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会計検査院は特定秘密保護法の対象外に

 産経サイトが12月10日に掲出した「特定秘密法の対象大幅減 70を28機関に、検察庁除外 施行5年で見直し」は、政府が10日の閣議で、公務員らの機密漏洩に厳罰を科す特定秘密保護法が平成26年12月の施行から5年が経過したのを受け、施行令改正と運用基準の見直しを決定したと報じる。秘密保護法は、国の安全保障に関する重要情報を特定秘密と位置付け、行政機関に厳格な保全を義務付けているが、法の適用対象だった70の行政機関について、検察庁など42機関は5年間で特定秘密を保有した実績がなかったとして除外したため、対象が警察庁や外務省などの28機関と大幅に減るとのこと。除外される42機関は、検察庁、復興庁、国税庁、会計検査院、首相が本部長を務める総合海洋政策本部や知的財産戦略本部などで、引き続き適用対象となる28機関は警察庁、外務省のほか、内閣官房や国家安全保障会議(NSC)、防衛省、金融庁などと記事は例示する。

調査対象の反論を伝えてくれる報道

 テレビ東京サイトは12月4日に「五輪経費 総額3兆円に 会計検査院調査もとに」を掲出し、来年の東京オリンピック・パラリンピックをめぐり会計検査院が4日に、国の支出が2018年度までの6年間でおよそ1兆600億円に上ったとする調査を発表したと伝える。去年からおよそ2,600億円増え、大会組織委員会や東京都の経費と合わせると総額は3兆円を超える見通しとか。調査に対し内閣官房は「オリンピックと関連性の低い事業まで一律に集計されている」と反論していると記事は伝える。

 記事が発表したとするものは、会計検査院公式サイトのトップページに12月4日付けで掲出された次であろう。

国会法第105条に基づく国会からの検査要請事項に関する検査結果の報告を行いました。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について


 そして、次のような説明が行われている。

 参議院決算委員会において、平成29年6月5日、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等について会計検査を行い、その結果を報告するよう要請することが決定され、同日参議院議長を経て、会計検査院長に対し会計検査及びその結果の報告を求める要請がなされた。これに対して、会計検査院は、同月6日、検査官会議において本要請を受諾することを決定した。そして、当該要請により実施した会計検査の結果については、30年10月4日、会計検査院長から参議院議長に対して報告を行ったが、今後、大会の開催に向けた準備が加速化し、令和2年には大会の開催を迎えることになることから、引き続き大会の開催に向けた取組等の状況及び各府省等が実施する大会の関連施策等の状況について検査を実施して、その結果については、取りまとめが出来次第報告することとした。
 本報告書は、上記の引き続き検査を実施することとしたものに係る会計検査の結果について、会計検査院長から参議院議長に対して報告するものである。


 そして概要(PDF形式:67KB)全文(PDF形式:1,940KB)が掲載されている。

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検査報告の確定を待って指摘を公表する流れ

 わかやま新報サイトが11月10日に掲出した「国庫金4900万円過大交付 会計検査院が指摘」は、和歌山県教育委員会が8日、国が教職員の給与の一部を負担する義務教育費国庫負担金の過大交付について会計検査院から指摘を受けたことを公表したと報じる。過大交付分は、本年度中に国に返還する予定としているとのこと。

 8日に公表したのは、会計検査院が8日に内閣に送付した平成30年度決算検査報告(概要はこちら)の確定を待っていたということだろう。同報告に問題の指摘が掲載されている。

平成30年度決算検査報告の内閣送附

 NHKサイトが11月8日に掲出した「「1000億円余の公金 不適切な取り扱い」会計検査院が報告書」は、会計検査院が昨年度、不適切な取り扱いをされた公金が1000億円余りに上ったとする報告書をまとめ、政府に提出したと報じる。記事は、その内容について、去年の西日本豪雨で決壊が相次いだ農業用のため池について、改修が必要かどうかの調査が適切に行われていないことや、大雨などの災害時に高速道路会社が現地対策本部を置く全国の管理事務所などのおよそ2割が浸水想定エリアにあることなど、災害対策に関する指摘が目立っていると伝える。提出した森田院長は「ことしは、たび重なる自然災害に関わる事業について、非常に重要な問題だという認識で取り組んできたので、ぜひ改善につなげてほしい。今後も国民の期待に応える会計検査に努めたい」と話しているとか。日経サイトも同日「税金の無駄、18年度は1002億円 会計検査院指摘」を掲出し、会計検査院が8日、国費の無駄遣いや不適切な経理、税の徴収漏れなど335件、1002億円を指摘した「2018年度決算検査報告」を安倍晋三首相に提出し、公表したと報じる。その内容について、過去10年間で件数は最も少なく、前年度から39件減り、金額は2番目に低く、前年度より154億円少なかったと伝えている。

 会計検査院サイトではホームページに

「平成30年度決算検査報告」を内閣に送付しました。
・「平成30年度決算検査報告の概要」を掲載しました。


を掲出している。その「「平成30年度決算検査報告の概要」を掲載しました。」のリンク先はトップページの常設リンク先「最新の検査報告」となっていて、その内容が次のように更新されている。

会計検査院は、日本国憲法第90条の規定により、国の収入支出の決算を検査し、会計検査院法第29条の規定に基づいて、平成30年度決算検査報告を作成し、令和元年11月8日、これを内閣に送付しました。
また、森田会計検査院長は安倍内閣総理大臣に手交する際に、その概要を説明しました。
この検査報告には、30年度の歳入歳出決算、政府関係機関の収入支出決算などについて、会計検査院が令和元年次中に実施した会計検査の成果が収録されています。
平成30年度決算検査報告の概要
昨年の平成29年度決算検査報告の概要等については、平成29年度決算検査報告からご覧いただけます。あわせてご利用ください。


 その「平成29年度決算検査報告」のリンク先は、従前の「最新の検査報告」の表題を「平成29年度決算検査報告」へ変更したページとなっている。

2カ所への要求を同一文にしている事例

 毎日新聞サイトが10月28日に掲出した「8億円かけた情報漏えい防止システム、一度も使われず廃止 会計検査院指摘」は、サイバー攻撃による政府機関からの情報漏えいを防ぐために総務省が18億円かけて開発した情報管理システムが、運用開始から2年間一度も使われないまま廃止されていたことが、会計検査院の調べで判明したと報じる。データの文字や数字がすべて画像化されてコピーもできない仕組みで、各省庁が利用を希望しなかったという。検査院は28日、総務省が需要を十分把握せずに開発を進めていたと指摘したとのこと。

 会計検査院サイトは28日に「会計検査院法第34条の規定による処置要求及び同法第36条の規定による意見表示」として、その全文(「政府共通プラットフォームにおけるセキュアゾーンの整備について」(PDF形式:783KB))を掲出した。これによると指摘の趣旨は次のとうり。

 総務省において、セキュアゾーンの整備に当たり、需要の把握、利用規模や費用対効果の検討、各府省との調整等を十分に行っておらず、その結果、セキュアゾーンが本来の目的で利用されることなく廃止され、本来の事業効果が発現していない事態は適切ではなく、是正改善を図る要があると認められる。また、セキュアゾーンの整備に関して、予算の把握に基づく調査、調整等が十分でないなど、ITガバナンスが十分に機能していない事態は適切ではなく、内閣官房において改善の要があると認められる。


 前段が総務大臣に対する34条処置要求、後段が内閣総理大臣〔〕に対する36条処置要求ということだろう。サイトでの公表文を見ると、同文を双方に送ったように読めるが、そうなのか? 自分が何を要求されているか分からないのではないか? せめて送附文は別にすべきではないのか?

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普及していないシステムを普及させる事業を指摘

 朝日新聞サイトが10月28日に掲出した「交付金整備の医療システム、4道県で未使用 検査院指摘」は、医療法人などが国の交付金を受けて整備した患者情報の共有システムのうち4都県の4システムが全く使われていないなどとして、会計検査院が厚生労働省に改善を求めたと報じる。記事によると、システムは「医療情報連携ネットワーク」と呼ばれ、カルテなどの電子データを病院や診療所、介護施設との間で共有する仕組みで、厚労省は都道府県の基金に交付金を出し、都道府県は市町村や医療法人にシステム整備費の一部を基金から助成しているとのこと。検査院が、18都道県が25~29年度に支出した交付金約155億円を受けて整備された60システムの運用状況を調べたところ、東京都と千葉、愛知、鳥取各県の4システムは、整備から1年以上経つのに患者の登録がなく、東京都の別のシステムは50人以下だったとか。この5システムには交付金計約2600万円が使われていたという。

 会計検査院サイトには「会計検査院法第34条の規定による処置要求及び同法第36条の規定による処置要求」として、その全文(PDF形式:385KB)が掲出されている。これによると、指摘のポイントは次のとうり。

 事業主体がシステムの仕様の検討及びシステムの動作確認を十分に行っていなかったことから、地域医療ネットが利用可能な状態となっていない事態は適切ではなく、是正及び是正改善を図る要があると認められる。また、基金助成金により整備等を行った地域医療ネットの参加医療機関等及び参加患者が皆無となっていて、システムが全く利用されていないなどの事態、都県において、事業主体に対して、基金助成金の交付申請の際に、参加医療機関等の数及び参加患者の数の目標等を申告させ、これに基づき十分に審査を行うなどしていなかったり、道県において、地域医療ネットを整備した後のシステムの運用状況等を十分に把握しておらず、全く利用されていないなどの状況が継続している事業主体に対して十分な指導等を行っていなかったりしている事態は適切ではなく、改善を図る要があると認められる。


 もともと、時期尚早な仕組みだったのではないか。

当局で明らかにされた問題を別な角度から指摘

 時事ドットコムが10月25日に掲出した「賃金統計で不適切支出=郵送調査に3700万円-検査院」は、厚生労働省の賃金構造基本統計について、不適切な経理処理により約3710万円が支出されていたことが会計検査院の調べで分かり、検査院は厚労省に対し、研修で職員に会計法令の順守を徹底させることなどを求めたと報じる。厚労省の毎月勤労統計の不正を受け、総務省は基幹統計の一斉点検を実施しており、賃金統計でも、統計調査員が企業を訪問して調査票を配布、回収する本来の方法ではなく、郵送による調査が判明したとのこと。検査院が29、30年度に47労働局が支出した約2億3400万円の予算執行状況を調査した結果、全ての労働局で郵送調査を行い、調査員は電話での督促業務などに従事していたとのこと。郵送料や電話料などが過大になり、予算額を超過したため、目的が異なる歳出科目から約3710万円を充てていたとも。訪問のため計上された正規の旅費が流用されたケースは確認されなかったと記事は伝える。

 記事からは、総務省の一斉点検で問題が発見されたかのように読める。そこで、検査院が発表した本文(PDF形式:514KB)に当たると、問題は、郵送調査で行っていたことではなく、その執行方法であった。検査院の指摘は次のとおり。

 労働局において、賃金センサスの実施に要する経費を、貴省本省から示達されるなどした一般会計の歳出科目ではなく、一般会計と区分経理されている労働特会の歳出科目から支出したり、賃金センサス以外の他の業務を実施するために貴省本省から示達された一般会計の歳出科目から支出したりなどしている事態は適切ではなく、是正改善及び改善を図る要があると認められる。


 つまり、当局で明らかにされた問題(訪問調査のはずが郵送調査)を踏まえて、予算の反映されているはずの建前(訪問調査)と実態(郵送調査)との乖離がどのような問題を引き起こしているかを調べて不具合を発掘した、ということだろう。しかし、これは予算執行調査が期待されている役割ではないのか。

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経緯を踏まえた措置を否定する立論

 毎日新聞サイトが10月17日に掲出した「空港使用料、26億円過少 駐車場事業者など 検査院指摘」は、羽田空港の駐車場など、民間事業者による国管理空港の施設運営を巡り、国が民間事業者から受け取る使用料が、利益を少なく計算するなどの誤りにより過去4年で計26億8000万円少なくなっていたことが、会計検査院の調べで明らかになり、検査院は16日、国土交通省に改善を申し入れたと報じる。

 この申し入れは、16日に会計検査院サイトに「国管理空港の土地等に係る行政財産の使用料の算定について」〔PDF形式:428KB〕として掲出されている。「駐車場事業の収益を活用して実施されてきた経緯」を踏まえた措置を否定することで立論している。

FMSに関する報告

 朝日新聞サイトが10月18日に掲出した「戦闘機F35A、1機40億円割高で調達 検査院が報告」〔上沢博之〕は、米国の有償軍事援助(FMS)による防衛装備品の調達状況について、国会からの要請を受けて検査をした会計検査院が18日、検査結果を国会に報告したと報じ、その内容について、米国の最新鋭戦闘機F35Aの調達で、日本政府が国内企業を製造に参画させるなどしたため、1機当たりの調達価格が米国より40億円前後高くなっていたことなどが判明したと伝える。FMSでは、機密性が高く、高性能な米国の防衛装備品や関連の役務が調達でき、支払いは前払いで、納入後、精算されるが、納入まで数年かかり、原価などが非開示で検証や比較が難しいと記事は説明した上で、検査院によると、2017年度の日本のFMS調達は3882億円で、13年度の1117億円の3倍超となっていて、F35Aやオスプレイ、イージス・システム、早期警戒機E2Dなどを調達していると伝える。そして、検査院は、調達が増えているF35Aについて、1機当たりの日本の調達価格を契約内容から算出し、米国が公表した自国向けの調達価格との比較を試みたところ、日本が完成品を調達した12年度の価格は約1・2億ドル(当時の円換算で約97・7億円)で米国より約1270万ドル(同10・3億円)高く、それが日本企業が製造に参画した13年度には約1・5億ドル(同129・6億円)に跳ね上がり、米国との差は4倍の5610万ドル(同46億円)に拡大し、翌年度以降も米国より4千万ドルほど(14年度は同38・8億円、15年度は同47・6億円)高かったと伝える。

 この報告については会計検査院サイトに10月18日に「国会法第105条に基づく国会からの検査要請事項に関する検査結果の報告を行いました。」として概要(PDF形式:77KB)全文(PDF形式:1,374KB)が掲出されている。

 FMSについては、会計検査院は何回も報告を出している。平成になってからは、
・平成9年度決算検査報告で、特に掲記を要すると認めた事項として「アメリカ合衆国政府の有償援助による装備品等の調達について
・平成9年度決算検査報告で、特に掲記を要すると認めた事項として「アメリカ合衆国政府の有償援助による装備品等の調達について
・平成15年度決算検査報告で、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項として「アメリカ合衆国政府の有償援助による装備品等の調達に係る残余資金について、速やかに歳入として国庫に収納するための体制を整備するよう改善させたもの
・20年6月に参議院からあった国会からの検査要請事項に関する検査状況として平成19年度決算検査報告で「防衛装備品の一般輸入による調達について
・20年6月に参議院からあった国会からの検査要請事項に関する報告として21年10月に「防衛装備品の商社等を通じた輸入による調達に関する会計検査の結果について
 今回の報告は30年6月に参議院からあった国会からの検査要請事項に関する報告である。前回の報告では検査の方法として「合衆国政府がインターネット上で公表している防衛装備品の価格についてアメリカ合衆国国防省関係部局へ赴くなどして調査を行った。」旨を報告しているが、今回の報告においては「アメリカ合衆国において、FMSの制度や契約額の根拠、合衆国政府に支払われた前払金の管理方法等について、DSCA、合衆国政府各軍省(陸軍省、海軍省及び空軍省)等の担当者から説明を受けるなどして調査を行った。」と報告している

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農業用ため池の防災工事必要性の判定

 日本農業新聞サイトが10月22日に掲出した「ため池の防災工事 4割不適切に判定 指針順守周知を 会計検査院が農水省に要望」は、会計検査院が21日、農水省に対し、ため池防災減災事業の改善を要求したと報じる。

 この要求は会計検査院サイトに「会計検査院法第36条の規定による処置要求」として全文(PDF形式:437KB)が21日に掲出されている。ただ、この内容は、当局の指導が市町村に対して徹底されていないことを取り上げたもので、現在、農業用ため池の管理者がどういう立場にあるのか、という点をスルーしているように思える。そこには問題がなかったのだろうか。
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