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道路陥没の原因者負担が徹底されていないことを指摘

 日経XTECHサイトは10月24日に「ニュース解説:土木  路面下の空洞調査、水道事業者などにも費用負担を」〔山崎 一邦=フリーライター〕を掲出し、会計検査院が10月17日、水道管など道路の占用物が陥没の原因となることが少なくないことから、占用物を管理する事業者にも路面下の空洞調査の費用を負担させるべきだと指摘したと報じる。現在、道路管理者だけの負担で調査するケースが大半であるため、国土交通省に改善を求めたの由。記事によると、陥没につながる路面下の空洞を発見するため、国や自治体は毎年、多額の費用を投じて調査会社にレーダーで地中を探査する業務を委託しており、検査院が、国の10機関、13道府県、47市区町の計70機関が2016年度と17年度に実施した空洞調査の状況を検査し、費用の負担や空洞発生の原因などについて調べたところ、154件の調査業務のうち、106件で1309カ所の空洞が見付かり、このうち481カ所は原因を特定できたとのこと。そのうち、道路下の占用物に起因するものは193カ所になっていたとか。

 会計検査院サイトでは、「一般国道等の路面下空洞対策に係る費用の負担について」(PDF形式:298KB)会計検査院法第36条の規定による意見表示を10月17日に行ったことを発表している。

36条行使に当たっては対象を取り上げた背景を説明する必要がある

 日経サイトは10月22日に「架空の納品検査書5件作成 厚生労働省、検査院調査で判明」を掲出し、25~29年度に厚生労働省が外部業者に発注したデータ入力業務94件のうち5件で、期限内に納品されていないのに同省側が「納品された」との架空の書類を作成し、代金計約1685万円を支払っていたと報じる。会計検査院の調査で分かったもので、検査院は同省に契約事務の適正化を求めたとのこと。記事によると、日本年金機構が情報処理会社「SAY企画」(東京・豊島)に委託したデータ入力業務にミスが相次ぎ、年金の過少支給が生じた問題を受け、検査院が厚労省の契約事務の実態について、SAY企画や同業者らに発注した94件を対象に調べたところ、5件で検査担当の同省職員が納品前に虚偽の納品検査書を作成していたとの由。実際の納品は数週間~半年後だったとか。また、SAY企画が同省から委託を受けた業務の一部を下請けに出す際、必要な同省への申請手続きが行われていないケースも25~27年度に計4件(総額約2億2000万円)あったとか。いずれも海外業者に再委託しており、検査院は「機密保持の観点からも適切ではない」と指摘したとのこと。同省監査指導室は「事実関係を確認し、職員の処分も含め厳正に対処するとともに、再発防止に努めたい」としていると記事は伝える。

 会計検査院サイトは、本件について「会計検査院法第34条の規定による処置要求及び同法第36条の規定による処置要求」として掲出している。日経の記事では、検査の背景として「……問題を受け」との記述があるが、発表された本文(PDF形式:409KB)には、問題の記述はあるものの、「問題を受け」などといった記述はない。このため、サイトの発表文は「会計検査院は、合規性等の観点から、厚生労働本省が締結したデータ入力業務等の請負契約等について、会計事務は会計法令等に従って適正に行われているか、契約は契約書、仕様書等どおりに適切に履行されているか、厚生労働省が実施することとしている再発防止策は十分なものとなっているかなどに着眼して検査しました。」という、これだけでは意味不明なものになっている。前段の「会計事務は会計法令等に従って適正に行われているか、契約は契約書、仕様書等どおりに適切に履行されているか、」は常時行っていることであろうし、唐突に再発防止策といわれても意味不明である。

商工中金の危機対応融資

 日経サイトが10月4日に掲出した「商工中金の危機対応融資、所管省庁の承認手続きに問題 会計検査院」は、会計検査院が4日、政府系金融機関、商工組合中央金庫(商工中金)への検査結果を発表したと報じる。同金庫は災害や経済の急変に対処する公的な「危機対応融資」で組織的な不正が29年に判明していており、中小企業庁など所管省庁が十分に調査せずに、融資を認めていたと指摘していて、制度を担う省庁のずさんな対応も浮き彫りになったと記事は評する。商工中金では、税金を原資とする危機対応融資で不正が明らかになっており、これを受け会計検査院が検査していたもので、商工中金は国の危機対応融資の対象になるように、取引先の売上高や純利益の数字などを書き換え、経営悪化で資金が必要なように見せかける不正を全国の支店で繰り返したとのこと。危機対応融資は所管省庁(経済産業省=中企庁、財務省、農林水産省)が大災害や急激な円高などの経営環境の変化を「危機」と認定し、資金繰りが厳しくなった企業に低利・長期で貸し出す公的な制度で、所管省庁が一般の金融機関にとって通常の条件で融資することが難しい状況になったと判断すれば、使えるようになるが、検査結果によると7件あった危機認定のうち、1件を除いて融資が難しいかどうか一般の金融機関への聞き取り調査をしておらず、「可能な限り調査をしたうえで的確に判断する」ように求めたとの由。会計検査院は533の金融機関に危機対応融資に関するアンケート調査も実施しており、この融資のあり方を聞いたところ「見直したうえで存続すべきだ」との回答が54%で最も多く、どのように見直すべきかとの質問には「危機事象の認定を厳格にする」との答えが83%で最多で、「廃止すべきだ」は9%にとどまったとのこと。

 記事がいう会計検査院の検査結果は、会計検査院のサイトに「会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告を行いました。「株式会社商工組合中央金庫における危機対応業務の実施状況等について」」として掲出されている。この検査結果について毎日新聞サイトは「商工中金不正 国の審査に不備複数 会計検査院が指摘」という記事を10月4日に掲出し、「政府系金融機関の商工中金で相次いだ不正の温床となった「危機対応融資」を巡り、国が融資要件の「民間の金融機関による通常の貸し付けが困難な状況」(危機事案)が生じているかを審査する際、民間の金融機関に聞き取りをしないまま認定したケースが複数あることが4日、会計検査院の調べで分かった」と報じている。
 平成20年度決算検査報告には、平成21年次の検査(20年10月から21年9月まで)において検査の対象とした会計として商工中金も記載されており、その注には「「商工組合中央金庫」は、従来国が資本金の2分の1以上を出資している団体であったが、平成20年10月1日に「株式会社商工組合中央金庫」へ転換する際、国の出資の一部が特別準備金に充てられたことに伴い、国が資本金の一部を出資している団体となった。」とある。

東京五輪の取組状況

 朝日新聞デジタルサイトが10月5日に掲出した「東京五輪、3兆円規模に? IOCでも「頭痛のタネ」」〔田内康介、野村周平、前田大輔 編集委員・稲垣康介 高橋淳〕は、「国家的イベントの開催を支えるのに、どれほどの費用がかかるのか。」との書き出しで、4日に発表された会計検査院の調査結果などを合わせてみると、2年後の東京五輪・パラリンピックの関連経費は3兆円規模になると報じる。記事によると、会計検査院が各省庁に、東京五輪・パラリンピックに関連した事業項目の提出を求めたところ、「道路輸送インフラの整備1389億円」、「競技力の向上456億円」、「大会運営に係るセキュリティーの確保69億円」など、その数は286に上ったという。招致前の25年1月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出された立候補ファイルでは、大会経費は8299億円と試算されていたが、28年12月には約1兆5千億円と倍近くに膨らみ、29年12月時点では1兆3500億円となっているとの由。このうち国負担分は約1500億円で、検査院の今回の調査結果は、既にこの約5倍もの国費が五輪関係で支出されていたことを示していると記事は伝える。検査院は、国家的な事業の全体的な経費について「透明化」を求める必要がある、と強調し、大会推進本部事務局には「国民に周知し、理解を求めるため、行政経費によるものも含めて整理し、全体像を対外的に示すこと」を求めたとか。

 4日に発表された会計検査院の報告書とは、29年6月に参議院決算委員会で決定された会計検査要請に対する報告書「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について」であり、会計検査院サイトで公表されている。この報告について産経ニュースサイトは「東京五輪・パラ経費3兆円超か 検査院指摘、国支出8011億円に膨らむ」という記事を10月4日に掲出し、「2020年東京五輪・パラリンピックをめぐり、会計検査院は4日、平成29年度までの5年間に国が支出した関連経費が約8011億円に上ったと明らかにし」、「これまで国の負担分は会場整備費を中心に1500億円としていたが、大きく上回っ」ていて、「検査院は30年度以降も多額の支出が見込まれるとしており、大会組織委員会と東京都が見込む事業費計2兆100億円を合わせると、経費の総額は3兆円を超える可能性が出てきた。」と伝えている。

労災治療計画加算に関する意見表示

 産経ニュースサイトが9月27日に掲出した「「労災治療加算見直しを」 大多数で治療計画書作成されず 会計検査院、厚労省に改善求める」は、病気やけがを負った労働者の労災診療で入院基本料に加算される「労災治療計画加算」について、必要な労災治療計画書が作成されないなど実態を反映した制度になっていないとして、会計検査院が27日、廃止を含めた抜本的な見直しを行うよう厚生労働省に意見書を提出したと報じる。検査院などによると、労災診療費の算定では、傷病労働者の早期の社会復帰を目的に、原則として労災治療計画書を作成することになっており、1回の入院につき1200円が加算されるが、検査院が労災診療費を算定していた7万6714件(支払額約8958万円)を調べたところ、全件で取り扱いに何らかの不備があることが判明したと記事は伝える。全体の96.2%に当たる7万3818件(同約8616万円)は、労災治療計画書の代わりに、通常の保険診療の入院診療計画書を作成しており、378件(約44万円)はいずれの計画書も作成していなかったとのこと。また、労災治療計画書を作成していても、記載項目が入院診療計画書とほぼ同一だったり、「特になし」「不明」など内容に乏しかったりするものがあったとか。大多数の指定医療機関で不適切な取り扱いが判明した形で、検査院は「入院基本料などに加え、労災治療計画加算を設けた趣旨が生かされていない」と指摘しており、厚労省は産経新聞の取材に「検査院の指摘の通りで遺憾だ。廃止を含めた抜本的な見直しをしていきたい」としているとか。

 会計検査院サイトでは「会計検査院法第36条の規定による意見表示」として掲出している。

会計検査院の報告と税制改正

 ダイヤモンドオンラインに掲出された「海外不動産を使う「節税術」風前の灯?会計検査院の影響力が絶大な理由」〔木下勇人:税理士・公認会計士〕は、「2016年11月、会計検査院が「平成27年度決算検査報告」を公表した当時、業界には衝撃が走った。報告の内容が「海外不動産を使った節税スキーム」に対する警鐘だったからだ。」との書き出しで、この節税策が遠からずふさがれるので、早期の実施が必要と説く。そして、遠からずふさがれる根拠として、これまでの指摘例を次のように列挙している〔リンクは本ブログ管理人〕。

(1)小規模宅地等の特例(相続税の大幅節税が可能な特例)に関する規制
 2005年度決算検査報告(2006年公表)による指摘を受けて、2010年度に改正された。これにより、相続税申告での節税戦略に大幅な影響を及ぼす結果となった。
(2)自動販売機設置による消費税還付に関する規制
 2008年度決算検査報告(2009年公表)で、賃貸マンションなどの建築取得にかかわる消費税を、自動販売機を使って還付するスキームが著しく公平性を害すると指摘、2010年に改正された。
 その際、財務省は税制改正要望事項一覧には挙げていなかったにもかかわらず、会計検査院指摘を受けて税制調査会が急遽 動いた経緯がある。それほど、会計検査院による報告は重要視されているのだ。
(3)定期金の評価(保険を使った相続税節税スキーム)に関する規制
 2006年度決算検査報告(2007年公表)で、1億円のキャッシュで個人年金保険に加入し、年金受給権を35年超とすれば評価を2000万円に引き下げることができ、相続税を節税することができるという相続税対策がおかしいと指摘を受けて、2010年度に改正された。
(4)相続税の取得費加算(相続後の土地売却に関する特例)に関する規制
 2011年度決算検査報告(2012 年公表)の、相続税負担のある相続人が相続で取得した土地を売却した場合の税金がかなり優遇される特例が、2014 年度に税制改正された。


 そして、このように反映される理由として「会計検査院が憲法に基づいて設置された“調査機関”だからだ。」と説いている。

補助金未竣功の指摘

 西日本新聞サイトが8月21日に掲出した「職員が虚偽の報告書 国に交付金3200万円返還へ 宮崎市が調査結果発表 [宮崎県]」は、宮崎市が20日、26年度に虚偽の実績報告書を出し受け取った国の交付金3200万円を国に返還すると発表したと伝える。想定される加算納付金を含めた4870万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を、27日開会の9月定例会に提案するとのこと。返還するのは民間事業者の食品加工機器設置に対する交付金で、市によると、当時の市工業政策課の課長級職員など3人が、期限となる26年度内に設置が完了しないにもかかわらず、完了したとする虚偽の実績報告書を総務省に提出していたとの由。会計検査院の指摘で今年5月に問題が発覚し、市は、総務部長や顧問弁護士などでつくる調査チームを結成し、事実確認や問題の原因を調査していたという。市がまとめた調査報告書は、問題発生の原因として、(1)関係職員の法令順守と危機管理意識が欠如していた、(2)関係部署で情報を共有し、伝達しなかった、点を指摘し、背景に組織による縦割りの弊害があるとして、組織の情報共有、伝達の徹底を図る対策などを求めたと記事は伝える。食品加工機器は27年6月までに設置されたとか。交付金返還で設置費用は市の負担となり、市は、関係職員に対する処分や損害賠償請求については、会計検査院の決算検査報告が出た後に判断する方針で、戸敷正市長は「市民に申し訳ない」と陳謝し、「法令順守の欠如は職員として考えられない」と話したと記事は伝える。

課題実状点検活動報告:石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給

 時事ドットコムが7月27日に掲出した「ガス液化できず輸入不可=JOGMEC2200億円支援-検査院」は、独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」(JOGMEC)が民間企業への出資などを通じて関与する天然ガスの開発プロジェクト3件について、ガスを液化する設備がないため日本に持ち込めない状況にあることが会計検査院の調査で分かったと報じる。機構は3件に出資や債務保証で計約2278億円を支援しているとのこと。石油や天然ガスの探鉱、開発には多額の資金が必要な上、採掘してみないと資源があるか分からないなどリスクが高いため機構が出資などで企業を支援しており、産出されたガスは、液化天然ガス(LNG)にしてタンカーで日本に運ぶ必要があるが、機構の支援先企業がカナダで開発する天然ガス田では、液化設備の設置計画が中止になったり、遅延したりしていたとのこと。液化設備を操業する企業には機構が直接関与していなかったという。検査院は「緊急時にわが国に持ち込むには、(天然ガスとLNGを交換する)スワップを円滑に行えるようにすることが必要」などと指摘したと記事は耐える。

 記事が取り上げているのは、会計検査院が7月27日に国会と内閣へ提出した直接随時報告「石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給について」(要旨(PDF形式:197KB)・本文(PDF形式:1,313KB))である。この業績監査の背景について、公式サイトで、次のように説明している。

〔平成〕16年2月の機構発足後、上昇傾向にあった石油価格が下落するなど大きく変動した影響を受けて、世界の石油・天然ガスの資源開発は27年以降に停滞しており、我が国の石油等開発企業、商社等における資源開発投資も同様に落ち込んでいる。このため、我が国の石油等開発企業による企業買収等への支援を可能とするために、28年11月に機構法が改正され、機構の機能が強化された。この改正により、機構は、海外の資源会社の買収や資本提携への支援等をしたり、産油国の国営石油企業の株式を取得したりすることが可能となるなど、出資業務の対象等が拡充されることになった。



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国の公監査の改善効果は1514億円

 時事ドットコムサイトが6月29日に掲出した「1514億円を改善=指摘効果の試算公表-検査院」は、会計検査院が29日、官庁や独立行政法人に不適切な会計処理などを指摘した結果、29年9月までの1年間に523件で計1514億円の財務改善効果があったとする試算を公表したと伝える。検査院によると、国の補助金などで設けられた基金の見直しに伴い、26基金から余剰金838億円が国庫に返納されたとのこと。基金からの余剰金返納は前年の1966億円から大幅に減少したとも。

 検査院サイトの公表はこちら。ちなみに、会計検査院の28年度業務費用は159億62百万円。

監査報告とともに「正誤表」も公表

 読売サイトが5月13日に掲出した「政府の活用されない防災情報システム、刷新へ」は、政府が、災害発生時に把握した情報を一元化して共有する「総合防災情報システム」を刷新し、被災状況を一つの画面の電子地図上で即時に表示する新たなシステムを31年4月に実用化して効率的な救助支援に役立てる方針と報じる。記事によると、総合防災情報システムは、内閣府が23年5月から運用しているが、道路の通行止めやガス漏れなどの被害戸数といった被災情報は、関係省庁などから取り寄せた資料をもとに手入力しなければならず、「作業が追いつかない」(内閣府幹部)状況となっていて、システムはほとんど活用されておらず、厚生労働省や文部科学省、警察庁など13省庁が26年4月~28年12月、一度もシステムに接続せず、内閣府も外部配信機能を使用していなかったと会計検査院が今年4月に指摘した経緯があったという。

 会計検査院の指摘とは、4月13日に会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告として公表された「各府省庁の災害関連情報システムに係る整備、運用等の状況について」であろうが、この公表には「修正後」との説明と正誤表も公表されている。これは、報告書を国会議員へ配布していることを反映した措置と言えよう。

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