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補助金未竣功の指摘

 西日本新聞サイトが8月21日に掲出した「職員が虚偽の報告書 国に交付金3200万円返還へ 宮崎市が調査結果発表 [宮崎県]」は、宮崎市が20日、26年度に虚偽の実績報告書を出し受け取った国の交付金3200万円を国に返還すると発表したと伝える。想定される加算納付金を含めた4870万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を、27日開会の9月定例会に提案するとのこと。返還するのは民間事業者の食品加工機器設置に対する交付金で、市によると、当時の市工業政策課の課長級職員など3人が、期限となる26年度内に設置が完了しないにもかかわらず、完了したとする虚偽の実績報告書を総務省に提出していたとの由。会計検査院の指摘で今年5月に問題が発覚し、市は、総務部長や顧問弁護士などでつくる調査チームを結成し、事実確認や問題の原因を調査していたという。市がまとめた調査報告書は、問題発生の原因として、(1)関係職員の法令順守と危機管理意識が欠如していた、(2)関係部署で情報を共有し、伝達しなかった、点を指摘し、背景に組織による縦割りの弊害があるとして、組織の情報共有、伝達の徹底を図る対策などを求めたと記事は伝える。食品加工機器は27年6月までに設置されたとか。交付金返還で設置費用は市の負担となり、市は、関係職員に対する処分や損害賠償請求については、会計検査院の決算検査報告が出た後に判断する方針で、戸敷正市長は「市民に申し訳ない」と陳謝し、「法令順守の欠如は職員として考えられない」と話したと記事は伝える。

課題実状点検活動報告:石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給

 時事ドットコムが7月27日に掲出した「ガス液化できず輸入不可=JOGMEC2200億円支援-検査院」は、独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」(JOGMEC)が民間企業への出資などを通じて関与する天然ガスの開発プロジェクト3件について、ガスを液化する設備がないため日本に持ち込めない状況にあることが会計検査院の調査で分かったと報じる。機構は3件に出資や債務保証で計約2278億円を支援しているとのこと。石油や天然ガスの探鉱、開発には多額の資金が必要な上、採掘してみないと資源があるか分からないなどリスクが高いため機構が出資などで企業を支援しており、産出されたガスは、液化天然ガス(LNG)にしてタンカーで日本に運ぶ必要があるが、機構の支援先企業がカナダで開発する天然ガス田では、液化設備の設置計画が中止になったり、遅延したりしていたとのこと。液化設備を操業する企業には機構が直接関与していなかったという。検査院は「緊急時にわが国に持ち込むには、(天然ガスとLNGを交換する)スワップを円滑に行えるようにすることが必要」などと指摘したと記事は耐える。

 記事が取り上げているのは、会計検査院が7月27日に国会と内閣へ提出した直接随時報告「石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給について」(要旨(PDF形式:197KB)・本文(PDF形式:1,313KB))である。この業績監査の背景について、公式サイトで、次のように説明している。

〔平成〕16年2月の機構発足後、上昇傾向にあった石油価格が下落するなど大きく変動した影響を受けて、世界の石油・天然ガスの資源開発は27年以降に停滞しており、我が国の石油等開発企業、商社等における資源開発投資も同様に落ち込んでいる。このため、我が国の石油等開発企業による企業買収等への支援を可能とするために、28年11月に機構法が改正され、機構の機能が強化された。この改正により、機構は、海外の資源会社の買収や資本提携への支援等をしたり、産油国の国営石油企業の株式を取得したりすることが可能となるなど、出資業務の対象等が拡充されることになった。



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国の公監査の改善効果は1514億円

 時事ドットコムサイトが6月29日に掲出した「1514億円を改善=指摘効果の試算公表-検査院」は、会計検査院が29日、官庁や独立行政法人に不適切な会計処理などを指摘した結果、29年9月までの1年間に523件で計1514億円の財務改善効果があったとする試算を公表したと伝える。検査院によると、国の補助金などで設けられた基金の見直しに伴い、26基金から余剰金838億円が国庫に返納されたとのこと。基金からの余剰金返納は前年の1966億円から大幅に減少したとも。

 検査院サイトの公表はこちら。ちなみに、会計検査院の28年度業務費用は159億62百万円。

監査報告とともに「正誤表」も公表

 読売サイトが5月13日に掲出した「政府の活用されない防災情報システム、刷新へ」は、政府が、災害発生時に把握した情報を一元化して共有する「総合防災情報システム」を刷新し、被災状況を一つの画面の電子地図上で即時に表示する新たなシステムを31年4月に実用化して効率的な救助支援に役立てる方針と報じる。記事によると、総合防災情報システムは、内閣府が23年5月から運用しているが、道路の通行止めやガス漏れなどの被害戸数といった被災情報は、関係省庁などから取り寄せた資料をもとに手入力しなければならず、「作業が追いつかない」(内閣府幹部)状況となっていて、システムはほとんど活用されておらず、厚生労働省や文部科学省、警察庁など13省庁が26年4月~28年12月、一度もシステムに接続せず、内閣府も外部配信機能を使用していなかったと会計検査院が今年4月に指摘した経緯があったという。

 会計検査院の指摘とは、4月13日に会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告として公表された「各府省庁の災害関連情報システムに係る整備、運用等の状況について」であろうが、この公表には「修正後」との説明と正誤表も公表されている。これは、報告書を国会議員へ配布していることを反映した措置と言えよう。

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米軍駐留経費に関する随時報告

 会計検査院サイトは4月26日に次を掲出した。

会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告を行いました。
在日米軍関係経費の執行状況等について


 この随時報告について各紙が報じている。時事サイトの見出しは「米軍への施設、25年「放置」も=防衛省に対応要求-検査院」、読売サイトは「停職の米軍従業員、期末手当減額せず…思いやり予算」、朝日サイトは「在日米軍用地、返還合意後も賃借料支払う 国が9千万円」、毎日サイトは「在日米軍経費 複数施設「未合意提供」 交付金算定されず 検査院指摘」。

活動について議会で質される公監査機関

 毎日新聞サイトが4月10日に掲出した「参院決算委員会 詳報」によると、「<決裁文書改ざん>」問題で、会計検査院長が質問を受けたという。その質疑は次のとおり〔発言者名を省略して引用〕。

Q:森友学園への国有地売却に関する会計検査で、正しい資料が提出されていなかった。過去に偽装文書の提出を受けたか。
A:過去20年に検査報告を提起されたものを現時点で調べた限り、決裁文書を書き換えた上で提出されていたものは見受けられなかった。
Q:検査妨害とも言え、悪質だ。会計検査院法26条に抵触するのではないか。
A:慎重に検討する必要があるが、一般論として、提出された資料が真正でなければ、26条に反することがありうる。故意または重大な過失があれば、懲戒処分の要求の対象となりうる。よもや書類が書き換えられているとの思いには至らず、決裁文書の真正性の検証は必ずしも最優先とは位置付けていなかった。

 このように国会で活動について質されることが、財政議会主義下の公監査機関であることを示しており、そのような機会が事実上ない民間企業の財務諸表監査に必要な監査基準が、公監査機関にとって有害無益な理由である。監査基準は活動正当化の盾として機能するからであり、反省改善を監査基準の改正の理由とする途を用意することによって、活動を直ちに反省改善することを妨げかねないのである。

原子力損害の賠償に関する国の支援に関する会計検査

 中日新聞サイトは3月23日に「原発事故、国の利息負担2千億円 会計検査院が試算」〔共同〕を掲出し、福島第1原発事故の賠償費用などとして国が用意した無利子の貸付枠13兆5千億円を東京電力が使い切った場合、全額回収には最長で2051年度までかかり、この間、国には最大で2182億円の利息負担が生じることが会計検査院の試算で分かったと報じる。検査院は「金利が上がれば負担が増え、新たな資金調達が必要になる」などとしたと記事は伝える。

 この会計検査院の試算は同日に参議院へ提出された報告「東京電力株式会社に係る原子力損害の賠償に関する国の支援等の実施状況に関する会計検査の結果について」〔要旨(PDF形式:748KB)本文(PDF形式:9,801KB)〕で明らかにされたもの。この報告は、平成24年8月に参議院から要請があった会計検査の報告書の3回目のもの。1回目は25年10月、2回目は27年3月に行われている。

会計検査院の資料要求権能が国会で質疑されている

 時事通信サイトは3月23日に「会計検査院、財務省に懲戒要求検討=改ざん文書提出で」を掲出し、会計検査院の宮川尚博審議官が23日の参院財政金融委員会で、学校法人「森友学園」への国有地格安売却に関する昨年の同院の検査に財務省が改ざん後の文書を提出していたことを受け、会計検査院法の規定に基づいて同省担当職員の懲戒処分要求を検討する考えを明らかにしたと報じる。会計検査院法31条2項では、検査対象となった官庁の職員が検査に必要な帳簿や証拠書類の提出に応じなかった場合、検査院が懲戒処分を要求できると定めており、宮川氏は「事実関係を踏まえ、法に定められた要件に該当するかについて検討する」と述べたと記事は伝える。

 会計検査院法第31条は「会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員が故意又は重大な過失により著しく国に損害を与えたと認めるときは、本属長官その他監督の責任に当る者に対し懲戒の処分を要求することができる。」と規定し、同条第2項は「前項の規定は、国の会計事務を処理する職員が計算書及び証拠書類の提出を怠る等計算証明の規程を守らない場合又は第二十六条の規定による要求を受けこれに応じない場合に、これを準用する。」と規定している。この第26条は「会計検査院は、検査上の必要により検査を受けるものに帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し若しくは出頭を求めることができる。この場合において、帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出の求めを受け、又は質問され若しくは出頭の求めを受けたものは、これに応じなければならない。」との規定。






会計検査院長が参議院予算委員会理事会で謝罪

 時事通信サイトが3月20日に掲出した「改ざん見抜けず「遺憾」=財務省文書めぐり検査院長」は、会計検査院の河戸光彦院長がは20日午前の参院予算委員会理事会で、昨年11月に学校法人「森友学園」への国有地売却に関する報告書を国会に提出した際、財務省決裁文書の改ざんを見抜けなかったことについて「適切な確認を行わなかったことは誠に遺憾で、大いに反省し、再発防止策を講じたい」と陳謝したと報じる。河戸氏の説明によると、検査院は予算委の要請に基づく検査の過程で昨年4月、財務省近畿財務局と国土交通省から提出された「貸付決議書」の内容が違うことに気付いたが、財務局に照会したところ、「国交省のはドラフト(草稿)」との説明を受け、同省には問い合わせなかったとのこと。改ざんの可能性を考慮しなかったため、報告書では内容が異なる文書の存在を記載しなかったとか。金子原二郎予算委員長は「財務省の説明をうのみにした。内閣から独立の地位を有する検査院に対する国民の信頼を失わせかねない事態だ。猛省を促す」と強く批判したとの由。

 参議院予算委員会は、平成29年3月6日に、会計検査院に対し、学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する状況について会計検査を行い、その結果を報告するよう要請した経緯がある。その報告書は、こちら

当局発表の自主調査結果を踏まえて行う公監査機関の第三者調査

 12月26日にNHKサイトに掲出された「遺骨収集事業めぐる不正経理で厚労省職員65人処分」は、海外に残る太平洋戦争の戦没者の遺骨を収集する事業をめぐって、使途不明金や不適正な経理処理などが明らかになったことを受けて、厚生労働省は65人の職員を停職や減給、または訓告などの処分としたと報じる。記事よると、明らかになったのは会計検査院の検査によってであり、「太平洋戦争の戦没者の遺骨を収集したり調査したりする厚生労働省の事業では、現地で通訳などの費用を支払う場合に備えて、派遣する職員に経費を前払いする制度がありますが、会計検査院の調査で、昨年度までの6年間に880万円余りの使途不明金が確認されました。さらに、前払い金を出発前に旅行会社などに支払うといった不適正な経理処理がおよそ4億5400万円に上っていたことが明らかになりました。」と記事は伝えている。
 「明らかになった」という表現を用いているのは、会計検査院が指摘したというより、契機は厚生労働相自身の調査だったからであろう。平成28年度決算検査報告の不当事項第97号では、次のように説明している。

 厚生労働省は、28 年度に実施した海外遺骨収集等事業において、援護局の職員が車両借 上料の金額を水増しした領収証書により資金を捻出してこれを現地における懇親会費等に充 てるなど、計 14,184 米ドル(邦貨換算額計 1,702,080 円)の前渡資金の経理が不適正であった として、援護局の職員 3 名を処分した旨を 29 年 1 月に公表している。
 そこで、本院は、合規性等の観点から、23 年度から 28 年度までの6 か年度に実施された海外遺骨収集等事業の実施に当たり臨時資金前渡官吏に対して交付された前渡資金の会計経理は会計法令に従い適正に行われているかに着眼して、厚生労働本省において会計実地検査を行った。検査に当たっては、当該 6 か年度における海外遺骨収集等事業の実施に当たり臨 時資金前渡官吏に任命された延べ 295 名(実人数 63 名)に交付された前渡資金 991,530,772 円 を対象として、現金出納簿、前渡資金支払決議書、領収証書及びその他関係書類を精査する とともに、関係者から前渡資金の会計経理の状況を聴取するなどして検査した。
 検査したところ、次のとおり適正とは認められない事態が見受けられた。


 この不当事項の事案名は「海外遺骨収集等事業の実施に当たり、臨時資金前渡官吏が事実と異なる内容の前渡資 金支払決議書を作成するなどして、海外派遣先の現地において事業の実施に必要な経 費の支払を現金で自ら行う場合に限り使用することができる前渡資金を海外派遣に先 立ち国内で使用したり、領収金額を水増しした領収証書を提出させて同額の前渡資金 を支払ったこととしたりするなどしていて、前渡資金の会計経理が著しく適正を欠い ていたもの」と長い。
 
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