賠償責任監査事例

 地方自治体職員の賠償責任について定める地方自治法第243条の2第3項は「普通地方公共団体の長は、第一項の職員が同項に規定する行為によつて当該普通地方公共団体に損害を与えたと認めるときは、監査委員に対し、その事実があるかどうかを監査し、賠償責任の有無及び賠償額を決定することを求め、その決定に基づき、期限を定めて賠償を命じなければならない。」と定め、監査委員に賠償責任の有無と賠償額を判断することを求めている。本来、監査人は、二重責任原則からも執行責任を負わないことが望ましいが、統制機能監査の派生として行うことが例外的に求められている。
 したがって、この賠償責任監査を監査委員が行うことは希であるが、無くは無い。9月13日付けで日経新聞に掲出された「知事、県職員に賠償請求へ 森林組合不正巡り監査」は、長野県知事が12日の記者会見で、大北森林組合の補助金不正受給問題に関与したとされる県職員11人に賠償請求するため、監査委員に賠償責任の有無や賠償額についての監査を求めたと発表した、と報じている。

佐賀県監査委員の28年度行政監査の結果は29年9月に提出された

 佐賀新聞サイトは9月19日に「毒劇物管理の「危害防止規定」 県内6割、56機関が未整備 県研究施設や県立学校」を掲出し、毒物や劇物を保有している佐賀県の試験研究機関や県立学校など93機関のうち、60・2%に当たる56機関で国の通知で策定が求められている「危害防止規定」が未整備だったことが、県監査委員の行政監査で分かった、と報じた。
 この行政監査は9月5日付けで議会等へ提出され、公表された「県の機関における毒物及び劇物の適正な管理について」である。

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鳴門市の競艇補助金訴訟で高裁判決

 毎日新聞サイトは8月5日に「競艇補助金訴訟 鳴門市長らに支払い命令 高裁が1億1800万円 /徳島」を掲出し、鳴門競艇場を運営する鳴門市が交付した補助金を返還するよう求めた住民訴訟の差し戻し控訴審で、高松高裁が3日、泉理彦市長らに約1億1800万円の支払いを命じたと報じる。

公立小中学校施設の保全対策

 佐賀新聞サイトは7月29日に「消防設備1000校未修繕 佐賀など19府県の公立小中」〔共同〕を掲出し、文部科学省が28日、会計検査院から27年に消防設備の劣化などを指摘された20府県の公立小中学校2686校を追跡調査した結果、28年12月1日時点でも19府県の1024校で未修繕の設備が見つかったと発表したと報じる。安全面の問題は小さいとしているが、消防法の定めに反するため、自治体に早期是正を指示する方針とか。未修繕の内容は、消火栓や避難経路を示す表示が見えづらくなっている事例が中心で、避難はしごの一部がさびている例もあったとのこと。文科省は「火災報知機の不作動など緊急性の高い問題はほぼ解消したが、緊急性が低い不具合への対応が遅れている」としていると記事は伝える。

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企業立地の補助金不正受給

 日経サイトは8月5日に「復興補助金不正で返還命令 福島県、2億5千万円」〔共同〕を掲出し、福島県が4日、大阪府岸和田市の太陽光発電関連会社「CKU」が、東日本大震災の被災地に進出する企業に交付する復興補助金約2億5千万円を不正受給したとして全額返還を命じたと報じる。県によると、CKUは26年、福島県白河市に新設した熱交換器製造工場の建設や設備導入のため、偽造した発注書を使って「ふくしま産業復興企業立地補助金」を申請し、県から2億5410万円の補助を受けたとか。今年6月、会計検査院の調査で工場が稼働していないことが分かり、同社が県に偽造を認めたとの由。東京地検特捜部は7月、詐欺容疑でCKUの代表取締役の男ら2人を逮捕したとも。

マイナンバーが十分に活かされない実状を報告

 会計検査院は7月27日に「国の行政機関等における社会保障・税番号制度の導入に係る情報システムの整備等の状況について」を国会と内閣に提出した
 この報告について、読売オンラインは「マイナンバー利用、127機関システムで不備」と題して「国民健康保険組合など計127機関のシステムに不備があり、自治体から所得情報を取得できない状態になっている」と伝えた。

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自治体監査制度の充実強化

 地方自治法等の一部を改正する法律(平成29年法律第54号)が6月9日に公布されていた。理由は次のとおり。

 地方公共団体等における適正な事務処理等の確保並びに組織及び運営の合理化を図るため、地方制度調査会の答申にのっとり、地方公共団体の財務に関する事務等の適正な管理及び執行を確保するための方針の策定等、監査制度の充実強化、地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し等を行うとともに、地方独立行政法人の業務への市町村の申請等関係事務の処理業務の追加等の措置を講ずるほか、所要の規定の整備を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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フランス会計検査院は減税の財政への影響を報告している

 ロイターサイトが7月11日に掲出した「仏政府、2018年から減税実施の方針=関係者」〔パリ 10日 ロイター〕によると、会計検査院が先月、今年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比は前政権の予想の2.8%に対し3.2%に拡大するとの見通しを示したとのこと。記事は、先週、フィリップ首相が所信表明で財政赤字抑制のため実施を2019年に先送りする考えを示しているが、フランス財務省の関係者が10日、財源不足の指摘にもかかわらず政府はマクロン大統領が公約に掲げた減税を押し進めるとの見方を示したと報じている。会計検査院は、減税により財政赤字が約80億ユーロ(91億ドル)拡大すると警告しているという。

NHKに関する国会要請検査の結果と対応

 日経サイトが7月6日に掲出した「NHK、子会社の配当額最高の84億円 会計検査院の指摘に対応」は、NHKが6日、子会社の株主総会が全て終わり、29年度の子会社による配当額が総額84億円になったと発表したと報じる。NHKが受け取る金額は56億円で過去最高額になったとか。3月に会計検査院が子会社の利益剰余金を適切にNHKへ還元することが必要と指摘したことに対応したとの由。会計検査院はNHKから業務委託を受けているNHK子会社の利益剰余金をNHKに還元すれば、受信料の引き下げなどができると指摘していたと記事は伝える。84億円の配当後にも配当可能な利益剰余金が125億円残っているとし、上田良一会長は「2~3年をかけてNHKへの還元を進める」と話したとか。

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逓信病院

 会計検査院は28年5月に「日本郵政グループの経営状況等について」と題した会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書(PDF1.65MB)を国会および内閣に提出した。この報告書は「郵政省から現在の日本郵政グループに至るまでの間の組織形態、制度等の変遷、日本郵政グループの損益等の状況、郵便・物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等の各業務の実績等の状況、日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険の株式売却に係る手続等並びに日本郵政株式会社の株式売却収入の復興財源への充当の状況等について検査を実施し、その状況を取りまとめた」もので、その「3 検査の状況」「(3) 各業務等の実績等の状況」「オ その他の事業」では、「(ア)」として「病院事業」を取り上げている。そして、「4 所見」「(1) 検査の状況の概要」では「病院事業については、日本郵政が、26年度末現在で14逓信病院を運営しているが、患者数の減少傾向が続いていて、26年度の外来患者数は延べ約82万人、入院患者数は延べ約30万人となっている。そして、毎年度営業損失を計上していて、26年度の営業損失は60億余円となっており、厳しい経営状況となっている。経常収支率をみると、20年度以降、いずれの逓信病院も50%以上、全体の平均については各年度とも80%前後で推移していて、26年度には78.7%となっているなど、昭和53年度の30.3%と比べて改善がみられる。」とし、「(2) 所見」では「病院事業及び宿泊事業において営業損失の計上が継続していることから、患者の需要に応じた医療や顧客のニーズに対応したサービスの提供等の取組を一層進めるとともに、長期にわたって営業損失を計上していて、今後も改善が見込み難い施設等については、引き続き、譲渡等を含む見直しを検討すること」としている。
 この逓信病院について、CBnewsサイトは1月11日に「札幌や横浜など、3病院を譲渡へ〔CBnews〕」〔2017年1月10日 敦賀陽平・CBnews〕を掲出し、「日本郵政は、札幌市、横浜市、徳島市にある3つの逓信病院を売却する方針を固めた。行政の許認可を得て、4月から譲渡先の法人に経営が移行する見通し。日本郵政は2015年度の決算で、病院事業で52億円の赤字を計上している。残る7病院については当面、経営を続けるが、日本郵政では「売却も含めて検討する」としている。」と報じた。

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