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商工中金の危機対応融資

 日経サイトが10月4日に掲出した「商工中金の危機対応融資、所管省庁の承認手続きに問題 会計検査院」は、会計検査院が4日、政府系金融機関、商工組合中央金庫(商工中金)への検査結果を発表したと報じる。同金庫は災害や経済の急変に対処する公的な「危機対応融資」で組織的な不正が29年に判明していており、中小企業庁など所管省庁が十分に調査せずに、融資を認めていたと指摘していて、制度を担う省庁のずさんな対応も浮き彫りになったと記事は評する。商工中金では、税金を原資とする危機対応融資で不正が明らかになっており、これを受け会計検査院が検査していたもので、商工中金は国の危機対応融資の対象になるように、取引先の売上高や純利益の数字などを書き換え、経営悪化で資金が必要なように見せかける不正を全国の支店で繰り返したとのこと。危機対応融資は所管省庁(経済産業省=中企庁、財務省、農林水産省)が大災害や急激な円高などの経営環境の変化を「危機」と認定し、資金繰りが厳しくなった企業に低利・長期で貸し出す公的な制度で、所管省庁が一般の金融機関にとって通常の条件で融資することが難しい状況になったと判断すれば、使えるようになるが、検査結果によると7件あった危機認定のうち、1件を除いて融資が難しいかどうか一般の金融機関への聞き取り調査をしておらず、「可能な限り調査をしたうえで的確に判断する」ように求めたとの由。会計検査院は533の金融機関に危機対応融資に関するアンケート調査も実施しており、この融資のあり方を聞いたところ「見直したうえで存続すべきだ」との回答が54%で最も多く、どのように見直すべきかとの質問には「危機事象の認定を厳格にする」との答えが83%で最多で、「廃止すべきだ」は9%にとどまったとのこと。

 記事がいう会計検査院の検査結果は、会計検査院のサイトに「会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告を行いました。「株式会社商工組合中央金庫における危機対応業務の実施状況等について」」として掲出されている。この検査結果について毎日新聞サイトは「商工中金不正 国の審査に不備複数 会計検査院が指摘」という記事を10月4日に掲出し、「政府系金融機関の商工中金で相次いだ不正の温床となった「危機対応融資」を巡り、国が融資要件の「民間の金融機関による通常の貸し付けが困難な状況」(危機事案)が生じているかを審査する際、民間の金融機関に聞き取りをしないまま認定したケースが複数あることが4日、会計検査院の調べで分かった」と報じている。
 平成20年度決算検査報告には、平成21年次の検査(20年10月から21年9月まで)において検査の対象とした会計として商工中金も記載されており、その注には「「商工組合中央金庫」は、従来国が資本金の2分の1以上を出資している団体であったが、平成20年10月1日に「株式会社商工組合中央金庫」へ転換する際、国の出資の一部が特別準備金に充てられたことに伴い、国が資本金の一部を出資している団体となった。」とある。

東京五輪の取組状況

 朝日新聞デジタルサイトが10月5日に掲出した「東京五輪、3兆円規模に? IOCでも「頭痛のタネ」」〔田内康介、野村周平、前田大輔 編集委員・稲垣康介 高橋淳〕は、「国家的イベントの開催を支えるのに、どれほどの費用がかかるのか。」との書き出しで、4日に発表された会計検査院の調査結果などを合わせてみると、2年後の東京五輪・パラリンピックの関連経費は3兆円規模になると報じる。記事によると、会計検査院が各省庁に、東京五輪・パラリンピックに関連した事業項目の提出を求めたところ、「道路輸送インフラの整備1389億円」、「競技力の向上456億円」、「大会運営に係るセキュリティーの確保69億円」など、その数は286に上ったという。招致前の25年1月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出された立候補ファイルでは、大会経費は8299億円と試算されていたが、28年12月には約1兆5千億円と倍近くに膨らみ、29年12月時点では1兆3500億円となっているとの由。このうち国負担分は約1500億円で、検査院の今回の調査結果は、既にこの約5倍もの国費が五輪関係で支出されていたことを示していると記事は伝える。検査院は、国家的な事業の全体的な経費について「透明化」を求める必要がある、と強調し、大会推進本部事務局には「国民に周知し、理解を求めるため、行政経費によるものも含めて整理し、全体像を対外的に示すこと」を求めたとか。

 4日に発表された会計検査院の報告書とは、29年6月に参議院決算委員会で決定された会計検査要請に対する報告書「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について」であり、会計検査院サイトで公表されている。この報告について産経ニュースサイトは「東京五輪・パラ経費3兆円超か 検査院指摘、国支出8011億円に膨らむ」という記事を10月4日に掲出し、「2020年東京五輪・パラリンピックをめぐり、会計検査院は4日、平成29年度までの5年間に国が支出した関連経費が約8011億円に上ったと明らかにし」、「これまで国の負担分は会場整備費を中心に1500億円としていたが、大きく上回っ」ていて、「検査院は30年度以降も多額の支出が見込まれるとしており、大会組織委員会と東京都が見込む事業費計2兆100億円を合わせると、経費の総額は3兆円を超える可能性が出てきた。」と伝えている。

労災治療計画加算に関する意見表示

 産経ニュースサイトが9月27日に掲出した「「労災治療加算見直しを」 大多数で治療計画書作成されず 会計検査院、厚労省に改善求める」は、病気やけがを負った労働者の労災診療で入院基本料に加算される「労災治療計画加算」について、必要な労災治療計画書が作成されないなど実態を反映した制度になっていないとして、会計検査院が27日、廃止を含めた抜本的な見直しを行うよう厚生労働省に意見書を提出したと報じる。検査院などによると、労災診療費の算定では、傷病労働者の早期の社会復帰を目的に、原則として労災治療計画書を作成することになっており、1回の入院につき1200円が加算されるが、検査院が労災診療費を算定していた7万6714件(支払額約8958万円)を調べたところ、全件で取り扱いに何らかの不備があることが判明したと記事は伝える。全体の96.2%に当たる7万3818件(同約8616万円)は、労災治療計画書の代わりに、通常の保険診療の入院診療計画書を作成しており、378件(約44万円)はいずれの計画書も作成していなかったとのこと。また、労災治療計画書を作成していても、記載項目が入院診療計画書とほぼ同一だったり、「特になし」「不明」など内容に乏しかったりするものがあったとか。大多数の指定医療機関で不適切な取り扱いが判明した形で、検査院は「入院基本料などに加え、労災治療計画加算を設けた趣旨が生かされていない」と指摘しており、厚労省は産経新聞の取材に「検査院の指摘の通りで遺憾だ。廃止を含めた抜本的な見直しをしていきたい」としているとか。

 会計検査院サイトでは「会計検査院法第36条の規定による意見表示」として掲出している。

アメリカ議会の委員会は会計検査院へ調査を求めることができる

 コインポストが9月21日に掲出した「米国内でも「仮想通貨課税の明確化」を望む声、複数の国会議員がIRS長官に強く要請」〔幸田直子〕は、アメリカ連邦議員5名が、米国国税庁へ仮想通貨課税の明確性を求める書簡を送り、その中で、「下院歳入委員会のこの問題に対する理解がより深まるため、会計検査院へこの件に関する監査に着手するよう求める」としていると伝える。

会計検査院の報告と税制改正

 ダイヤモンドオンラインに掲出された「海外不動産を使う「節税術」風前の灯?会計検査院の影響力が絶大な理由」〔木下勇人:税理士・公認会計士〕は、「2016年11月、会計検査院が「平成27年度決算検査報告」を公表した当時、業界には衝撃が走った。報告の内容が「海外不動産を使った節税スキーム」に対する警鐘だったからだ。」との書き出しで、この節税策が遠からずふさがれるので、早期の実施が必要と説く。そして、遠からずふさがれる根拠として、これまでの指摘例を次のように列挙している〔リンクは本ブログ管理人〕。

(1)小規模宅地等の特例(相続税の大幅節税が可能な特例)に関する規制
 2005年度決算検査報告(2006年公表)による指摘を受けて、2010年度に改正された。これにより、相続税申告での節税戦略に大幅な影響を及ぼす結果となった。
(2)自動販売機設置による消費税還付に関する規制
 2008年度決算検査報告(2009年公表)で、賃貸マンションなどの建築取得にかかわる消費税を、自動販売機を使って還付するスキームが著しく公平性を害すると指摘、2010年に改正された。
 その際、財務省は税制改正要望事項一覧には挙げていなかったにもかかわらず、会計検査院指摘を受けて税制調査会が急遽 動いた経緯がある。それほど、会計検査院による報告は重要視されているのだ。
(3)定期金の評価(保険を使った相続税節税スキーム)に関する規制
 2006年度決算検査報告(2007年公表)で、1億円のキャッシュで個人年金保険に加入し、年金受給権を35年超とすれば評価を2000万円に引き下げることができ、相続税を節税することができるという相続税対策がおかしいと指摘を受けて、2010年度に改正された。
(4)相続税の取得費加算(相続後の土地売却に関する特例)に関する規制
 2011年度決算検査報告(2012 年公表)の、相続税負担のある相続人が相続で取得した土地を売却した場合の税金がかなり優遇される特例が、2014 年度に税制改正された。


 そして、このように反映される理由として「会計検査院が憲法に基づいて設置された“調査機関”だからだ。」と説いている。

組織利益追求行為を隠しおおせなかった咎を、行為した責任者に帰する判決

 毎日新聞サイトが9月19日に掲出した「識名トンネル訴訟 上告受理せず県敗訴 元幹部に返還金請求へ 最高裁」〔琉球新報〕は、沖縄県発注の識名トンネル工事で県が国の補助金を不正受給したとして、住民11人が県に対し、国への補助金返還額のうち利息分の約7178万円を当時担当した元県幹部らに返還請求するよう求めた訴訟で、最高裁第1小法廷が13日付で県の上告を受理しない決定をしたと報じる。これにより、元県幹部2人に請求するよう県知事に命じた一審、二審判決が確定し、県は確定した日から60日以内に2人に返還金を請求しなければならないと記事は伝える。県土木建築部の上原国定部長は、最高裁決定について「県の主張が認められなかったことは残念だ」とコメントし、元幹部への賠償請求手続きについては「今後、代理人弁護士と協議し対応を検討したい」と述べるにとどめたとの由。識名トンネル工事は仲井真弘多氏が県知事だった18年に大手ゼネコンと県内2社の共同企業体(JV)が47.2%の低落札率で受注し、県は着工後に新たに必要となった工事について手続きや工期を偽り、追加で6件の随意契約を結んだとのこと。沖縄総合事務局は24年3月、契約を不適切として県に補助金返還を要求し、県は利息を含む約5億8000万円を返還したとのこと。今年3月1日の二審・福岡高裁那覇支部判決は元県土木建築部長と元県南部土木事務所長に重大な過失があったと認定した一審那覇地裁判決を支持し、県側の控訴を棄却していたとか。住民側は仲井真前知事にも責任があると訴えていたが、一審で退けられ控訴しなかったため、二審で審判の対象にならなかったとのこと。
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補助金未竣功の指摘

 西日本新聞サイトが8月21日に掲出した「職員が虚偽の報告書 国に交付金3200万円返還へ 宮崎市が調査結果発表 [宮崎県]」は、宮崎市が20日、26年度に虚偽の実績報告書を出し受け取った国の交付金3200万円を国に返還すると発表したと伝える。想定される加算納付金を含めた4870万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を、27日開会の9月定例会に提案するとのこと。返還するのは民間事業者の食品加工機器設置に対する交付金で、市によると、当時の市工業政策課の課長級職員など3人が、期限となる26年度内に設置が完了しないにもかかわらず、完了したとする虚偽の実績報告書を総務省に提出していたとの由。会計検査院の指摘で今年5月に問題が発覚し、市は、総務部長や顧問弁護士などでつくる調査チームを結成し、事実確認や問題の原因を調査していたという。市がまとめた調査報告書は、問題発生の原因として、(1)関係職員の法令順守と危機管理意識が欠如していた、(2)関係部署で情報を共有し、伝達しなかった、点を指摘し、背景に組織による縦割りの弊害があるとして、組織の情報共有、伝達の徹底を図る対策などを求めたと記事は伝える。食品加工機器は27年6月までに設置されたとか。交付金返還で設置費用は市の負担となり、市は、関係職員に対する処分や損害賠償請求については、会計検査院の決算検査報告が出た後に判断する方針で、戸敷正市長は「市民に申し訳ない」と陳謝し、「法令順守の欠如は職員として考えられない」と話したと記事は伝える。

平成22年札幌市議会政務調査費

 北海道新聞サイトが8月11日に掲出した「民主会派、政調費返還へ 札幌市議会 二審判決を受け判断」は、平成22年度の札幌市議会の政務調査費(現・政務活動費)を巡る住民訴訟の9日の札幌高裁判決で、政党支部に支出した調査委託費の一部を違法と認定された市議会会派の民主市民連合(当時の民主党・市民連合)が10日、判決を受け入れる方針を決めたと報じる。被告の秋元克広市長も上告しない見通しとのこと。9日の判決では、民主党・市民連合の民主党札幌支部(当時)への調査委託費名目の支出約2100万円について、一審判決に続き、半額の約1050万円を違法と認定し、民主市民連合は10日、違法と認定された支出額の返還を決めたとのこと。会派の桑原透幹事長は「違法ではないと考えているが、近年の司法判断から考えれば受け入れざるを得ない」と述べたと記事は伝える。

 平成13年度の札幌市議会の政務調査費に関する記事はこちら

兵庫県監査委員の30年6月の報告

 兵庫県監査委員が6月4日付で作成している監査報告書は、「平成29年11月29日から30年5月18日までの間に実施した地方機関等の監査の結果」を取りまとめたもの。監査結果として、234機関のうち46機関において指摘事項が93項目あったという。そして、「これらを踏まえて、事務執行を適正・適切に推進していく上で特に必要と思われる項目 を「留意・改善・要望事項」として取りまとめたので、特段の配意を願いたい。」としている。
 記載されている留意・改善・要望事項は4件。このうち3Eに該当するのは「事業実施効果の発現について」の1件で、その内容は次のとおり。

 施設整備に係る補助事業において導入した施設の利用計画に対する利用率が低調な事 例があるなど、事業の実施効果の発現に、より一層配意すべき事例が見受けられた。
 今後執行が予定されているふるさと創生推進事業や県政150周年記念事業なども含め、 事業の準備段階での十分な需要把握、関係団体の費用負担を含めた事業手法の検討、実 施段階での進捗状況の把握、関係団体との連携、実施後における事業効果の評価、事業 の見直しを的確に行い、最少の経費で最大の効果が挙がるよう努められたい。

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課題実状点検活動報告:石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給

 時事ドットコムが7月27日に掲出した「ガス液化できず輸入不可=JOGMEC2200億円支援-検査院」は、独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」(JOGMEC)が民間企業への出資などを通じて関与する天然ガスの開発プロジェクト3件について、ガスを液化する設備がないため日本に持ち込めない状況にあることが会計検査院の調査で分かったと報じる。機構は3件に出資や債務保証で計約2278億円を支援しているとのこと。石油や天然ガスの探鉱、開発には多額の資金が必要な上、採掘してみないと資源があるか分からないなどリスクが高いため機構が出資などで企業を支援しており、産出されたガスは、液化天然ガス(LNG)にしてタンカーで日本に運ぶ必要があるが、機構の支援先企業がカナダで開発する天然ガス田では、液化設備の設置計画が中止になったり、遅延したりしていたとのこと。液化設備を操業する企業には機構が直接関与していなかったという。検査院は「緊急時にわが国に持ち込むには、(天然ガスとLNGを交換する)スワップを円滑に行えるようにすることが必要」などと指摘したと記事は耐える。

 記事が取り上げているのは、会計検査院が7月27日に国会と内閣へ提出した直接随時報告「石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給について」(要旨(PDF形式:197KB)・本文(PDF形式:1,313KB))である。この業績監査の背景について、公式サイトで、次のように説明している。

〔平成〕16年2月の機構発足後、上昇傾向にあった石油価格が下落するなど大きく変動した影響を受けて、世界の石油・天然ガスの資源開発は27年以降に停滞しており、我が国の石油等開発企業、商社等における資源開発投資も同様に落ち込んでいる。このため、我が国の石油等開発企業による企業買収等への支援を可能とするために、28年11月に機構法が改正され、機構の機能が強化された。この改正により、機構は、海外の資源会社の買収や資本提携への支援等をしたり、産油国の国営石油企業の株式を取得したりすることが可能となるなど、出資業務の対象等が拡充されることになった。



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