1000万円が不適切に使われたとして、補助金を返還させるよう市長に求めた住民訴訟の差し戻し審判決で、盛岡地裁が20日、420万円の返還請求を市に命じたと報じる。記事は、裁判長が、後援会が補助金の使途として申請していた交通、宿泊費以外の支出について「返還請求を怠ることは違法」と指摘し、後援会が既に解散しており返還請求できないとする市の主張を退けたと伝える。一審盛岡地裁判決は26年12月、住民訴訟の前提条件となる住民監査請求の内容に不備があるとして訴えを却下し、二審仙台高裁判決は27年7月、訴訟要件は満たされていると判断して地裁に審理を差し戻したとのこと。最高裁が28年6月、市長の上告を退けて仙台高裁判決が確定し、地裁で再び審理していたとの由。判決によると、市の補助金1000万円は、市民の寄付などと合わせて計約4320万円を学校後援会が一括管理しており、うち約1700万円は甲子園から2カ月以上後に支出された上、領収書がないなど使途が明確でないと指摘されたという。

議会決定範囲は議会の意思

 産経ニュースサイトが3月22日に掲出した「豪州視察費支出、一部違法 東京高裁判決 埼玉県戸田市議」は、姉妹都市との交流を目的とした埼玉県戸田市議5人のオーストラリア訪問が実質的な海外旅行だったとして、市民団体が起こした住民訴訟の控訴審判決で、東京高裁が22日、請求通り旅費の全額約240万円を5人に返還させるよう神保国男市長に命じた一審さいたま地裁判決を変更し、計22万5千円に減額したと報じる。裁判長は「市議会は姉妹都市であるリバプールへの派遣を決定しており、シドニーの視察は目的から逸脱し違法だ」と述べたとのこと。判決によると、5人は平成25年10月16~21日、オーストラリアを訪問し、リバプールには実質的に1日しか滞在せず、3日かけてシドニーや郊外の観光名所を訪れていたとの由。

 議会決定範囲が議会の意思とするのは、財政議会主義の反映。

住民監査請求の2日後の補填

 岐阜新聞Webが1月13日に掲出した「過大支出分返還の住民監査請求棄却 安八町監査委員」は、28年10月にあった岐阜県安八郡安八町と大垣土木事務所の職員の懇親会で、町が支払った費用が不当に高額として、同町の男性会社員(41)が、町長に対し過大支出分を町に返還させるよう求めた住民監査請求で、町監査委員が、請求を棄却したものの、「不適切な公金の支出があった」と認めたと報じる。監査結果によると、懇親会には町と同事務所から各7人が参加し、その費用総額23万4792円を、同事務所職員が1人5千円を負担した上で、町が残額19万9792円を一般会計に計上して支払ったとのこと。29年11月7日の監査請求があった2日後に、計19万円余を出席者全員が一般会計に補てんし、監査委員は、監査を実施した昨年12月時点で不当な支出はなかったとして請求を棄却したものの、「行政の事業は町民の税金で賄われていることに鑑み、不信感を抱かれないようにすべき」と指摘したとの由。町は「懇親会は私費で開き、後日徴収するつもりだった。一般会計から支払うことになった経緯に覚えがない」と説明し、男性は「監査請求されたから補てんしたとしか思えない。払えば済むことなのか」と話したと記事は伝える。

徳島県の財団に対する委託料の監査請求

 徳島新聞サイトが1月10日に掲出した「記念オケ事業費の返還請求を棄却 徳島県監査委員」は、徳島県がとくしま国民文化祭記念管弦楽団(とくしま記念オーケストラ)事業で県文化振興財団に支払った業務委託料に違法性があるとして委託料5160万円を県に返還させるよう飯泉嘉門知事に求めていた住民監査請求で、県監査委員が請求を棄却したと報じる。記事によると、請求は、28年度の第九演奏会の委託料増額分3660万円と短編映画祭でのシネマオーケストラの委託料1500万円を合わせた計5160万円の随意契約について「主な業務を民間事業者に再委託しており、財団が業務を受託できる唯一の団体ではない」などと違法性を指摘していたとのこと。これに対し、監査結果は「業務の主たる部分は、財団が担っている演奏会の総合調整であるとの県の見解は一定の合理性がある。財団を選んだことに裁量の逸脱や濫用があったとはいえない」としたという。
 徳島県監査委員のサイトには17日現在で監査結果は掲出されていないが、徳島県報道提供資料のページには掲出されている。

鳴門市の競艇補助金訴訟で高裁判決

 毎日新聞サイトは8月5日に「競艇補助金訴訟 鳴門市長らに支払い命令 高裁が1億1800万円 /徳島」を掲出し、鳴門競艇場を運営する鳴門市が交付した補助金を返還するよう求めた住民訴訟の差し戻し控訴審で、高松高裁が3日、泉理彦市長らに約1億1800万円の支払いを命じたと報じる。

補助金交付要綱決定前に完了した事業を補助対象にすることの是非

 東京新聞サイト栃木ページに8月6日に掲出された「ロケ誘致訴訟 元足利市議の請求棄却」〔稲垣太郎〕は、26年12月に公開された映画「バンクーバーの朝日」の撮影を足利市内で行った制作会社に補助金2千万円を交付したのは違法だとして、元足利市議(42)が和泉聡市長に損害賠償などを求めた住民訴訟で、宇都宮地裁が4日付で交付は適法として原告の請求を棄却したと報じる。 「バンクーバーの朝日」の撮影では市内に大規模なオープンセットが建設され、ロケーション活動は26年6月30日に終了したが、市の「市ロケーション誘致促進事業補助金交付要綱」は、翌7月1日に施行されており、元市議は、補助金の交付決定前に終了した撮影に、ロケーション誘致を目的とした補助金を交付したのは因果関係がなく、裁量権を逸脱、乱用したとして、和泉市長に対し、制作会社に返還を求めるよう訴えていたとのこと。判決では、補助金交付の目的はロケーション活動を誘致することだけに限られているとは解することができず、和泉市長が裁量権を逸脱、乱用したとも認められないなどとしたとの由。

事実証明が不十分な部分を監査対象から除外した事例

 大分合同新聞サイトが7月31日に掲出していた「県議の車燃料代、監査請求を棄却」は、26年度の県議会の政務活動費として、当時の県議38人が領収書を添付せず自家用車の燃料代を受け取ったのは不当だとして、おおいた市民オンブズマンが計約1350万円の返還を求めた住民監査請求で、県監査委員が19日付で請求を棄却したと報じる。監査委員は「領収書があっても、そのうちいくらが政務活動目的で使われたかは判別できない。全国37府県でも同じ方法が採用されている」と指摘し、オンブズマンの請求を退け、その上で、県議会が政務活動費の在り方を検討する協議会を設置したことに触れ「各会派間での協議・検討により一層の透明性が向上することを期待する」と意見を付したと記事は伝える。同年度の政務活動費では中津市選挙区の毛利正徳県議(自民)が、地球1周半以上を自家用車で走行したと申告して約245万円を受け取り、その後、返還しており、監査請求で、オンブズマンは返還額の利息分の返納を求めたが、監査委員は「請求を裏付ける事実が客観的に証明されていない」として監査対象から除外したとのこと。

大分県7月20日付け公報:平成26年度政務活動費に関する債権の管理に関する請求

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絵画寄贈者の接待は許容範囲と地裁

 毎日サイトが7月16日に掲出した「湯沢市公金訴訟 懇親会費は妥当 住民の請求棄却 地裁 /秋田」〔山本康介〕は、湯沢市の公金支出は不適切として、市民団体「湯沢生活と健康を守る会」の会員が返還を求めた住民訴訟の判決で、秋田地裁が15日、絵画寄贈者らとの市主催懇親会に支出された食糧費11万5700円は違法ではないとして、斉藤光喜市長らに食糧費を返還させるよう求めた請求を棄却したと報じる。原告側が起こした6訴訟のうち、3件目の判決であり、これで原告側は1件で勝訴、2件で敗訴となったと記事は伝え目。原告側は26年5月13〜15日、市が絵画寄贈者を招いて開いた懇親会で支出した宿泊費などの接待経費の返還を求めていたが、判決は懇親会について「感謝の意を表することを目的としており、必要性に欠くものとは認められない」と指摘し、斉藤市長ら2人が宿泊した必要性について「接遇の範囲として相当。旅費の支出が違法になるとまでは認められない」としたとのこと。

条例に基づかない退職金は違法

 毎日サイトが7月17日に掲出した「競艇補助金返還 鳴門市が逆転敗訴 最高裁、高松高裁へ差し戻し /徳島」は、鳴門市が運営するボートレース(競艇)事業を巡り、市が交付した補助金を返還させるよう泉理彦市長に求めた住民訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷が15日、交付を違法と認めて住民敗訴の2審判決を破棄し、審理を差し戻したと報じる。高松高裁が返還額を審理するとのこと。判決によると、市は22〜24年、競艇職員の共済会に補助金計約1億1800万円を交付し、共済会は全額を退職した臨時職員の餞別に充てたが、当時、餞別について定めた条例はなかったとのこと。1審・徳島地裁と2審・高松高裁判決は、餞別を退職金と認めた上で「一般の市職員と同様の働き方をしており、支給は正当だ」などと判断したが、最高裁は「退職金であれば条例に基づかなければならないのに規定がなく違法だ」と指摘したと記事は伝える。
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