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監査の結果の効果を財務上のものに限定せずに公表

 時事通信サイトが6月28日に掲出した「財務改善712億円=検査院が指摘効果試算」は、会計検査院が、官庁や独立行政法人に対して不適切な会計処理などを指摘した結果、平成30年9月までの1年間に5件計712億円の財務上の是正改善効果があったとする試算を28日に公表したと報じる。今回から、公表対象を1件当たり10億円以上に限定したとのこと。検査院によると、最も金額が大きかったのは国庫補助金などで16法人に設置された26基金から国庫に返納された567億円で、この元となる指摘は、検査院が24年度の決算検査報告で報告した基金の適正管理の指摘と記事は伝える。

 会計検査院サイトにおける発表文によると、今回から財務上に限定せずに公表するという。

従前は、財務上の是正改善効果のみを公表しておりましたが、本院の会計検査活動により得られる効果は、前記のように様々なものがあることから、今般、財務上の是正改善効果に焦点を置いた記述ではなく、それぞれの効果についても相応の記述をすることにより、会計検査活動による効果全般に関し理解を深めていただけるよう見直しを行うなどして、表題も「会計検査活動により得られる効果について」に変更しました。


 ある意味、勇気ある取組だが、公表文を見るとFAQまで付いている。昨年までも付いているが、メインは外国ではどうなっているのか、という点だろう。

提案者を非公開にしていることが隠蔽と報じられているようだ

 毎日新聞サイトが6月26日に掲出した「検査院「ヒアリング記録あるはず」 野党、内閣府に提出要求」は、国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の原英史座長代理が指南した規制緩和提案を巡るWGヒアリングが隠蔽されていた問題で、会計検査院は26日、ヒアリングの記録文書について「会計検査のため、内閣府に保存義務がある」との見解を示したと報じる。内閣府は「保存期限を過ぎており記録はない」などとこれまで主張してきたが、検査院の見解を受けて一転、記録が存在する可能性を示唆したと記事は伝える。26日の野党の聞き取りに検査院の担当者が説明したとのこと。

 新潮社フォーサイトが27日に掲出した「『毎日』に乗せられた「野田前総理」国会発言の誤り」〔原英史〕によると、この「隠蔽されていた問題」は、非公開にして提案者を守っている問題という。

企業内保育所に関する処置要求

 信毎webが4月25日に掲出した「企業型保育所 質を伴ってこその受け皿」は、「急ごしらえの制度が空回りしている。」との書き出しで、会計検査院が、企業主導型保育所で大幅な定員割れが生じているとし、所管する内閣府に改善を求めたと報じる。記事によると、保育士の配置基準が緩く、多額の助成金を得られるため各地で整備が進んでいるものの、地域の保育需要とかみ合わないずさんな運用実態が明らかになっているとのこと。政府は近く改善策をまとめるとか。

 会計検査院が改善を求めたことは、会計検査院サイトに23日に次のように掲出されている。

会計検査院法第36条の規定による処置要求を行いました。
企業主導型保育施設の整備における利用定員の設定等について



年金運用の状況

 毎日新聞サイトが4月24日に掲出した「GPIFの年金運用リスクが上昇「丁寧な説明を」 検査院が所見」〔渡辺暢〕は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による年金積立金の運用を巡り、会計検査院が、2014年以降に株式運用の割合が増加してリスクが上昇していると指摘し、「国民への丁寧な説明が必要」との所見を示したと報じる。年金積立金の残高は17年度末で164兆1609億円で、このうちGPIFが運用しているのが156兆3832億円あり、検査院が12~17年度の運用状況などを調査したところ、収益額は15年度を除いて7兆9363億円から15兆2922億円で推移しており、15年度は株価下落で5兆3098億円の損失が出たとのこと。GPIFは14年10月に基本ポートフォリオ(運用資産の構成割合)を大幅に変更しており、国内債券の割合を60%から35%に減らして国内・外国株式の割合を24%から50%に倍増させたていて、変更でリスクとリターンが高まった状況が反映されたとのこと。検査院は「中長期のリスクについて継続して記載すべきだ」と指摘しているとか。GPIFは「市場への影響を考慮した」などの理由でポートフォリオの策定過程を公開していないが、これについても検査院は「一定期間を経過した後に公表するなど、検証可能性を確保すべきだ」としていると記事は伝える。厚生労働省は「指摘を踏まえて適切に対応したい」とし、GPIFは「適切な運用に努めてきたが、一層丁寧な説明をしていきたい」としているとの由。

 記事が報じているのは、会計検査院サイトが4月24日に掲出した「会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告を行いました。〔改行〕・年金特別会計及び年金積立金管理運用独立行政法人で管理運用する年金積立金の状況等について」だろう。この報告はフォローアップの性格があり、先行報告は、平成23年12月に参議院から会計検査の要請を受けて24年10月に報告した「年金積立金(厚生年金及び国民年金)の管理運用に係る契約の状況等に関する会計検査の結果について」である。

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県によって対応がばらばらという指摘

 TBSニュースサイトが3月20日に掲出した「「レセプト審査」めぐり会計検査院が厚労省に意見」は、国民健康保険などの医療費の審査、いわゆる「レセプト審査」のチェック項目が都道府県の国保連合会によって十分に活用されていないことが分かり、会計検査院が国民健康保険などを所管している厚生労働省に対して、適正化するよう意見を示したと報じる。記事によると、会計検査院が25の都道府県にある国保連合会を検査したところ、医療費請求の審査を行う「レセプト審査」のコンピューターチェックが統一されていないことが分かったとのこと。レセプト審査には5136の項目があるが、検査した25の都道府県で採用されている項目の平均数は3940項目で、全てを採用しているところは1つもなかったと記事は伝える。

 公平に対処すべきことに組織的統一性が欠如している統制不備の指摘。会計検査院のサイトにはここに掲出されている。ただ、不当性があるとは認定していないようで、36条適用。

国会・内閣直接報告が報じられている

 日経サイトが12月23日に掲出した「補助金利用基金で管理不備 検査院指摘、情報公開など」〔共同〕は、地方自治体が国庫補助金を利用して設置した基金の実態を会計検査院が調べた結果、事業目的や終了時期といった基本的な情報を公表していなかったり、使用実績が乏しい上に今後の使用見込みも示されていなかったりするなど、管理状況が不十分な基金があることが分かったと報じる。検査院は農林水産省など所管省庁に対し、個々の基金について本当に必要かを検討した上で、不要な資金があれば国庫返納するよう求めたと記事は伝える。

 記事には「求めた」とあるが、会計検査院サイトによると「国庫補助金等により地方公共団体等に設置造成された基金や基金事業の状況、基金規模の状況等について検査を行い、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。」ということのようだ。

道路陥没の原因者負担が徹底されていないことを指摘

 日経XTECHサイトは10月24日に「ニュース解説:土木  路面下の空洞調査、水道事業者などにも費用負担を」〔山崎 一邦=フリーライター〕を掲出し、会計検査院が10月17日、水道管など道路の占用物が陥没の原因となることが少なくないことから、占用物を管理する事業者にも路面下の空洞調査の費用を負担させるべきだと指摘したと報じる。現在、道路管理者だけの負担で調査するケースが大半であるため、国土交通省に改善を求めたの由。記事によると、陥没につながる路面下の空洞を発見するため、国や自治体は毎年、多額の費用を投じて調査会社にレーダーで地中を探査する業務を委託しており、検査院が、国の10機関、13道府県、47市区町の計70機関が2016年度と17年度に実施した空洞調査の状況を検査し、費用の負担や空洞発生の原因などについて調べたところ、154件の調査業務のうち、106件で1309カ所の空洞が見付かり、このうち481カ所は原因を特定できたとのこと。そのうち、道路下の占用物に起因するものは193カ所になっていたとか。

 会計検査院サイトでは、「一般国道等の路面下空洞対策に係る費用の負担について」(PDF形式:298KB)会計検査院法第36条の規定による意見表示を10月17日に行ったことを発表している。

36条行使に当たっては対象を取り上げた背景を説明する必要がある

 日経サイトは10月22日に「架空の納品検査書5件作成 厚生労働省、検査院調査で判明」を掲出し、25~29年度に厚生労働省が外部業者に発注したデータ入力業務94件のうち5件で、期限内に納品されていないのに同省側が「納品された」との架空の書類を作成し、代金計約1685万円を支払っていたと報じる。会計検査院の調査で分かったもので、検査院は同省に契約事務の適正化を求めたとのこと。記事によると、日本年金機構が情報処理会社「SAY企画」(東京・豊島)に委託したデータ入力業務にミスが相次ぎ、年金の過少支給が生じた問題を受け、検査院が厚労省の契約事務の実態について、SAY企画や同業者らに発注した94件を対象に調べたところ、5件で検査担当の同省職員が納品前に虚偽の納品検査書を作成していたとの由。実際の納品は数週間~半年後だったとか。また、SAY企画が同省から委託を受けた業務の一部を下請けに出す際、必要な同省への申請手続きが行われていないケースも25~27年度に計4件(総額約2億2000万円)あったとか。いずれも海外業者に再委託しており、検査院は「機密保持の観点からも適切ではない」と指摘したとのこと。同省監査指導室は「事実関係を確認し、職員の処分も含め厳正に対処するとともに、再発防止に努めたい」としていると記事は伝える。

 会計検査院サイトは、本件について「会計検査院法第34条の規定による処置要求及び同法第36条の規定による処置要求」として掲出している。日経の記事では、検査の背景として「……問題を受け」との記述があるが、発表された本文(PDF形式:409KB)には、問題の記述はあるものの、「問題を受け」などといった記述はない。このため、サイトの発表文は「会計検査院は、合規性等の観点から、厚生労働本省が締結したデータ入力業務等の請負契約等について、会計事務は会計法令等に従って適正に行われているか、契約は契約書、仕様書等どおりに適切に履行されているか、厚生労働省が実施することとしている再発防止策は十分なものとなっているかなどに着眼して検査しました。」という、これだけでは意味不明なものになっている。前段の「会計事務は会計法令等に従って適正に行われているか、契約は契約書、仕様書等どおりに適切に履行されているか、」は常時行っていることであろうし、唐突に再発防止策といわれても意味不明である。

商工中金の危機対応融資

 日経サイトが10月4日に掲出した「商工中金の危機対応融資、所管省庁の承認手続きに問題 会計検査院」は、会計検査院が4日、政府系金融機関、商工組合中央金庫(商工中金)への検査結果を発表したと報じる。同金庫は災害や経済の急変に対処する公的な「危機対応融資」で組織的な不正が29年に判明していており、中小企業庁など所管省庁が十分に調査せずに、融資を認めていたと指摘していて、制度を担う省庁のずさんな対応も浮き彫りになったと記事は評する。商工中金では、税金を原資とする危機対応融資で不正が明らかになっており、これを受け会計検査院が検査していたもので、商工中金は国の危機対応融資の対象になるように、取引先の売上高や純利益の数字などを書き換え、経営悪化で資金が必要なように見せかける不正を全国の支店で繰り返したとのこと。危機対応融資は所管省庁(経済産業省=中企庁、財務省、農林水産省)が大災害や急激な円高などの経営環境の変化を「危機」と認定し、資金繰りが厳しくなった企業に低利・長期で貸し出す公的な制度で、所管省庁が一般の金融機関にとって通常の条件で融資することが難しい状況になったと判断すれば、使えるようになるが、検査結果によると7件あった危機認定のうち、1件を除いて融資が難しいかどうか一般の金融機関への聞き取り調査をしておらず、「可能な限り調査をしたうえで的確に判断する」ように求めたとの由。会計検査院は533の金融機関に危機対応融資に関するアンケート調査も実施しており、この融資のあり方を聞いたところ「見直したうえで存続すべきだ」との回答が54%で最も多く、どのように見直すべきかとの質問には「危機事象の認定を厳格にする」との答えが83%で最多で、「廃止すべきだ」は9%にとどまったとのこと。

 記事がいう会計検査院の検査結果は、会計検査院のサイトに「会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告を行いました。「株式会社商工組合中央金庫における危機対応業務の実施状況等について」」として掲出されている。この検査結果について毎日新聞サイトは「商工中金不正 国の審査に不備複数 会計検査院が指摘」という記事を10月4日に掲出し、「政府系金融機関の商工中金で相次いだ不正の温床となった「危機対応融資」を巡り、国が融資要件の「民間の金融機関による通常の貸し付けが困難な状況」(危機事案)が生じているかを審査する際、民間の金融機関に聞き取りをしないまま認定したケースが複数あることが4日、会計検査院の調べで分かった」と報じている。
 平成20年度決算検査報告には、平成21年次の検査(20年10月から21年9月まで)において検査の対象とした会計として商工中金も記載されており、その注には「「商工組合中央金庫」は、従来国が資本金の2分の1以上を出資している団体であったが、平成20年10月1日に「株式会社商工組合中央金庫」へ転換する際、国の出資の一部が特別準備金に充てられたことに伴い、国が資本金の一部を出資している団体となった。」とある。

東京五輪の取組状況

 朝日新聞デジタルサイトが10月5日に掲出した「東京五輪、3兆円規模に? IOCでも「頭痛のタネ」」〔田内康介、野村周平、前田大輔 編集委員・稲垣康介 高橋淳〕は、「国家的イベントの開催を支えるのに、どれほどの費用がかかるのか。」との書き出しで、4日に発表された会計検査院の調査結果などを合わせてみると、2年後の東京五輪・パラリンピックの関連経費は3兆円規模になると報じる。記事によると、会計検査院が各省庁に、東京五輪・パラリンピックに関連した事業項目の提出を求めたところ、「道路輸送インフラの整備1389億円」、「競技力の向上456億円」、「大会運営に係るセキュリティーの確保69億円」など、その数は286に上ったという。招致前の25年1月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出された立候補ファイルでは、大会経費は8299億円と試算されていたが、28年12月には約1兆5千億円と倍近くに膨らみ、29年12月時点では1兆3500億円となっているとの由。このうち国負担分は約1500億円で、検査院の今回の調査結果は、既にこの約5倍もの国費が五輪関係で支出されていたことを示していると記事は伝える。検査院は、国家的な事業の全体的な経費について「透明化」を求める必要がある、と強調し、大会推進本部事務局には「国民に周知し、理解を求めるため、行政経費によるものも含めて整理し、全体像を対外的に示すこと」を求めたとか。

 4日に発表された会計検査院の報告書とは、29年6月に参議院決算委員会で決定された会計検査要請に対する報告書「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について」であり、会計検査院サイトで公表されている。この報告について産経ニュースサイトは「東京五輪・パラ経費3兆円超か 検査院指摘、国支出8011億円に膨らむ」という記事を10月4日に掲出し、「2020年東京五輪・パラリンピックをめぐり、会計検査院は4日、平成29年度までの5年間に国が支出した関連経費が約8011億円に上ったと明らかにし」、「これまで国の負担分は会場整備費を中心に1500億円としていたが、大きく上回っ」ていて、「検査院は30年度以降も多額の支出が見込まれるとしており、大会組織委員会と東京都が見込む事業費計2兆100億円を合わせると、経費の総額は3兆円を超える可能性が出てきた。」と伝えている。
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