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「違法若しくは不当に財産の管理を怠る事実」に買取り請求権不行使は含まれるのか

 東京新聞サイトが10月12日に掲出した「三島駅南口再開発巡る住民訴訟 地裁が請求を却下」は、東京急行電鉄によるJR三島駅南口西街区再開発事業を巡り、三島市が土地の一部を市土地開発公社から買い取らなかったのは違法だとして、住民団体が市を訴えた訴訟で、静岡地裁は11日、原告の請求を却下する判決を出したと報じる。住民側は、市が公社の保有していた西街区の土地0.31ヘクタールを買い取って転売せず、公社が東急に直接売却したことを問題視し、市が買い取り請求権を行使すれば得られたはずの利益約2億7千万円を得られなかったことが、地方自治法違反にあたると主張したとのこと。裁判長は判決で、「買い取り請求権は金銭の給付を目的とする権利ではない。訴えは不適法」と結論づけたとのこと。判決後、原告で「三島駅南口の整備を考える市民の会」の代表らが会見し、「土地が安く売られていることはおかしい」と話したと記事は伝える。再開発は、市と公社が所有する土地0.34ヘクタールに地上14階建てのホテルを建設するもので、住民団体は平成30年1月と6月に同趣旨の住民監査請求をしたが、いずれも棄却もしくは却下されているとの由。

 

佐賀県監査委員は必要な関係人調査を行っている

 サガテレビサイトが10月11日に掲出した「県議“政務活動費”住民訴訟 一部を認めた判決が確定〔佐賀県〕」は、県議会議員の政務活動費をめぐり議員の1人に不適切な使い方があったとして、574万円余りを返還させるよう鹿島市の住民らが知事に求めた裁判で福岡高裁が、住民側の控訴を棄却し、住民側が上告しなかったため、訴えの一部を認めた判決が確定したと報じる。この裁判は、鹿島市の住民らが県議会議員に支給されている政務活動費について自民党県議1人に一部不適切な使い方があったとして574万円余りを自民党会派に返還させるよう知事に求めていたもので、1審の佐賀地裁は今年2月に「県の条例に基づく政務活動費の運用基準では食糧費にあてることは禁止されている」として訴えの一部を認め、懇談会費として支払われていた3万6千円について、自民党会派に返還させるよう県に命じる判決を言い渡していたとの由。これに対し、住民側が控訴していたが、先月26日、福岡高裁は1審判決を支持し控訴を棄却したとのこと。記事は、住民側が「私たちが問題点を指摘したあと県議のその支出はなくなった。目的の大半は達成された」として上告せず、判決が確定した伝えつつ、県議会が「おおむねこれまでの県の主張が認められた。今後とも政務活動費の適切な執行に努める」とコメントしていているとも伝える。

 本件住民訴訟に係る監査報告書(PDF:304.8キロバイト)は29年1月に公表されている。注目すべきは、支払先の企業に対して関係人調査を行い、「当該従業員の勤務実績、業務内容、政務調査委託料の積算根拠並びに総勘定元帳の雑収入で当該委託料の収入があったこと及び当該従業員へ給料が支払われていたことを確認した」ことだろう。

政務調査費充当で、事務所費の案分を争う訴訟

 紀伊民報サイトが10月8日に掲出した「和歌山県知事が控訴 政調費返還の住民訴訟」は、和歌山県議(元職含む)10人が平成23~24年度に支出した政務調査費(現・政務活動費)の一部が違法だったとして、仁坂吉伸知事に返還請求するよう命じた和歌山地裁判決について、仁坂知事が7日、内容を不服として控訴したと報じる。住民訴訟は、1人が支出した政調費計約1815万円が違法だとして、仁坂知事に返還請求するよう求めていたもので、和歌山地裁は9月20日の判決で、約8割に当たる計約1445万円(10人分)が違法支出による不当利得と認定したとの由。判決では、政務調査用の事務所が他の事務所を兼ねる場合、事務所数で案分した金額を超えた分は、政調費の使途基準に反すると判断していて、同団体が過去2回、起こした同様の訴訟では、いずれも大阪高裁での控訴審で勝訴しているとのこと。仁坂知事は8日の定例記者会見で「オフィスを兼ねる場合、全部政務調査費を充てるのはおかしい。しかし、実質的にほとんど県議としての政務調査に使われている場合、証拠を示せば別の配分があるのではないか」と述べ、案分割合を争点にして、返還請求額の減額を狙う考えを示したと記事は伝える。

嬉野市は議選委員を選出しないことにした

 佐賀新聞サイトが9月10日に掲出した「嬉野市監査委員、政倫審委員選定への住民側請求却下」は、嬉野市の村上大祐市長と民間業者との会食を巡り2月まで開かれた政治倫理審査会で、市の行政法顧問の大学院教授が政倫審の委員を兼任したことは利益相反行為に当たるとした住民監査請求で、市監査委員は「請求の要件を欠く」として却下したと伝える。通知は4日付で、請求者側の「嬉野をよくする市民の会」は、政倫審期間中に支出された日当など計6万7950円を市長が委員に請求するよう求めていたが、監査委員は、住民監査請求の制度が財務会計上の違法性や不当性を対象にしているなどと指摘、今回の請求を「委嘱の違法性そのものの判断を求めている」とし、請求としては「不適法」と判断したと記事は伝える。

地方自治法第第242条第1項 普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもつて予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体のこうむつた損害を補塡てんするために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。

 ちなみに嬉野市市議会サイトには「議員選出の監査委員の廃止について」と題したページがあり、それによると、「監査委員と議会の監視機能における役割分担を考えた場合、監査委員は、専門性のある識見監査委員に委ね、専門性や独立性を発揮した監査を実施され、監査機能の充実強化がより図られることが望ましく、議会は、議会としての監視に集中し、議会の機能強化を図るべきであるとのことから、嬉野市議会では、平成31年4月1日から議員の中から監査委員を選出しないことに決まりました。」とのこと。
 

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監査法人から会計検査院へ

 日経サイトが9月3日に掲出した「会計検査院長に森田氏」は、政府が3日の閣議で、8月15日に退官した柳麻理前会計検査院長の後任に、森田祐司検査官を充てる人事を決めたと報じ、発令は9月3日付と伝えた。そして森田院長の略歴として監査法人トーマツ本部パブリックセクター責任者、同代表社員を経て平成23年2月会計検査院検査官に就任した61歳とも。
 会計検査院サイトもトップページ「新着情報」の「その他」に「9月3日、森田祐司検査官が会計検査院長に就任しました。」と伝え、その直下には「9月2日、新検査官に田中弥生元独立行政法人大学改革支援・学位授与機構研究開発部特任教授が就任しました。」とも掲出しており、それぞれのリンク先は、「会計検査院の組織」のリンク先ともなっている。

参考:会計検査院法第3条 会計検査院の長は、検査官のうちから互選した者について、内閣においてこれを命ずる。

15日に退官した検査官の後任発令は9月2日付

 日経サイトは8月15日に「会計検査院検査官に田中氏」を掲出し、政府が15日の閣議で、柳麻理会計検査院長(同日付で退官)の後任の検査官に、大学改革支援・学位授与機構の田中弥生特任教授を充てる人事を決めたと報じる。発令は9月2日付で、検査院長は田中氏を含む3人の検査官から互選されると記事は伝える。田中 弥生氏(たなか・やよい)氏は59歳で、平14年に阪大院博士号を取得しており、大学評価・学位授与機構教授などを経て、29年4月から大学改革支援・学位授与機構特任教授とのこと。

 検査官は認証官であるため、発令が9月2日になったのは官邸と宮内庁の日程調整の結果と思われる。

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架空売上による利益水増し

 日経サイトが8月13日に掲出した「すてきナイス元会長ら告発、粉飾決算の疑い 監視委」は、住宅関連事業を手がける東証1部上場の「すてきナイスグループ」(横浜市鶴見区)の粉飾決算事件で、証券取引等監視委員会が13日、同社元会長(71)と元副会長(67)、法人としての同社を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで横浜地検に告発したと報じる。監視委によると、告発容疑は2015年3月期の同社連結決算で、同社の在庫物件を巡り架空の売り上げを計上するなどして、利益を水増しした虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出した疑いで、15年3月期の同社の営業利益は本来約4億9800万円だったが、約10億1200万円と水増ししていたとの由。第三者委員会の報告書によると、同社は14年10月時点で15年3月期の業績予想を下方修正しているが、その後も改善が見込めず再度の下方修正を迫られている状態だったといい、本来の損失を隠すために粉飾した可能性があると記事は伝える。

提訴後に弁済が行われた事例

 中日新聞サイトが8月10日に掲出した「安八町への寄付金訴訟で請求棄却 提訴後に町長が同額を弁済」は、安八町が町民2人からの計1万6千円の寄付金の受け取りを拒否したことは違法として、別の男性が、堀正町長に返金による町への損害額を支払うことなどを求めた住民訴訟で、岐阜地裁が9日に請求を棄却したと報じる。判決によると、堀町長は提訴を受け、昨年10月31日に町民に返還した金額と同額の1万6千円を支払っており、裁判長は判決理由で「(堀町長の)弁済により、損害賠償請求権は消滅したと言うべきだ」などと述べたとか。訴状によると、町民2人は2017年11月までにそれぞれ町に8千円を寄付したが、町民が別の住民訴訟を提起したことや、町職員を業務上横領容疑で刑事告発したことなどを理由に、受け取りを拒否されたと主張していたとの由。

新規発掘を称揚する監査を行っていると部下の説明を聞く組織風土が形成される

 日経XTECHサイトが8月9日に掲出した日経SYSTEMS TREND「会計検査院がアジャイルに初挑戦 「要求爆発」の弊害を乗り越える」〔安藤 正芳=日経SYSTEMS〕は、会計検査院が基幹システムを再構築し、官公庁では珍しいアジャイル開発手法と超高速開発ツールを採用して、2019年4月から利用を開始したと報じる。本件については、同サイトが7月24日に掲出したニュース解説「霞が関にもようやくアジャイルの波、会計検査院が得た知見とは」〔安藤 正芳=日経 xTECH/日経SYSTEMS〕において取り上げられており、この記事によると、ビジネスの変化に合わせて、ユーザーの意見を素早く反映させ、使い勝手の良いシステムを構築するのに有用なことから、企業のシステム開発にアジャイル開発手法を用いるケースが増えており、この潮流が官公庁が集まる霞が関にもいよいよ押し寄せてきたとして、会計検査院が、2019年3月31日に「総合検索システム」をアジャイル開発の手法と超高速開発ツールを使って再構築したと報じている。同システムは、各府省などを検査した検査報告案を基にその内容を説明する資料や案件名、金額などを登録する機能と、登録されたデータを検索する機能を備えるもので、再構築前の旧システムは検索機能しか備えておらず、登録はExcelを利用していたとのこと。Excelファイルを共有していたため変更管理の機能もなく、案件の名前が変わると関連する資料を手作業で書き換えなければならなかったとか。会計検査院でシステム再構築のプロジェクトマネジャーを務めた事務総長官房情報システム調査官の副長は「旧システムは検索機能が旧態依然で使いにくい面があり、利用部門と運用保守部門の負担が大きかった」と話しており、そこで、システムのリプレースに伴い、新たに登録機能を追加し、検索機能を強化することにしたという。システム再構築に当たり、IT部門が重視したのは「とにかく利用部門や運用保守部門の全員が便利に使えるシステム」で、利用部門が必要としている機能を把握するため、システムの利用者である約1200人にアンケート調査を行ったところ、「曖昧なキーワードでも検索できる機能が欲しい」「案件を登録する際にタグでカテゴライズしたい」「検索履歴を表示してほしい」といった声が寄せられたとの由。これらの結果を踏まえて、IT部門はシステム再構築に向けた入札募集を行い、入札期間は2018年9~10月で、調達条件には、ウオーターフォール型の開発に加えて、会計検査院として初となる「アジャイル開発」の文言を記載したとのこと。これまで慣れ親しんだウオーターフォール型とアジャイル開発のどちらでも入札できるようにしたわけで、一般に基幹システムのリプレース案件は、最初から全ての仕様を決定できるケースが多く、こうした場合は、アジャイル開発よりもウオーターフォール型のほうが向いていると言えるが、その理由について「現場のIT担当者からの要望があったため」と説明したと記事は伝える。会計検査院のIT担当者は、総務省のモデリング分科会が開催した「超高速開発Liveモデリング」のイベントに参加したことがあり、このイベントで、超高速開発ツールとアジャイル開発の手法を活用し、短時間にシステムを構築していくさまを見学したIT担当者が「アジャイル開発をしたい」と副長に直訴したとの由。

 この開発の入札公告は9月5日に行われており、入札説明会は9月19日、入札期限は10月25日。11月21日に落札者等の公示があり、落札価格は3726万円。

無償譲渡した土地を売却された自治体の損害

 毎日新聞サイトが7月28日に掲出した「ユニチカ住民訴訟 原告市民らが上告へ 名古屋高裁判決不服に」〔川瀬慎一朗〕は、.化学繊維メーカーのユニチカが愛知県豊橋市から無償譲渡された土地を市に返還せず売却したのは契約違反だと訴えた住民訴訟で、市長が同社に請求すべき賠償額を1審判決の約3分の1に減額した名古屋高裁判決を不服として、住民側が上告するとの方針を28日に決めたと報じる。同市内でこの日あった原告団会議で議決したもので、原告団長は「控訴審判決には納得いかない点もあり、最高裁でしっかり判断してほしい」と話したとのこと。1審判決は住民側の訴えを全面的に認め、売却は市の利益を侵害する不法行為に当たるとし、売却益の63億円全額を同社に請求するよう市長に命じていた、16日の控訴審判決は返還義務を事業に直接関係のない用途に使っていた土地に限り、賠償額を約20億9400万円としたという。

 豊橋市監査委員の平成28年度監査公表第2号「住民監査請求:ユニチカ株式会社に対する損害賠償請求の行使を怠る事実について」(PDFファイル/156KB)は、「そもそも豊橋市は本件工場用地の所有権を有していない」という認定をしている。

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