企画運営業務委託の随意契約事由を認容

 毎日jp奈良ページが5月2日に掲出した「平城遷都1300年祭:フォーラム随意契約 県監査委員、住民監査請求を棄却 /奈良」〔野上哲〕は、22年12月に奈良市であった「平城遷都1300年記念グランドフォーラム」の企画運営業務委託を巡る住民監査請求で、奈良県監査委員が、随意契約は違法で高額として、荒井正吾知事らに損害賠償するよう勧告を求めた県市民オンブズマンの請求を棄却したと報じる。県は22年9月、2日間の同イベントについて日本総合研究所、松岡正剛事務所、編集工学研究所の企業体と約5280万円で随意契約を締結していたが、オンブズ側は競争は可能であり、契約は違法、音響や映像の費用なども高過ぎると主張したとの由。これに対し、監査委員は、イベントは同じ企業体が受注した「弥勒プロジェクト推進業務」と関連しており「既に契約した業務と密接不可分で、他に行わせると支障が生じる」などの県側の主張を認め、「裁量の乱用はない」としつつ、一方で、精算報告書などで積算内訳や費用増減の理由が不明確と、問題点も指摘し、県側に「一般競争入札が原則との原点に立ち返り、十分な説明責任を果たす」ことを求めたと記事は伝える。オンブズ側が住民訴訟を検討するとも。

公表資料:概要

大王製紙事案は44%が対応に自信あるがオリンパス事案は17%

 日経電子版が4月25日に掲出した「オリンパス粉飾決算、発見・対応「難しい」6割 本社、監査法人にアンケート」は、日本経済新聞が全国の主な監査法人を対象に実施したアンケートによると、オリンパスの粉飾決算事件について「見抜くのは難しい」「見抜いても対応が難しい」との回答が全体の6割を超えており、不祥事を巡り監査法人の責任を問う声が出ているものの「捜査権はなく一定の限界がある」「世間の期待と監査人が果たす役割にギャップがある」との指摘があったと報じる。調査は4月上旬までに全国の監査法人を対象に実施して、46監査法人から回答を得たもので、調査で同様のケースに直面した場合の対応を尋ねたところ「見抜いても対応が難しい」(37%)「見抜くのが難しい」(24%)との答えが計61%に達しており、「スキームが複雑で、限られた監査時間では解明は難しい」との意見もあり、「発見、対応できる」と答えたのは17%だったとの由。また元会長への巨額融資が問題となった大王製紙のケースでは44%が「発見、対応できる」と答えたものの、「見抜いても対応が難しい」が30%、「見抜くのは難しい」との回答も5%あったとか。

福岡県の包括外部監査は基金と出資団体

 毎日jp福岡版が4月23日に掲出した「県包括外部監査:廃止や見直し、13基金で指摘 /福岡」〔林田雅浩〕は、福岡県の基金、外郭団体などへの出資金について調べた包括外部監査人の公認会計士が20日に23年度の監査結果報告書を県に提出し、この報告書で、13基金について廃止や見直しなどを検討するよう指摘しており、また県出資団体はリスクの高い金融商品「仕組み債」購入を避けるべきだと改善を求めたと報じる。県保有の基金は41あり、残高は3578億円だが、報告書では「基金事業の成果、実効性を調査検証する必要がある」と指摘し、残高ゼロの県営林造成事業振興基金を廃止、10年間購入実績のない県立美術館美術品取得基金の活用見直しなどを改善案として挙げたとか。出資団体については「有効な利用促進策ができていない」として「あまぎ水の文化村」(朝倉市)の解散を勧告し、また県産業・科学技術振興財団など10団体が、利息変動が大きく高リスクといわれる仕組み債計約89億円分を購入し、昨年3月時点で約28億円の評価損を出していると指摘し、うち6団体は義務づけられた県との事前協議もなかったことを明らかにして「県は十分指導すべきだった。(今後は)購入は極力避けることが望ましい」と注文したと記事は伝える。

公表資料:平成23年度包括外部監査結果報告(平成24年4月20日)

トーマツが監査人交替の実効性向上のための大ブロック化と監査実施の品質管理部門設置

 日経電子版が4月20日に掲出した「トーマツ、地方の監査体制を強化 大王製紙の事件受け」は、監査法人トーマツが、4月から監査体制を強化したと報じる。監査を担当する大王製紙で元会長への巨額融資問題が発覚したことなどを受け、より質の高い監査を実施できるよう見直すもので、機動的な人事異動を通じて、特定企業との癒着を防ぐとの由。公認会計士は交代制で、監査報告書に署名する責任ある立場の会計士は担当を継続できる期間が5年だが、これまでは全国を18のブロックに分けて、その内部で交代していたのを東京、大阪など顧客企業の多い主要都市を中核とした6ブロックに再編し、ブロック内の会計士や監査対象の企業の数を増やすとのこと。地方の事務所は会計士が少なく、一定期間を経て再度、同じ企業を担当するケースがあったとか。大王製紙は四国で創業した会社で、トーマツでは高松と松山の事務所で監査を担当していたが、両事務所は責任ある立場の会計士(パートナー)が7人と少なかったとか。監査をきちんと実施しているかどうかをチェックする専門部署も設置して50人を配属しており、これまでも担当とは別の会計士が監査手続きに問題がないか確認する仕組みを取っていたが、リスクが高い企業については専門部署の会計士が担当するとのこと。大王製紙の元会長への巨額融資問題では、弁護士などからなる「特別調査委員会」が、トーマツの対応に問題があったと指摘しており、現在、日本公認会計士協会や金融庁が、監査手続きに問題がなかったか調査していると記事は伝える。

韓国監査院が専門大学を監査

 朝鮮日報サイトが4月18日に掲出した「監査院、多くの専門大学で不正を摘発 国庫補助金や大学の資金、学生の奨学金も横領」〔チョ・ベッコン記者〕は、監査院が最近、全国26の専門大学(日本の短大に相当)に対する監査を行った結果、多くの専門大学で国庫補助金や大学の資金の横領など、さまざまな不正を摘発したと報じる。監査院は17日「過去3年間に国庫補助金を受け取った専門大学26校に対する監査を行い、不正に関与した約10人について、検察に捜査を依頼した」と発表したとのこと。

独法監査基準の改訂

 総務省サイトは3月30日に「「独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書」の改訂」を掲出。内容は次のとおり。

○ 独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書(以下「独法監査基準の報告書」という。)は、これまでの総務省が開催している「独立行政法人会計基準研究会」及び財務省の「財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会」における独立行政法人に対する会計監査人の監査の基準に関する議論の成果を取りまとめたものです。その内容は、独立行政法人に対する会計監査人の監査の基準に加えて、当該基準を検討するに当たって独立行政法人の公共的性格に配慮しつつ議論した事項を含んだものとなっています。また、ここに定める監査の基準は、一般的かつ標準的な監査の基準を示すものであり、ここに定められていない事項については、一般に公正妥当と認められる監査の基準に従わなければならないものとされています。

○ 今般、平成22年3月に、国際監査基準(ISA)における明瞭性プロジェクトへの対応として、企業会計審議会の定める企業会計の監査基準に関し、監査報告書の記載区分及び追記情報などに係る報告基準の改訂が行われたところであり、この改訂を踏まえ、「独立行政法人会計基準研究会」と「財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会」とが連携し、両者の共同ワーキング・チームにおいて、独法監査基準の報告書の改訂案の検討を行いました。

○ その結果、「財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会」(3月21日開催)及び「独立行政法人会計基準研究会」(3月26日開催)において、それぞれ共同ワーキング・チームからの報告を受け、「報告書『独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書』の改訂について」が了承されましたので、別添のとおり、公表するものです。(なお、本件については、財務省においても同時に公表されております。)

○ 添付資料
「独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書」の改訂について
新旧対照表


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通報されたのに是正せずに住民請求監査で指摘された事例

 毎日jp神奈川ページが4月12日に掲出した「横浜市監査委員:下水道料金の不足徴収を市に勧告 /神奈川」〔松倉佑輔〕は、本来より下水道料金が少ないのに差額分の徴収を怠ったとして、横浜市監査委員が10日付で林文子市長に対し、90日以内に徴収すべき差額を算定し不足分を利用者に請求するよう勧告したと報じる。市内の住民が2月に監査請求していたもので、下水道料金は原則、水道使用量を排出量とみなすが、使用量と排出量に差がある事業者に限り、市が排水量を減量計算しており、監査結果などによると、同市栄区のスポーツクラブは16年10月分から減量が認められていたが、22年9月、住民の通報で排水量を計測するメーターが正しく動いていないことが判明し、同市は22年8月分から減量認定を取り消したが、23年10月に再び減量を認めたとの由。その後の排水量の計測値は、直近が2カ月当たり約8100立方メートルで、22年7月までの間の最小値(2カ月で約1800立方メートル)と約4倍の開きがあったとか。

 東京新聞が掲出した「下水道料金 横浜市、6年間過少徴収 40社調査も」〔荒井六貴〕は、横浜市栄区のスポーツ施設の下水道の使用料金をめぐり、同市が16年12月〜22年7月の約5年半にわたり、過少徴収していたと報じる。未徴収額は1億円を超えるとみられ、問題を指摘した市の監査委員は「市は違法、不当に徴収を怠っている」と判断しており、同市は同施設に過少徴収の差額分を請求するとともに、同施設と同じ方法で料金を請求している約40社の調査に乗り出すと記事は伝える。住民監査請求の結果が11日i公表されて明らかになったもので、監査委員は市に使用料金を算定し、90日以内に必要な措置をするよう勧告を出したと記事は伝える。決定は6日付とも。市が徴収を怠っていた施設は「セサミスポーツクラブ大船店」で、プールやテニスコートなどが設置され、会員制で利用でき、監査結果などによると、市は16年10、11月分から、同施設にメーターを設置して排出量の計測を開始しており、10、11月分の排出量は約1万7百立方メートルだったのが、12月と17年1月分からは5分の1の約2千2百立方メートルに減少していて、22年6、7月分まで大幅に少ない状態が続いたとのこと。料金は10、11月分が5百万円で、翌2カ月分から84万円に減少しており、毎月、本来の料金と4百万程度の差額が出たとみられるとか。22年6月、同施設と同じ建物に入る医療機関を経営する男性(63)が「メーターが動いてない」と市に報告し、市が同店に立ち入りで調べ発覚してメーターの使用をいったん取りやめたが、市が是正しないことから、男性が今年2月、監査請求を出したとの由。下水道料金は一般的には使用した水道使用量で算定されるが、水を利用する工場やスポーツ施設などは、水道使用量よりも排水する量が少ないことから、実際の排水量を計測するメーターを設置し、割引料金を設定しており、市環境創造局経理経営課によると、メーターの製造元がメーターを確認しても故障はみられず、原因は不明とか。同課の吉田美幸課長は「料金のチェックをできなかった失態があった」と説明しており、同店の運営会社「セサミ」(東京)は「誠心誠意、対応する」としているとのこと。

公表資料:住民監査請求の監査結果について(監査事務局 監査課)

県監査委員が県警の公用車の事故件数を問題視〔完璧主義?〕

 朝日サイト鹿児島ページが4月13日に掲出した「県警のパトカー、事故35件/定期監査」〔大井穣〕は、パトカーなど鹿児島県警の公用車の事故が昨年度に35件あったことが、県の定期監査でわかったと報じる。人命にかかわる大事故はなかったが、車の修理費などで約512万円かかっており、県監査委員は「公用車に損害が発生している。少しでも事故を減らしてほしい」と県警に注意を促したとか。昨年4月〜今年1月を対象に監査した結果、事故を起こしたのは、県警本部の5部署(交通機動隊、機動隊、公安課、警備課、組織犯罪対策課)と、鹿屋や鹿児島南など11署で、多いところでは修理のために約117万円の出費があったとか。35件の事故うち、緊急走行中に交差点で衝突するなどの人身事故は少なくとも3件で、30件以上は、交差点を曲がる際にブロック塀に衝突したり、駐車場で後退している時に停車中の車に衝突したりと、軽い自損事故だったとか。後退しようとして誤って前方の車に突っ込んだ例もあったとか。県警会計課によると、県警の公有車は所轄署の分も含めて約1500台あり、事故があったのは、このうち2%ほどで、パトロールや捜査でいつも走っていることを考えれば、事故は少ないとも言えると記事は伝える。22年度は32件の事故が起き、修理費などに約532万円かかっているが、21年度は21件で628万円かかっており、県警の車両は少し車体をこすっただけでも修理の対象になり、「自分の車であれば見逃すような傷やへこみであっても、報告しなければならない」(会計課)との由。内部規定の厳しさが事故件数を押し上げている感もあるが、県警は交通の安全を守るのが仕事であり、会計課の担当者は「ちょっとした不注意が事故になることを肝に銘じて、安全確認を徹底していきたい」と話していたとか。

公表資料:平成23年度定期監査(後期)監査結果(PDF:23KB)

補償的補助金を指摘

 テレビ朝日が4月13日に掲出した「会計検査院が農水省に改善要求 補助金など制度」は、会計検査院が、農林水産省が国内の牛肉生産者に支給している補助金などの制度について20年以上見直されず、税金が約46億円も余計に使われたとして制度を改善するよう要求したと報じる。問題の制度は、牛肉の輸入自由化による価格下落から国内の農家を守り、合理化を進めるために元年に始まった「肉用子牛生産者補給金制度」などで、子牛の平均売買価格が一定額を下回った場合に補助金や交付金が出る仕組みだが、実際の平均売買価格は農水省の想定よりも高かったにもかかわらず、一昨年までの3年間だけで46億円余りの補助金などが支払われていたとの由。また、21年、広島県畜産協会が生産性向上のための費用を8万円しかかけなかったのに4000万円も交付した例や、生産性向上の効果が確認できない事業もあったとか。このため、検査院は実態を反映した補助金額を算定できるように農水省に見直しを要求したとのこと。

公表資料:肉用子牛生産者補給金制度における指定肉用子牛の体重の規格の見直しについて

熊本県包括外部監査は指定管理者制度

 読売サイト熊本ページが4月10日に掲出した「県富岡センターの問題指摘…外部監査、町が運営「趣旨と違う」」〔北川洋平〕は、熊本県が、「指定管理者制度」をテーマにした23年度の包括外部監査の結果を発表し、これによると、公認会計士が務めた包括外部監査人は、県野外劇場(南阿蘇村)の入場者数が秋のカントリー音楽フェスティバルに極端に偏っていることや、県富岡ビジターセンター(苓北町)の管理者を町が務め、制度の本来の趣旨と異なるなどの問題点を指摘していると報じる。指定管理者制度は、民間の活力を生かす狙いで、県立施設の運営を企業やNPO法人などに委託するもので、23年4月現在、劇場や福祉施設など49の県の公共施設のうち37施設に導入されており、県野外劇場は、収容人員約5万人の世界最大級の野外ステージで、22年度は21件のイベントが開かれていて秋の「カントリーゴールド」が約2万人を集めた一方で、他のほとんどは数十人程度の催しとか。包括外部監査人は「制度が有効に機能しているか疑問。県外での誘致活動等を積極的に行うべき」と批判したとのこと。劇場を所管する県観光課は「指摘を真摯に受け止め、指定管理者と共に誘致に力を入れたい」としているとか。県富岡ビジターセンターは、天草地方の自然や文化を紹介しようと、17年4月に開館しており、初年度から指定管理者制度を導入し、民間の応募もあったものの、地域の連携などの点で苓北町の方が優れているとして、町が一貫して管理者になっているとの由。料金徴収をしない施設のため、営業利益が出ないことも民間が参入しにくい理由になっているとか。包括外部監査人は、民間の活力活用という制度の目的にそぐわないとして、制度導入の是非を検討するよう求めており、また、町への施設の譲渡や管理権の移管も検討するよう要請したとのこと。県自然保護課は、「町が管理者を務める期限の2013年度末までに町への移管を含めて検討したい」と話しているとか。このほか、熊本市の中心部にある「観光物産交流スクエア」についても、民間の観光物産館との役割分担がはっきりしないとして、施設運営の在り方を検討するべきなどと指摘しているとのこと。

公表資料:平成23年度包括外部監査結果報告書
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